電力の安定供給を支える現場の皆様に心より感謝

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必殺のともえ投げと腕ひしぎ十字固め。
 
鮮やかに技を決める姿に、思わず「カッコイイ!」と声を挙げたのが、パリ五輪の柔道女子48キロ級に出場した角田夏実選手。
 
準決勝こそ苦戦したものの、決勝もともえ投げで技ありを奪い、見事金メダルを獲得しました。
 
この金メダルは、今大会の日本選手団第1号で、通算500個目のメダルというメモリアルを達成。
 
柔道の日本女子史上最年長金メダルともなったとのことで、記録尽くしの角田選手ですが、実は社会人になるまで、五輪を考えたこともなかったとのこと。
 
大舞台で頂点に立った31歳が、メダル獲得後に述べた言葉は「諦めないでよかった」。
 
もちろん、凄まじい努力と鍛錬あってのことでありますが、何事も「諦めなければ」叶うことを証明してくれたことに力が湧いてきた次第です。
 
鉄道の破壊行為などもあって心配したパリ五輪ですが、この後も日本選手団の大活躍を期待し、応援したいと思います。
 
さて、私のほうは昨日午前、敦賀市あいあいプラザで開催された「関西電力労働組合 第55回 美浜支部定時大会」にお招きいただき出席。
 
同じく来賓として出席された北川博規 福井県議会議員に続き、ご挨拶の機会をいただきました。
 

【あいあいプラザで開催された大会の様子】
 
冒頭、安定運転を続ける3号機を始め、廃止措置を進める1・2号機と美浜発電所の運営に魂を込めてご尽力いただいている皆様に敬意と感謝をお伝えするとともに、敦賀発電所1号機と美浜発電所1号機は、今から54年前の1970大阪万博の会場に「原子の灯(ひ)」を届けたプラント同士であり、私自身、美浜発電所には大変親近感をもっていることをご紹介。
 
また、せっかくの機会ということで、一昨日ありました敦賀発電所2号機の審査会合の状況をご説明した後、敦賀市議会として、先の6月定例会において「エネルギー基本計画見直し」に向けた意見書を採択し、既に内閣総理大臣や経済産業大臣らに送付をしていること、さらには副議長として出席(議長代理)した「全国原子力発電所立地市町村議会議長会」の場において、経済産業省資源エネルギー庁に対し、今後の原子力発電の必要容量や時間軸を示すこと、事業者が予見性を高めて設備投資などが行えるよう、一層の事業環境整備を求めたこと等についてお話しした次第です。
 
結びに、この大会で活発な議論が行われ、美浜支部がますます団結力と連帯感を高められることをご祈念申し上げ、挨拶を終えましたが、何といっても、低廉で安定した電気の供給は、こうして昼夜分かたず、汗して働く現場の皆さんのご努力あってのこと。
 
とりわけ、関西エリアにおいては、関西電力の原子力プラントが全機稼働を果たしたことにより電気料金上昇も低く抑えられており、「低廉な電気」を実現する上での原子力発電の役割を実感するところ。
 
改めて、この暑さでの電力需給ピークにおいても安定供給を支える皆様に心から敬意を表します。
 
私自身、今後も現場の思いを受け止め活動にあたるとともに、わが敦賀2号も必ずや同じ役割を果たせるよう、「諦めることなく」取り組むとの思いを一層強めた次第です。

敦賀2号は今後も「稼働に向けて取り組む」

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4時間近くに及んだ、昨日の敦賀発電所2号機に関する原子力規制委員会(以下、規制委)の新規制基準に係る審査会合(第1272回)。
 
K断層の「連続性」を論点に、日本原電からの説明の後、質疑が繰り返されましたが、結果、「不確かさ」「曖昧さ」等を挙げ、規制委として従来の考えを変えることはないとのこと。
 
また「活動性」に関しても日本原電から再説明がされものの、こちらも同じく「可能性を否定することは困難」との答えは覆らず。
 
なお、日本原電からは、これまでの調査・データで明らかにできていないこと、審査会合における規制委のコメント等を踏まえ、追加調査並びに再補正申請についても言及、申入れがされ、これらのことも含め、次週7月31日(水)の原子力規制委員会に審査の結果として報告されることとなりました。
 
これを受け、日本原電は以下のコメントを発表していますのでご覧ください。
 

【7/26 日本原電プレスリリースより】
 
敦賀2号審査を巡る、昨日から今日に掛けての報道を見ると、「廃炉を迫られる可能性」「廃炉となる可能性が高い」とのタイトルでセンセーショナルに記載されていますが、一体誰が「廃炉」を決めるんでしょうか。
 
7月24日に原子力規制員会の山中委員長も会見で述べている通り、あくまでも「廃炉は事業者の判断」。
 
当の日本原電は、上記のコメントにもあるよう、これまでの審査会合や現地調査での議論を踏まえ、今後も追加調査やデータの拡充をし、「稼働に向けて取り組む」としています。
 
審査会合の場で規制委のコメントに反証仕切れなかった以上、それが「悪魔の証明」であったとしても、規制委が言う「可能性を否定することは困難」を「可能性を否定」に、「不確かや曖昧」なものを「確かな」ものにし、「活断層ではないこと」を立証するのは他ならぬ日本原電であり、何としてでも今後の追加調査で明らかにしていただきたい。
 
次の注目は、7月31日の原子力規制委員会となりますが、審査チームからどのような報告がされるのか、日本原電が申入れたことが受け入れられるのかを見守る次第です。
 
(参考)
敦賀2号の審査不合格、廃炉の可能性ばかりが報じられるなか、産経新聞の論説「主張」はド「正論」でしたので、以下にリンクいたします。
 →<主張>敦賀原発2号機 初の不適合は理に合わぬ 規制委は審査の継続に道開け(2024年7月27日 産経新聞)

「敦賀2号審査会合」と「上下水道施設見学会」

ブログ 原子力 防犯/防災

人間の生活に欠かせないものと言えば「水」と「電気」であることは万人共通かと思いますが、ここ敦賀とも大きく関係することで、まず「電気」に関して注目すべきは、本日開催される原子力規制委員会の新規制基準に係る審査会合(第1272回)。
 
