敦賀の歴史を振り返る「大河ドラマと市民歴史講座」

ブログ 敦賀の歴史・文化

「過去に学び 未来に期待し 今を生きる」
 
昨日午後は、気比史学会の市民歴史講座を開催。
 
私は、今期より史学会の理事を拝命していることから、準備や運営を含めた形で参加してまいりました。
 
今年度で38期を迎えるこの市民歴史講座ですが、第3講となる今回は、奈良大学の外岡慎一郎教授をお招きし、「鎌倉殿と13人の御家人 〜NHK大河ドラマと市民歴史講座〜」をテーマに、約2時間お話しいただきました。
 
実はこの市民歴史講座、第1講、第2講までは市立図書館3階の研修室にて開催してきましたが、コロナ対策で入場者制限(会場収容人数の半分:50人)することもあって、超過した方を受け入れるため、急遽隣室とつなぎ会場設営するなど難しい対応となっていたところ。
 
そのうえ、第3講の外岡先生は人気の講師ということから、混乱を未然に回避するため、会場をきらめきみなと館小ホール(収容半分:115名)に変更し、開催したもの。
 
想定していた通り、この日も90名を超える参加があり、会場変更したことは功を奏した訳ですが、併せて市民の皆さんの歴史に対する関心の高さを感じた次第です。
 
講座のほうは、外岡先生の深い見識から、現在放映中の大河ドラマ「鎌倉殿と13人」の登場人物や歴史の経過にスポットを当て、歴史家から見た視点を学ぶことができました。
 
また、「鎌倉殿の13人」に登場している御家人は、関東・東北を中心とする「東国御家人」と呼ばれ、「西国御家人」と分類されることや、ここ敦賀においては、稀有な存在として櫛川郷地頭山内氏の名前があるものの、承久の乱後の進出であり、当時国御家人は不在?であったこと、さらには鎌倉時代の敦賀は「欠史時代」と呼ばれ、あまり良く分かっていないことなどを知ることができました。
 

【多くの歴史ファンが訪れた会場の様子】
 
外岡先生に関しては、敦賀短期大学に日本史学科を設置した際に赴任されてこられたことを契機とし、史学会とはそれ以降のお付き合いということでしたが、聞けば、これまで250回を超える市民歴史講座の中で、27回も講義いただいているとのこと。
 
ちなみに外岡先生は、敦賀城主「大谷吉継」研究の第一人者でありますが、奈良に拠点を移されてからも、敦賀への愛着をもって、こうして幾度も足を運んでいただいており、今講義の最後にも「大河ドラマを契機に敦賀がどう描かれたかを顧みることができるよう、歴史を振り返る形で市民歴史講座が開かれてきた。今後もいつでも講師陣として来たい。」との言葉があり、改めて感謝申し上げる次第です。
 

【ご講演の後には何と、この日もサインを求める方がいらっしゃるほどの人気を有する外岡慎一郎先生】
 
さて、設立から45年を数える気比史学会においては、役員の高齢化などによる運営体制の面から、昨年の総会にて、令和4年度末をもって会を閉じる方向としていたところですが、比較的若い世代(私を含む)の会員を中心に、何とか歴史ある市民歴史団体「気比史学会」を継承すべく、具現化に向け検討を重ねているところ。
 
昨日、最後に謝辞を述べられた糀谷好晃会長からも、このことに若干触れていただきましたが、同様の理由で解散していく市民歴史団体が殆どの中、私はこの会を今後も継承していくことこそ、豊富な歴史、文化を有し、大切にする敦賀の証であると考えます。
 
ついては、私自身、歴史の継承に向け尽力する所存ですが、皆さまの中でこの考えに共感いただける方は是非、何らかの形でご協力いただきたく、連絡頂戴できれば幸いです。
 
最後はお願いになってしまい恐縮ですが、冒頭の言葉は、私も胸に置いている気比史学会の会是。
 
そうした思いを込めて、「地域史の大衆化」(端的に言えば、敦賀の歴史ファンを増やす)を目的に続けてこられた市民歴史講座。
 
以下に今期の予定を掲載いたしますので、少しでも関心のある方は是非お気軽に、参加くださいますよう宜しくお願いいたします。
 

※第4講の会場も、きらめきみなと館小ホールとなります。