「現実的な」原子力政策について検討を指示

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昨日は敦賀市議会の広報広聴委員会を開催。
 
以前より検討を続けている「議会広報の拡充」について、委員の皆さんの建設的な議論により、一定の結論を得ることができました。
 
常任委員会のインターネット公開などに関しては、実施に向けた課題認識をしつつ、有権者のご理解、議会改革にもつながるものであることから、今後、議会全体でも前向きに議論がされるよう努めていく所存です。
 
さて、本件に関し、私自身は、本委員会の委員長として、今議員任期中に答えを見出す思いで取り組んでいる訳ですが、程度の違いはあれど、同じく昨日、岸田首相が大きな判断をされました。
 
24日、総理大臣官邸で開催された第2回GX(グリーントランスフォーメーション)実行会議では、日本のエネルギーの安定供給の再構築について議論が行われ、総理大臣公邸からオンラインで出席(コロナ療養中につき)された岸田首相は、今後の原子力発電の取扱いについて、明確な検討指示を出されました。 
 

【第2回GX会議の様子(首相官邸HPより)】
 
発言の趣旨を含め、正確を期すため、以下、首相官邸ホームページ掲載の当該部分を引用します。
 
【岸田首相の発言】
 
ロシアによるウクライナ侵略によって、世界のエネルギー事情が一変し、かつグローバルなエネルギー需給構造に大きな地殻変動が起こっている中で、我が国は今後の危機ケースも念頭に、足元の危機克服とGX推進をしっかり両立させていかなければなりません。
 
電力需給ひっ迫という足元の危機克服のため、今年の冬のみならず今後数年間を見据えてあらゆる施策を総動員し不測の事態にも備えて万全を期していきます。特に、原子力発電所については、再稼働済み10機の稼働確保に加え、設置許可済みの原子力発電所再稼働に向け、国が前面に立ってあらゆる対応を採ってまいります
 
GXを進める上でも、エネルギー政策の遅滞の解消は急務です。本日、再エネの導入拡大に向けて、思い切った系統整備の加速、定置用蓄電池の導入加速や洋上風力等電源の推進など、政治の決断が必要な項目が示されました。併せて、原子力についても、再稼働に向けた関係者の総力の結集、安全性の確保を大前提とした運転期間の延長など、既設原発の最大限の活用、新たな安全メカニズムを組み込んだ次世代革新炉の開発・建設など、今後の政治判断を必要とする項目が示されました
 
これらの中には、実現に時間を要するものも含まれますが、再エネや原子力はGXを進める上で不可欠な脱炭素エネルギーです。これらを将来にわたる選択肢として評価するための制度的な枠組、国民理解を更に深めるための関係者の尽力の在り方など、あらゆる方策について、年末に具体的な結論を出せるよう、与党や専門家の意見も踏まえ、検討を加速してください
 
以上が、首相の発言となります。
 
国が前面に出て、東海第二や柏崎刈羽6,7号などのプラントを再稼働させることは、厳しい東日本の電力需給改善に直結するほか、原子力発電所を保有する企業の投資予見性を高める(より安全性を高めるとの意)長期運転、さらには政府が昨年閣議決定した「第6次エネルギー基本計画」で一言も触れられなかった新規建設に踏み込んだことは大いに歓迎する次第であり、検討に留めることなく、これを明確に政策転換することで、確実な実用化を図っていただきたいと考えます。
 
とりわけ、次世代革新炉で区分されるのはどの範囲までかについては非常に関心が高まるところでありますが、首相の発言趣旨からすれば、私自身は当然、安全性を高めた改良型軽水炉を含むものと認識するところです。
 
いずれにしても、昨日は検討指示があったところであり、今後の各省庁、有識者の検討にあたっては、こちらも当然、原子力発電所立地地域の声を反映したものになると期待をし、そうなるよう自身も微力ながら尽力する所存です。

東京電力柏崎刈羽原子力発電所6、7号機「特重施設」の申請を許可

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8月5日の記録的な大雨以降、このブログのカテゴリーも「防災」に分類することが多くなっておりますが、天気を心配する日が続いています。
 
今朝も慌ただしく届く敦賀市緊急情報(トンボメール)ですが、3時23分には福井県竜巻注意情報、4時16分には大雨(土砂災害)警報及び雷、高潮注意報が発表され、土砂災害や低い土地の浸水に警戒としています。
 
