「ちえなみき」は教養主義復活への一歩

ブログ まちづくり

少し前に、2017年6月5日の日経新聞「時流地流」に掲載された「市営書店、教養主義への扉」との切り抜きをいただきました。
 
切り抜きは、青森県八戸市が市営書店「八戸ブックセンター」を開業して半年を迎えようとしていた頃のもので、記事には、「自治体直営の書店は離島などを除けば全国初となる同センターは、民間の小規模書店では扱うのが難しい専門書や良書を中心に販売し、読書文化を育むのが目的だ。」から始まり、「開業から5ヶ月で10万人を突破し、1日当たり約660人で目標の330人を大きく上回る。」とありました。
 
続いて、当時の小林真・八戸市長は「『本のまち八戸』構想を掲げ、2014年度から新生児に本を贈り、小学生に市内で使える2000円の図書券を配ってきた。書店はその総仕上げで、施設整備に1億4千万円、毎年4千万円の赤字を見込むが、小林市長は『市民が本と出会う場所を創出する公共サービス』と話す。」とあり、「最近、電車で読書をする人をほとんど見ない。片やネットでは下劣な言説が飛び交う。市営書店が教養主義復活への一歩となればと思う。」と社会風刺も絡めた形で締め括られていました。
 
この記事を読んで重なるのが、敦賀駅西地区で「本屋でも図書館でもない『知の拠点』」をコンセプトとする「ちえなみき」ではないかと思います。
 
→「ちえなみき」の詳細はブログ「『ちえなみき』はワクワク感あふれる書籍のジャングル」(10月11日)をご覧ください
 
奇しくも昨日の福井新聞「ふくい日曜エッセー時の風」のコーナーで、常々教えを請うている気比史学会の糀谷好晃会長が「迫り来る新幹線敦賀開業」とのタイトルで寄稿されており、「地政学的優位性と深遠な歴史など敦賀が持つ真の価値と可能性が発揮できていないことに忸怩たる思いできたのは筆者だけではあるまい」としつつ、新幹線開業を前に「今こそ我がまちのポテンシャル(潜在的可能性)を引き出し、敦賀としてのアイデンティティを世に送り出す絶好のチャンスであり、このチャンスを前にして、官の覚悟と、民の動向が問われる所以でもある。」と述べられていました。
 
また、9月に駅西地区で開業した「otta(オッタ)」の中核・公設書店「ちえなみき」に触れ、「図書館や一般書店とは一風変わった書籍群を歴史・文化・生命など「文脈」で並べ、本との出会いを自らが楽しむ場としている」こと、「全国的に稀有な今回の挑戦が、読書の真髄に迫る教養主義復活の一歩ともなればと願うのは大袈裟か」と記されていました。
 
先日の報道では、9月1日の開業から3ヶ月で来場者は10万人を超えたとのことで、コロナ禍を差し引いても八戸を大きく上回るペースに、その役割と期待は大きく膨らむもの。
 

【「ちえなみき」の店内。書棚配置や本の陳列すべて、考え尽くされたものとなっています。】
 
インターネットやSNSの急激な普及で、知りたいことがすぐに手に入る時代ですが、それでも読書の重要性や価値が変わることがないのは何故か。
 
単に答えを求めるだけではなく、そこには新たな出会いや感動、希望が生まれ、そして何より「知」を得ることは、個々の幸せや満足感が得られることと同義であると考える次第。
 
「知の提供」は基本的には「官」の役割と認識しつつ、好調な出足の「ちえなみき」が文字通り、市民はもとより新幹線開業で敦賀を訪れる方々にとって「知の拠点」となることに加え、糀谷会長が仰るよう「教養主義復活の一歩」になること、そしてさらには、こうした学びの姿勢がやがて敦賀の文化となり、アイデンティティとなって根差すことを期待して止みません。
 
→敦賀市知育・啓発施設「ちえなみき」のホームページはこちら

大比田の皆さんに活動報告を行う

ブログ 活動報告

第210臨時国会は会期末の土曜日に法案審議を行う異例の展開を経て閉会。
 
世界平和統一家庭連合(旧統一教会)問題をめぐる被害者救済法を始め、霊感商法の被害救済に向けた消費者契約法改正案などについて、10日の参院本会議で与党や国民民主党、立憲民主党、日本維新の会の賛成多数で可決、成立しました。
 
救済法は宗教法人に限らず、個人から法人や団体への寄付一般が対象となるほか、「霊感」で不安をあおる不当な寄付勧誘行為などに加え、借金や住居、生活に不可欠な資産を処分して資金を調達するよう求めることも禁止しましたが、与野党がこうして協議し、法整備されたこと自体、評価されるものと考えます。
 
なお、国民民主党は本救済法等成立にあたっての談話の中で、施行後2年を目途とした見直しの際には、広く心理的支配を作出及び利用することを禁ずる規定を刑法に定めることも視野に入れ、その際には、組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律と関連づけることも併せて検討することを求めるべく、一昨日には議員立法を提出した旨述べており、より実効性ある法改正を行うことが国会の役割であると認識する次第です。
 
さて、福井県では昨日890人の新型コロナ感染と、増えたり減ったりが続くところですが、私の方は「3年ぶり」に地域での活動報告会を開催。
 
コロナ禍につき、地域での活動報告会開催は控えてきましたが、先日、大比田区の区長さんより「報告会に来てくれんか」とのありがたい連絡を頂戴し、昨晩の開催に至ったもの。
 
