議員生活18年。小林正夫参議院議員が最後の質問。

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委員会室内に暫し鳴り止まぬ拍手。
 
立憲民主党が提出した内閣並びに衆議院議長不信任決議案によりストップしていた国会審議が昨日再開され、参議院では総務委員会ほか各委員会を開催。
 
私の「尊敬する人物」の一人、電力総連組織内国会議員の小林正夫参議院議員(国民民主党)は、この7月下旬の任期満了をもって3期18年の議員生活に終止符を打ち、そのバトンを竹詰ひとし氏に託すべく、現在取組みが進められているところですが、その小林議員が最後の質問に立たれました。
 
その質問が終わった時に起きたのが、冒頭の「鳴り止まぬ拍手」であった訳ですが、最後まで思いのこもった質問に私も感動した次第です。
 
この日、小林議員に与えられた時間は45分。
 
質問項目を
◉知床半島での観光船事故に係る通信について
◉電気通信事業法の一部を改正する法律案について
◉電力の安定供給確保について
とし、順次、真摯に答弁を求めておられましたが、何といっても最後の最後に据えた項目、議員の信条でもある「電力の安定供給」を質す姿は迫力がありました。
 
いくつか質疑の内容を紹介しますと、まず、「質の高い電力の安定供給は必要不可欠」とし、「デジタルは安定した電力供給がなければ成り立たない。今の電力需給逼迫の状況では、デジタル社会、高速通信時代は遠のいてしまう。電力安定供給の大事さは共感できるか。」との問いに対し、金子総務大臣は「必要不可欠と認識している。通信インフラの消費電力は増加しており、省エネも進めているが、前提として電力の安定供給は極めて重要である。」との答弁。
 
次に、「2022年夏季、2023年冬季の電力需給逼迫に対し、7日に開かれた検討会合では、休止中の火力発電所の稼働を求めることや電力使用制限令の準備までの議論に及んでいるが、今後も需給逼迫が見込まれる要因は何なのか。」との問いに対し、細田経産副大臣は「火力の停止、休廃止や原子力の再稼働も順調に進んでいないこと、コロナで電力需要が急拡大したことなどによるものであり、短期的には休止火力の再稼働などを行いながら、節電等に関しては国民に丁寧に説明しつつ理解を求めていく。」との答弁。
 
続いて、「原子力の再稼働が政府が考えていたより遅れていることが要因だと考えるがどうなのか」との問いには、「要因の一つである」。
 
「第6次エネルギー基本計画では再生可能エネルギーの比率を拡大していくとあるが、太陽や風任せで安定した電源化にどう取り組んでいくのか」に対しては、資源エネルギー庁の南統括調整官が「S+3Eの前提条件を持って 脱炭素電源による国産エネルギー拡大、蓄電池、水素などの調整力確保、FIP、容量市場を通じた調整力、供給力の確保などを行い、電力の安定供給を図っていきたい。再エネだけで全てを賄うことは難しい。あらゆる選択肢を持ってカーボンニュートラルを目指す。」。
 
「再エネ賦課金、補助制度からの早期自立が必要」との問いには、「必要。中長期の価格目標設定、再エネのコスト低減を目指す。全体の電力コストを踏まえ、賦課金に頼ることなく再エネの拡大を図ることが重要と考えている。」。
 
「どうやって電力の自給率を30%まで上げていくのか」には、「自然エネルギー、徹底した省エネ、安全を大前提とした原子力再稼働、エアコン省エネなどトップランナー方式の導入、再エネの国民負担を抑制しつつ進める。原子力は必要なベースロード電源。安全最優先で地元の理解を得ながら再稼働を進めていきたい。」。
 
「原子力で自給率を高めることが重要であり、既設の原子力再稼働はもとより、小型モジュール炉などの次世代炉については、将来に向けた技術力維持の観点を含め、実施していくべき」との意見に対し、「万全を期していくことが重要。安全を大前提に規制基準で認められた場合、地域の理解を得ながら再稼働を進めていく。リプレースは現時点では想定していない。」とあり、「あらゆる施策を追求していくことが重要であり、現時点ではカーボンニュートラルの達成に向けては、純国産エネルギーである原子力を活用することが我が国にとって重要。早くリプレースに向けた考えが示されるよう期待をしておく。」と再度、押し込みの発言がありました。
 
その後、小売全面自由化で新電力が相次いで撤退していることなどを踏まえ、「新電力の政策について再検討すべきではないか」、また「小売事業者のリスクが高まっており、電力システム改革の検証をやってもらえないか」と意見され、これには「電力システムを不断に見直すことは必要。問題意識は共有する。」との答弁がありました。
 
こうして全ての質問を終えた小林議員は最後に、「この総務委員会での質問が議員生活18年間の最後となります。3期目に所属したこの総務委員会では政治が生活と直結していることをまざまざと感じました。私にとって、議員生活は第2の青春でした。それは、日々発生する課題に対しエネルギーを持って対応することができたからだと思います。そのことに感謝を申し上げ、私の質問を終わらせていただきます」。
 
この後に起こったのが、冒頭の万雷の拍手であった訳ですが、最後となる質問者への花向けとしても、拍手が暫し鳴り止まなかったことは、真摯にそして誠実な政治姿勢を貫いてこられた小林議員への賛辞の気持ちが込められていたからと受け止めた次第です。
 
私自身、東日本大震災後の苦しい時期をともにしながら、議員の選挙では2度も東京都内での街頭演説の司会をやらせていただいたり、足繁く議員会館に通いお話しさせていただいたりと、思い出が走馬灯のように頭をよぎり、そんな小林議員がいよいよこれで最後と思うと感無量の気持ちとなりましたが、質問を終えた議員の表情はとても晴れやかに映りました。
 
議員生活を振り返って「第2の青春であった」と述べた小林正夫議員。
 
これまでの18年間、本当に、本当にお疲れ様でした。
 
7月下旬までの任期満了まで、今暫しお力を借りながら、私自身、議員の政治姿勢をお手本とし、活動に邁進したいと思います。
 

【最後の最後まで全力で質問する小林正夫議員は、私にとって心の底から尊敬する大先輩です】