ここで議題2として挙げられているのが「日本原子力発電(株)敦賀発電所2号炉の敷地内のD-1トレンチ内に認められるK断層の連続性について」。
 
本件に関しては、7月24日のブログでご紹介した通り、政治家や複数の有識者から「違和感あり」の声が挙がっている一方、あたかも日本原電の負け戦のような報道がされていますが、私自身、今日で結論付けられるとは微塵も思っていません。
 
活動性に関しては、「可能性を否定できない」のであれば、データを拡充するため、事業者が申し出ている追加調査を確認すべきだと思いますし、「これで最後」と仰る現申請書についても、審査の過程で必要になったものがあるのであれば、再補正することは至って健全なプロセスと考えるところです(あくまでも私見です)。
 
また、24日に行われた原子力規制委員会の定例会見で、「悪魔の証明」について問われた山中委員長は、「非常に証明が困難で時間がかかったサイトもあるが、丁寧に評価をしていけば、事業者はキッチリとそれを証明することができるという問題なので、あくまでもこれは悪魔の証明ではないという、私はそういう見解です。」と述べています。
 
その言葉に沿えば、「丁寧に評価をする機会」を排除することのなきよう対応いただきたいと思いますし、何より原子力規制委員会自らが掲げる「活動原則」、
「(1)独立した意思決定」として「何ものにもとらわれず、科学的・技術的な見地から、独立して意思決定を行う。」
「(3)透明で開かれた組織」では、「国内外の多様な意見に耳を傾け、孤立と独善を戒める。」
に基づく姿勢と規制行政をお願いする次第です。
 
審査会合は以下のリンク(YouTube)よりご覧になれます。
 
規制側と事業者のコミュニケーションが取れた「違和感」を感じない審査になっているのか否か、より多くの方にご覧いただけますようお願いいたします。
 
 →原子力規制委員会「第1272回原子力発電所の新規制基準適合性に係る審査会合(2024年07月26日)」はこちらから
 
続いて「水」に関しては昨日午後、敦賀市水道部主催の「上下水道施設見学会(市議会議員対象)」に出席。
 
出席は任意であるものの、4名ほどを除き出席ということで関心の高さを感じたところですが、天筒浄化センターに集合した後、①水道、②下水道、③上下水道事業の経営状況の3部構成で事業概要説明。
 
敦賀市の水道事業、下水道事業は、病院事業と並ぶ、地方公共団体が行う「地方公営企業」であり、独立採算を原則とし、事業ごとに経営していますが、水道に関しては、第8次拡張事業(平成20年3月31日)をもって拡張事業を完了し、現在は施設の老朽化(既に更新時期に入っている)や耐震化を進めるものの、人口減少に伴う収入源や職員の減少、高齢化などの課題が挙げられる状況にあります。
 
下水道事業については、令和4年度末整備状況で汚水処理普及率95.1%(公共下水道では88.3%)となっており、未普及地域(残り約3,000人)の早期解消を図るべく検討を進めるほか、課題に関しては水道と類似した状況であるとのこと。
 
なお、下水道では、少ない人材リソースの中で事業を継続するため、様々な関連業務を包括的に委託する「包括的業務委託」について検討を進めており、本年6月には、いわゆる「ウォーターPPP」と呼ばれる国土交通省「下水道分野のPPP/PFI(官民連携)」のモデル都市(令和6年は全国で20都市)に選定されたところ。
 
経営状況説明では、受益者負担の原則のもと、急速に進む人口減少下で料金収入が減少していることや、国からの財源措置も減るなか中にあっても「将来に亘って安定的に事業を継続する」ため、今年度は「経営検討委員会」を設置し、上下水道事業計画の改定及び経営について検討を行うとしています。
 
その後は、下水事業として、天筒浄化センターと松島ポンプ場、上水道として昭和浄水場の各施設をご案内いただきました。
 
どの施設においても、大変丁寧で分かりやすい説明をいただき、設備や業務内容まで把握できた次第です。
 

【天筒浄化センターの反応槽、最終沈殿池エリア。この下で沈殿、ろ過が繰り返される。】

【下水処理された水はここまでの透過度に。】

【豪雨時など、二夜の川の水位に応じ運転される「松島ポンプ場」。手前に除塵機、その奥にポンプあり。】
 
お忙しい中ご対応いただいた、山田部長をはじめ、水道部の皆様に感謝申し上げます。
 
これまでの取組みはもとより、昨日ご対応いただいて改めて感じたのは、職員の皆さんの「敦賀の上下水道を守り抜く!」との気概と誇り。
 
上水道では、敦賀の自慢の「美味しい水」を、下水道では安全安心の市民の暮らしを守るため、今後とも宜しくお願いいたします。

敦賀2号審査を巡る原子力規制委員会のやり方に「違和感あり」

ブログ 原子力

昨日は、粟野交番前での街宣活動からスタート。
 
開始時点の7時半前で30℃近くまで気温上昇ということもあり、服装もポロシャツに白スニーカーで暑さ対策を講じました(特にスニーカーは快適でした)。
 
街宣では、主に一昨日発生した東海道新幹線トラブル(保線車両脱線事故に伴う大混乱)を踏まえた国土軸多重化(北陸新幹線小浜-京都ルートなど)の必要性やエネルギー基本計画見直しなど、これら国家的課題はいずれも、敦賀と大きく関わることである旨お伝えしました。
 
引き続き、少しでも政治や市議会のことが市民の皆様に伝わるよう活動に励んでまいります。
 

【政治は国民生活と直結。とりわけ、エネルギー・原子力は敦賀にとって切っても切れない課題。】
 
さて、エネルギーの関係については、地元敦賀にとってはもとより、さらには国にとっても、貴重な116万キロワット(定格出力)の電源を有効に使うか否かという点においても、大注目は日本原電の敦賀発電所2号機(以下、敦賀2号)。
 
その敦賀2号について、昨日、共同通信が報じたネットニュースに次の記事がありました。
 
<以下、記事引用>
 
原子力規制委員会は23日、日本原子力発電が再稼働を目指す敦賀2号(福井県)の審査会合を26日に開くと発表した。規制委の審査チームは原子炉直下に活断層がある可能性を指摘しており、結論を出す方針。活断層があると判断されれば新規制基準に適合できず、初の不合格となる。
 