報告会機材を積み込み、早目に大比田公会堂に向かうと、役員の方に「ようこそ」の声など、温かく迎えていただきましたが、久々の対面はやはり嬉しい限り。
 
19時からは、いつものパワーポイント形式にて、市政のトピックスや議会での取組み、状況などを説明。
 

【スクリーンなどのセットを終え、いざ報告会】
 
とりわけ、9月議会で採択した、敦賀市田結から南越前町大谷までの国道8号バイパス化に関する意見書については、大比田を始め、東浦住民の皆さんに大きく関わるものであることから、議会や期成同盟会が引き続き、積極的に国に求めていくとの考えを共有させていただきました。
 
私からの報告の後は、質疑、意見交換を行い、8月にあった豪雨による被害や近隣で操業する工場に関することなどについてお話しを伺うことができましたので、少しでも改善につながるよう、ひとつづつ今後対応していきたいと思います。
 
気づけば20時を過ぎ、活発にご意見いただいたことに感謝。
 
今後は定期的にこうした場を持たせていただけるようお願いし、公会堂を後にしましたが、数名の役員さんは機材を車に積むのを手伝っていただいたほか、見送りまでしていただき、地域の方の優しさにも触れた次第。
 
帰路の8号線を運転しながら、「活動の原点は地域の声にあり」と再認識しつつ、地域の皆さんの気持ちに応えるのは、自身の活動でしかないと、思いを強める夜となりました。

一般質問は今日から再放送

ブログ 敦賀市議会

サッカーW杯は準々決勝が始まり、激闘の日本戦を制した前回準優勝のクロアチアが6度目の優勝を狙ったブラジルにまたもやPK勝ちし、準決勝に進出しました。
 
1―1で延長を終えて突入した試合展開も日本戦と全く同じで、PK戦を4―2で制した姿に、「クラブで1000本以上蹴ってこい」と指示した監督の思いが的中しているとしか言いようがなく、運ではなく、努力のもとの勝利と受け止める次第です。
 
日本人の心情としては、戦った相手に敬意を表するとともに、クロアチアには、この先も勝ち進んで欲しいと願うところであります。
 
さて、昨日の敦賀市議会は一般質問の最終日を迎え、4名の議員が登壇。
 
それぞれの議員の質問の切り口、理事者とのやり取りから学ぶ点が多くありました。
 
一昨日の質問では、障がい者手帳アプリ「ミライロID」の導入を求めた議員の答弁として、既に「コミュニティバス」や「ぐるっと周遊バス」、「赤レンガ倉庫」での使用が可能であること、さらには市内各施設での導入を進めること、広報媒体を通じて市民の皆さんに周知をする旨の言葉があったところ。
 
この質問は、議員ご自身が以前から取り組んできたことであったことに加え、先般開催した議会報告会で挙げられたご意見を踏まえ、速やかに市に提起されたものであり、そうした観点からも、私自身どこか嬉しく感じた次第です。
 
こうして3日間に亘り開催された一般質問ですが、今日からは嶺南ケーブルネットワーク(RCN)の議会チャンネルにて再放送がされます。
 
番組表を以下に添付いたします。
 
いずれも19時からの放送となりますが、関心のある議員、テーマだけでもご覧いただければ幸いに存じます。
 

【私は両日ともに19時からの放送となります。】

廃棄物行政の根幹を揺るがす「敦賀・ごみ処分場巡る訴訟」

ブログ 社会

一般質問2日目の敦賀市議会は5名の質問を終え、早や本日最終日。
 
質問者も残すは4名となりましたが、理事者とのやり取りの中から、自身の気づきや学びにつなげたいと思います。
 
さて、そのような中、昨朝の福井新聞トップは「敦賀・ごみ処分場巡る訴訟“市外排出元 対策義務なし”」との記事。
 
全国から許可量の13倍を超えるごみが持ち込まれた敦賀市樫曲の民間最終処分場の抜本対策工事費を巡り、本市がごみの排出元の「南那須地区広域行政事務組合」(栃木県那須烏山市、那珂川町で構成)など5団体に費用の一部約6億3千万円の支払いを求めた控訴審の判決言い渡しが7日、名古屋高裁金沢支部であり、ここで何と、吉田尚弘裁判長は敦賀市側の控訴を棄却し、一審の福井地裁で5団体に命じた計約1億2千万円の支払いのうち、4団体の計約1億1800万円の支払いを取り消す判決を下したとのこと。
 
いわゆる「ごみ問題」に関する訴訟対応に関しては、これまでも市から状況説明をいただきつつ、進捗や対応方針などを伺ってきたところでありますが、この判決を受けての考えについては、15日に開催される議員説明会にて説明を受けることになっているところ。
 

【全国から許可量を超えるごみが持ち込まれた敦賀市樫曲の処分場(FBCネットニュースより引用)】
 
改めて判決理由や関係法令などを把握したうえで、この説明会に臨むところですが、そもそも、本来はごみを発生した自治体(排出元)が自分のまちで処理するとの原則論や、ごみの処分を受け入れた自治体(今回の場合は敦賀市)が要する対策費用の負担義務もないとすれば、どこが他のまちで発生したごみまで受け入れるのかなど、廃棄物行政を揺るがす判決と認識することから、「まさか」の判決を受けた市の対応に注視する次第です。
 
