「北京冬季五輪」の閉幕と同時に思うこと

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熱戦が繰り広げられた北京冬季五輪は20日、閉幕を迎えました。
 
最終日の昨日は、カーリング女子で日本が初の銀メダルとなり、日本選手団としては結果、金3個、銀6個、銅9個を獲得。
 
メダル総数18個は、前回平昌大会の13個を上回る冬季大会最多の成績であり、コロナ禍により様々な制約がある中でもこうして素晴らしい成績を残した選手の皆さんには心から拍手を送りたいと思います。
 
一方、公平、公正な競技環境が原則のスポーツの祭典で、女子フィギュアスケートでのドーピング疑惑、スキージャンプでは5選手もがスーツ規定違反、スピードスケートではフライングによる失格など、選手や関係者から激しい非難の声が挙がる判定が目立った異例の大会でもあり、どこか後味の悪さが残ったのも事実。
 
現にドーピング疑惑に関しては未だ正式な解明がされていないことから、フィギュアスケート団体では、その影響で表彰式が行われていないこともまた異例であり、そもそも組織的なドーピング問題を過去にも起こしているロシアは勿論のこと、毅然とした対応をしてこなかったIOCもまた然りであり、他の選手のこれまでの努力をも踏みにじる事態となっていることを深く反省し、厳に襟を正すべきと思う次第であります。
 

【閉会式に入場する日本選手団】
 
どこか「選手置き去り」とも感じる北京大会は、開会前に時を戻せば、新疆ウイグル自治区やチベットでの人権問題で世界各国から強い非難を浴びる中での開催であったもの。
 
そうして様々な事柄を感じながらの「平和の祭典」は、同じコロナ禍で開催した半年前の「東京」とは、やはり異質のものであったように感じたのは私だけではないかと思います。
 
また、この五輪期間中、世界の関心事は、緊張感高まるウクライナ情勢でもありました。
 
古代ギリシャのオリンピックにちなみ、世界に休戦を呼び掛ける国連の「五輪休戦決議」は北京冬季五輪でも採択されているとはいえ、現にロシアは過去に、「平和の祭典」を嘲笑うかのように2008年北京夏季五輪では開幕とともにジョージアに侵攻、自国開催の2014年ソチ冬季五輪閉幕直後にはクリミア半島を奪っており、今回はどのような行動に出るのか。
 
ロシアと手を組んでいるであろう中国も然り、五輪閉幕を合図に軍事行動の開始、国際秩序に終止符が打たれることだけは絶対に避けねばならぬことと同時に、疑惑や判定で選手たちの努力を踏みにじるに留まらず、五輪に懸けた世界中の「平和への願い」までもを台無しにすることだけはあってはならないと、奇しくも五輪閉幕の日に強く思う次第です。