原子力発電所の新規制基準では活断層の上に原子炉など安全上重要な施設の設置を禁じており、廃炉になる可能性も出てくる。
 
審査では
(1)原子炉の北約300メートルにある「K断層」が活断層かどうか(活動性)
(2)(※1)原子炉直下を通る「D―1断層(※2)」がK断層と一体で動くかどうか(連続性)
が焦点。審査チームは5月、(1)について「活動性は否定できない」と結論付けており、26日は(2)を判断する。原電は規制委からの指摘に回答した上で、改めて(1)(2)をともに否定するとみられる。
 
<引用終わり>
 
※1:連続性に関しては「K断層がD-1トレンチより先(原子炉建屋)まで連続しているかどうか」の表現が適切かと。
※2:D-1は、あくまでも「破砕帯」であって「活断層」ではない。
 
いつものことながら、報道機関はさも、審査不合格=廃炉の印象操作をしたいのでしょうが、審査結果を受けて発電所をどうするかは「民間企業」の経営判断で決めることであり、こうしたレッテル貼りをすることは、民間企業潰しの片棒を担ぐことにもなることから、いい加減、今後は止めていただきたい。
 
この記事にもあるよう、原電は「改めて(1)(2)をともに否定するとみられる。」という部分がポイントであり、公平を期す報道各社に置かれては、原電がなぜ否定するのかという点についても報じていただきたいと考える次第です。
 
一連の審査を巡っては、ここ最近、報道では産経新聞論説「正論」や複数の有識者が、一言で言えば、「規制委員会のやり方はおかしい」と指摘する意見を述べています
 
すべて拝見し、それぞれ言い回しは違えど、指摘のポイントはおおよそ次の通りと認識するところです。
 
なぜ、敦賀2号だけ幕引き(期限)ありきで拙速な判断をする必要があるのか。
②以前の有識者会合(法的根拠なく原子力規制委員会が設置した)と同じく、「可能性を否定できない」の論法を駆使し、事業者に「悪魔の証明」を突き付けている
③事業者からの、追加調査をし、データを提出したいとの申し出を「勝手にすれば」と突き放していること。
専門家の多様な意見を聞かずに判断しようとしており、独善的である。
⑤規制委員会は独立性を与えられていても国の行政機関であり、その使命は原子力発電所の安全性を高めて活用することにある。発電所を止めて安全性を高めようとするなら「独立」を「独断」「独善」と履き違えての本末転倒である。
⑥この不安定な国際情勢の中で、エネルギーという生命線を確保する上で、(敦賀2号の件は)極めて重大な判断であり、政府・国会でもきちんと議論すべき
 
各記事における、筆者それぞれの主張は以下のリンクより、ぜひご覧ください。
 
◉産経新聞論説「正論」(2024年7月17日)
 →<主張>敦賀2号機の審査 「悪魔の証明」は禁じ手だ 規制委はなぜ幕引き急ぐのか(2024年7月17日)
 
◉国際環境経済研究所に投稿した石井孝明氏(経済記者)の意見
→敦賀2号機 原子力規制委の適切な審査を期待(2024年7月19日)
 
◉NewsPicks記事に対する竹内純子氏(国際環境経済研究所 理事・主席研究員)のコメント
 →敦賀発電所敷地の活動性否定できず 規制委結論 廃炉可能性も(2024年5月31日)
 →敦賀2号 規制庁 26日に審査 再稼働初めて認めない可能性(2024年7月23日)
 
さらに、昨日行われた国民民主党の定例記者会見において玉木雄一郎代表からは、「大切な決断がこの週末に迫っている」との危機意識のもと、次の発言あり。
 
<以下、YouTubeをもとに自身で文字起こし、一部文語調に修正したもの>
 
大切な決断がこの週末に控えている。それは敦賀2号に関する審査に関して、ひとつの判断が下されようとしていること。
 
12年ぐらい審査してきて、原電側は追加の調査を求めている中で、今月末だと言って期限を区切って結果を出そうとしているが、私は正直、この規制委員会のやり方には違和感を感じている。12年、時間を掛けて時間を掛けてやっておきながら、原電側が追加の断層の調査をしたい、あるいは7月末ではなく、9月末まで延ばしてくれ、追加の資料を出したいと言っているのを打ち切って、敢えて7月末に結論を出そうとすることは、私は非常に不自然だし、違和感を感じる
 
あまり憶測でモノを言いたくはないが、間も無く任期を迎える規制委員会の委員の一人が、ある種自分のレガシー(遺産)にするという観点から、12年掛けてきた審査を今月で切って結果を出そうとする。一方で、事業者側はまだ追加の情報を出したいと言っている時に、これもダメだ、再稼働を認めないという結論になる場合、これは敦賀2号のみならず、他の原子力発電所にも大きな影響を与えることになる。よく規制側と事業者側がコミュニケーションをとってやっていくことが必要であり、こういったことを冷静に科学的に客観的にやっていくべきではないかと思いますので、少し違和感を感じること、懸念は申し上げておきたい
(終わり)
 

 
 →【YouTube】国民民主党・玉木代表会見(2024年7月23日)
 ※敦賀2号に関する発言は、20分40秒あたりから
 
原子力規制委員会が独立性の高い第三者委員会であるが故、政治の場から意見することをタブー視する感は否めませんが、であったとしても、米国のように原子力規制行政をチェックする役割は政治(政府や国会)にあると考えるところ。
 
国民民主党の認識は玉木代表が述べた通りですが、岸田首相や関係閣僚、自民党を始め、与党の皆さんはいかがお考えなのか。
 
いずれにしても、敦賀2号の審査如何は地元敦賀のみならず、国際情勢や今の日本のエネルギー事情からすれば、日本再生に向けて鍵を握るもの。
 
大注目の審査は明後日26日(金)。
 
本日ご紹介したことも念頭に置いていただいた上で、この審査会合をご覧いただけますようお願いいたします。

令和6年度「全国原子力発電所立地市町村議会議長会」総会

ブログ 原子力

歴代、敦賀市長が会長を務める通称「全原協」(全国原子力発電所所在市町村協議会)では、17日に経済産業省で石井拓政務官と面談し、次期エネルギー基本計画に原子力発電所の最大限の活用を明記することなどを要請したことが、地元新聞やインターネット記事にも掲載されています。
 