奇しくも昨日は、米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設を巡り、沖縄県の埋め立て承認撤回を国土交通相が取り消す裁決をしたのは違法として、同県が裁決の取り消しを求めた訴訟の上告審判決で、最高裁は県の上告を棄却しました。
 
訴訟を起こす資格(原告適格)がないとして訴えを退けたことに、私としては安堵した訳ですが、裁判官で変わるといえば、敦賀のごみ訴訟に関してはどこか、原子力の「司法リスク」にも似ているよう。
 
「司法リスク」とは、原子力発電に関する技術は極めて高度で専門性が高いが故に、専門家ではない裁判官によって発電所停止の仮処分命令などがされることへの「リスク」という意味であり、疑問を投げかける意見も多くあるところ(ちなみに、こうしたことを防ぐため英国では原子力裁判所がある)。
 
廃棄物に関してはそこまで専門性が高くないとはいえ、裁判官によって、受け入れた側の「リスク」になっては困る訳であり、本件が廃棄物行政の根幹を揺るがすものとすれば尚のこと、受け入れ自治体としての主張を最高裁の場でも明らかにし、徹底して戦うべきと考える次第です(あくまでも個人的見解です)。

「地域づくり」は「人づくり」 〜一般質問を終える〜

ブログ 敦賀市議会

一般質問を終えました。
 
トップバッターとしてまず、今季限りでの勇退を表明されている渕上市長に対し、長引く原子力発電所停止の中、この間、北陸新幹線敦賀開業に向けた受け皿づくりなどに精力的に取り組まれたほか、何をおいても未曾有の新型コロナウイルス感染対応に行政のトップとして重責を担われてこられたことに、心から敬意を表する旨お伝えさせていただきました。
 
また、残る任期を「全身全霊を賭して」取り組むとも仰られた市長と、私も同じ気持ちであるとし、建設的な議論に努めることを前置きしたうえで質問に入らせていただきました。
 
本日のブログは、一般質問の質疑を議事録的に書き起こしたものを掲載させていただきます。
 
かなり長文となりますが、最後までお目通しいただければ幸いに存じます
 

 
テーマ:持続的な地域経営と人づくりについて
 
【発言趣旨】
人口減少と少子高齢化が進む中において、地域を持続的に維持継承していくためには、効率的な地域経営※並びに地域の行政との協働を礎とした地域コミュニティは欠くことのできないものと考える。
※ここでは、地域社会のニーズを把握しながら、行政が地域と一体となって民主的に地域を運営していくとの意で用いる。
また、協働の観点から重要なのは、行政職員と地域住民双方の顔が見える関係づくり、さらには、地域に存在する課題を共有し、改善・解決に向けて取り組むことにあり、その拠点を担う公民館が果たす役割は大きいものと認識するところ。
ついては、そうした観点において、敦賀市の現状を把握するとともに、「地域づくりは人づくり」の認識に立ち、これまで私自身が考えてきたことに加え、先般参加した「第4回地域共生社会推進全国サミットinつるが」で得た知見、さらには平成30年に報告された総務大臣主催の「自治体戦略2040構想」などを踏まえ、今後、行政がどのように持続的な地域の仕組みづくりや人づくりに関わっていくのか、以下考えを伺う。
 
【質疑の内容】・・・記載の質問は通告した内容+’は更質問、答弁は録画から概要を文字起こし
 
(1)現状認識
 
質問1:人口減少、地域の高齢化率の高まり等に伴い、各地区が運営を行うにあたり、抱える現状の課題について認識を伺う。
答弁1:地域の人材が不足する成り手不足、地域によっては個人の価値観の変化により、地域のつながりや絆が希薄になっている傾向があり、全国的に自治会への加入を拒む世帯が増えていることは承知している。
 
質問2:市民と行政との協働のまちづくりを進める本市として、各地区の活性化、連携や支援について、行政としての取組み状況を伺う。
答弁2:各地区の自主活動活性化を目的に区長連合会を通じ活性化補助金や課題の抽出などを行うほか、公民館で活動を行う団体への支援、協働のまちづくり推進を掲げる本市として市民共同事業補助金などを設けている。
 
質問3:地域の活性化をめざす活動に取り組んだ経験を持つ多くの方から、「人づくり」の課題を痛感していると聞く。地域の持続性を考えるうえにおいて、「人づくり」は個人的にではなく、行政や地域が連携し、組織的に展開(育成)する必要があると認識するが、市の考えを伺う。
答弁3:活動を支えるためには、リーダーだけでなく、リーダーを支える一人ひとりがそれぞれの立場で協力、連携することが重要。そのため、地域活動、まちづくりに住民自らが参加できる仕掛けづくりが必要であり、市では市民活動推進研修会の開催やミライエ、敦賀高校創生部などの活動など、あらゆる分野で支援している。
 
