考えを知ってもらうために(その2)【敦賀市水道事業給水条例の一部改正】

ブログ 敦賀市議会

昨日より、決定者である議員としての「説明責任」として、3月定例会における我が会派(市民クラブ)の討論内容を掲載しておりますが、本日と明日はブログと切り離し投稿させていただきます。
 
くどいようですが、我々はこう考えて「原案に賛成した」ということであり、考えを押し付けるものでは無いことだけご理解いただければと思います。
 
本日の議案は、水道料金改定(約20%UP)を伴う「第38号議案 敦賀市水道事業給水条例の一部改正の件」についてです。
 
討論者は、私となります。
以下、賛成討論全文となりますので、お読み取りいただければ幸いに存じます。

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市民クラブの山本武志です。
私は、第38号議案「敦賀市水道事業給水条例の一部改正の件」に対し、委員長報告に賛成の立場から討論いたします。
 
まず、本市の水道事業は、昭和36年12月の創設以降、過去8回に亘る拡張事業経て、平成28年度には全ての簡易水道事業を統合するとともに、未普及地域の解消を完了し、市民生活や経済活動に欠かすことの出来ない重要なライフラインとして、良質な水道水を市内全域に提供する環境を整えてきているところであります。
 
一方、近年の人口減少伴う水需要の低下により水道事業収益が減少するなか、水道給水区域を大幅に拡張し、全体の40%を占める昭和50年以前に建設された管路、浄水場、建物等の水道施設は、建設から40年以上が経過し、法定貸与年数超過、或いは老朽化が進んでおり、これまでも漏水発生の状況や施設の重要度などを考慮しながら順次更新を行ってきているところでありますが、今後、令和10年までの更新計画においては、約68億円の建設改良費が試算されているところであります。
 
これを踏まえ、今後必要となる計画的な設備更新と多額の建設改良費用となる妥当性に関しては、私自身、先般開催された昭和浄水場での上下水道課災害対策訓練の際に、市内一円にくまなく張り巡らされた水道体系、実際に腐食が進行し、ピンホールに至った鋼管や老朽化によりひび割れした貯水槽を修繕しながら使用している現場実態を目の当たりにし、「百聞は一見に如かず」その必要性を十分に理解したことに加え、先に述べた更新計画においては、これまでも実施してきた健全経営化の取り組みに加え、人口動態を踏まえた施設のダウンサイジングや統廃合、省エネルギー機器導入による施設更新費用の縮減などにも取り組むとしているところであり、経営検討会での議論を踏まえた結論として理解をするものであります。
 
そのうえで、先に述べた令和10年度までの建設改良費約68億円は、安心で安全な水道事業の維持、市民生活と経済活動に欠かせないものとの考えに立ち、これに伴う今回の改定率約20%となる水道料金改定については、本来約40%が必要と試算されるところ、使用者負担を考慮し段階的に行うこととしていること、使用者に対する十分な説明と周知期間を考慮し、改定時期を令和2年10月1日からとしていること、さらには改定後においても県内9市中で最も安い料金であることの比較優位性などを踏まえるとともに、使用者公平負担の原則ならびに「将来にツケを回さない」世代間公平負担の考えに則り、必要であると判断する次第であります。
 
なお、先ほどの(日本共産党敦賀市会議員団からの)反対討論にありました、低所得者層の方への対応に関しては、納付窓口に来られた際には、プライバシーに配慮をしつつ、十分な生活実態の聞き取りを行なったうえで、分納の相談や毎月の加算が少しでも低くなるよう丁寧に対応するとともに、生活保護などに関し受託事業者から市にもつなぐなど、慎重な対応がされていること。
また、料金滞納者に対しても、未納が確認された後の「督促状」送付、「催告書」、「給水停止予告書」と段階を経て納入を促すととともに、「給水停止予告書」を送付した後は、さらに訪問或いは電話にて、本人とのコンタクト出来るよう働き掛けたうえで最終的な判断を行うなど、ライフラインの停止に関しては十分慎重な対応と配慮がされていることを、併せて申し述べておきたいと思います。
 
最後になりますが、全国的に先行きが厳しい水道事業に関しては、改正水道法施行を踏まえ、施設の運営権を民間企業に売却する、いわゆる「コンセッション方式」の採用、或いは隣接市町との広域連携により水道事業の統廃合を進めるなど、各自治体が様々な対応策を講じざるを得ない状況の中、敦賀市においては、これまで水道事業に携わる関係者の皆さんが築き上げてきた、まさに先人から脈々と受け継いできた本市の「誇れる財産」である、「安全で安心、安価で美味しい」水道水は、現運営形態にて維持継承し、私たち世代の責任において後世に引き継いでいくべきものと考えます。
 
ついては、市におかれましては、実情を踏まえたうえで、応分の負担をいただくことに対し市民の皆さんの十分なご理解がいただけるよう、今後真摯且つ丁寧に説明されることを求めつつ、この大切な財産を維持継承していくことの重要性に鑑み、本条例案に賛成するものであります。
 
以上、議員各位のご賛同を宜しくお願いいたします。
 
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百聞は一見に如かずを痛感した「昭和浄水場」

腐食が進行し、ピンホールに至った鋼管。昭和50年以前の拡張で使用された埋設配管の交換は急務。