要望書を以下にリンクしますが、被災地復興や防災対策、原子力政策、立地地域対策の4分野で構成され、会長である米澤敦賀市長をはじめ、副会長の柏崎市長、玄海町長らから要請されたことを心強く思うところです。
 
 →全原協要請書(7月17日)はこちら
 
この「全原協」は、25の原子力所在地の首長と議会議長で構成するものですが、一方、原子力発電所等が立地している市町村やその立地が予定されている市町村の各議会の議長で構成する団体として「全国原子力発電所立地市町村議会議長会」があり、昨日、東京千代田区の都市センターホテルで開催された、同議長会の役員会並びに令和6年度総会に議長代理で出席してまいりました。
 
 →「全国原子力発電所立地市町村議会議長会」ホームページはこちら
 
敦賀市議会が理事となっている役員会が11時から開催された後、13時からは令和6年度総会。
 
冒頭、柄沢均会長(柏崎市議会議長)よりご挨拶があった後、ご来賓として、各省庁より経済産業大臣(代理:吉田宣弘・大臣政務官)、文部科学大臣(代理:清浦隆・大臣官房政務官)、原子力規制庁長官(代理:大島俊之・規制部長)、政党からは、自民党、公明党、立憲民主党、日本維新の会、日本共産党、国民民主党、最後に全原協の米澤光治会長よりご挨拶をいただきました。
 

【都市センターホテルの会場全景】

【ご来賓の皆様】
 
挨拶で経産大臣からは「S+3Eの実現、地域の課題解決に丁寧に取組む」、文科大臣からは「HTTRや常陽運転再開など研究が円滑に進むよう取組む」、原子力規制庁からは「残る10プラントの審査も妥協なくやる。審査会合のプロセスを改善し、手戻りがないようにするとともに、事業者からの提案などコミュニケーションを図りつつ、厳正且つ着実に審査を進める。」などの話しがありました。
 
なお、原子力規制庁の「妥協なくやる」との言葉を、現在審査が進められている敦賀発電所2号機に当てはめた場合、どういう意味を持つのか。
 
原子力規制委員会が、独立性の高い3条委員会であるとはいえ、行政機関のひとつに違いなく、であれば国の施策を踏まえ、原子力発電所を安全に活用(再稼働)するための審査であるべきであり、事業者の意見を突っぱねて審査の幕引きを急いだり、いわゆる「悪魔の証明」を持ち込むことによって独断・独善的判断がされることは決してあってはならないこと。
 
立地市町村議会議長らを前に、敢えて挨拶の場で言われた「妥協なくやる」の言葉をしかと胸に留めた次第です。
 
また、政党関係では、自身が所属する国民民主党からは、浅野哲・党エネルギー調査会会長が挨拶され、「再稼働推進、リプレースの実施を公約に掲げ、現実的な目線でエネルギー政策を考えている。次期エネルギー基本計画では、電力事業者の環境整備や人材確保、サプラチェーンの基盤強化などについて国として支援するとともに、医療や水素活用などの分野の活用を長期的視点に立って構築されるべき。安定で安価な電力供給のため今後も取組む。」旨、力強い言葉がありました。
 
こうして挨拶が終わり、総会では令和5年度事業報告や決算、令和6年度事業計画、予算が提案され、全議案承認。
 
総会の後は、経済産業省 資源エネルギー庁 大臣官房の佐々木雅人エネルギー・地域政策統括調整官様より「エネルギー政策・原子力政策の議論について」をテーマにご講義いただいた後、質疑。
 
事前に準備されていた、おおい町、刈羽村、柏崎市からの質問に続き、私からは、敦賀市議会6月定例会で採択した意見書をもとに、エネルギー基本計画見直しに関し、電力需給が増加する前提条件となったことも踏まえ、ベースロード電源としての原子力の長期的な必要容量と時間軸を明記することを求めたほか、自身が課題と感じている電力事業者が予見性をもって投資できるようにするための事業環境整備について質問した次第です。
 

【せっかくの機会と、意見質問しました】
 
こうして直接、国の政策担当者に意見できることは、全国原子力発電所立地市町村議会議長会があってこそと感じたところであり、わが国の原子力黎明期より立地点の議会としてあった敦賀市議会として、今後も役割を果たしていければと思ったところです。
 
すべての日程を終え外に出ると、ちょうど梅雨明けした東京は茹(うだ)る暑さ。
 
喘ぐ恒常的な電力需給逼迫、高止まりの電気料金に苦しむ国民生活や企業経営を、いま持ち得る電源で救うとすれば「原子力発電」しかなく、残るプラントの再稼働を何としてでも早期に進めねばと、改めて胸に刻み、会場を後にした次第です。

原子力小委員会が「原子力政策の論点」について議論開始

エネルギー ブログ 原子力

昨朝は、水曜日恒例の名子での辻立ちから。
 
発電所に向かう皆さんに対してはいつも、お手振り、アイコンタクトでご挨拶していますが、気持ちは「ご安全に」。
 
昨日は比較的過ごしやすい日であったものの、今は熱中症リスクが高い時期でもあり、安全第一の作業を願い、お見送りした次第です。
 
さて、昨日のブログでは6月定例会最終日に採択した議員提出議案「エネルギー基本計画見直しに対する意見書」の件をご紹介したところですが、ちょうど同じ日(6月25日)には、「総合資源エネルギー調査会 電力・ガス事業分科会 原子力小委員会」(以下、原子力小委)の第39回会合が開催され、エネルギー基本計画改定への反映を見据えた、原子力政策の論点について議論を開始したとありました。
 
原子力を取り巻く世界の情勢に関しては、本年6月13〜15日にイタリア・プーリアで開催されたG7首脳会合で、ネット・ゼロへの移行及びエネルギー安全保障の改善における原子力の可能性を強調し、研究開発やサプライチェーン強靱化等に向けた協力方針を確認。
 
