一般質問は「30分間」で終わりじゃない

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「話しを聞く」のが特技の岸田首相ですが、その良し悪しや如何に。
 
政府は10日、18歳以下への10万円相当の給付のうち、5万円のクーポン分について、来年6月末までに配布が開始できない場合に限って現金での給付を自治体に認めるとの考えを明らかにしたとのこと。
 
これに関しては、現在開催されている臨時国会でもクーポン配布に伴う印刷費など事務負担が増大するとの意見があるほか、松井大阪市長なども「年内に10万円すべて現金給付で配りたかった」などプレッシャーをかけていたところでしたが、政府はクーポン分の現金給付を認める基準について自治体と協議しており、クーポンを選択した場合の詳しい制度設計も含めて、財源となる令和3年度補正予算成立後に詳細な運用方法を示す方針を示した形。
 
ここ敦賀市においては、当初のスキーム通り、現金で5万円、クーポン支給で5万円の考えをもって専決処分、12月定例会の初日に報告事項として質疑など行った後、既に採決しています。
 
専決処分は、議会の議決を待てない急用案件であることが前提ですが、何故この案件が該当するかと言えば、松井大阪市長と同じ、「年内に市民の皆さんに現金を届けたかったから」との思いであったからと聞き、以前に納得した次第ですが、政府の「ブレる」方針の尻拭いをするのは結局地方自治体であり、こうして「1日でも早く届ける」と市民のため懸命に対応にあたる職員の思いやモチベーションを低下させるようなことだけはあってはならないとも考える次第です。
 
いずれにしても、当初「現金+クーポン」としたことには確固たる考えがあった訳であり、政府が批判から逃げるために、その考えまで地方自治体に委ねることのなきよう、しかとリーディングいただきたいと強く思うところです。
 
さて、一般質問も最終日を迎えた昨日の敦賀市議会ですが、この日は4人の議員が登壇。
 
先の二日と同様、それぞれの質問のやり取りから学ぶべきこと、考えさせられることがあった有意義な場となりました。
 
一昨日に質問を終えた私ですが、毎回「もう一度質問できたら」と思うほど、後で振り返ると「何故あの答弁に突っ込まなかったのか」など、どこか悔いは残るものでして、限られた自分の持ち時間30分を如何に精度良く使うかは。永遠のテーマかと思うほどですが、悶々としていても仕方がありませんので、悔やまれるところ、疑問がある答弁に関しては真意を確認することとしています。
 
質問で取り上げた「再エネと地域共生」、「部活動の地域移行」それぞれに伺いたい点があったため、昨日理事者のほうに確認に伺うと(どなたに伺ったかは差し控えます)、両者ともに親身になって腹を割ってお話しいただき、それを聞けば私の疑問も晴れるばかりか、逆に「あれ以上突っ込まなくくて正解」であったと思え、悔やみまで晴れたところ。
 
また、意見提起したことが丸々叶わずとも、少なくとも私の思いや考えを汲み取っていただいたうえで政策への反映や事務行為の改善がされるのであれば、市民の皆さんからの声が市政に反映されたことになると自分の中で納得したところです。
 
自身11回目となった今回の一般質問ですが、ここに至るまでの過程、さらには質問を終えてからの時間も含め、本当に意味のある時間を過ごせたことに感謝であり、それも敦賀市がもっと安全で良いまちになって欲しいと真剣に考える市民の皆さん、理事者の皆さんあってのことと重ねて心より感謝する次第です。
 
こうして一般質問が終わり、週明けからは常任委員会、特別委員会と続きます。
 
現庁舎最後の定例会も後半戦に入りますので、今一度ネジを巻き直し、最後まで頑張ってまいります。
 

【今晩から、嶺南ケーブルネットワークでは一般質問の模様が再放送されます。再放送スケジュールは追ってお知らせいたしますので、関心のある方はご覧ください。】

やまたけ一般質問の議事速報を掲載!

ブログ 敦賀市議会

敦賀市議会は昨日、一般質問2日目を終え、私を含め7名の議員が登壇し理事者と議論を交わしました。
 
本日は前置きはせず、自身の質問のやり取り掲載をもって議事速報に代えさせていただきますので、少し長くなりますがお読み取りのほど宜しくお願いいたします。
 

 
1.再生可能エネルギーと地域共生について
 
(1)今定例会の市長提案理由説明の中でも述べられている通り、エネルギー政策に関しては、「新増設・リプレースを含めた原子力政策に正面から向き合い、現実的で力強いエネルギー政策の実行」との考えであることとは思いを共有するところであるが、先に閣議決定された「第6次エネルギー基本計画」における再生可能エネルギーを主力化するとの国の方針、とりわけ太陽光・風力の利用拡大を一層進めることに対する市の基本認識を伺う。
 
