「衆院3補選」と「昭和の日」

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青い空に樹々の緑、彩り豊かに咲く花と、本当に心地良い季節となりました。
 
そして、この季節といえば「田植え」。
 
近所の田んぼを見ると、既に植え終わったところ、水が張られていよいよこれからのところと様々ではありますが、昨夕もそうした郷土の風景に心穏やかになった次第です。
 

【鏡面仕上げの田んぼに映る夕陽】
 
さて、こうして穏やかな風景の一方、激戦が繰り広げられたのは衆院3補選。
 
昨日、投開票が行われた3つの衆議院補欠選挙において、自民党は2つの不戦敗を含め全敗、すべてを制したのは立憲民主党という結果となりました。
 
とりわけ、保守王国と呼ばれる島根1区で敗れ、自民党が1議席も得られなかったことは、外交防衛や原子力政策の転換などで実績を挙げていることとは別次元の、政治資金パーティー収入不記載問題などを巡る現在の岸田内閣の政権運営に、国民から厳しい評価が下された結果と認識するところ。
 
なお、国民民主党は東京15区で、乙武ひろただ氏を推薦して戦いましたが、議席を得るには至りませんでした。
 
これに関し、同党選挙対策委員会の浜野喜史委員長からは、「政権に対する批判票の充分な受け皿になれなかったことは真摯に反省しなければならない。また、選挙戦初日から執拗な選挙妨害を受けたことで活動が制限され、乙武候補の改革姿勢や政策について十分に浸透が図れなかった。今回陣営が受けた選挙妨害は、有権者の知る権利や聞く権利を侵害する看過できないものであり、民主主義のプロセスを守る観点から公職選挙法の改正にも取り組んでいく。」と党ホームページにてコメントを発表しています。
 
また、いつも注視している投票率は、東京15区が40.70%、島根1区54.62%、長崎3区35.45%となり、いずれも過去最低を記録。
 
特に東京15区、長崎3区では、これまでの最低投票率55.59%、51.58%をそれぞれ15ポイント以上減らしており、補選は低投票率となる傾向があるというものの、今回、政治資金と金の問題などがこれだけ取り沙汰されても投票率向上につながらなかったことは、GW期間中だったからという理由を差し引いても深刻な「政治離れ」として受け止めておかねばなりません。
 
振り返れば、岸田首相は選挙前、補選について国会で「私への判断も含まれる」と答弁していましたが、この結果をどう判断されるのか。
 
衆院の解散権は首相の特権であり、解散時期は首相のみぞ知る訳でありますが、憲法改正など国の根幹に関わる議論がされるなか、残る通常国会会期をまた、政局ごとによって停滞を生んでいいのかと忸怩たる思いもするところ。
 
本日、4月29日は「昭和の日」。
 
祝日法に定める「激動の日々を経て、復興を遂げた昭和の時代を顧み、国の将来に思いをいたす」の文言と、まさに今の心境が重なる次第です。