「原子力立地地域特措法案」の期限を10年延長する改正法案が可決成立

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これまで敦賀市議会、昨日は嶺南広域行政組合における議案や審議の状況をご報告してきましたが、今日は関心を持って見ております国会の動向について。
 
まずは、原子力発電所立地地域にとって大変影響の大きい「原子力発電施設等立地地域の振興に関する特別措置法一部を改正する法律案」(原子力立地地域特措法)。
 
この法案に関しては、原子力発電施設等の周辺の地域について、地域の防災に配慮しつつ、総合的かつ広域的な整備に必要な特別措置を講ずること等により、これらの地域の振興を図ることを目的としており、この期限が令和2年度末をもって期限切れとなることから、有効期限を10年間延長する改正法案であった訳ですが、26日に開会された参議院本会議において、自民、公明、国民民主などの賛成多数により「可決成立」しました。
 
改正法案の成立により、原子力地地域特措法の有効期限は令和3年3月31日から令和13年3月31日までの10年となり、この法案成立を受け敦賀市など原子力発電所立地自治体で整備中の約130件の防災インフラ、76市町村の災害時の円滑な避難につながるとともに、企業投資や誘致の支援を継続することで立地地域の振興が図られるとしています。
 
【改正法案の概要】

 
敦賀市においては「単純延長(内容そのままで期限のみ延長するとの意)だけでもありがたい」との本法案に対するスタンスを伺っているところでありますが、ふと思い返せば、立憲民主党の斉木武志代議士が衆議院内閣委員会で本法案を「カビの生えた法案」と発言したことへの抗議(敦賀市の)に対し、その後代議士は何かリアクションされたのでしょうか。
 
「地元」の議員というからには、その「地元」から抗議されたことに対し、最低でも真意の確認くらいはされているものと思いますが、ノーリアクションなのであれば、「地元」との関係をも無視しているとしか思えないので、本件については私も市議会議員の立場として、市に確認しておきたいと思います。
 
次は何と言っても来年度一般会計予算。
 
これに関しては既に大きく報道されていることですので、私が言うまでもない訳ですが、9年連続で過去最大を更新する106兆6097億円の予算案は、同じく26日の参議院本会議で自民、公明両党などの賛成多数で可決成立。
 
当初予算として100兆円の大台を超えるのは3年連続とのこと。
 
本会議に先立つ参議院予算委員会の締めくくり質疑で、菅首相は「新型コロナの感染再拡大を防ぐことを最優先に取り組みながら企業と雇用、暮らしを支える」と強調、さらに「経済をしっかり回復させ、新たな成長軌道に乗せていくことも大事だ。令和2年度第3次補正予算や3年度予算を活用し、日本経済全体を活性化させたい」と訴えており、コロナを巡る19兆円超の追加経済対策経費、社会保障費は過去最大となる35兆8421億円としたことに留意をし、本予算がその趣旨目的に照らし、真に地域の隅々まで行き届くよう、これは地方議員のひとりとして強く認識しておきたいと考えます。
 
さらに注視しておきたいのは、国家防衛に関する事項。
 
昨日のブログでも北朝鮮のミサイル発射に加え、尖閣諸島では中国が海警法を携え実効支配しようとすることへの法案整備が必要ではと記載しましたが、26日、国民民主党がまさに、中国が海警局の武器使用権限を明確化した海警法を施行したことに対応するための提言を纏めたとのこと。
 
尖閣諸島周辺で海警局船と対峙する海上保安庁に対する自衛隊の支援を強化し、警戒監視活動を自衛隊の本来任務とするための自衛隊法改正を柱に計9項目を政府に求めたとあり、自衛隊法の改正では、訓練を受けた中国の「偽装漁民」が尖閣諸島に上陸するケースを想定し、海上保安官を先行上陸させるため、自衛隊が輸送や補給といった業務を海保に提供することを明記するほか、自衛隊の哨戒機などによる情報収集・警戒監視活動は現在、防衛省設置法の「調査・研究」が根拠となっていることから、これらを自衛隊の本来任務として自衛隊法に盛り込んだ内容。
 
併せて、中国の海警法が「国際法違反」だと国際社会に周知することを始め、海保の装備充実や人員増強なども求めており、同党安全保障調査会長の前原誠司元外相は、国会内で記者団に対し、提言を与野党に説明し、議員立法による自衛隊法改正を目指す考えを示しました。
 
「厳重抗議」の言葉だけではなく、我が国固有の領土が実効支配の脅威に晒されている状況において毅然と対応することは、独立国家として当たり前のことであり、今後、この自衛隊法改正に与野党がどのように対応するのか、しっかり見届けたいと思います。
 
エネルギーと外交防衛は国家の根幹に関わることであり、極めて現実的な政策でなければ国家は沈没する訳であり、そうした現実論で物事を考えられる政党か、理想論でしか述べられない政党かを見極めることにつながる国民民主党の意見提起は、次期衆議院選挙に向けて極めて大事な論点と考えるところであります。