マイクロ炉を含む革新炉や小型モジュール炉のような革新的技術の研究開発を促進し、プロジェクト資金調達手段へのアクセス拡大を可能にするために協力し、セクター間の協力を支援することや、COP28期間中に発表された2050年までに世界の原子力発電能力を3倍にするとの世界的な宣言に留意すること。
 
さらには、最高水準の原子力の安全性とセキュリティが、全ての国とそれぞれの国⺠にとって重要であることを強調するとし、今後こうした考えに従い原子力発電の活用を進めるとしています。
 
そうした情勢のなか、25日の原子力小委では、資源エネルギー庁が原子力発電の再稼働や新増設・リプレースに加え、※核燃料サイクルなどのバックエンド分野も含めた幅広い現状について説明。
 
※本来、「原子燃料サイクル」と書きたいところですが、提出資料に沿い、「核燃料サイクル」と表現いたします
 
前回のエネルギー基本計画策定時からの国際情勢、電力需要見通しの変化などを踏まえ、次世代革新炉の開発・建設に向けた事業環境整備や国際的な燃料サプライチェーンの確立など、具体化が急がれる取り組みについて議論を深めたとありました。
 
具体的に、議題に挙げられたのは以下2点。
 
(1)原子力に関する動向と課題・論点について
(2)核燃料サイクルの確立に向けた取組と今後の検討事項について
 
さらに、(1)に関する資源エネルギー庁提出資料では、
 
1. エネルギーを巡る状況について
2.原子力政策を巡る動向
(1)国内における状況
(2)海外における状況
3.原子力の特⻑
4.原子力活用にあたっての前提
5.原子力活用に向けた環境整備
 
について説明。
 
1.では、今後、エネルギーを巡る様々な論点について、6月以降「GX2040リーダーズパネル(仮称)」を開催し、有識者から見解を聴取した上で、それを踏まえてGX2040ビジョンにつなげること、こうした議論も踏まえ、エネルギー基本計画・地球温暖化対策計画の見直しや、カーボンプライシングの制度設計につなげていくとあり。
 
「GX2040リーダーズパネル(仮称)」については、5月13日に開催された「第11回 GX実行会議」においても示されていますが、ここを起点として議論が展開されることに留意をしておかねばなりません。
 

【6月25日の「原子力小委員会」資料より抜粋】
 
また、5.では、原子力活用に向けた環境備に関する課題や論点などを挙げた上で、最終ページには、「昨年の原子力関係閣僚会議にて決定した『今後の原子力政策の方向性と行動指針』について、現在の情勢を踏まえ、今後、どの取組の具体化を特に加速していくべきか」とし、以下のようにまとめられていました。
 

【上記と同じ】
 
意見書にて求めた「エネルギー基本計画見直し」につながるこの議論。
 
「今後、どの取組の具体化を特に加速していくべきか」とありますが、「どの取組『も』具体化を加速」いただけるよう、前向きな議論を切に求める次第です。
 
 →(参考)6月25日の原子力小委関連資料はこちらをご覧ください

「核兵器廃絶・平和建設国民会議(KAKKIN)女性懇談会」の皆さんが敦賀発電所を視察

ブログ 原子力 政治

「政治資金規正法の一部を改正する法律案」(自由民主党・無所属の会提出)が成立「してしまいました」。
 
これに先立つ参議院では、浜野よしふみ議員(電力総連組織内議員)が国民民主党を代表し、本改正法案に対する反対討論を行い、冒頭、
 
「今や、幾多の先人の努力の積み重ねにより築き上げられてきた議会制民主主義や政党政治は、その土台を大きく突き崩されかねない極めて憂慮すべき事態となっている。政治家にとって国民の尊敬と信頼が最高の基盤であることを忘れ、政治家が政界内部にのみ配慮するようになると、国民の常識と遊離することになる」
 
「これは、現状のことを言っているのではありません。平成元年、リクルート問題等による政治不信が高まる中、竹下総理から諮問を受けた『政治改革に関する有識者会議』がまとめた提言の一部です。平成の時代が過ぎ、令和の世になっても、またもや政治が、先達の警告した『憂慮すべき事態』に陥ってしまっていることを遺憾に思います。」
 
との言葉から始まり、真相究明や政策活動費などの点を挙げ、法案に反対する理由を述べられました。
 
なお、浜野議員の反対討論全文は以下リンクをご覧ください。
 
 →【国民民主党HP】浜野よしふみ議員が政治資金規正法改正案に対する反対討論」はこちら
 
また、昨日は3年ぶりの党首討論が行われ、同じく国民民主党の玉木雄一郎代表からは、
 
世界に冠たる日本をつくっていくためには、世界に範たる日本である必要がある。
そのためには、政治が規範を見せていかなければならない。
いまの日本政治は規範が失われている。
日本政治に規範を取り戻すために、総理に職を辞することを改めて求め討論を終わります。
 
と結び、四面楚歌の岸田首相にレッドカードを突きつけました。
 
今国会の会期末は6月23日。
 
さて、私のほうは昨日、水曜日恒例の辻立ちからスタートした後、3月定例会で新たに設置した「新幹線開業後まちづくり特別委員会」の傍聴、「核兵器廃絶・平和建設国民会議(核禁会議:KAKKIN)」の敦賀発電所視察対応と続きました。
 
核兵器廃絶に関しては、今定例会において、原水爆禁止福井県協議会から「日本政府に核兵器禁止条約の参加・調印・批准を求める請願」が提出されているところですが、「脱原子力社会」を熱望する原水禁と違い、私は、結成から今日まで、一貫して「核兵器廃絶」「被爆者支援」「原子力平和利用推進」に向けた活動を進め、平和建設の実現に取り組んでいる「KAKKIN」の考え。
 

【日本原電 敦賀原子力館にて説明を聞く「KAKKIN」の皆さん】
 
核兵器廃絶運動に関しては、1954年3月1日に発生した第五福竜丸ビキニ被災事件の後、日本国内での原水爆禁止に向けた機運の高まりを受け、原水爆禁止署名運動全国協議会が結成され、全国で2000万もの署名を集めたものの、早々に共産党がこの運動を仕切るようになり、その活動は本来の趣旨から外れた反米闘争強化路線となり問題視されました。
 