企画政策部長答弁)地球温暖化に対し、脱炭素は必要なことであり、原子力か太陽光、風力かではなくて、原子力はもちろんのこと再生可能エネルギーも重要と考える。
 
(2)本年7月1日には「ゼロカーボンシティ宣言」を表明した本市であるが、6月に改正された「地球温暖化対策の推進に関する法律(以下、温対法)」では、ゼロカーボンシティをめざす地方公共団体を一貫して支援するほか、地域脱炭素化の促進を図る目的のもと、第21条第4項では「市町村は実行計画により、その区域の自然的社会的条件において再エネ利用促進等の施策と施策の実施目標を定めるよう努める」ことや第5項では、地域脱炭素化促進事業の促進に関する事項(いわゆるポジティブゾーニングにて適地の確保に努めるなど)などを定めているが、これらに対し、今後市ではどのように対応していく考えかを伺う。
 
市民生活部長答弁)第2次敦賀市環境基本計画の具体的な活動を明記した環境アクションプランを策定しており、このプランの中で地球温暖化実行計画としての内容を示している。この計画は令和4年度までの計画となっており、来年は最終年度となることから、今後新たな計画の策定を検討している。法改正により努力義務とされた点については、今後計画の見直しの中で検討していく。
 
(3)実態把握の観点から、とりわけ市内における太陽光発電設備の設置数や運転状況についてどこまでを把握されているのか、状況を伺う(電気事業法における小出力発電設備(太陽光50kw未満、風力20kw未満)を含む)。
 
市民生活部長答弁)現行制度において環境影響評価法に基づく環境アセスメント対象や土地利用調整条例、景観条例の届出対象、森林法の林地開発行為の対象となるといった一定規模の太陽光発電所については把握しているが、小規模な設備については設置数、運転状況までは把握していない。
 
(4)令和3年第1回定例会における代表質問(市政会)での市の答弁において、「一定規模以上の太陽光や風力発電所につきまして、新たに規制する条例を設けるということは現在のところ考えておりませんが、環境への影響が懸念される大規模事業の実施につきましては、ただいま申し上げたような関係法令等の適用はもとより、事業者において適切な事業が行われるように注意してまいりたいと考えております。発電所の稼働に当たり、必要な場合には事業者との間で公害防止協定を締結することや担当課職員による立入調査の実施などの対応により、本市の環境保全に努めてまいります。」とあるが、全国で発生しているトラブル事例を見るに、性善説に立った行政対応では地域住民の安全と安心は守れないものと考えるが、この答弁にある考えのもとで(法規制+市の条例など)、発電設備の出力や面積区分ごとに、無秩序・無責任な開発行為を防止できるとする具体的な根拠を伺う。
 
市民生活部長答弁)環境影響評価法に基づく環境アセスメント対象は出力40,000kw以上の太陽光は対象となり、審議会での意見を踏まえ知事に意見書を提出することになる。土地利用調整条例に関しては、森林について都市計画内においては2,000平方メートル以上、都市計画外においては3,000平方メートル以上の盛土等を伴うものが対象となり、対象になれば届出や地域住民説明会や事前協議書の提出などの手続きにより、地元住民の意見を事業者に伝えることや本市から開発事業者に対し、必要な指導助言を行うことができる。景観条例においては1,000平方メートルの伐採を行う場合に届出対象となる。こうした法令、条例の手続きにより、大規模な開発については把握できるため、無秩序な開発防止につながっていると考えている。
 
(5)特に問題となっている小出力発電設備のうち太陽光に関しては、令和3年4月1日に制定した、太陽光発電設備に特化した技術基準「発電用太陽電池設備に関する技術基準を定める省令(令和3年経済産業省令第29号)」により、所有する発電設備を、経済産業省令で定める技術基準に適合させる義務、経産省職員による立入検査を受けること、さらには事故報告についても義務化されたところであるが、例えば50kw以上500kw未満の出力においては、保安規程や工事計画の届出は依然「不要」のままとなっている。一方、再生可能エネルギー特別措置法においては、「条例」を含む関係法令遵守を認定基準として規定し、「地域の実情に応じた条例」への違反に対し、特措法に基づく指導等を可能にすることやエネルギー基本計画では、条例等の制定状況やその内容について網羅的に調査し、「各自治体における地域の実情に応じた条例の制定を後押し」することが記載されるなど、「条例」設置の有無が大変重要となっている。よって、本市においてもこうした実効性ある抑止力として、例えば、市が太陽光発電設備の設置、管理及び撤去に関し必要な事項を定め、その適正な実施のための助言又は指導、勧告及び公表を行うことができることを定める「(仮称)太陽光発電の適正な設置に関する条例」を制定することを提案するが、市の考えを伺う。
 
