北陸新幹線敦賀開業まであと2年

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先の代表質問でも意見した、今後市民生活と市内経済に影響を与えるであろう、新型コロナと資源価格の急騰に伴う物価上昇によるダブルパンチ。
 
質問の中でも「オイルショックの再来」との言葉を使ったところですが、ロシアによるウクライナ侵攻が続く中、インフレやモノ不足に陥る可能性が現実味を帯びてきており、9日にはフランスのルメール経済・財務相が「この2022年のエネルギー危機は、激しさや粗暴さで、1973年(昭和48)のオイルショックに匹敵するといっても過言ではない」と述べています。
 
1973年と言えば私はまだ1歳でしたが、この第1次オイルショックでは、国際的な原油価格が一挙に4倍に急騰したことで世界経済は大混乱。
 
日本も「狂乱物価」の状態に見舞われ、翌1974年度の経済成長率は戦後初めてのマイナス成長となったことを踏まえればやはり、相当な危機感を持って対応準備を急がねばと思うところ。
 
思い返せば、先の大戦に至った経過(エネルギー資源戦争)やこうした過去の教訓(エネルギー危機)も踏まえ、日本が選択したのが「原子力発電」であった訳であり、この危機を救うため一日も早く政治判断し、再稼働を促進していただきたいと切に願うところであります。
 
さて、話しは変わり、昨日はJR各社のダイヤ改正ということもあってか、福井新聞を開くと大きく2面を割き「開業まであと2年」の言葉とともに北陸新幹線敦賀駅の航空写真が掲載されていました。
 
新幹線敦賀駅は、12月に市議会議員団でも工事現場を視察させていただいた訳ですが、狭隘なスペースに3階建ての駅舎を建設するこの敦賀駅工区は金沢〜敦賀の工事区間の中でも難易度の高い主要工区と位置付けられるもの。
 
以前に工期は1年延長となったものの、その後は順調に工事が進められており、2024年春の開業に向け期待が高まるところであります。
 
また、この日の午後はちょうど、敦賀駅前交流施設オルパークで開催される「北陸新幹線開業7周年記念フォーラム」にお声掛けいただいていたため会場に向かうと、オープンスペースには30名程度、大型スクリーンには各地とオンラインでつないでのレイアウトがされていました。
 
主催する「北陸新幹線沿線連絡会議」は、この3月1日に設立したばかりであり、(株)北信越地域資源研究所代表取締役の平原匡氏、青森大学社会学部教授の櫛引素夫氏、富山国際大学現代社会学部准教授の大谷友男氏の3名が発起人となり、北陸新幹線開業後の様々な影響を継続的に把握をし、それぞれの活動状況や課題を共有することで地域におけるまちづくりの強化・深化を図ることを目的とするもの。
 
敦賀会場には、市の関係部署職員を始め、市内各分野で活動される皆さんが集い、熱気を感じた次第です。
 

【フォーラムの演題】
 
フォーラムの方は3部構成で、第1部は既に開業している北陸新幹線駅のある地域で活動されている4団体からの活動報告、第2部ではご当地敦賀から開業まちづくり推進会議、NPO法人THAP(タップ)、角鹿会の3団体から活動紹介、第3部では櫛引先生が仕切り役となり、オンラインでつなぐ各地域への質問や取り組み事例の引き出しをされ、大変貴重な話しを聞くことができた2時間半となりました。
 
とりわけ印象に残ったのは、第1部で一般社団法人信州いいやま観光局さんからあった、半径20km圏内9市町村で進める広域連携により「地域の目指す方向が明確になった」との言葉(嶺南6市町もそうせねばと)、(株)北信越地域資源研究所からの「新幹線が地域の『自分ゴト』であって欲しい。『自分ゴト』の人が増えていくことが重要。」、NPO法人黒部まちづくり協議会さんからの「当初の観光、おもてなしよりも(新幹線の存在が)自分達の生活とどう関わるかという視点に変わってきた。市民の生活をどうしていくかを考えなければならない。」との言葉。
 
まさにご自身が活動される中で実感された言葉、思いだけに、私の頭にもスッと認識された次第です。
 
また、第3部では、函館から出席された方より「マインドの持続、開業以降も残るリソース(資源)を思考しておくことが大事。開業をお祭り騒ぎで終わらせない。」との指摘、櫛引先生からの「新幹線は観光客のためでなく、地域の住みやすさや生活の利便性向上につなげないといけない」、「新幹線は目的ではなく手段」との言葉にも気付かされる点がありました。
 
まずは開業に向けてということでありますが、私の立場としては尚のこと、その先のまちづくりにどうつなげていくのかを思考しておかねばと強く感じる契機になったこと、また南は鹿児島中央駅の方を含め、先行開業の地域から敦賀に対するエールもあり、こうした機会に出会えたことに感謝した次第です。
 
その帰り、車を停めた私のお気に入りの場所、駅前立体駐車場の屋上に行くと、駅西エリアでは開発が進む各建屋の外観が姿を現し、反対の新幹線駅ではホーム上屋工事の状況を見ることができました。
 
夕陽に照らされる両エリアを見ていると期待とワクワク感しかない訳ですが、浮かれ気分を引き締め、今一度先ほどのことを頭に思い浮かべ、駐車場を後にした次第。
 

【駅西エリア。手前の屋根が知育・啓発施設、奥は飲食・物販、真中は芝生広場となる整備計画。ちなみに左の青シートで覆われているのがホテル、その右は嶺南初出店予定のスターバックス。】

【新幹線敦賀駅工区の状況(福井方面)。クレーン付近が上屋工事。】

【新幹線敦賀駅工区の状況(滋賀県方面)。左カーブの先は車両基地。】
 
JRのダイヤ改正に話しを戻すと、新幹線は東海道など一部を除いて定期列車を削減、在来線は関西や各地方の路線も減便するなど、新型コロナウイルス禍での需要低迷を受けた対応で、走行距離に換算した削減規模はJR発足以降で最大になるとのこと。
 
北陸新幹線敦賀駅から嶺南以西につながる小浜線も「マイレール」。
 
地域の交通機関をいかに大切につなぎ残していくか、課題は尽きません。