雨はやや小降りにはなってきたものの、先の国道365号線での土砂流出などを鑑みれば、一度緩んだ地盤には十分な警戒が必要であり、今後の気象情報、市からの防災情報を把握のうえ、必要な対応をお願いする次第です。
 
さて、話しを防災から原子力に変えますが、こちらはひとつ、私にとって朗報がありました。
  
それは、昨日開催された原子力規制委員会(規制委)の定例会合で、東京電力柏崎刈羽原子力発電所6、7号機の※特定重大事故等対処施設(特重施設)に関する原子炉設置変更許可について審議がされ、同日許可されたこと。
 
※特定重大事故等対処施設
発電所への意図的な航空機衝突等による大規模な損壊で広範囲に設備が使えない事態において、原子炉格納容器の破損を防止するために必要な原子炉圧力容器の減圧、注水機能や原子炉格納容器の減圧・冷却機能等を備えた施設のこと
 
これで、BWR(沸騰水型軽水炉)プラントでは日本原子力発電の東海第二発電所に続き2例目の正式合格となりました。
 
規制委は7月に柏崎刈羽6、7号機の特重施設について、技術的能力が新規制基準に適合している「審査書案」を取りまとめた後、技術的能力以外の要件である平和的利用や経理的基礎も確認。
 
許可交付に向けた手続きとして原子力委員会、経済産業相への意見聴取を実施してきたものですが、東京電力が本設置変更許可申請書を提出したのは2014年12月15日ということで、途中4度の補正書提出を含め、足掛け8年近く、審査に時間を要したということになります。
 
東京電力ホールディングスのプレスリリースを見るに、「引き続き、同委員会による審査に真摯かつ丁寧に対応するとともに、福島第一原子力発電所の事故から得られた教訓を踏まえ、更なる安全性、信頼性の向上に努めてまいります。」と結んでいましたが、この柏崎刈羽6,7号機は、建設中に半年間、私も研修でお世話になった愛着のあるプラント。
 
東日本の電力需給改善はもとより、「原子力発電の最大限活用」に向けては東海第ニや女川2と同様、BWRの柏崎刈羽6,7号(改良型のABWRですが)の再稼働は必要不可欠であり、ともに歩みを進める思いであります。
 
今朝の福井新聞を見ますと新閣僚の西村明宏環境大臣が発した「再エネ主力電源に」との見出しがありましたが、冒頭にあるよう、不安定な天候続きでも安定した電力供給が欠かせないことを考えれば、私は天候に左右される「再エネ」を「主力化とすべきでない」と明言しておきたいと思います。
 
何を置いても、「一歩前進」した柏崎刈羽6,7号機の特重審査合格を祝うとともに、再稼働に向け尽力される職場の皆さんとは「同志」として今後も連携をし、わが国の国力の源である「電力の安定供給」に一日も早く貢献できるよう努力を重ねる所存です。
 

【柏崎刈羽原子力発電所全景。中央の小山の右側が1〜4号機、左側が5〜7号機。(東京電力ホールディングスHPより)】

原子力小委員会にて中間論点整理がされる

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国道8号など、寸断されていた幹線道路が徐々に通行止めを解除するのに併せスタートしているのが、甚大な大雨被害となっている南越前町への災害ボランティア。
 
敦賀市からは市の職員が午前と午後に分けて派遣されたほか、私の勤務する日本原電も昨日からボランティア活動を開始。
 
また、嶺北の坂井市は市民参加向けのボランティアバスを運行するともあり、ここは福井県民一丸となって被災地の力にと思うところです。
 
かくいう私も何か少しでもお手伝いをと、明日11日は個人的にボランティアに申し込んだところですが、この暑さもあり、地域や親類縁者だけでは復旧が困難となっていることから、我こそはという方はぜひご協力いただけますようお願いいたします。
 
さて、ここ数日は災害関連のことを記載してきましたが、その間にも様々なことが進んでいるもの。
 
中国と台湾の緊張や内閣改造など関心事は多々あるところですが、日々話題が尽きないのは原子力政策。
 
経済産業省総合資源エネルギー調査会の原子力小委員会の下部に置かれている「革新炉ワーキンググループ(革新炉WG)」では、7月29日の会合で「革新軽水炉を優先して開発を進める」との方向性や各炉型ごとのロードマップなどを示した中間整理案を取りまとめたところですが、昨日9日は、その内容が原子力委員会に報告された後、意見交換がされました。
 