市民生活部長答弁)太陽光や他の発電事業を含め、新たに規制をする条例を設けることは現在のところ考えていないが、環境への影響が懸念される大規模事業の実施については、只今申し上げたような適用はもとより、事業者において適切に事業が行われよう注視していきたいと考える。また環境への影響が懸念される場合においては、環境パトロールの実施などにより、本市の環境保全に努めていく。なお、10月に経済産業省の委員会において10kwから50kw未満の低圧事業用太陽光発電設備の保安規制を強化するという方向性が示されている。低圧事業用太陽光発電設備を対象とした小規模事業用電気工作物という類型が新たに新設され、事業用電気工作物に準じた取り扱いとする方針とあり、こうした国の法改正の動向等も見極めていきたい。
 
(更質問)条例制定することにより拘りを持っている。経産省の再エネ大量導入・次世代NW小委員会(第31回、2021年4月7日)の資料によれば、再エネ発電設備の設置に抑制的な条例の制定が増加していることを踏まえ、全国の自治体を対象に条例の制定状況を調査した結果、2016年度に26件であったものが2020年度には134件と5年間で約5.2倍に増加し、全国の自治体の約1割弱が、再エネ条例を制定している状況にある。また、敦賀市がグリーン水素を進めていこうとしており、そうした動きを見て再エネ事業者が参入してくることは大いに考えられることから、条例で抑止力を持つということが重要かと思うが、再度伺う。
 
市長答弁)条例を設置した場合に罰則がどうなるのかということ、太陽光だけではなく他の事業、原子力を含めてどういう条例を作っていくのかということにつながっていくのかというふうに思う。これについては今のところ、国の動きを見たいと思う。
 
(更質問)国の動きというと、条例を作っていくのが動きであり、条例も設置禁止区域や抑制区域の設定ばかりではなく、地域の実情に見合った条例制定を求めているので、それこそ敦賀ユニークの条例のあり方について、検討すらしないということではなくて、一旦検討することが必要。国の状況を見てやらないというのではなくて検討はすべき。もう一度答弁を。
 
市長答弁)大規模なものについては色んな規制ができているということもあり、住民の皆さんの環境をしっかり守っていくということは変わりない。ただ、罰則でどこまで縛れるかということもあり、発電設備として一番大きいのは原子力発電所であり、それを含めて検討していくことになろうかと思うが、そういう条例を作る必要があるのかどうかということは、今私の中では否定的な気持ちはあります。
 
(更に意見)条例の効き具合がどこまでかという点はあるが、行政として景観保護や住民の安全・安心を守っていくかということについては、今後も状況をウォッチしながら検討いただきたい。
 
 
2.部活動の地域移行について
 
(1)文科省が令和2年9月に策定した「学校の働き方改革を踏まえた部活動改革」を受けての市の基本認識を伺う。
 
教育長答弁)働き方改革の視点を踏まえつつ、生徒の希望に応えるため、休日において部活動を地域の活動として実施できる環境を整えることが重要であると考えている。
 
(2)同改革で具体的方策として示す、①休日の部活動の段階的な地域移行、②合理的で効率的な部活動の推進のうち、①については、休日の指導や大会への引率を担う地域人材の確保、保護者による費用負担、地方自治体による減免措置等について、②については、他校との合同部活動の推進、地理的制約を越えたICT活用の推進に関し、市のこれまでの検討状況ならびに今後の進め方について伺う(ターゲットは令和5年度からの段階的実施とする)。
 
教育長答弁)運動部・文化部問わず、休日の指導については原則、学校の先生方、部活指導員の方々が中心となって対応しており、引率についても同様である。練習試合については、市内中学校の多くが、バス代等はPTA予算や保護者に負担していただいており、中体連主催の公式大会の運動公園体育館や野球場などの会場については全て減免措置で対応している。今後、休日移行に向け、部活指導員の増員、交通費以外の保護者負担の内容や金額、減免対象の拡充等、県教育委員会、校長会、スポーツ協会、さらに市PTA連合会と十分に連携していく必要があると考えている。
運動部の合同部活動では学校間で連携し、今年度の二州地区新人大会において気比中、角鹿中、美浜中の野球部、東浦中と気比付属中のバトミントン部、松陵中と粟野中の女子剣道部が合同チームを結成し、大会に参加している実績がある。地理的制約を超えたICT活用については、今後各校の校長先生とも協議し研究していきたい。
 
(3)先に述べた通り、地域移行を進めるにあたっては、それぞれの学校や部活動の状況が異なることを踏まえれば、実践研究を行いながら、段階的に着実な取り組みを進める必要があるが、現在、文化庁の地域活動推進事業におけるモデル校として本市で実施している市内4校による吹奏楽部の状況(敦賀市民ジュニア吹奏楽団の取り組み)をどう評価をし、これを踏まえた今後の展開をどのように計画しているのかを伺う。
 
