「若狭原電紀行」の皆さんと嶺南地域の原子力施設を巡る

ブログ 原子力

政府は、今回成立した改正感染症法の付則に、新型コロナウイルス感染症の同法上の分類について、見直しを「速やかに検討する」と明記しました。
 
現在は結核などと同じ「2類」相当として強い感染症対策を取っていますが、季節性インフルエンザと同じ「5類」への緩和も視野に、見直しの議論を本格化させるとのこと。
 
これまで、高齢者らの致死率や重症化率が高かったことなどから、分類変更に慎重な姿勢をとってきましたが、主流のオミクロン株の致死率低下が顕著になっていることやワクチン接種も進み、11月には塩野義製薬の国産初の飲み薬「ゾコーバ」が緊急承認されたこと、インフルエンザとの同時流行対策に一定の目処が立ちつつあることを背景とした考えであり、科学的データに基づいた判断がされるよう期待する次第です。
 
さて、議会が休会の昨日はお休みをいただき、若狭原電紀行の皆さんと福井県嶺南地域の原子力施設を訪問。
 
若狭原電紀行とは、名古屋芸術大学の井上リサ先生が発起人となり、東日本大震災以降、被災地の支援を目的に、南相馬市を始め東北への訪問を続けるなか、風評被害によって全国の原子力立地地域も影響を受けていることに対し何かできないかと、原子力施設の視察はもとより、ご当地の食や人とつながる、いわゆる着地型観光を続けておられる有志の集まり。
 
私は、Twitterで井上先生と知り合い、今回3年ぶりとなる若狭を巡るツアーにお声掛けいただき、ちょうど議会も休会となる昨日のみ参加させていただいた次第。
 
集まったメンバーは私を入れて7名。
 
先生を始め、電力や原子力に携わる地元企業の方、ライターの方など様々でしたが、私以外の皆さんは既に面識があるということで、仲間に入れてもらう形でツアーをスタート。
 
最初の訪問先は、私のほうでツアーに組み込んでいただいた、日本原電が運営する美浜原子力緊急事態支援センター。
 
福島第一のような原子力災害発生時に備え、緊急支援を行う組織ですが、同センターの役割など机上説明いただいた後、遠隔で操作するロボットや重機、ドローン、実際にオペレーションする様子などを拝見しました。
 

【緊急時に出動する車両が並ぶ美浜原子力緊急事態支援センター】
 
その後は、日本原子力研究開発機構もんじゅにて、「ふげん」及び「もんじゅ」のこれまでの経過に加え、現在進める廃止措置の状況説明をいただくとともに、VR(バーチャルリアリティ)での建屋内見学、ナトリウム取扱棟では燃焼実験などを拝見。
 
幾度か訪れた「もんじゅ」ですが、米テラパワー社との技術協力や国内でも高速炉開発の動きがあるなか、こうして廃止措置に進むことを改めて無念に思うところでしたが、今さら嘆いても無駄であり、今後は「もんじゅ」に蓄積された技術と経験が国内で大いに生かされるよう、私自身も取り組まねばと認識を深めた次第です。
 
説明会場を出発した後は、敦賀市白木地区に立ち寄って「もんじゅ」を、美浜町丹生地区からは関西電力美浜発電所をそれぞれ望み、おおい町の「うみんぴあ」、宿泊する高浜町和田へと工程を進めました。
 

【久々に立ち寄った白木の浜から眺める高速増殖炉「もんじゅ」。昨日はまさに「冬の日本海」でした。】

【丹生地区からの美浜発電所(一番右が運転中の3号機)。数キロしか離れていないのに、内海のこちらは「凪」。】
 
コロナ対策に関しては、各人が1週間前からの体温計測、ワクチン接種の確認などを行い参加していますが、宿泊した民宿でも再度、それらを確認したうえで、一人ひとり距離を取り、マスク会食を徹底しての夕食懇談。
 
医学史、医療人類学を専門とする発起人の先生曰く、ウィズコロナ禍でも安心して観光できるスタイルを実践するとのことであり、私自身もそのことを体感した次第。
 
と言いつつ私は所用のため、朝食の後、ツアーから離脱させていただきますが、ご一行は本日、関西電力大飯発電所やおおい町魚連でのワークショップ(干物づくり)などに向かわれるとのこと。
 
コロナ対策を徹底している理由にはもちろん、原子力発電所に入構することがある訳ですが、日曜日まで続くこのツアーがより実のあるものとなりますようご祈念申し上げるところです。
 
たった一日でしたが、メンバーの方とエネルギーや原子力発電のことを語るなかで、大いに元気をいただきましたので、今回知り合えた皆様と連携のもと、私自身その期待に応えられるよう取り組んでいきたいと思います。