このような状況下の1961年11月15日、核兵器禁止平和建設国民会議(核禁会議)は「いかなる国のいかなる理由による核兵器も許さない」「特定政党および政治勢力の干渉と支配を受けない」「人道主義を基調とする」という立場に立つ学者・文化人・民間団体・婦人団体・労働組合等が結集し「再び核兵器が使用されることのない平和な社会の建設」を目指し結成。
 
そして、2014年1月に、名称を核兵器廃絶・平和建設国民会議(KAKKIN)と変更して今日に至っています。
 
・自由と民主主義を育て、守り、人間の尊厳を最重視する。
・社会正義の追及によって公正、安全な社会の実現を目指す。
・左右の全体主義に反対し、特定イデオロギー及び政治勢力の支配をうけない。
・いかなる国の核兵器、核実験に反対するとともに、原子力の平和利用を推進する。
・平和建設の意思を堅持し、日本の平和、世界の平和に寄与する。
 
の運動理念を掲げ、運動を推進しているKAKKINに、私も以前から考えをともに活動に参画する次第であり、先の請願についても当然反対する立場。
 
このタイミングでKAKKINの皆さんと意見交換できたことを有意義に感じるとともに、昨日視察いただいたことが、今後のKAKKINの活動、発展に資することを祈念する次第です。
 
中国が核兵器の増強を進めるとのニュースもあったところですが、同じ「核兵器廃絶」においても「KAKKIN」と「原水禁」では考えが異なるもの。
 
参考まで、両団体のホームページをご覧いただければ、トップバナーでその違いが分かるかと思います。
 
以下にリンクしますので、以下ご覧いただければ幸いに存じます。
 
 →核兵器廃絶・平和建設国民会議(KAKKIN)
 →原水爆禁止日本国民会議(原水禁)

敦賀発電所2号機の審査に係る「多くの疑問」

ブログ 原子力

敦賀以西は「小浜・京都ルートしかない」。
 
昨日注目の、北陸新幹線の大阪延伸を議論する与党の整備委員会で、敦賀から先は現行の「小浜ルート」を堅持し、2025年度の着工を目指すと改めて確認。
 
石川県の一部関係者などから、東海道新幹線の米原(滋賀県)につなぐルートへの再考を求める声が上がるなか、与党の姿勢を明確にするとともに、西田昌司委員長(参議院・京都府選出)は会合後の取材で「米原ルートは、システムや東海道新幹線の容量の問題がある」と述べ、再考を否定しました。
 
会合では、来年度着工に向け、年内に駅位置などを含む詳細を決める方針を共有したともあり、いよいよ敦賀以西の計画が具現化することを期待する次第です。
 
さて、北陸新幹線開業は、ここ敦賀にとって「歴史の転換点」となった訳ですが、産業基盤という観点からも、地元にとって欠かせないのは「原子力」。
 
先のGX実行計画にあった「最大限活用」を踏まえ、さらには電力需要が増加予想の中で迎える次期「エネルギー基本計画」見直しにおいて、「原子力発電」は将来に亘るベースロード電源として明確に位置付けられるべきと考える次第ですが、日本原電の敦賀発電所2号機(敦賀2号)もその一助を担うべく、早期の再稼働が待たれるところ。
 
敦賀2号に関しては現在、原子力規制委員会の審査が進められており、状況はこれまでもお伝えしている通りでありますが、ある方からのご紹介で関連記事が掲載されていることを知りました。
 
その記事とは、国際環境経済研究所理事・主席研究員の竹内純子(すみこ)氏が,敦賀2号審査(共同通信記事)について「NewsPicks」に投稿したもので、有識者からの本質を捉えたご意見と拝見いたしました。
 
こちらは皆様とも共有できればと思い、以下記事を引用掲載いたします。
 

【敦賀2号審査において「活動性を否定できる地点ではない」とされた「D-1(破砕帯)トレンチ」はこれほどまでの調査規模(2023年12月1日の視察時に許可を得て撮影)。】
 
<以下、竹内純子氏の記事引用>
 
原子力規制委員会の行政機関としての活動に、かなり課題があることは以前から繰り返し指摘していますが、日本原電への審査活動を詳細にみると、多くの疑問が出てきます。
 
まず、審査活動の頻度ですが、敦賀2号機の審査は、2023年9月以降、9ヶ月で6回の審査会合と現地調査、現地確認が実施されるなど、他地点と比べ短期間に集中しているように思えます。手厚く審査している、と言うことかもしれませんが、事業者側が規制委員会の宿題に応えるには時間もかかるので、短期間に審査を集中させた理由を聞きたいところです
断層の活動性と連続性を並行で審査するとされて、連続性については、3月の審査会合で日本原電側から説明、4月現地確認、6月と7月の審査会合でコメント回答という同時並行という慌ただしさ、6月6、7日の現地調査では、連続性のコメントを当初の回答予定時期より早めて7月中旬までに回答するよう求めたようですが、ここにきて何を急に急いでいるのか。
新規制基準への審査については全般的に時間がかかりすぎているのは事実ですが、ここにきて急に半月、1か月を急がせるというのは、何かあるのでしょうか?
 
また、5月で確認は終えた、と規制委員会側から議論打ち切りととれる通告があり、事業者としては、追加調査の結果など説明の継続を主張したとのこと。規制委員会は、「事業者が追加調査を実施するのは否定はしないが、確認は終了したという姿勢を崩さなかったようです。「事業者が追加調査を実施するのは否定はしないが」というのはずいぶんな言い草で、行政機関としての規制委員会に対して、国会がきちんとガバナンスすべきことを示しています。米国の原子力規制では、議会が規制委員会に対してきちんとチェック機能を果たしています。
 
よもや国会閉会中にこれほどの重大な決定がされることはないと思いますが、この不安定な国際情勢の中で、エネルギーという生命線を確保する上で、極めて重大な判断であり、政府・国会でもきちんと議論していただきたい。
 
自民党の「原子力規制に関する特別委員会」が以前出された安全規制に関する提言は極めてよく考えられたものでしたが、改めてあの提言を活かして、より良い規制活動にしていただくことを祈ります。
 