【「革新軽水炉」導入に向けた技術ロードマップ(8月9日:委員会配布資料より抜粋)】
 
 →8月9日の原子力小委員会における配布資料はこちらをご覧ください
 
冒頭、挨拶に立った経済産業省の細田健一副大臣は、革新炉開発に関し、「今後のわが国の原子力技術の発展のため必要不可欠」と述べ、活発な議論を期待したほか、委員として出席した杉本達治氏(福井県知事)からは、「将来の原子力規模と道筋」の明確化を要望するとともに、折しも8月9日に美浜発電所3号機事故から18年を迎えたことに際し、当時の状況を、「西川一誠知事のもと、大変緊張して対策に取り組んだ」と振り返りながら、立地地域として改めて「原子力発電は安全確保が最優先」と強く訴えました。
 
また、専門委員として出席した全国電力関連産業労働組合総連合(電力総連)の坂田幸治会長は、「既設炉の再稼働と長期安定運転の実現なくして、革新炉開発の道筋を切り拓くことは困難」と指摘したうえで原子力事業による地域経済の活性化や雇用創出にも言及し、「人材・技術やサプライチェーンの維持・強化、そのための事業環境整備の必要性を強く打ち出すことが重要」と強調しました。
 
前者は原子力発電所立地地域、後者は原子力を含む電力関連産業で働く者を代表しての発言でありますが、両者とも決して自分達の地域や職域へのメリットのためではなく、わが国の根幹を成すエネルギー政策を真剣に考えるからこその意見であることをご理解いただけるのではないかと思います。
 
今回の原子力小委員会では、革新炉WGの中間整理案と合わせ、資源エネルギー庁が同委員会の中間論点整理案として、「原子力の開発・利用に当たっての“基本原則”の確認」「将来を見据えた研究開発態勢の再構築」など5項目について整理。
 
なお、専門委員として出席した日本原子力産業協会の新井史朗理事長は、以下を要望。
 
1.原子力の持続的活用・長期的な利用に関する国からの明確なメッセージ発出
2.建設中を含めまだ再稼働していないプラントの早期稼働の実現と新増設・リプレースの検討開始
3.原子力発電への国民理解・信頼獲得に関係者が一丸となって取り組むこと
 
この3点に関しては、全くもって私も同感。
 
とりわけ、1.にあるよう、国が明確な考えを示すことなくして進められない訳であり、今度こそは検討させるだけさせて何も変えない「時間の浪費」となることなきよう、岸田総理には覚悟を決めて「政治判断」されることを期待する次第です。
 
電力需給逼迫にこの国際情勢を踏まえ、今判断せねば、エネルギー安全保障上、本当に手遅れになりかねなとの危機感を抱いているのは、決して立地自治体や電力関連産業に勤めている者だけではないのですから。

処理水海洋放出計画を福島県知事が「了解」

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この厳しい暑さを考慮し、徐々にスタート時間を早めているのが朝の愛犬との散歩。
 
ブログを書き終える時間も早め、ここ最近は5時台に家を出ることにしています。
 
これが功を奏してか、太陽の日差しもまだマイルドで、少し風のある日などは心地良く感じる訳ですが、眼前に聳える野坂山、そして単なる農道までも、今は透き通る空の青、田の緑のコントラストが大変美しく、心洗われるもの。
 
こうした景色を見れば、不思議と一日の活力が湧いてくると同時に、美しき郷土の風景を残してくれた先人たちに感謝する次第です。
 

【美しき郷土の風景。大切に守り、残すことも私たち世代の役割かと。】
 
さて、この農道で例えては筋違いかもしれませんが、昨日はようやく一本の道が拓けたニュースがありました。
 
7月には原子力規制委員会が、安全性に問題はないとして放出計画を認可していた東京電力福島第一原子力発電所の処理水海洋放出の件について、規制委員会の認可を受け、県と立地2町などでつくる検討会も「東電が示す対策で周辺地域の安全は確保される」との報告書をまとめ、県知事及び立地2町の判断に注目が集まっていたところ。
 