質問3’:例えば民生委員の担い手が減少している現状を見るに、本来の役割に加え、自然災害発生時の要支援に対する連絡が行き届かない、或いはその代わりを行政サイドで対応しているなど、地域と行政の役割分担にも支障をきたすこととなる。ついては、こうした事例も踏まえれば、地域を支える機能の実態把握に努め、今まで以上に地域と行政が一体となって、人材発掘、育成に取り組んでいかないといけないと考えますが、そのあたりの認識を伺う。
答弁3’:民生委員をやってもいいという声はあるが、受け手の要望が高く成り手につながらないといった面もある。市から声掛けるというより、市民の皆さんが自ら活動していこうという環境を支援していくとの考えで取り組んでいる。
 
(2)地域の活力維持・向上に向けた仕組みづくり
 
質問1:行政と地域や民間との協働ないしパートナーシップは、いわゆるローカル・ガバナンスといわれるものであり、地域の課題を把握し、その課題を解決するためにはどのような協働が考えられるかを行政と市民や社協などが手を携えて考え、課題解決のための計画を立て、PDCAを回していくことにあるが、そうした仕組みはあるのか伺う。
答弁1:課題の吸い上げとしては、日々の窓口対応での聞き取りに加え、アクセス21や市長への提案メール、さらには市民とのざぶとん集会などで挙げられた事項について、担当部署ごと分野ごとに解決に向け取り組んでいる状況。
 
質問1’:この仕組みに関しては、先の地域共生社会全国サミット1日目の「すべての人が生き生きと暮らせるまちに」をテーマとしたパネルディスカッションの中で、パネリストをお務めになられた堀田力(つとむ)氏が述べておられました。地域の産業や文化振興、子ども子育て支援、高齢者、障がい者支援など、あらゆる分野の活動実践の協議を行う場、各分野が連携、協働する場としての推進拠点、いわゆる「プラットフォーム」の仕組みが必要とのことでありましたが、この辺りの考えに関して、ディスカッションをお聞きになったうえで、敦賀市としての受け止めがあればお伺いします。
答弁1’:まずは市役所だろうと思う。あらゆる課題について行政として検討する場所に加え、先ほどのざぶとん集会などを通じ膨らませていくことだろうと考えている。
 
質問1’’:今取り組まれていることを是としつつ、高齢人口がピークを迎える2040年ごろに向けて、個別具体的な対応ではなく、先進事例も踏まえ体系的に何をすべきか検討することが必要と申し上げているが、再度認識を伺う。
答弁1’’:プラットフォームの必要性は認識しているので、先進地での状況を踏まえつつ、効率化の観点も必要かと思うので、区長連合会との役割など総合的な観点で検討していく。
 
質問2:地域活性化の全体最適を実現していくためには、地域における組織間の連携、即ち市内各地区間のネットワークと相互支援により、行政がより踏み込んで、相乗効果を図ることが有効と考える。65歳以上の高齢者人口が最大となる2040年頃の自治体が抱える行政課題を整理したうえで、今後の自治体行政のあり方を展望し、早急に取り組むべき対応策を検討することを目的とした「自治体戦略2040構想」では、行政が新たな公共私相互間の協力関係を構築する「プラットフォーム・ビルダー」に転換することが求められているが、こうした果たすべきとされる役割に対する市の考えと現状の取組みを伺う。
答弁2:先進的な取組みを行なっている自治体によっては、市民との協働窓口を一本化して対応する自治体もあると聞いている。本市としては現状、課題ごとに対応しているが、今後どのような形が効果的なのかについては、他の自治体の取組みを注視し、研究していきたい。
 
質問3:各地区の拠点となる公民館について、平成27年第4回定例会での公民館のコミュニティセンターへの移行に関する質問に対し、「まずは地区の実情に合った形で、どのような事業や活動を推進していくのか、何ができればよいのか、それぞれの地域の思いがあろうかと思いますので、市にとって最良な手法を見極めるため、意欲ある公民館をモデル地区として、敦賀市独自のコミュニティセンター化も視野に入れ、検討してまいりたいと考えております。」との答弁があったが、その後の取組みと改めて現状の考えを伺う。
答弁3:まずは平成28年度から意欲のある粟野地区をモデル地区として設立された「コミュニティ運営協議会」の主体的な活動を支援するところから始めてきた。この動きは、令和2年には東浦地区で今年度から北地区にも広がっており、市民主体のコミュニティ活動が行われている。当初は将来的なコミュニティセンター化を検討もしていたが、現状のコミュニティ運営協議会が新たな敦賀モデルとして定着してきているので、引き続き各地区に協議会の設立を働き掛けていきたい。
 
質問3’:敦賀市では粟野地区を皮切りに、東浦、今年度は北地区にて取り組まれている「コミュニティ運営協議会」と重なるものがありますが、臼杵市では、単にイベント開催に留まらず、地域住民への防災啓発や訓練、認知症講座の開催、国際交流視察団の受け入れ、さらには自主財源確保の取組みまでがされているとのこと。高齢化率が極めて高い地区があることも念頭に、敦賀で言えば、公民館単位での機能や役割をどう構築していくのかについて、地域共生社会全国サミット2日目の分科会C「地域コミュニティを活かしたまちづくり」の中で紹介された大分県臼杵市(うすき)の「地域振興協議会」などの先進事例も参考に真剣に検討すべきと考えるがいかがか。
答弁3’:自助・共助・公助の中でもやはり公助が重要。公助の精神をもって基盤づくりを進めていくべきだとは考えているので、検討課題として認識しておく。
 
