衆議院内閣委員会での「原子力発電施設等立地地域の振興に関する特別措置法」を巡る審議を見て感じたこと

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今国会に提出されている法案のうち、原子力立地地域である敦賀市として特に注視している「原子力発電施設等立地地域の振興に関する特別措置法の一部を改正する法律案」(第204回国会閣法第8号)。
 
と唐突に申し上げても何のことかとお思いかと存じますので、まずこちらのスライドをご覧ください。
 

 
これは、令和2年6月の敦賀市議会定例会において、まさに本法案の期限延長を求め、議員提出議案として採択した「原子力発電施設等立地地域の振興に関する特別措置法の期限延長等を求める意見書」に関する「やまたけ活動報告会」の説明スライドであり、大筋ご理解いただけるのかと存じます。
 
このように原子力立地自治体にとって、大変重要な改正法案については、「原子力発電施設等の周辺の地域の生活環境、産業基盤等の整備の状況に鑑み、引き続きこれらの整備に必要な特別措置を講ずるため、原子力発電施設等立地地域の振興に関する特別措置法の有効期限を令和13年3月31日まで10年間延長する必要がある。これが、この法律案を提出する理由である。」との理由により、実際、1月19日の閣議決定により「閣法」として提出されていたもの。
 
本法案については、昨日、所管する衆議院内閣委員会にて審議が行われたため、ネット録画にて視聴させていただきましたが、事実と異なる部分や対応として首を傾げることが多々ありましたので、そのうち特筆すべき点だけお伝えしたいと思います。
 
なお、もし私の受け止めが逆に事実と異なるようであれば、直接ご意見いただければ幸いです。
 
まず、この日、トップバッターで質問に立たれた立憲民主党の斉木武志議員の質問。
 
冒頭、「なぜ一言も変えずに閣法として提出してきたのか。単純延長で良いのか。」と問うた点。
 
これに関しては、1月16日の和泉明敦賀市議のブログに、本法案がなぜ「議員立法」では無く「閣法」なのか、なぜ「単純延長」になったのかについての経過が書かれています。
 
【以下、和泉明議員ブログの該当部分を引用】
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斉木代議士は「原発特措法」が本年3月に期限が切れることをあげ、さらに10年延長した上で税優遇の対象業種を拡大させたいとのことをあげられていますが、「原発特措法」は20年前に「議員立法」としてできた10年間の時限立法で、10年前にも議員立法として1度延長されているもの。
 
今回再度の延長に向け、高木代議士の本県の課題欄にも書いてある通り、高木代議士が自民党プロジェクトチ-ムの座長として「原発特措法」の再々延長と嵩上げ率の上乗せ、使途拡大、税優遇措置等与野党で合意形成の調整をいただきましたが、立憲民主党の反対で再々延長そのものも「議員立法」という形で合意できず、高木代議士のご尽力で今回は通常国会の政府案として閣議決定の形で「単純延長」を実現されるものとお聞きしています。
 
比例北信越野党の斉木代議士、新聞掲載には「原発特措法」の延長は重要と書かれていますが、所属する党は反対で、党内で「原発特措法」再々延長でまとめる努力はされたのか…県内の課題として「原発特措法」一本をあげられるほど重要課題と思われるなら、立憲民主党が再々延長に反対ならは離党してでも本県の課題について解決できるよう努力されるのが筋というものだと思いますが…。
 
立憲民主党に入党されたこと、本県のエネルギ-政策を語る上で責任を持った言動を求めるものです。
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次に、立地地域である地元敦賀市のエネルギー担当と本法案について2、30分お話しをされてきたとしたうえで、敦賀市の担当者が本法案を「カビの生えた法案だと話している」と発言した部分。
 
これに対しては井上内閣相より、「地元からは、重要な法案であり期限を延長して欲しいとの声を伺っている。要望も聞いて予算措置をしている。」との答弁がありましたが、私が想像する敦賀市のエネルギー担当者はそういう発言をするとは思えませんので、その点は週明けに事実確認をしておきたいと思います。
 
投稿後に追記
6日朝、市に事実確認をした結果、「斉木議員からの電話ヒヤリングがあった際、斉木議員側から『法案の考えは古い』との言葉があったものの、敦賀市担当がこれに同調した事実はない。時限立法の単純延長だけでもありがたいとは回答している。」とのことでした。
つまりは、斉木議員自身が仰ったことを、あたかも市の職員が言ったかのように「国会の場で」話したというのが事実であることが判明。

 
もし、そうした発言をした事実がないとするならば、国会という言論の府、公の場で、地元敦賀市があたかも本法案の存在を否定しているかの如く受け止められるような発言をされたことは、敦賀市にとって大きなマイナスイメージとなるものであり、発言訂正を求め、行政として抗議をするくらいのレベルであるのではと考えるところです。
 
終盤では、「閣法を撤回すべき」とまで仰られてましたが、この点については経過を記載した前述の通り。
 
事実関係としてお伝えしたい点は他にもありますが、これ以上は止めておきます。
 
本法案については、最終的に内閣委員会にて可決。
 
衆議院本会議での採決後、参議院に送付されます。
 
ちなみに、立憲民主党が提案した修正案は否決、原案(単純延長)に対する採決は、野党でも立憲民主党は「反対」、国民民主党は「賛成」。
 
共同提出された原案に対する附帯決議は、立憲民主党も国民民主党も「賛成」。
 
普通、原案に反対の場合は、附帯決議を付けことに賛成しない(そもそも原案反対なので)訳ですが、この立憲民主党の対応はイレギュラーとも言えるとのこと。
 
しかしながら、同党が「原案に反対」したということは、法案趣旨にある「原子力発電所等立地地域の振興」にも「反対」したとしか取れない訳であり、立地自治体とも立地地域の議会とも相反する考え、対応であることが鮮明になったものと受け止めます。
 
この日は、国民民主党の榛葉賀津也幹事長が記者会見で、参議院長野選挙区補欠選挙(4月25日投開票)に関し、立憲民主党新人の羽田次郎氏が共産党などと結んだ政策協定の内容に問題があるとして、3日付で決めた羽田氏への推薦を見直す可能性に言及しました。
 
政策協定は羽田氏が2月27日に立憲、共産、社民3党や安全保障関連法廃止などを訴える市民団体と締結。
 
日米同盟に頼る外交の是正や「原発ゼロ」の実現などが盛り込まれたとあり、榛葉幹事長は「国家の基本に関わる問題であまりにも我が党と違う方向性で協定を結ばれた」と指摘。
 
羽田氏本人に直接事情を聴き、対応を検討する考えを示しました。
 
エネルギーと外交・安全保障は国家の根幹を成すもの。
 
「自公政権に代わる二大政党政治を目指す」のは賛成ですが、「理念なき、選挙のための野合」(いや、この3党の理念はある意味合致しているか…)は、まっぴらご免。
 
次の衆議院選挙では、そうした事実を一つづつ照らし、しかと選択していかねばなりません。