そうした中、この海洋放出計画を巡り、福島県の内堀雅雄知事と立地2町長は2日、県庁で東電の小早川智明社長と会い、海底トンネルなど放出設備の本体工事開始を了解すると伝えました。
 
これを受け、東電は来年春頃の放出開始に向け、近く工事に着手すると報じられており、私自身は、処理水自体或いは海洋放出に対して極めて科学的且つ合理的な判断がされたことを歓迎する次第です。
 
東京電力ホールディングスにおいては、以下の同社お知らせにて、これまでの経緯を始め、事前了解に対する地元の皆さんを始め関係者への感謝、そして最後は「ALPS処理水希釈放出設備等の工事については安全最優先で行ってまいりますが、その状況を適時お伝えし、加えて、自治体の安全確認、国際原子力機関(IAEA)のレビュー等に真摯に対応し、客観性・透明性を確保することで、国内外から信頼いただけるよう取り組んでまいります。」の言葉で結ばれていました。
 
 →「福島第一原子力発電所の多核種除去設備等処理水の希釈放出設備等の設置に係る福島県、大熊町および双葉町の廃炉安全確保協定に基づく事前了解について」(令和4年8月2日:東京電力ホールディングスお知らせ)はこちらから
 
先の長い福島第一の廃炉作業でありますが、一つ大きな課題であった処理水を巡る対応が、こうして公正且つ透明性をもって、科学的に判断したことは、空気感で物事が決まる日本にあって、これまた大きなことと受け止めるところであり、今後は東京電力ホールディングスの言葉にありました通り、安全を最優先に、さらに信頼が得られるよう作業を進めていただくことをお願いする次第です。

次世代原子炉は「革新軽水炉」を優先

ブログ 原子力

昨日のブログで紹介した高浜発電所3号機ですが、同じ内容を記したFacebook投稿に「並列操作時の当直課長は私でした。正直、責任を果たせてホッとしました」とのコメントが。
 
その「私」とは、もう15年ほど前でしょうか、同じ時期に労働組合の役員をしていた、今でもフランクにお付き合いいただいている方で、ここでも重責を果たされたことに敬意を表した次第です。
 
コメントでは続けて、「これからも安全最優先で頑張っていきます」との決意の言葉があり、私からもエールを送らせていただきました。
 
会社は違えど、同じ原子力職場で働く者の思いはひとつ。
 
今後も同志であり、仲間の皆さんとともに取組んでいきたいと思います。
 
その流れで、今日も原子力の話題が続き恐縮ですが、27日の「GX(グリーントランスフォーメーション)実行会議」の初会合で、岸田首相はGXに欠かせない原子力発電について「再稼働とその先の展開策」を示すよう指示しており、革新炉開発も支援の対象となる可能性があるとされていたところ。
 
これに続き、経済産業省は29日、高い安全性を持つとされる次世代の革新的原子炉(革新炉)の開発や実用化の工程表案を作成し、有識者会議に示しました。
 
革新炉はまだ実用化には時間が掛かる技術ですが、ウクライナ情勢などでエネルギー安全保障への懸念が高まる中、工程表を示すことで民間の取り組みを加速させる狙いがあるようで、有識者からも評価する声が多かったものの、第6次エネルギー基本計画策定の時と同様、政府が原子力発電所の新増設を明言しない中では「絵にかいた餅になる」といった指摘も挙がったようです。
 
革新炉は同時に複数の炉型の研究が進んでおり、進捗度合いもそれぞれ異なります。
 
原子力発電所は一般的に「実験炉」「原型炉」「実証炉」「実用炉」の順番で開発されますが、最も進んでいるのが既存の原子力技術が応用可能な「革新軽水炉」であり、2030年代に実用炉の運転を開始するとしました。
 
また、炉心溶融が発生しないとされる「高温ガス炉」はほぼ同じ時期に実証炉の運転を始める。小型で事故確率の大幅低減が期待できる「小型軽水炉」は2040年代前半で実証炉の運転を目指すなどとも。
 
このことを先の参院選で唯一、公約に掲げていたのが国民民主党ですが、国もようやくではありますが、その方向の論議となってきたことを歓迎するところです。
 
原子力を推進する方の中でも「仮に新増設・リプレースに進むにしても、軽水炉はない」との声を耳にもしてきましたが、現実論で考えればやはり、早期の供給力確保に加え、既存技術を利用できる脱炭素電源は「革新軽水炉」が最も高い選択肢であると信じてきたところ。
 