<引用終わり>
 
立場上、これ以上言及することは控えますが、米国の原子力規制と日本とで大きく異なるのは「経済合理性」や(独立性の高い第三者委員会であるが故の)「議会との関係」。
 
皆様におかれましても、この分野の第一人者とも言える竹内氏の「多くの疑問」を胸に留めていただければと存じます。

敦賀2号は「信頼と安心」のマイプラント

ブログ 原子力

本日の福井新聞1面には「活断層否定は困難 建屋直下との連続性焦点」のタイトル。
 
昨日行われた原子力規制委員会の「第1256回 原子力発電所の新規制基準適合性に係る審査会合」に関する記事で、日本原子力発電株式会社(日本原電)敦賀発電所2号機(敦賀2号)の「K断層の活動性評価」に係る審査の結果を報じたもの。
 
私自身もちろん注視していた審査会合であり、敦賀2号原子炉建屋の直下を通る「D-1破砕帯」が活断層か否かについて、①D-1破砕帯の延長線上にある敷地内断層「K断層」の「活動性」、②K断層が原子炉建屋まで延びているかの「連続性」 を論点に審査が進められており、昨日の会合ではまず①について、日本原電からのコメント回答がされた上で、規制委員会の審査チームとの共通理解として確認されました。
 
専門性が高く、膨大であるため、細かな内容まで記載することは控えますが、会合の最後に両者で確認された内容のトピックスだけ掲載いたします(YouTube画面のスクリーンショットより文字起こし)。
 

【原子力規制委員会・原子力規制庁のYouTube画面。昨日の審査会合は約5時間半。】
 
<以下、抜粋引用>
 
日本原電のコメント回答及びK断層の連続性評価に係るスケジュール等について議論を行い、以下の事項について、審査チームと事業者との間で共通理解となっていることを確認した。
 
[I.本日の審議結果]
 
1.K断層の活動性評価に係る事業者からのコメント回答
(1)事業者からのコメント回答に関し、審査チームから、以下の事項について確認した。
 ・事業者が、地層の堆積年代で示している凡例のうち、「不整合境界」については、時間間隙の程度に関わらず、堆積構造の観察結果で認定していること…など他3項目
 
(2)審査チームは、これまでのK断層の活動性評価に係る指摘事項について、事業者として全て回答していることを確認した上で、設置変更許可申請書及び補正申請書(以下、「申請書」という。)の内容について、事業者から説明を終えたことを確認した。一方、事業者からは今後引き続き、調査等 に取り組みたい旨の申し入れがあった。
 
(3)審査チームは、申請書におけるD-1トレンチの北西法面、原電道路ピット及びふげん道路ピットにおけるK断層の活動性評価について、3層の堆積年代が後期更新世以降である可能性が否定しきれていないこと等から、活動性を否定する地点として妥当とはいえないことを言及した。
 
2.今後の審査の進め方
今後の審査会合の進め方に関し、審査チームとしては、以下の事項について確認した。
現地調査について、K断層の連続性評価に係る地質データの確認を目的として、6月6日及び7日に実施すること
・K断層の連続性に係る規制庁職員による現地確認(4月17日、18日及び25日)の確認できなかった事項については、基本的には6月の現地調査において説明すること。
・K断層の連続性に係るコメント回答について、事業者は、できる限り6月中旬までに回答するとしていること。また、6月中旬までに回答できないものは、7月中旬までに全て回答するよう努力するとしていること。
・次回審査会合では、K断層の連続性に係る審査会合での未回答コメントへの回答についての議論を予定していること。
 
[II.K断層の活動性評価に係る審査チームの確認状況]
 
K断層の活動性評価に係る設置変更許可申請書及び補正申請書については、これまでの審査会合(6回)において、事業者から申請内容の説明及びコメント回答を確認し、また、D-1トレンチの現地調査(1回)を行った。これまでの審議を踏まえ、事業者が行っているK断層の活動性評価に係る審査チームの確認状況は、次のとおりである。
 
1.K断層の分布及び性状
(1)割愛
(2)K断層の走向・傾斜については、D-1トレンチ内で一様ではなく、一部大きく異なるものがみられること。また、K断層による変位については、基盤岩より上位の地層では複数に分岐し、上方に向かって断続的に出現するという特徴を有し、また、K断層による地層の変形については、元の堆積構造が分からない状況において、確かに変形によるものであると科学的に判断することは困難であること
 
(主要な確認事項)
K断層の活動性評価について、審査チームの主要な確認事項は次のとおり。
i)北西法面でのK断層の活動性評価について、3層中の細区分層は、2.に記載のとおり、地層の分布は面的な拡がりがなく局所的であり、地層境界も複雑で様々な方向に傾斜している。また、変形を受ける前の元の堆積構造がわからないこと等から、これらの地層に認められる傾き等が、変形を受けた 結果なのか、初生的なものか評価することはできないため、K断層による変形を受けた地層と、変形を受けていない地層を明確に分類してK断層の活動性を評価できないことから、3層中のK断層による変位・変形に基づき、K断層の活動性を否定することは困難であると評価できること
 
ii)北西法面でK断層の上方に見られる割れ目については、K断層の位置や形状が連続的ではなく、変位は上方に向かって断続的に出現するという特徴等を踏まえると、当該割れ目がK断層に関連していないことが十分に示されていないこと
 
iii)原電道路ピットでK断層の上方延長上に見られる割れ目については、K断層の位置や形状が連続的ではなく、変位は上方に向かって断続的に出現するという特徴を踏まえると、当該割れ目がK断層に関連していないことが十分に示されていないこと。
 
iv)ふげん道路ピット東法面(下段)で基盤面に向かって1層中でせん滅しているK断層については、付近のボーリング孔で確認した結果、基盤岩中で確認したK断層と一連のものであると評価していること
 
v)K断層の第四系の1層堆積以降の活動回数については、スケッチが限られた範囲しか示されていないこと、鉛直変位量が適切に評価されていないこと等から、断層変位の累積性は認められないとは言えず、K断層の活動回数が1回と評価することは困難であること
 
以上が、共通認識とされたことの抜粋であり、これをもって①「活動性」に関する審査を一旦終える形となりました。
 
なお、これに関し日本原電は、同じく昨日夜にプレスにてコメントを公表。
 
内容は以下のとおり。
 
(日本原電コメント)
 