質問4:同じく、平成27年第4回定例会における、公民館長及び職員の地域まちづくりに対する役割の明確化と意識高揚に関する質問に対し、「若いうちに公民館勤務を経験することは、市民の皆様と直に接し貴重な体験をすることができること、また貴重な人脈を得られることなどが見込まれ、職員の人材育成という観点では非常に有意義であると考えておるところである。」、「今後とも可能な限り職員の適性や関心のある分野への配属に努めてまいりたいと考えておりますので、公民館への職員配置につきましてもその一環として取り組んでまいりたいと考えているところである。」との答弁があったが、この認識に変わりはないのか伺う。
答弁4:職員にとって非常に有意義であると認識している。また、職員配置の考え方についても認識に変わりはない。
 
(3)行政・地域の人づくり
 
質問1:先に述べた「プラットフォーム・ビルダー」への転換に関し、行政職員は関係者を巻き込み、まとめるプロジェクトマネージャーになる必要があるとされている。また、自治体は、個人の自立性を尊重し、自助を基本としながら、放置すれば深刻化し、社会問題となる課題については、従来の地域社会や家族が担ってきた領域にまで踏み込んでいく必要があるとしている。つまりは、今後のポイントは、そうしたプロジェクトマネージャー的人材を育成していけるかであり、人づくりには時間が掛かることを踏まえ、今から政策的に環境づくりに取り組む必要があると考えるが市の認識を伺う。
答弁1:本市では既にプロジェクトマネージャー的な役割を果たせる職員が育ってきているものと認識しているところだが、地区の問題解決に向けた更なる対応を進めるうえで、どのような職員配置、体制等が効果的なのかについて、今後先進自治体の例を注視しながら検討を行なっていきたい。
 
質問2:(地域共生社会推進全国サミットの分科会Cであった生駒市の経験として)公務員が地域に関わる利点は多くある。地域と関わりを持ちたいと入庁した人が、その機会を与えられず意欲を失っていくパターンが多いと伺ったが、本市の状況はいかがか伺う。。
答弁2:本人の希望を聞いたうえで、適正及び能力を見極め適正に対処してきているところである。本市においては、その意欲を失ったという話しは聞いていない。
 
質問3:(プラットフォーム・ビルダーの育成にもつながることですが、足下の課題について)何といっても地域活動の拠点は公民館。住民対応の最前線でもあり、若い行政職員が地域の方とともに汗して経験することは、キャリア形成のうえで大いに生きるものと考える。現在の公民館体制は、9公民館中3館(西、松原、愛発)以外は会計年度任用職員のみの配置となっているが、持続性と継承性、さらには市の将来を考えるにおいて、正規職員の配置に戻していくべきと考えるが、市の考えを伺う。
答弁3:コロナ禍への対応を受けた正規職員の不足により、現在公民館に配置されている正規職員の配置は3名となっている。持続性と継続性を考えれば、さらに正規職員を配置することが望ましいと考えており、今後コロナ禍が落ち着けば、職員数に一定の余裕が生まれると思うことに加え、コロナ禍が継続する場合でも、今後財政面の負担にも考慮しながら出来る限り正規職員の採用を増やし、特に若手職員の配置することが出来るよう努めていきたい。
 
質問4:地域の「人づくり」に関して。地域活性化とは、地域において目的や価値を共有している度合いが高く、且つ能動的に地域の問題を解決しようとする度合いが強い「活性化されたメンバー」が増加することにあると考える。こうしたメンバーを増やしていくためには、積極的に活動する住民を今まで以上に心理面(表彰制度やメディアでの取り上げなど)、環境面(必要な教育や講座受講、制度や活動費用のバックアップなど)の両側面から支援することが重要になってくると考えるが、今後に向けた市の取組みを伺う。
答弁4:メディアへの取り上げはだいぶ増えたのではないかと認識している。議員ご指摘の心理面、環境面について、引き続き市民活動への支援を積極的に行なっていきたい。
 
 
以上の議論を踏まえ、私は、2040年頃の自治体の姿は運命的に与えられるものではなく、根本にあるべきは、住民が自らの意思に基づき戦略的につくっていくべきものと考えます。そのためには、自治体が住民とともに落ち着いて建設的な議論に向かい、時間をかけて準備ができるよう、地域全体で共有する課題に対し、長期的な戦略を早い段階で定め、住民にとって実感のできる選択肢を示す必要があります。
 
自治体は、住民の暮らしを支える基盤であり、欠かすことのできない存在であることは言うまでもありません。であるからこそ、迫り来る危機を自らの危機と認識し、2040年頃の自らや地域の姿を具体的に想起して、バックキャスティング(逆算して)で必要な対策に着手しなければなりません。
 
市におかれては、限られた人的資源と財源の中で、様々な分野の課題に尽力いただいているところと存じますが、今申し上げた対策に向けては、これを支える「人」があって、行政も地域も成り立つものであることを強くご認識いただき、敦賀市が持続的に地域経営できることを目的とし、早期に検討に着手されますことをお願い申し上げ、私の一般質問を終わります。
 
