松本零士先生が残した敦賀の「宝」

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「宇宙戦艦ヤマト」などの人気作品を次々手掛け、SF漫画ブームの立役者となった松本零士さんが昨日、都内の病院でご逝去されました。
 
「遠く時の輪の接する処で、また巡り会える」
 
ご家族にそう言い、旅立っていった松本零士さん。
 
心よりご冥福をお祈り申し上げます。
 
私にとって、松本先生の代表作「宇宙戦艦ヤマト」や「銀河鉄道999」は特に、小学校時代、毎回楽しみに観ていた大好きな作品であり、ヤマトの沖田艦長や古代君、999の哲郎など、特徴的なキャラクターは今でも思い出とともに生きているところ。
 
また、敦賀市においては、1999年に敦賀港開港100周年を迎えた際の記念事業として整備された「シンボルロード」を通じ、松本先生と深い関係にあります。
 
「シンボルロード」とは、「鉄道と港の街つるが」〜松本零士作品と敦賀の関係〜をテーマに、かつては東京とパリを結ぶ「欧亜国際連絡列車」が敦賀港駅を経由して走り、敦賀は「日本でも有数の鉄道と港の町」であったことを踏まえ、1999年に敦賀港開港100周年を記念して、市のイメージである「科学都市」「港」「駅」と敦賀市の将来像を重ね合わせて、「宇宙戦艦ヤマト」のブロンズ像12体、「銀河鉄道999」のブロンズ像18体の計28体のモニュメントを敦賀駅から気比神宮までのシンボルロードに設置したもの。
 

【28体のモニュメントが並ぶシンボルロード】
 
「科学都市」には半世紀に亘り共存している原子力発電の意味合いを含むものですが、改めて、敦賀の特色と見事に掛け合わせた、松本先生監修のモニュメントはまさに、敦賀の「宝」と認識するところです。
 
各モニュメントの脇にはそれぞれのテーマが表記されていますが、読めばそれは、将来に進む敦賀へのメッセージとも感じるものがいくつもあり、この「旅立ち」もそのひとつ。
 

 
希望や夢あるメッセージを残してくれた松本先生に改めて感謝する次第です。
 
約1年1ヶ月後に控える北陸新幹線敦賀開業に向けては、敦賀駅から気比神宮までをつなぐ動線、まさにこのシンボルロードを活かすことが重要であり、敦賀に残してくれた「宝」を大切に活用することが、先生の敦賀に込めた思いを継承すること。
 
先生を偲ぶに、この後はヤマトか999、またはアルカディア号に乗って宇宙空間を旅する姿が目に浮かぶ訳ですが、多くの思い出と勇気を与えてくれたSF漫画の巨匠に感謝の気持ちをもってお見送りしたいと思います。
 
松本先生、本当にお疲れ様でした。そして、ありがとうございました。
 

【原電総連の皆さんと毎年行っているモニュメント清掃。これからも大事に磨き上げていきます。】