「信ずれば叶う」の言葉ではありませんが、この先も信念をもって、この課題に取組んでいく所存です。
 

【改良型加圧水炉(軽水炉)での計画としている敦賀発電所3,4号機の建設予定地。日本の原子力の将来を、再びここ敦賀から切り拓いていければと。】

思いを共有できる存在は頼もしきもの

ブログ まちづくり 原子力

昨日は、嬉しき話題が2件。
 
ひとつは、午後に開催された「つるが観光賑わいづくり検討会」。
 
私は市議会産経建設常任委委員長の立場として出席をしている訳ですが、会議では、令和3年度の事業報告並びに今年度の実施事業について協議。
 
メインは、コロナ禍以前は、きらめきみなと館で開催していた「観光物産フェア」をどうするかということでしたが、会長の計らいにより、出席委員皆から発言機会があり、「コロナ禍だから止めるのではなく、どうしたら開催できるかを議論したい」、「北陸新幹線開業まで2年を切り、敦賀の賑わいづくりにつなげていきたい」など、前向きな意見がありました。
 
また、従来の物産フェアは、県外の有名店による集客、売上効果はあったものの、地元物産の認知度向上につながっていないとの指摘から、県外の業者頼みでなく、「敦賀の地のもの(特に海産物など)の良さを知っていただき、リピーターを増やすべき」、「物産のみならず、敦賀の歴史や文化なども絡めたイベントに」などの意見も挙げられた次第。
 
私も意見をさせていただきましたが、手作り感であっても、自分達の住んでいるまちにあるものを見つめ直そうとの考えが、会の総意であったことを大変嬉しく感じました。
 
イベント開催の時期は、新幹線開業1年前となる来年3月あたりということとなりましたので、引き続き知恵を絞って、敦賀の活力につなげていければと思います。
 
もう1点は原子力の関係。
 
夏場の電力需給に寄与すべく、7月24日に原子炉起動した高浜発電所3号機が、昨晩100%出力に到達。
 
私の経験上、この夏場、しかも出力上昇中のタービン建屋は瞬時に汗が噴き出る暑さですが、そうして各出力段階での点検を経てのフル出力(発電機出力)到達に対し、現場の皆さんはもとより、関係されたすべての皆さんに最大限の敬意を表する次第です。
 
なお、発電機出力100%に到達した後は、「定格熱出力一定運転」へ。
 
原子炉熱出力は一定に保ったまま、海水温度(復水器真空度)により発電機出力が変化する、もちろん認められた運転方法ですが、夜間から明け方に掛けては海水温度が下がり、効率が良くなることから、現在高浜発電所3号機は104%で運転しています。
 
以前は、「定格電気出力一定運転」で、100%を超えないよう調整をしていたことを思えば、持てるエネルギーを最大限利用する効率的な運転方法な訳であり、そうしたこともご理解いただければ幸いに思います。
 

【発電機出力104%で運転する高浜発電所3号機(関西電力HPより)】
 
関西電力においては、8月10日には美浜発電所3号機を起動する予定としており、この嶺南の地にある原子力発電所が次々に戦線復帰をし、電力需給の改善に貢献することを誇りに思うと同時に、愛する我が敦賀発電所2号機も、早く役割を果たせる状態にせねばと身の引き締まるところ。
 
こうして、まちづくり、原子力と分野は違えど、思いを共有できる存在があることは頼もしいもの。
 
両者ともに、その趣旨や取組みに賛同していただける方、応援していただける方を一人でも多く増やしていければとも思った1日となりました。

原子力活用「容認55%」〜SNSに寄せられる声も〜

ブログ 原子力

26日のことになりますが、全国原子力発電所所在市町村協議会(全原協)の渕上隆信会長(敦賀市長)らが経済産業省を訪れ、萩生田経産相に原子力政策に関する要望を伝えました。
 
渕上会長は、政府が第6次エネルギー基本計画で示した「原子力発電の依存度を可能な限り低減」との方針について、「国際社会の動きと乖離している」と主張。
 
国際情勢の変化を踏まえ、エネルギーの安定供給、脱炭素社会実現に向けた原子力発電の役割の明確化、バックエンド対策の早期具体化等を要請するとともにエネルギー基本計画改定に向けた早急な議論が必要との考えを示しました。
 