 
以上、最後までご覧いただき、誠にありがとうございました。
 
引き続き、敦賀のいま、そして将来を考えて頑張ります。

本日10時より一般質問を行います

ブログ 敦賀市議会

みぞれ混じりの雨が降ったかと思えば、曇天の合間に青空が覗いたりと、「THE北陸の冬」を感じる昨日。
 
暗くなってからは気温もさらに下がり、冷たい風の強さも増す中でしたが、これに負けじと、昨晩は連合福井嶺南地域協議会の皆さんと街頭行動を行いました。
 
日本海さかな街の交差点にて呼び掛けたのは、12月8日(木)・9日(金)の二日間、連合が全国一斉集中で行う「労働相談ホットライン」の趣旨や目的について。
 

【私もマイクを握らせていただきました】
 
雇用不安や長時間労働、賃金の未払いなど、職場でのトラブルや悩みを抱えている方は決して一人で悩まず、まずは連合までご相談ください。
 
ホットラインはこちら⏩0120-154(行こうよ)-052(連合に)
 

【ティッシュと併せて配布した呼び掛けチラシ@ハーツ敦賀店にて】
 
昨晩はとにかく風が強く、芯まで冷える寒さでしたが、気づけば今日からは「大雪」に入ります。
 
暦通り、本格的に雪の降る頃となりましたので、皆様におかれては体調管理には十分ご留意のうえお過ごしください。
 
さて、敦賀市議会は今日から本会議を再開し、9日(金)に掛けて一般質問を行います。
 
今回質問する議員は15名。
 
先般ご紹介の通り、私はトップバッターとして、本日10時に登壇となります。
 
《やまたけの質問項目》
持続的な地域経営と人づくり
(1)現状認識
(2)地域の活力維持・向上に向けた仕組みづくり
(3)行政・地域の人づくり

 
少々先のテーマと思いきや、高齢人口がピークを迎える2040年頃までにある危機に対し、バックキャストでいけば早期に考えていかねばならない課題と考え、今回取り上げたもの。
 
これまで同様、建設的な議論を心掛け質問にあたる所存です。
 
皆様におかれましては、この寒さもあり、議場傍聴は大変かと思いますので、嶺南ケーブルネットワーク(RCN)の議会チャンネルまたは議会インターネット中継にてご覧いただければ幸いに存じます。
 
こうして議場で質問する機会は、今日を入れて残り2回。
 
精一杯頑張ります。
 
→【再掲】今一般質問の発言通告一覧はこちらから

来春に向けてキックオフ

ブログ 働く仲間とともに

まさに「死闘」とはこのことか。
 
サッカーW杯決勝トーナメント1回戦は、1次リーグE組を1位で通過した日本がF組2位で前回準優勝のクロアチアと対戦。
 
前半に日本が先制するも、後半追いつかれ、1-1のまま延長でも決着がつかず、もつれこんだPK戦で1-3で敗れました。
 
「新しい景色」と表した、悲願の8強入りは逃したものの、予選リーグでの強豪ドイツ、スペイン撃破、そして今日の試合でも世界トップレベルと堂々と渡り合った日本代表を心から労い、讃えたいと思います。
 
ベスト8入りは次回へ持ち越されましたが、「ドーハの歓喜」を巻き起こし、世界を驚かせた日本。
 
試合後、森保監督が表した日本サッカー界は「新時代」だ。
 
さて、W杯の戦いとは分野を変えますが、私が控えるのは来春の統一地方選挙。
 
昨晩は、ご支援いただいている労働組合代表者の皆さんにお集まりいただき、自身の後援会総会を開催。
 
私からは挨拶の中で、まずは日頃のご理解とご協力に対する感謝をお伝えしたうえで、3年半を振り返っての活動報告、さらには期待値だけの前回と違い、2期目の次回は任期4年間の「通信簿」となるため、残る任期も全力で全うすること、皆さんから「代弁者」として信頼いただけるよう活動に邁進することをお約束しました。
 
※「通信簿」は、学校から保護者へ伝えるものですが、ここでは「有権者から私へ」のものとして使用いたします。
 
また、総会に続いて開催した代表者会議では、今後の取組み内容やスケジュールを確認いただき、組織としての意識合わせを行いました。
 
既に地元町内からもご推薦を頂戴していることと合わせ、労組代表者の皆さんを前に「地域と職場の声が活動の原点」であることを改めて強く心に刻んだ次第。
 
さしずめ、後援会活動は昨日が「キックオフ」。
 
選挙のための「政治屋」でなく、将来を見据えて考動する「政治家」たれの言葉を肝に銘じ、引き続き活動に邁進してまいります。
 
 
【後援会総会の様子。来春の戦いは4年間の通信簿だ。】

拉致被害者の全員奪還に向けて

ブログ 政治 社会

昨日は、福井市フェニックスプラザにて開催された「拉致・特定失踪者問題の早期解決を願う福井県集会」に出席。
 
杉本福井県知事を始め、県内選出国会議員など来賓が並ぶなか行われた開会式典では、主催者を代表し、北朝鮮に拉致された日本人を救う会福井の森本信二会長からのご挨拶の後、順次ご来賓の方々よりお言葉がありました。
 
その中で、高木毅衆議院議員からありました、「写真の横田めぐみさんが自分の子どもだったら、孫だったらと思い、〝必ず取り返す”との思いを自分事として持って欲しい」との言葉に大いに共感。
 