教育長答弁)県教育委員会の指導を仰ぎながら、敦賀市民吹奏楽団の協力を得て、新型コロナの感染状況も落ち着いた10月から本格的に実践研究を進めている。現在、市内中学校吹奏楽部員の約半数が参加しており、これまで4回の練習を行ったが、学校以外にも練習を求める生徒や個別指導の充実を求める生徒の声に対応できていると感じている。今後もまず、県教育委員会の指導のもと、敦賀市民吹奏楽団の協力を得て、各学校の校長先生方と活動内容や成果を十分に検証し、地域部活動に移行するための準備を進めていきたいと考えている。
 
(更質問)文化部の市民ジュニア吹奏楽団の取り組みに加え、運動部に関しては、陸上競技に関し「TMMアカデミー」が設立され、すでに運営をされている。実際伺ってみると、最初6名であったのが、回を追うごとに人数が増えており、現在では約25名になっているとのこと。こうして、文化部、運動部両方に良きモデルがある敦賀市においては、すでにここで得たリアルな知見を踏まえ、令和5年度の段階的移行に向けて市として進めていくべきと考えるが再度伺う。
 
教育長答弁)各種大会の出場規定等は、本市の校長先生方の繰り返しの要望にも関わらず従来の制度を踏襲しており、大会によっては合同チームの参加はもとより、クラブチームの参加も認められていない。また吹奏楽部についても、全国コンクール大会には合同チームの参加は認められておらず、本市のジュニア吹奏楽団の出場は当面望めない状況にある。本市ではすでにスポーツ協会に中学校校長会長と教育委員会事務局担当者が出向き、部活動の地域移行に協力依頼をさせていただいた。今後も適宜協会との話し合いを進めるとともに、県内の市町教育長会等としても指導者の確保や受け皿づくりの支援について、国へ要望を続けていく。
 
(4)本市において活発に活動している各スポーツ団体、文化系団体関係者のご理解とご協力がなければ進まないのは明白であり、指導力を備えた人材、あるいは指導に意欲ある人材を持続的に維持していくため、こうした関係者を始め、広く地域全体に意識変革を促す取組みが不可欠と考えるが、そうしたアプローチは誰がどのようにされているのか。
 
教育長答弁)文科省の具体的方針が明確に示されていない中で、各団体、とりわけ運動部においては全国中体連、文化部においては例えば全国吹奏楽連盟の出場規約等が改定されていない状況においては、教育委員会としても中々役割分担についての協議が進められないところ。
 
(5)文科省の改革にあるよう、国、地方自治体、学校関係者がそれぞれの役割を果たすことにより、部活動改革が結実するとしているが、本市においてはどのように役割分担されているのかを伺う。
 
教育長答弁)県教育委員会とも話しをしたが、同じく役割分担の協議が進めていけない状況にある。具体的なスキームが示されていない状況では、誰が何をどのように進めていくかということについてまだまだ課題が多く、教育は「国家100年の計」とあるよう、国が責任を持ってある程度スキームを示さないと我々としても進めようがないと考えている。
 
(6)冒頭述べたよう、部活動の地域移行を地域一体となって進めることは、単に教職員の働き方改革や教育環境の整備に留まることなく、安心して子育てできる環境づくり、住みよいまちづくり、ひいては移住定住や人口減少対策にも通ずるものと考える。こうして広く市民に関わることを考えれば、市長のリーダーシップのもと、庁内はもとより関係団体等と横断的な推進体制を構築のもと、早期に移行スキームの整備を図り、先進的に取組むことを提案するが、市の考えを伺う。
 
教育長答弁)本紙においては中学校の校長先生方と確認しており、平日の部活動の終了時刻を概ね17時30分とすることにより、活動時間を短縮することにはなったものの、活動の質を向上させることにより、10月に行われた運動部の県の新人大会では3つの競技において準優勝という成績を残すことができた。休日の部活動の地域移行は、先生方の働き方改革を考慮した部活動改革の手段であって、それ自体を目的にするものではない。新人大会で残した結果が示すよう、短い練習時間でも十分な成果があげられる取り組みについて先進的でありたいと考えている。
 
市長答弁)今は先進的な取り組みとして、地域移行を少しづつ実施しているところであり、本格的な部活動の地域移行に向けて歩み出したところである。今後は実践を積み重ねながら、成果や課題を検証し、より多くの種目の部活動の地域移行が実現できるようにしていきたいと考えている。令和5年度までにということであるが、地域移行を完了させることは難しいと考えるが、焦ることなく着実に地域指導者の力を生かした部活動、子ども達が思う存分好きなことができる地域部活動の整備を進めていくことは、安心して子育てができる環境づくりにもつながると考えている。そのためには市民の皆様方のご協力が必要であり、部活動の地域移行に是非ご賛同いただき、多くの競技や活動が地域の皆様の指導、支援で実施できることになりますようご協力お願いいたします。
 
以上が、主要部分のご報告となります。
 
補足で述べた部分などを含めたものについては、今後放映される議会チャンネルの再放送、あるいは市議会インターネット中継の録画アップをご案内させていただきますので、また改めてご覧いただけると嬉しく思います。
 
