2024年10月23日
「日田彦山線BRTひこぼしライン」を視察
衆院選の最中ではありますが、昨日と今日は※嶺南広域行政組合議会の令和6年度行政視察に参加しています。
※嶺南広域行政組合
福井県嶺南地域の活性化や公共交通機関の利用促進等を目的とした事務を行う組合。2市4町の各議会から選出された21人の議員、米澤敦賀市長を管理者ならびに他5市町の首長(敦賀は副市長)を副管理者とする執行機関で構成される。
同組合議会では、年に一度、抱える課題の解決や改善に向けた参考にすべく、先進地への視察を行なってきており、北陸新幹線敦賀開業を踏まえ、当組合構成市町においては、当面の間、終着駅となる敦賀駅で降車した観光客等を当地域全体で受け入れるため、公共交通の充実に取り組んでいることから、今年度は、福岡県添田町~大分県日田市で運行されている「BRT(バス高速輸送システム)」を視察先に選定。
まずは、添田町役場にお伺いし、寺西明男 添田町長、池口大和 添田町議会議会運営委員長より歓迎のご挨拶をいただいた後、ご担当の方々より「BRT」開業までの経緯や沿線地域の振興、添田町の取組みなどについてご教授いただきました。
【JR九州の「日田彦山線BRTひこぼしライン」紹介ページ】
ご説明によれば、そもそもの発端は、平成29年7月に発生した九州北部豪雨。
これにより、添田~夜明橋梁損傷や土砂崩れなど63ヵ所が被災し、復旧費約70億円と試算され、JR九州は単独での復旧を断念。
翌8月からは同路線の代行バスを運行しつつ、JR九州は沿線自治体に協議申し入れ。
平成30年4月には、第1回 日田彦山線復旧会議を立ち上げ、福岡県知事、大分県知事、東峰村長、添田町長、日田市長、JR九州代表取締役社長を委員とし協議を開始。
課題1として、鉄道で復旧するための方策に関する検討をすること、課題2には、復旧後の日田彦山線の継続的な運行の確保について検討することを挙げ、これら課題解決のため日田彦山線復旧会議検討会を設置。
検討会の過程においては、復旧費用を約78億円に上方修正したほか、JR九州からは1,6億円の自治体負担の申入れがあり、各自治体からはJR九州に対し同負担金の見直しを依頼するなど、費用負担を含めた協議が難航。
JR九州からはネットワーク維持の考え方と3つの復旧案(鉄道、BRT、バス)が提示され、速達性や利便性、初期費用や維持費用などの比較検討を行った結果、最終的に「BRT」にて復旧することに決定したとのこと。
経過説明の後、福岡県日田線沿線地域振興協議会(福岡県・添田町・東峰村で形成)を設立の上、10億円の振興基金を設置したことや、添田町としてのBRT利用促進、生活の利便性向上、さらには交流人口増加に向けた取組み内容についてご教授いただいた次第。
町役場での説明を終え、その後は実際にBRTに乗車し日田市まで移動しましたが、鉄道とBRTとの接続駅となる添田駅では、両車両が並ぶ姿を拝見しつつ、線路部分をバス専用道路やバス専用車線などに整備した「BRTひこぼしライン」を実乗車体験したところです。
【BRTと鉄道車両が並列する添田駅。下の写真はホームの路面表示。】
本日はさらに行程を進め、大分県豊後高田市へ。
全国的に人口減少が進む中、「住みたい田舎ベストランキング」において、12年連続ベスト3を達成している同市の移住・定住の取組み状況を視察してまいります。