新幹線は地域と地域をつなぐもの

ブログ まちづくり

タイトルを読むと「そりゃそうやろ」との声が聞こえてきそうですが、昨日出席する機会を頂戴しました、国土交通省鉄道局長の水嶋智様のご講演から感じたのは改めてこのキーワードでした。

Facebookにも記載したのですが、この講演の内容を会場の皆さんだけのものにしておくのが勿体無いと感じましたので、本日はその概要を議事メモ的に書き留め投稿に代えたいと思います。

まず冒頭の高木毅衆議院議員のご挨拶から。

北陸新幹線金沢開業は3月14日。鉄道ダイヤ改正が3月中旬であることとの関係と思うが、そうとすれば敦賀開業は2023年の3月11日(土)若しくは18日(土)になるのではないか。
敦賀開業以降、小浜ルートを「切れ目なく」工事をし、つなぐとの観点において、最大の課題は2兆1千億円と言われる財源。
2023年度予算をどこから捻出していくかがネックであるが、敦賀終着駅効果ではなく、早期に新大阪までつなぐことが重要とし、今後も取り組む。

次に、水嶋鉄道局長からのご講演概要。
議事メモ的に記載しますがご容赦のほど。

思いを込めてご講演される水嶋鉄道局長

◉水嶋局長が敦賀を訪れたかった理由
・敦賀は、物流の拠点、港と鉄道のまちとして栄え、国交省そのもののまちであること。
・古より大陸からの入口は日本海。20世紀初頭の貿易拠点に挙げられ、当時の世界地図にも刻まれた大変興味あるまちであること。

◉新幹線について
・速度スペックは320km/hであるが、騒音の問題あり。北陸は260km/h運行。
・現在、新幹線利用者は年間4億人(外国人含む)
・国鉄末期の昭和50年台は、工事が停滞したが、分割民営化以降は新幹線整備が進んでいる。
・他エリアの新幹線は、何かと調整事項があるが、敦賀にはあまり無いため最も盛り上がれるまちではないか。

◉北陸新幹線について
・小浜ルートまで完成すれば、小浜−新大阪間は17〜18分となる。
・北陸新幹線は改良に改良を重ね、雪には強い。その代わりトンネルも多い。
・金沢開業により、北陸から関東への結び付きが強くなった。
・国は観光立国を掲げているが、人口集積地から地方へ活力を与えることも狙いのひとつ。
・本当に作業員がいない、資材の高騰などで、当初予算では足りなくなりつつあるため、次年度予算の財源確保を目指し、取り組んでいる。

◉敦賀以西について
・敦賀〜新大阪間の計画が遅れを取らないよう、環境影響評価の手続きが実施されている。

◉新幹線と観光地域づくり
・敦賀の方は東海道回りの方が近いと思われるかもしれないが、北関東は圧倒的に敦賀と近くなる。
・例えば埼玉の大宮は130万人都市。埼玉県は800万人が住んでおり、今後沿線内の交流を盛んにしていくとの発想が必要。
・函館に仙台の方が多く訪れるようになっている。日本中の地域の結びつきは強まってきている。
・15年間で訪日外国人旅行者は6倍に増え、3,000万人に。
・福井県は欧州からの観光客がやや多いのが特徴。各まちごとに、状況に応じた戦略を立てることが重要。
・国の観光ビジョンでは、2020年には4,000万人訪日、ひとり20万円使う試算で8兆円、2030年には15兆円を目指している。

◉その他(敦賀の可能性や質疑応答など)
・昨日、金ヶ崎緑地を訪れたが、市民の皆さんや高校生が一体となって55万球のLEDを設置し、そこに機関車のネオンがあることに感動した。
・これに表れる敦賀人の手作り感や心意気こそが、成功の答えと強く感じた。
・先般の千曲川車両基地水没に関して、敦賀の方はと言えば、ハザードマップも確認し、13mの盛土を行っており問題ない。
・台風被害による北陸新幹線の運行については、唯一互換性のある上越新幹線との車輌受け入れなどにより稼働率を上げるべく対応しており、年度内には100%復旧、輸送力を高めるべく進めている。
・滞在型観光(宿泊)については、朝・晩にイベントを催し、敦賀に泊まらないといけない理由をつくることが肝要。
・丹波篠山では、古民家改造による「まち全体が宿泊所」のコンセプトのもと、大きな古民家を宿泊受付、レストランとし、街中に人の流れをつくることで、店も出店してくるなど効果を挙げているところもある。
・新幹線は、エリア全体の知名度を上げる、沿線価値を上げる効果があるとともに、地域と地域の関係性を高めるものである。

以上、議事とさせていただきます。

ハードをまちづくりにどう生かすかは、その土地に住む皆さんの思いと心意気!
局長が仰られた、「成功の答えが敦賀にはある」との言葉を胸に、その輪を広げ、市民全体で盛り上げていきましょう!