最後に、今回の質問にあたり、実情をお聞かせいただいた皆様、ご意見をお寄せいただいた皆様に感謝申し上げます。

同じ島国の英国では「高温ガス炉」を選択

ブログ 原子力

昨日から始まった一般質問には7名の議員が登壇され、様々な視点から理事者との議論が交わされました。
 
自身も関心の高いエネルギー政策やまちづくりの方向性を始め、コロナワクチン接種や中心市街地活性化、ふるさと納税などに関し、各議員の質問からは多くのことを吸収させていただき、毎度のことながら大変有意義な時間となった次第。
 
また、複数の議員より、今回の質問が現庁舎で最後になることを踏まえた「お礼と感謝」の言葉もあり、皆さんそれぞれ議員活動の中で感慨深い思いで質問席に立たれているのだと感じました。
 
そうした思いを感じながら、本日は私も出番となります。
 
質問順9番の私の登壇予定は、本日2番目、11時過ぎあたりになろうかと思いますので、お時間許す方は是非ご視聴などいただければ嬉しく思います。
 
さて、今日の質問とも少し関係するのですが、世界のエネルギー政策に関する動きに関し、日本と同じ島国の英国で2030年代初頭の実証を目指して建設する先進的モジュール式原子炉技術として、高温ガス炉(HTGR)を選択したことを明らかにしたとの報道がありました。
 
これは、英国ビジネス・エネルギー・産業戦略省(BEIS)のG.ハンズ・エネルギー担当相が12月2日に明らかにしたもので、英国が2050年までにCO2排出量の実質ゼロ化を目指すにあたり、政府がHTGRを最も好ましい技術と認識していることを示したもの。
 
ハンズ大臣の今回の発表は、英国原子力産業協会の年次大会で述べられており、「得られたコメントを評価した上で、HTGRに重点的に取り組む判断を下した」と説明したうえでBEISの幅広い活動の一環として、今後もすべてのAMR開発を継続的に支援していく方針であるとし、将来的な可能性を秘めた先進的原子炉技術の実現に向け、原子燃料の強力なサプライチェーンを国内で構築・維持するための予算7,500万ポンド(約110億円)を確保したと述べました。
 
また同大臣は、「CO2の排出量を実質ゼロ化するには原子力が必要だ」と明言しており、近年はとりわけ、天然ガス価格の世界的な乱高下により、エネルギーミックスの多様化に向けた勢いが加速していることを踏まえ、エネルギーの自給を確実なものにするためにも、原子力など英国内の一層強力なエネルギーシステムに投資する推進力が増していると指摘しています。
 
同大臣によると、英国では1990年以降、CO2排出量の44%削減を達成するなど、実質ゼロ化に向けた取り組みが驚くほど進展したものの、今後30年の間はこのペースをさらに上げ、2035年までに発電部門を確実に脱炭素化する必要があるとし、そのためには低炭素なエネルギー技術を広範囲に取り入れること、新たな原子力発電設備については特に、大規模かつ迅速に開発していかねばならないとの考えのもと、再生可能エネルギー等のポテンシャルを全面的に活用するのに加えて、風が吹かなくても太陽が照らなくても、低炭素な電力を安定的かつ確実に供給可能な原子力が必要だと同大臣は訴えています。
 

【日本原子力研究開発機構が研究を進める「高温ガス炉(HTTR)」の概念図(同機構大洗研究所ホームページより引用)】
 
カーボンニュートラルをめざす欧米では、その実現に向けて「あらゆる脱炭素オプションを総動員している」状況は以前から把握していたところですが、この英国の政策がまさにそのことを示すものと痛感した次第です。
 
先日、カナダの小型モジュール炉開発についてもご紹介しましたが、脱炭素化に向けた世界の流れは「原子力の利用」に舵を切っています
 
というより、元々、CO2排出がなく、経済性にも優れる原子力発電のメリットが再認識されてきたというのが正しい表現なのかもしれませんが、いずれにしても、こうした合理的且つ現実的に目標を達成していくための政策を明確に示すことは、同じ島国で尚且つ資源小国の日本こそ大いに見習うべきことと強く思うところであります。
 
本日の一般質問では、「再生可能エネルギーと地域共生」をテーマに取り上げている訳ですが、最後となる現庁舎と同様、半世紀に亘り「原子力と共生」してきた敦賀に思いを馳せつつ、自身の考えるエネルギー政策についても触れていければと思います。

真珠湾攻撃から80年

ブログ 政治

敦賀市議会は今日から10日に掛けて一般質問が行われます。
 
発言通告した議員は18名となっており、その質問項目は市議会ホームページに掲載されていますので、お時間許す方は嶺南ケーブルネットワーク議会チャンネル放送若しくは市議会インターネット中継よりご覧いただければと思います。
 
