いよいよ夏本番。今夏の電力需給予想は?

エネルギー ブログ

毎週水曜日の朝は、名子ヨットハーバー前での辻立ちからスタート。
 
昨日も一緒に立ってくれる労組役員と「朝から陽射しが強いね〜。そろそろ梅雨明けかな〜。」などと会話をしていた訳ですが、その後何と、午前中のうちに気象庁が「北陸が梅雨明けしたとみられる」と発表しました。
 

【名子での辻立ちの風景(昨日の相方が撮影)】
 
北陸地方においては、平年(7月23日ごろ)より9日早く、昨年(8月1日ごろ)より18日早い梅雨明けとなり、梅雨入りが発表された6月18日から、一昨日7月13日までの降水量は、福井で279.5ミリ(この期間の平年値は222.2ミリ)となったそう。
 
幸にして、ここ敦賀では梅雨時期に大きな災害は発生しなかったものの、こうして降水量が50ミリ以上も増加していることを見るに、安堵することなく夏場以降のゲリラ豪雨や台風も想定しておく必要があるものと考えます。
 
さて、とはいえ、いよいよ季節は夏本番。
 
猛暑への警戒とともに、やはり気になるのは電力需給であります。
 
この電力需給に関しては、今冬、全国各地で予備率3%を切るなど極めて深刻な需給逼迫となったことは記憶に新しいかと思いますが、こうした状況を踏まえ、電力広域的運営推進機関(OCCTO)が4月7日に「2021年度夏季及び冬季の計画的な供給力確保に係る小売電気事業者への送付文書」を発出し、要請を行っています。
 
【送付文書のポイント】
◉高需要期までに電源トラブルなど供給力の減少や厳気象などにより、需給ひっ迫が生じる可能性も否定できないと考えている。
◉供給力減少の要因として高需要期に電源補修停止が多く計上されたことにあり、本機関としても発電事業者に対して電源補修時期を変更するなどの調整を申し入れているところですが、仮に発電事業者が売り先の決まっていない電源を停止した場合、需給ひっ迫が発生しても直ちに起動できないおそれもある。
◉このため、小売電気事業者の皆様におかれましても高需要期において調達先未定の供給力確保が難しくなることも想定されることから、可能な限り取引所を介した先渡取引や相対取引などを活用した早期の供給力の調達に努めていただくようお願いする。
 
また、その後、5月25日には、経済産業省総合資源エネルギー調査会「電力・ガス事業分科会電力・ガス基本政策小委員会」(以下、小委員会)において、「2021年度夏季の需給見通し・対策」が取りまとめられ、今夏は、安定供給に最低限必要な予備率3%を確保できる見通しにあるものの、例年どおり、無理のない範囲での効率的な電力の使用(省エネ)をお願いするとしています。
 
この長い名前の委員会は、電力需給対策に万全を期すため、電力広域的運営推進機関(先ほどのOCCTO)において、全国の電力需要が高まる夏と冬の電力需給について検証を実施しており、この検証結果を踏まえ、小委員会において、検証の妥当性の結果を確認し、需給見通し・対策を取りまとめるというもの。
 
こうした背景・目的を踏まえ、5月25日に開催した第35回小委員会にておいて確認された、「2021年度夏季の電力需給見通し・対策のポイント」では以下のように述べています。
 
(1)2021年度夏季の電力需給については、全国で電力の安定供給に最低限必要とされる予備率3%を確保できる見通しです。ただし、昨年度の冬に需給のひっ迫を経験した中で、安定供給の確保に万全を期す観点から、一定の対策をとります。
 
(2)電気事業者(発電・小売電気事業者)に対しては、供給対策・市場対策に関する要請を行います。また、需要家の方々に対しては、節電要請は行わず、ここ数年と同様に無理のない範囲で効率的な電力の使用(省エネ)への協力を呼びかけます。需要家の皆様におかれては、普段どおりの生活を続けていただきつつ、電力の効率的な使用を心がけていただくようお願いします。
 

【2020年度冬季の電力需給実績の振り返り及び2021年度夏季の需給見通し・対策について(2021年5月26日 経済産業省資源エネルギー庁資料より抜粋)】
 
小委員会における電力需給検証結果の確認時点から、原子力発電では関西電力の美浜3号機、大飯3号機が再稼働を果たしたことや、計画外停止中の火力発電(電源開発橘湾1、仙台4)の復旧前倒し等により、主に中西エリアで予備率が改善しているとはいえ、上表の数値は、エリア間での融通を勘案したものとなっていることなど、やはり予断を許さない状況にあると認識しておくべきと考えるところです。
 
こうした中にあって、効果は小さくとも、家庭においても効率的な電気の使用を心掛けるとともに、いかなる厳暑になろうとも電力の安定供給、ライフラインを守るため尽力されている電力マンの存在があることを忘れずに、この夏を過ごしていきたいと思います。