我が子が急にいなくなり、それが拉致と判断された時の心境たるや計り知れぬ悔しさと悲しさ、そして怒りの気持ちが込み上げるであろうと、改めて思いをともにした次第です。
 

【拉致された当時(12歳)の横田めぐみさんが掲載されたポスター。添えられた早紀江さんの言葉は重いもの。】
 
開会式典に続き行われたのは、北朝鮮による拉致被害者家族連絡会・事務局長の飯塚耕一郎氏(拉致被害者の一人である田口八重子さんのご長男)による講演会。
 
「拉致被害者奪還に向けて」と題し、北朝鮮が拉致を行った目的は、工作員育成・教育と自国の生産性と技術力向上のためであること、北朝鮮が提出した調査報告書は信用に値しないどころか全くのデタラメであり、命の侮蔑としか言いようがない。
 
また、北朝鮮が全員を帰国させない理由は、不都合情報の露呈を防ぐこと、2002年の日朝平壌宣言を幕引きしたいがため、さらに、被害者家族としては、調査を求めても茶番なだけであり、全ての被害者を早期に一括帰国させること以外求めておらず、拉致問題解決が最重要、最優先であることは譲れないこと。
 
何故なら人の命は時間には限りがあるからであり、核やミサイル問題とは切り離して対応すべきとの考えを主張されました。
 
政府へのお願いとして、この問題を解決できるのは両国首脳でしかなく、日朝首脳会談の早期実現、北朝鮮へのメッセージの投げ掛けを求めたうえで、会場の参加者に対しては、周囲の人々に拉致問題を広めて欲しいと訴えられました。
 

【講演会の様子】
 
田口八重子さんは、耕一郎さんが1歳の時に拉致されたため、八重子さんのお兄さんである飯塚繁雄さんが、親代わりに育ててくれたとのことでしたが、その繁雄さんは昨年、病気によりお亡くなりになったとのこと。
 
北朝鮮による拉致被害者の家族会代表を長く務められた繁雄さんは晩年、体力が低下し、座るのもやっとという状態でもトランプ米大統領と面談するなど、最後の最後まで被害者の全員返還に取り組まれました。
 
その繁雄さんが、お亡くなりになる前、絞り出すように発した言葉は、「諦めない、諦めない、諦めない」。
 
この3度の言葉は、拉致被害者家族の心の根底にあるものであり、思いをともにご協力をお願いしたいと講演を結ばれました。
 
私自身、数年前に被害者家族の生の言葉を拝聴した時から、この問題を決して風化させることなく、関心を高めるためにできることは何かと、スーツの胸には必ずブルーリボンをつけていますが、小さなことでも一人ひとりが取り組むことによって、日本政府を、北朝鮮を動かす大きな力になるものと信じています。
 
被害者家族どころか被害者ご自身も高齢化の状況であり、一刻も早く解決せねば、拉致問題は悲しく、悲惨な歴史となってしまいます。
 
このブログをご覧になられて共感いただける方は是非、まずはブルーリボンをつけて、拉致問題解決への支援の輪に加わっていただけますよう、切にお願い申し上げます。
 

【12月10日から16日は、北朝鮮人権侵害問題啓発週間となります。】

【昨日も1種類づつブルーリボンを購入しました。ご希望の方はお声掛けください。】

レールと原子力でつながる嶺南地域

ブログ 原子力 敦賀の歴史・文化

敦賀から東舞鶴までを結ぶJR小浜線。
 
その歴史を振り返ると、大正6年12月15日に敦賀〜十村間が開業して以降、小浜、若狭高浜と順次西へとレールをつなぎ、新舞鶴(現東舞鶴)まで全線開業したのは大正11年12月20日。
 
全線開業からちょうど100周年にあたる今年は、様々なイベントが開催されてきているところですが、12月20日に向け、いよいよカウントダウンの時期に入ったところ。
 
一昨日からご一緒した若狭原電紀行の皆さんと別れ、昨朝は高浜和田駅から敦賀まで小浜線を利用することとなり、100年の歴史を思いながら、ゆったり1時間半、若狭の海や田園風景、うっすら雪化粧の山々と車窓からの眺めを楽しんだ次第。
 

【乗車したJR小浜線の若狭和田駅。青葉山も美しく見えました。】
 
青空広がる土曜日とあってか、車内は高校生からお年寄りの方まで、車内は各年代層で賑わいがあった訳ですが、終着駅の敦賀で一気に降りる姿を見るに、改めてここ敦賀は交通の結節点であることを認識するとともに、1年4ヶ月後には、乗り換える電車も特急から新幹線へと、同じ時間でも移動範囲が広がることはやはり、期待や可能性が広がるものと感じたところです。
 

【敦賀駅前立体駐車場からの眺め。北陸新幹線敦賀駅の外壁工事の足場はほぼ取り外されていました。】
 
そんな昨日は夕刻、サンピア敦賀にて開催された「関電労組若狭地区本部支部役員セミナー」に、北川博規・福井県議会議員、小幡憲仁・高浜町議会議員(現議長)とともに活動報告の機会をいただきました。
 
私からは、日頃のご支援に加え、電力安定供給を担う若狭の各原子力職場の皆さんに対し感謝の気持ちをお伝えしたうえで、引き続き、現場の思いを胸に取り組むことをお約束しました。
 