 →→→一貫質問の発言通告一覧はこちらから
 →→→敦賀市議会インターネット中継はこちらから
 
なお、議場にて傍聴いただける方におかれましては、今定例会初日に確認された空調故障の復旧の目処が立たないことにより、灯油ストーブにて代替する状態となっておりますので、普段より暖かい服装、装備(カイロなど)にてお越しいただければと存じます。
 
さて、本日12月8日は、真珠湾攻撃からちょうど80年の日となります。
 
今日は産経新聞の産経抄や論説をなぞりながらのブログとなりますが、まずは「真珠湾」との呼称について、実は昭和16年12月8日の日本軍の奇襲攻撃を伝える大本営発表にその文字(真珠湾)はなく、日米開戦初日の新聞に「白亜館は日本軍が真珠湾に対し攻撃を開始したと発表」と報道されたのが始まりであるとされ、外電の誤訳が独り歩きして80年後の本日に至るようです。
 
決して美化する訳ではないことをお断りしたうえで、80年前のこの日、ほとんどの日本人は海軍航空隊が真珠湾攻撃であげた「戦艦2隻撃沈、4隻大破。大型巡洋艦4隻大破」との大本営が発表する戦果に沸き立ったとあり、悲観する人は例外でもあったよう。
 
この行為に至る経過はもう言うまでもないことでありますが、昭和12年から始まった日中戦争が泥沼化する中、対米戦争を回避しようと外交交渉に望みを託すものの暗礁に乗り上げたばかりか、石油輸出禁止など米国の対日経済制裁は厳しさを極め、国民生活はみるみると困窮化した。
 
そうした中での開戦であったと私は認識しています。
 

【真珠湾にて日本の第1波攻撃隊の猛攻を受ける米主力艦(産経新聞ニュースより引用)】
 
少し余談となりますが、ここで認識すべきは、資源小国の日本がエネルギー資源を断たれることの意味合いの大きさは戦争にまで及んでしまったことであり、エネルギー自給率を高めることの重要性から戦後、故中曽根元首相らが中心となって進めたのが原子力発電であることを考えれば、エネルギー安全保障の問題というのは、国家にとって極めて重要なことと、私は常にこのことを胸に置いている次第です。
 
この戦争に関しての見方、評価というのは80年経った今でも分かれるところですが、私は、「相互扶助によってアジア各国の共存共栄を図ることを基本に、経済発展によってアジアの繁栄を増進する」として採択された、昭和18年11月の大東亜共同宣言(東条英機首相が主宰してアジア各国の首脳を集めて行われた大東亜会議にて)の意味合いと、この後アジア各国が植民地支配から解放され、国家主権の自立によって繁栄を遂げた事実を照らせば、歴史的な転換点であったことは間違いないと考えるところです。
 
つまりは、この大戦を日本側とすれば「大東亜戦争」と呼ぶべきとも思う訳であります。
 
こうした歴史認識のもと現在を、そして将来をどう考えるか。
 
産経新聞の論説では、「80年前と違うのは、米国の覇権に挑戦しているのが大日本帝国から中華人民共和国にとって代わったことである」とし、異論があるのは百も承知していると前置きしたうえで、「戦時中に掲げた『大東亜共栄圏』と中国の唱える『一帯一路』とは外形上、異様なまでに相似形をなしている」と述べています。
 
歴史を鑑(かがみ)とするならば、「台湾統一」の野望を隠さない習近平主席が、海戦に踏み切った東条首相の道を選ぶのか、はたまた民主主義国家と共存する道を選ぶのか、答えはひとつなのだが、予断は許さない。
 
日本は、最悪の事態をも想定して準備を怠ってはならない。
 
それが80年前の教訓を活かす道である。
 
この結びの言葉に表される事実認識に、私は異論がありません。
 
先のエネルギー安全保障然り、国防の問題然り、歴史から学んだことを忘れては、それこそ命を賭して戦った先人たちの死を無駄にすることになる。
 
真珠湾攻撃から80年の今日は、そうしたことを思い返しつつ、極めて現実路線で対応せねば道を誤るとの考えを胸に誓う日にしたいと思います。
 
最後に、私は「絶対に戦争はしてはならない」との不変の考えのもと、であるがこそ「最大限これを回避する手段」を備えておくべきというのがスタンスであり、自身の政治姿勢であることだけご理解いただければと存じます。

地域ぐるみで進める部活動の地域移行

ブログ まちづくり

昨日、第207回臨時国会が召集され、衆院本会議では岸田首相の所信表明演説が行われました。
 
演説の中では、新型コロナウイルスの新たな変異株「オミクロン株」の感染拡大に備え、「最悪の事態を想定」して細心かつ慎重に対応する考えを強調したほか、外交・防衛政策においては基本方針「国家安全保障戦略」を概ね1年を掛けて改定すると表明、さらには憲法改正に向けた世論の喚起も訴えられました。
 
