やっぱりキーワードは「今あるものを生かす」こと

ブログ まちづくり

「第3波」は、さざ波から徐々に大きな波に。
 
新型コロナウイルス感染に関しては、そうした感覚に陥らざるを得ない状況となってきています。
 
昨日の新規感染者は、全国で2203人と過去最高を更新。
 
東京の493人を始め、神奈川、埼玉、静岡、長野でも過去最多を更新する事態。
 
福井県は11名。
 
このうち7名は敦賀市で確認されたものであり、市の感染者累計はこれで20名に。
 
これを受け、市ではコロナ対策本部会議を開催し、情報共有と各部局ごとの対策事項が確認された模様ですが、ここ数日の市内感染の起点が日本原電並びに関西電力美浜発電所の原子力事業者からであることを思うとやはり胸が痛むもの。
 
両事業者においては、これ以上の拡大を防止するため、感染の可能性ある社員を全てPCR検査するなどの対応を図っているところであり、沈静化の方向となるよう願い、今日の結果を待ちたいと思います。
 
そうした中ではありますが、私のほうはリスクを見極めながら活動を進めるべく、昨晩は港都つるが主催のセミナーに参加。
 
「地域の資源を生かしたリノベーション」について、その道の第一人者である嶋田洋平様の講演を拝聴させていただきました。
 
戦前戦後と鉄鋼のまちとして栄え、その後八幡製鉄所の縮小とともに急激な人口減少などにより活気を失ってしまったご出身地「北九州市小倉」を何とか再生しようと、「リノベーション」というキーワードをもとに「まちづくり」に取り組まれた実体験をご紹介いただきました。
 
ざっと一言で言うとこのようになる訳ですが、質疑を合わせた1時間半に凝縮された内容は、眼からウロコのことだらけであったことに加え、以前に参加したシンポジウムでも「確信」となった自身の考え「今あるものを生かす」が、さらに確固たるものになるなど、本当に有意義な時間となりました。
 
こうした場にお声掛けいただいた港都つるがさんに感謝申し上げます。
 
実体験に勝る説得力は無いとの言葉通り、絵に描いたような寂れゆくシャッター街、増える空き家、空きビル、空き地をふとした切っ掛けから生まれた「核となるプレイヤー」同士のつながりから、「自分たちで」、「今あるものを生かして」何とかしようと立ち上がった皆さんのキーワードは「リノベーションのまちづくり」。
 
◉若い人がチャレンジする場所がなく(賃料が高い)、東京に本社があるチェーン店ばかりのまち。
◉小さいスタートを切ることがないから育たないという構造的問題に着眼。
◉古い商店街の強みは何か→ここにしかいない人、ここにしかないサービス、ここでしか買えないもの。
◉積み重ねてきた時間の手触りのようなものを大切に。
◉イノベーションとは雇用を作り出すことでもある。
◉まちづくりは、まちのコンテンツづくりであり、まちの最大のコンテンツは「人」
◉まちづくりのリノベーションとは、今あるものを生かして新しく活用すること。
◉外は変わらなくても中身を変え、価値を生み出す→リノベーションとはもう一度「革新」を起こすこと。
◉空き家、空き店舗、空きビルは「まちの宝物」であり、ゆたかな空間資源として捉える。
◉今ストックしているものがあるということは、それだけポテンシャルがあるということ。
◉不動産オーナーとビジネスオーナーをつなぐ役割が「まちづくり会社」。
◉公園のような、人々の安らぎや居場所となるストリートをつくる。
◉縮減引力が強い時代は、民間の賑わいを作り、適切なタイミングで公共投資をすることが重要。
◉リノベーションを最初に行い、不動産価値が上がれば民間は投資する。
◉オーナーの意識が変われば、イノベーションは起こせる。
◉行政の役割は、エリアイノベーションを政策として掲げること、再生のビジョンを明確にすること、民間を後押しする姿勢、補助金ではなくファイナンス(融資制度等)でバックアップする仕組みづくり。
 
羅列して恐縮ですが、私がポイントとメモした点は以上のこと。
 
これらをまさに、嶋田さんらが実際に行ったことであり、「核となる人」が始めたことは次々に「共感を呼ぶ人」に伝播、シャッター街は新たな明るさと賑わいを取り戻し、新たな雇用や趣味を生かす場(主婦の皆さんも)を生み出し、面白いまちに人は定住・移住し、働く女性や子どもが増えた(祭りが復活!)。
 
こうした取り組みに、行政は政策の方向転換を図り、民間(銀行や不動産会社)も共同体として参画した。
 
こうして書いていることは小倉市で実際にあった成功体験な訳でありますが、「小倉で出来たことは敦賀でも出来ること」でもあります。
 
嶋田さんが敦賀のまちを歩かれた感想は「ポテンシャルと可能性しか感じない」だそうです。
 
「リノベーションとまちづくり」の第一人者がそう仰られ、次も早目に敦賀に来たいと最終電車で帰京されたことを裏返せば、それだけ魅力あるまちと感じていただいたということでしょう。
 
嶋田さん然り、ここ最近のシンポジウムや講演会で耳にしたことに共通しているのは、「敦賀は魅力と可能性あるまち」ということと、そんな敦賀の「今あるものを生かす」ことが「まちづくりのカギ」ということであります。
 
私自身が「確信」とする考えもそのことであり、この先「革新」と出来るかどうかは、これからの行動次第。
 
「知って行わざるは知らぬことと同じなり」の教えを胸に、考えを共有する皆さんとともに提言・活動していきます。
 

【このストリートこそ敦賀の「ここにしかない」ポテンシャルであり可能性!】