現に欧米諸国を中心に、原子力発電の存在が見直され、活用の方向に舵を切っていることを踏まえれば尚のこと、全原協が主張したことは、私も全くもって考えを共にする次第です。
 
報道によれば、「原子力発電は最大限活用していく方針だ」、「今後の政策の明確な道筋を示せるよう取り組む」と萩生田大臣は応じたとありますが、何度問われても「現時点でリプレースは考えていない」との考えを繰り返すばかりの岸田首相の根拠は間違いなく、「新増設・リプレース」に一言も触れていない現エネルギー基本計画を踏襲することにあると認識するところ。
 
これを覆してしまっては、前菅政権への批判になると思ってのことか、若しくは原子力に対する世論を気にしてなのかは、首相のみぞ知る訳ですが、いずれにしても、最早「激変」した国際情勢の中で、日本だけが、ウクライナ情勢前の環境をベースに物事を考えていては、完全に世界から取り残されると危機感を覚える次第であり、我が国の根幹を成すエネルギー基本計画においては、3年ごとの改定に固執することなく、早急に議論を開始のうえ、臨機応変に対応すべきと考えます。
 
また、原子力に対する世論と言えば、昨日の福井新聞に、同社が県内有権者を対象に行った世論調査では、全体の「55.6%」が「原子力発電の活用を容認」したとありました。
 
ちなみに、「原子力ゼロ」を望む回答は、「将来」、「今すぐ」を合わせ「28.1%」だったとのこと。
 
なお、私自身も日々、このブログやFacebook、TwitterなどSNSでの発信を続けているところですが、先日、原電総連大会で必勝決議をいただいたTwitterには、「原子力の再稼働を!」、「再稼動に対する国民の理解は相当程度進んでいます。来年にかけて西日本中心に再稼働する原子力が複数あります。岸田政権に原子力産業の未来を訴えていきましょう!」との声、或いは昨日も、西浦地区で辻立ちしたFacebook投稿に対しては、「原子力再稼働推進よろしくお願いします」との声がありました。
 
私のSNSはフォロワー制限を設けず「公開」としているため、実は声を頂戴した方を私は知らない訳ですが、こうして立地地域以外の皆さんからも原子力を必要とする声が多く挙がること自体、確実に世論は変化していると感じたところです。
 
先のエネルギー基本計画然り、国が原子力の役割を明確にしない理由は、「国民理解が進んでいない」ことにあると認識するところですが、現時点においてはどう認識されているのか。
 
今こそ岸田首相の「聞く力」で国民の声を聞き、国家の根幹に関わるエネルギー・原子力政策について、明確な道筋を示していただくことを切にお願いいたします。
 

【辻立ちでも、手を振り返していただける方が明らかに増えたと感じた昨日。参院選で「リプレースは必要」と主張した国民民主党の政策が理解されてのことかと、自分なりの解釈をした次第です。】

処理水の海洋放出は「安全」と公的に評価

ブログ 原子力

7月22日の原子力規制委員会臨時会合で計画が承認された福島第一原子力発電所における処理水の海洋放出について。
 
計画では処理水中の放射性物質トリチウムの濃度が国基準の40分の1未満になるよう薄めて放出するとしており、具体的な放出方法など、これらの安全性について、国の規制機関から正式にお墨付きが得られたことになります。
 

【敷地内に処理水が溜まったタンクが並ぶ福島第一原子力発電所(産経ニュースより)】
 
また、この承認を受け、福島県などは26日、県庁で会合を開き、「東電が示した対策で周辺地域の安全は確保される」とした報告書を取りまとめ。
 
福島県などが有識者らと共に策定した報告書は、処理水の放射性物質濃度測定や海底工事の安全対策などがいずれも適切に計画されていると評価。
 
その上で東電に対し、放射線環境影響評価の分かりやすい情報発信など8項目の要求事項を掲げたとのこと。
 
この処理水の問題を巡っては、私も以前から幾度となくブログにも取り上げ、安全性などに関する事実をお伝えしてきているところ。
 
※処理水に関する過去ブログのいくつかを以下にリンクします。宜しければご覧ください。
 
 →「科学が風評に負けてはならない」〜福島第一の処理水問題を煽っているのは誰か〜【2021年4月19日ブログ】
 
 →ALPS処理水について知って欲しい3つのこと【2021年4月25日ブログ】
 
 →「福島第一原子力発電所”ALPS処理水”の海洋放出に係る放射線影響評価結果」が公表される【2021年11月18日ブログ】
 
今後、知事と大熊・双葉両町長は報告書を参考に、原子力発電所敷地と沖合1キロの放出口をつなぐ海底トンネルなどの本体着工を了解するかどうかの判断に進む訳ですが、時間を要した分、慎重に慎重を期して議論がされたものと受け止め、今後は科学的な評価結果に基づき、工事着手に向けた判断が早期にされることを願うばかりです。
 