政府は既に、新型コロナウイルス対応の経済対策の裏付けとなる令和3年度補正予算案(補正予算として過去最大の35兆9895億円)を提出し、月内の早期成立をめざすとしており、衆議院選挙後初となるこの国会が、真に政策論戦の場となることを期待するところです。
 
さて、これと並行して開かれている各地方議会ですが、ここ敦賀市議会においては明日8日から3日間に掛けて一般質問が行われます。
 
私のほうは質問順9番目ということで、出番は2日目のお昼前後になろうかというところであり、昨日も質問を補完するための準備などをし過ごしたところ。
 
昨日のブログでは質問項目のうち「再生可能エネルギーと地域共生」について触れたことから、本日はもうひとつの項目「部活動の地域移行」について意図するところを述べておきたいと思います。
 
まず本件については、発言通告した翌日のブログで以下の通り趣旨を記載しています。
 
令和2年9月に文科省が「学校の働き方改革を踏まえた部活動改革」を策定し、「学校と地域が協働・融合」した部活動の具体的な実現方策とスケジュール(下表参照)を明示したうえで、令和5年度から休日の部活動を段階的に地域移行すべく取組みを進めているところ。
 
これを踏まえ福井県においては、地域移行に向けた国の実践研究として鯖江市と美浜町、敦賀市の3地域で実施するとともに、今後は、実践研究によって洗い出された課題等をモデル地域以外の市町とも共有し、県内各市町における部活動の段階的な地域移行につなげていく予定としていますが、現実問題として既に平日・休日の部活動の活動時間は削減されてきており、次代を担う生徒たちの思いや希望が置き去りとなることへの懸念、貴重な成長機会の提供が保障されない状況になりつつあることも重く認識するところであり、この改革が持つ意味の重要性を踏まえつつ、一部の教育機関や関係団体のみならず、高い市民力をもって、これを先進的に進めるべきとし質問するもの。

【学校の働き方改革を踏まえた部活動改革スケジュール(令和2年9月:文科省HPより抜粋)】
 
こうした趣旨のもと具体的には、文科省の「部活動改革」を受けての市の基本認識、同改革で具体的方策として示す①休日の部活動の段階的な地域移行、②合理的で効率的な部活動の推進に対する現在までの検討状況と今後の進め方、現在モデル地域として本市で実施している市内4校による吹奏楽部の状況をどう評価をし、これを踏まえた今後の展開をどのように計画しているのか、改革の結実に向け、地方自治体、学校関係者がどのように役割分担しているのかなどの現状認識を伺った後、本改革が広く市民に関わることを考えれば、市長のリーダーシップのもと、庁内はもとより関係団体等と横断的な推進体制を構築のもと、早期に移行スキームの整備を図り、先進的に取組むことを提案することとしています。
 
この課題は、中高を通じて部活動から学び成長した自身の経験から(殆どの方がそうではないかと思いますが)、現在の特に中学生世代が部活時間の短縮などにより行き場を失いつつあると危惧した以前から、地域全体で取り組むべきものと認識していたものであり、休日の地域移行に関しては、保護者の方や市内関係団体の皆さんはもとより、先に陸上競技にて「二州地区でモデルを作り、県内全域に拡大していきたい」との思いで設立した「TMMアカデミー」(敦賀市、美浜町、旧三方町の頭文字を取ったもの)、県内の文化部のモデルとして、市内の角鹿、気比、松陵、粟野の4中学の希望者で設立した「ジュニア吹奏楽団」にも伺い、実状をヒヤリングしてきたもの。
 
とりわけ、いずれもボトムアップの形で設立された「TMMアカデミー」、「ジュニア吹奏楽団」の方のお話しは、立ち上げたことによる効果はもちろんのこと、運営していくうえでの課題(支援体制や運営費用負担、施設利用補助など)も把握することができ、裏を返せばそうしたところに支援をしていけば、より多くの団体が子どもたちのためにと積極的に取り組んでいただける環境整備につなげられるものと受け止めた次第です。
 
なお、「子は地域の宝」と言いますが、関係者の皆さんからお話しを聞けば聞くほど、ここ敦賀には「子どもたちを地域ぐるみで育む土壌」があるのだと思います。
 
こうした経過や思いのもと、部活動の地域移行を地域一体となって進めることは、単に教職員の働き方改革や教育環境の整備に留まることなく、安心して子育てできる環境づくり、住みよいまちづくり、ひいては移住定住や人口減少対策にも通ずるもの考えるものであり、先の「良き土壌」がある敦賀市こそ率先して環境構築に向かうべきとの思いをもって、当日は建設的な場となるよう意見していきたいと思います。