敦賀発電所2号機の新規制基準適合性審査に係る当社の対応について
 
当社は、本日、第1256回原子力発電所の新規制基準適合性に係る審査会合において、敦賀発電所2号機の敷地内のD-1トレンチ内に認められるK断層の活動性について、これまでの審査会合や現地調査でいただいたコメント全てに対して回答しました。
 
本日の審査会合において原子力規制庁から、「D-1トレンチの北西法面、原電道路ピット及びふげん道路ピットにおけるK断層の活動性評価については、3層※の堆積年代が後期更新世以降である可能性が否定しきれていないこと等から、活動性を否定する地点として妥当とはいえないこと」との確認結果が示されました。
 
当社はこれまでに、K断層の活動性を否定するために様々なデータを提出してきました。原子力規制庁の確認結果に基づき、追加調査について検討してまいります。
 
当社は、引き続き、今後の審査に真摯に対応してまいります。
 
※3層:D-1トレンチの北西法面において、当社がK断層の活動性を評価した地層
 
以上
 
私の立場から言及することは控えますが、ちょうどこの日のお昼休みは敦賀発電所での活動報告会を開催したところ。
 
ここでは、見直し議論が本格化する次期「エネルギー基本計画」において、今後増加する電力需要をいかに脱炭素電源で賄っていくのか(ベストミックスをベースに)が最重要ポイントであり、この役割を担うのは原子力発電。
 
午後に審査会合が行われますが、日本のこうした現状からも、敦賀2号の再稼働に向け頑張っていきましょうと声掛けした次第です。
 
精神論でどうなるものではないことは百も承知ですが、敦賀2号は私たちにとって、ともに育ち、社員から協力会社の方々まで、皆で大切に運転保守してきたマイプラント。
 
「可能性を否定できない」の一言で、愛車を廃車にすることはできません。
 
今回の審査会合で示された確認結果は極めて残念無念ではありますが、原子力発電を通じて社会に貢献するという意義は不変。
 
これまで幾多の難局を乗り越えてきたよう、「ネバーギブアップ」と「不屈の精神」で科学的・技術的データをもって立証し、審査を突破するのみです。
 

【敦賀発電所での報告会の様子。いかなる状況になろうとも、「信頼と安心」の敦賀2号は誇るべきマイプラントです。】

玄海町が「文献調査」の受入れを表明

ブログ 原子力

昨日の敦賀市議会は広報広聴委員会を開催。
 
主に、市議会だより次号の内容確認と今年度の議会報告会について協議しました。
 
とりわけ、議会報告会に関してはここ2年、全議員が出席し、市民の皆さんにお越しいただく「参集型」と、議員を3グループに分け、市内の団体等に足を運ぶ「出前型」のハイブリッド方式で開催してきましたが、これを踏襲するのか、見直していくのかなどについて様々な意見がありました。
 
まだ内容が固まった訳ではないので、ここで詳細に記することは控えますが、めざす「開かれた議会、より身近に感じる議会」の考えのもと、一人でも多くの市民に参加いただき、関心を高めていただけるよう知恵を絞るのが本委員会の役割かと思いますので、引き続き委員の一人として、趣旨や原則論、ルールを重んじつつ、協議に参画してまいる所存です。
 
さて、同じく昨日の注目は、佐賀県玄海町の脇山伸太郎町長が、高レベル放射性廃棄物等の最終処分地選定に向けた文献調査の実施を受け入れると表明したこと。
 
同町がこれに応募した場合、高知県東洋町(2007年に応募後、取り下げ)、北海道寿都町(2020年10月に応募、調査実施中)、同神恵内村(同時期に国から申入れ・受諾、調査実施中)に続くものとなります。
 
元々、町内団体からの請願があったことからすれば、地域の皆様が特定放射性廃棄物の最終処分と文献調査に高い関心を持っていただいたということであり、また、その後も町議会で議論を重ねたうえでの請願採択、そして脇山町長が前向きなご判断をされたことに心から敬意を表する次第です。
 
この判断に、マスコミはまたまた「核のごみ」のオンパレードですが、さすが正しく表記しているのが「原子力産業新聞」。
 
記事には、脇山町長の判断を受け、林芳正官房長官が記者会見で、玄海町による判断に対し敬意・謝意を表したうえ、「最終処分という国家的課題に対し、社会全体で議論を深めていく上で、非常に重要な一石を投じるもの」と、その意義を強調。海外の処分地選定プロセス事例にも言及し、日本においても「文献調査実施地域の拡大が重要」と、引き続き全国規模で議論していく必要性を述べたとあります。
 
また、地層処分事業実施主体の原子力発電環境整備機構(NUMO)の近藤駿介理事長は、「最終処分は日本社会全体で必ず解決しなければならない重要な課題」との認識をあらためて示すとともに、引き続き「全国のできるだけ多くの地域に文献調査を受入れて欲しい」とするコメントを発表。
 
続いて、電気事業連合会の林欣吾会長からは、「発生者としての基本的な責任を有する立場から、国やNUMOとも連携しつつ、地域の皆様との対話活動を通じて、できるだけ多くの皆様との関心や理解が深まるよう取り組んでいきたい」とのコメントを発表したとありました。
 
以下の図(※1)に示すよう、文献調査は、高レベル放射性廃棄物等の処分地選定に向け、最終処分法で規定された最初の段階であり、関心を示した市町村を対象として、地域の地質に関する文献・データについて机上調査するもの。
 
(※1)資源エネルギー庁「総合資源エネルギー調査会 電力・ガス事業分科会 特定放射性廃棄物小委員会 第3回地層処分技術ワーキンググループ」(2024年5月2日開催)において、資料3としてNUMOが提出した「文献調査段階の評価の考え方」に基づいた評価及び検討のプロセス
 

【文献調査は、3段階の第1ステップ】
 
なお、地域には2年程度の文献調査期間中、国から最大20億円が交付されることを補足しておきます。
 
結びに、原子力立地自治体では初となる玄海町での文献調査受入れを皮切りに、今後、全国の多くの自治体でも手が挙がることを期待するとともに、ここ敦賀市、あるいは嶺南の立地自治体においても果たす役割があるものと、改めて認識を強める次第です。

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