その後の質疑の場においては、3名の議員に対し、積極的にご質問もいただき、それぞれより考えをお返しした次第です。
 


【支部役員セミナーでの活動報告の様子】
 
ちょうど朝は鉄道で、夕方は原子力の両インフラ産業でつながる嶺南地域を感じ、どこか感慨深い気持ちとなりましたが、一世紀のJR、約半世紀の原子力発電、それぞれの歴史は極めて重いもの。
 
私たち世代は、レールと電力供給を守ってこられた先人の気概と努力のうえに立って今があるとの認識を強く持って、感謝と敬意を忘るることなく、これから先も、この歴史をつないでいかねばなりません。

「若狭原電紀行」の皆さんと嶺南地域の原子力施設を巡る

ブログ 原子力

政府は、今回成立した改正感染症法の付則に、新型コロナウイルス感染症の同法上の分類について、見直しを「速やかに検討する」と明記しました。
 
現在は結核などと同じ「2類」相当として強い感染症対策を取っていますが、季節性インフルエンザと同じ「5類」への緩和も視野に、見直しの議論を本格化させるとのこと。
 
これまで、高齢者らの致死率や重症化率が高かったことなどから、分類変更に慎重な姿勢をとってきましたが、主流のオミクロン株の致死率低下が顕著になっていることやワクチン接種も進み、11月には塩野義製薬の国産初の飲み薬「ゾコーバ」が緊急承認されたこと、インフルエンザとの同時流行対策に一定の目処が立ちつつあることを背景とした考えであり、科学的データに基づいた判断がされるよう期待する次第です。
 
さて、議会が休会の昨日はお休みをいただき、若狭原電紀行の皆さんと福井県嶺南地域の原子力施設を訪問。
 
若狭原電紀行とは、名古屋芸術大学の井上リサ先生が発起人となり、東日本大震災以降、被災地の支援を目的に、南相馬市を始め東北への訪問を続けるなか、風評被害によって全国の原子力立地地域も影響を受けていることに対し何かできないかと、原子力施設の視察はもとより、ご当地の食や人とつながる、いわゆる着地型観光を続けておられる有志の集まり。
 
私は、Twitterで井上先生と知り合い、今回3年ぶりとなる若狭を巡るツアーにお声掛けいただき、ちょうど議会も休会となる昨日のみ参加させていただいた次第。
 
集まったメンバーは私を入れて7名。
 
先生を始め、電力や原子力に携わる地元企業の方、ライターの方など様々でしたが、私以外の皆さんは既に面識があるということで、仲間に入れてもらう形でツアーをスタート。
 
最初の訪問先は、私のほうでツアーに組み込んでいただいた、日本原電が運営する美浜原子力緊急事態支援センター。
 
福島第一のような原子力災害発生時に備え、緊急支援を行う組織ですが、同センターの役割など机上説明いただいた後、遠隔で操作するロボットや重機、ドローン、実際にオペレーションする様子などを拝見しました。
 

【緊急時に出動する車両が並ぶ美浜原子力緊急事態支援センター】
 
その後は、日本原子力研究開発機構もんじゅにて、「ふげん」及び「もんじゅ」のこれまでの経過に加え、現在進める廃止措置の状況説明をいただくとともに、VR(バーチャルリアリティ)での建屋内見学、ナトリウム取扱棟では燃焼実験などを拝見。
 
幾度か訪れた「もんじゅ」ですが、米テラパワー社との技術協力や国内でも高速炉開発の動きがあるなか、こうして廃止措置に進むことを改めて無念に思うところでしたが、今さら嘆いても無駄であり、今後は「もんじゅ」に蓄積された技術と経験が国内で大いに生かされるよう、私自身も取り組まねばと認識を深めた次第です。
 
説明会場を出発した後は、敦賀市白木地区に立ち寄って「もんじゅ」を、美浜町丹生地区からは関西電力美浜発電所をそれぞれ望み、おおい町の「うみんぴあ」、宿泊する高浜町和田へと工程を進めました。
 

【久々に立ち寄った白木の浜から眺める高速増殖炉「もんじゅ」。昨日はまさに「冬の日本海」でした。】

【丹生地区からの美浜発電所(一番右が運転中の3号機)。数キロしか離れていないのに、内海のこちらは「凪」。】
 
コロナ対策に関しては、各人が1週間前からの体温計測、ワクチン接種の確認などを行い参加していますが、宿泊した民宿でも再度、それらを確認したうえで、一人ひとり距離を取り、マスク会食を徹底しての夕食懇談。
 
医学史、医療人類学を専門とする発起人の先生曰く、ウィズコロナ禍でも安心して観光できるスタイルを実践するとのことであり、私自身もそのことを体感した次第。
 
と言いつつ私は所用のため、朝食の後、ツアーから離脱させていただきますが、ご一行は本日、関西電力大飯発電所やおおい町魚連でのワークショップ(干物づくり)などに向かわれるとのこと。
 
コロナ対策を徹底している理由にはもちろん、原子力発電所に入構することがある訳ですが、日曜日まで続くこのツアーがより実のあるものとなりますようご祈念申し上げるところです。
 
たった一日でしたが、メンバーの方とエネルギーや原子力発電のことを語るなかで、大いに元気をいただきましたので、今回知り合えた皆様と連携のもと、私自身その期待に応えられるよう取り組んでいきたいと思います。

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