何度も申し上げますが、「科学が風評に負ける」ことがあっては、絶対にいけませんので。

広く国民に伝えるべきUNSCEARの「科学的評価」

ブログ 原子力

関西電力は15日に原子炉起動した大飯発電所4号機に続き、高浜発電所3号機(PWR、87万キロワット)も運転再開の見通しが立ったとし、23日に原子炉を起動、26日に並列(発電開始)すると発表しました。
 
順調に進めば8月19日に本格運転を開始する予定であり、経済産業省が6月末の審議会で示した8月の広域予備率5.7%に対し、今夏の運転再開を織り込んでいなかった高浜3号機の戦線復帰により、0.5ポイント程度改善する見通しとのこと。
 
定期検査中に見つかった蒸気発生器(SG)内の伝熱管損傷のため再稼働時期が未定となっていたものではあるものの、厳しい夏季の電力需給を改善するため対応にあたられた関係者の皆さんに敬意を表する次第です。
 
さて、こうして再稼働を果たす原子力発電所ですが、大前提にあるのが「安全」と「国民理解」。
 
このうち「国民理解」に関し、2012年3月に発生した福島第一原子力発電所事故による影響は、11年を経過した今も、負のイメージが払拭されていない状況にあると認識するところ。
 
この影響に関しては、偏見を持たず、中立的・公正な視点のもと、科学的に評価することが極めて重要であると、これまでも述べてきているところですが、7月19日「原子放射線の影響に関する国連科学委員会(UNSCEAR)」のメンバーらが日本記者クラブで記者会見し、福島第一原子力発電所事故について「放射線被曝(ひばく)を原因とする健康被害は認められない」とする解析結果を紹介しました。
 
メンバーは、昨年3月に公表した事故影響に関する報告書を住民や科学者らに解説するため来日しており、22日まで東京と福島で住民や学生、科学者らと対話イベントを開くとのこと。
 
この「UNSCEAR(アンスケアー)」とは、「United Nations Scientific Committee on the Effects of Atomic Radiation=原子放射線の影響に関する国連科学委員会」の頭文字をとったもので、国連の中でも最も歴史のある委員会のひとつ。
 
東西冷戦下で大気圏核実験が頻繁に行われていた1950年代。
 
環境中に放射性物質が大量に放出され、放射性降下物による環境や健康への影響について懸念が増大する中、1955年の国連総会でのUNSCEAR設立は全会一致で決議され、それ以来、核兵器《非》保有国の委員が持ち回りで議長を務めながら、放射線の発生源と影響に関する国際的な調査研究成果を包括的に取りまとめ国際社会に提供。
 
設立当初、日本を含め15カ国だった加盟国は、その後21カ国に増え、さらに今年からは27カ国になっています。
 
その同委員会が昨年3月に公表した報告書は、世界の放射線医学などの専門家が参加し、500本超の論文や調査を基にまとめたものであり、住民の避難経路などを精査した結果、被曝線量は高くないと推計し、「被曝によるがんなどの健康影響が増加する可能性は低い」と結論づけたほか、前議長のギリアン・ハース氏は「報告書は最新の知見やデータに基づいている。結論は堅固で将来も大きく変わるとは思われない」と強調されています。
 

【日本記者クラブで会見するUNSCEARのギリアン・ハース前議長(読売新聞WEB版より)】
 
科学的・中立的な立場から、放射線の人・環境等への影響等を調査・評価等を行う国際機関「UNSCEAR」の重大な報告は、先にあった「国民理解」の醸成に寄与すると思われるものの、私の見る限り、報道の扱いは極めて小さいもの。
 
福島第一原子力発電所に滞留する処理(済)水に対するIAEAの見解然り、こうした国際機関の「お墨付き」は、我が国にとって都合の悪いものなのでしょうか。
 
私は決してそうは思いません。
 
真の福島復興に向けては「風評」を払拭することが極めて重要であること、そのためには「空気感」ではなく、透明性と中立性のもと「科学的」な判断によって物事を進めることが必要不可欠です。
 
本日は、重要な「事実」を一人でも多くの方に知っていただきたく書かせていただきました。
 
「空気感」ではなく「科学的」に物事を判断する国「日本」に。
 
微力ながら、今後も引き続き発信を続けていく所存です。

「原子力発電を最大限活用」の意味するところとは

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東北電力は14日、原町火力発電所2号機(石炭:100万キロワット)が同日午前0時に運転を再開したと発表。
 
原町2号機は元々、3月5日から7月3日を期間として進めていた定期点検中に、3月16日の福島県沖地震で被災し、変形したボイラー内部の配管を補修する関係から、当初の点検期間を10日程度延長していたもの。
 
先行復旧した1号機(同)を含め、厳しい電力需給にプラスの影響を与えることを喜ばしく思うところです。
 
また、西日本では関西電力の大飯発電所4号機(加圧水型軽水炉:定格電気出力118万キロワット)が定期検査を終え、15日に原子炉を起動。
 
本日16日には臨界に達すると発表しており、その後は7月17日に定期検査の最終段階である調整運転(実際に送電すること)を開始、8月12日には総合負荷性能検査を実施のうえ、本格運転を再開する予定としています。
 

【15日に原子炉を起動した大飯発電所4号機(手前)】
 
同機は、新規制基準で要求されるテロなどに備えた「特定重大事故等対処施設」(特重施設)の運用を8月10日に開始する予定で、調整運転中に同施設が運用を開始する初のケースとなるとのこと。
 
ちなみに、この特重施設の設置に関しては、プラント本体の設計・工事計画認可から5年間の猶予期間が設けられており、大飯4号機は8月24日が期限となっています。
 
特重施設の設置については、現在13基で原子炉設置変更許可に、5基が運用開始に至っており、最近では、7月13日に東京電力柏崎刈羽6・7号機について、規制委員会が審査書案を了承しているところ。
 

【特定重大事故等対処施設の状況(原子力産業新聞より)】
 
こうして火力、原子力、それぞれの発電所が稼働することにより供給力が増す状況にありますが、忘れてならないのは、この夏を乗り越えたとて、電力需給が一層厳しいのは「今冬」であるということ。
 
現に、安定供給に最低3%は必要とされる予備率についても、来年1~2月に東電、東北電管内では1.5%に留まる厳しい状況が見込まれていることからも明らか。
 
岸田首相は「今冬に原子力発電所最大9基稼働」を掲げ、さも特段の判断をしたかのように報道されていますが、既に原子力規制委員会の審査に合格して再稼働済みのプラントは西日本の10基、そのうち、検査のため運転を停止する九州電力玄海4号機を除く9基で、今冬をやりくりするしかないのが実情であり、何か政治判断がされた訳ではないと言えます。
 
さらに言えば、9基の原子力発電所がすべて稼働したとて、これらはすべて規制委員会による安全審査に合格した「西日本」の発電所が対象です。
 
3月の需給逼迫警報や6月の需給逼迫注意報は、すべて首都圏を含む「東日本」で発令され、同地域の電力不足は深刻さを極めていますが、西日本で発電した電力を東日本に融通できる量は、周波数変換や送電網の容量もあって限定的です。
 
「原子力発電を最大限活用」し、電力の安定供給を確保するためには、東日本における原子力発電所の再稼働が欠かせない訳であり、即ちそれは、審査が進んでいる日本原電の東海第二、東電柏崎刈羽7号機、東北電力女川2号機と福島第一原子力発電所と同じ「沸騰水型軽水炉」の再稼働判断を意味するもの。
 
立地自治体の地元の皆さんはもちろんのこと、近隣市町、さらには東京を始めとする電力大量消費地の皆さんのご理解を得ることに対して、事業者任せにせず、この場面でこそ国が全面に出て、再稼働の必要性を説明する。
 
「原子力発電を最大限活用」の意味のひとつには、こうしたことが挙げられると考えますが、岸田首相の覚悟、腹はいかに。

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