「無秩序・無責任な開発」から敦賀の景観と住民の安全を守るためには

エネルギー ブログ

「自分が良ければそれでいいのか」
 
と思わず憤ってしまうのが、電力市場価格の高騰を受けて高圧供給(特別高圧含む)から撤退する小売電気事業者が出てきていること。
 
市場高騰に伴う調達費用削減のため、ハルエネ、リケン工業、スマートテックなどが11月、契約期間の更新を行わないと顧客に通達したとあり、冬の本格的な需要期を迎える前に顧客をいち早く手放し、自社の電力調達コストを抑える狙いとのことですが、顧客の契約切り替えがスムーズに進まなかった場合、需要家保護の観点で大きな問題になることは必至。
 
顧客側がこうしたリスクも承知して契約したか否かは置いておいて、いきなり「契約更新しませんので電気は他社から買ってください」と言われた立場を思うと気の毒でなりませんが、こうして見るに、これらの事業者が最初から「儲からなければ撤退すれば良い」との考えで電力市場に参入してきたのであれば言語道断と思う次第です。
 
さて、このようなニュースを聞くに、今週行われる市議会一般質問で自身が取り上げる「再生可能エネルギーと地域共生」にも通じてしまうのですが、本日は少しだけ質問内容の解説をさせていただきます。
 
まずお断りしておかなくてはならないのが、大前提のエネルギー政策に関して、私は決して「再エネ否定論者」ではなく「現実的なエネルギーミックス論者」であることをご認識いただき、今から申し上げることは「再エネを止める」ためではないことをご理解いただければと存じます。
 
そのうえで、本年7月に「ゼロカーボンシティ宣言」を表明した敦賀市として、脱炭素化の流れの中で再エネをどのように位置付けるのか、国が再エネ比率をさらに高めていく(2030年で電源構成では36〜38%程度を見込む)とし、改正温暖化対策推進法に基づく再エネ促進区域の設定(いわゆるポジティブゾーニング)など各地域に対しても導入拡大施策を講じる中においても無秩序・無責任な開発・設置と引き換えに美しき郷土敦賀の景観が損なわれることや地域住民の安心と安全が脅かされることのないよう、そうしたリスクをいかに未然防止するのかというのが質問趣旨であります。
 
とりわけ太陽光発電については、2012年7月の固定価格買取制度(FIT)開始以降の急速な導入拡大に伴い、様々な事業者の参入が拡大した結果、景観や環境への影響、将来の廃棄、安全面、防災面等の面で深刻な問題が顕在化している状況にあり、全国でも住民トラブルが絶えないばかりか、7月の静岡県熱海市の大規模土石流災害においては、従前では規制に殆ど引っ掛からない単一で50kw未満の太陽光発電所が10以上も連なっていた(メガソーラー化していた)などの例も確認されているところ。
 
ここ敦賀市においては、今現在そうした案件が確認されている訳ではありませんが、実際市内をパトロールしてみると、現行の技術基準では必要なフェンスや塀で発電設備を囲うこともなく、簡易な基礎、足場パイプで設置されたものも散見される訳であり、メガソーラーばかりでなく、こうした設備がこの先放置されることのリスクを含めてどのように対応していくのかを具体的に考えねばならないと以前より考えていた次第。
 

【市内に設置されている太陽光発電設備。ちなみにこの設備の発電出力は「49.1kw」でした。】
 
従前技術的な規制が緩かった点に関しては、経済産業省が本年4月から太陽光発電設備に特化した技術基準「発電用太陽電池設備に関する技術基準を定める省令」を制定(50kw未満設備の事故報告義務など)するなどの動きはあるものの、一方「設置」に関しては、環境影響評価法などの対象となる案件(出力や面積の大きさ)を除き、様々な法整備がされている中においても十分な規制を掛けることができない状況にあるのが現状。
 
こうした状況を踏まえ、再生可能エネルギー特別措置法においては、「条例」を含む関係法令遵守を認定基準とすることや「地域の実情に応じた条例」への違反に対し、特措法に基づく指導等を可能にすることを定めたほか、第6次エネルギー基本計画においては、各地域の条例等の制定状況やその内容について網羅的に調査し、「各自治体における地域の実情に応じた条例の制定を後押し」するとしているなど、「条例」のある無しが非常にキーポイントになっていると言えます。
 
こうした経過や状況を踏まえ、ゼロカーボンシティ宣言で再エネ由来水素(いわゆるグリーン水素)を拡大していくとすれば、今後そうした再エネ業者が市内に参入してくることも想定し、今ある土地利用調整条例や景観条例の適用の守備範囲はどこまでか確認するとともに、主義範囲外の点に関しては今のうちから備えておく、つまりは抑止力としての条例制定が必要なのではないかというのが私の考えです。
 
仮に「今そういう案件がないから不要」ということになると、それはまさに「発生主義」であり、気づいた時には住民の安全や景観が守れなくなってしまう恐れが生じるため、私としてはそうしたリスク意識のもと意見提起していく所存です。
 
近々で言えば、お隣滋賀県大津市でも条例をすり抜けるかのような太陽光発電を巡るトラブルが起きているのが現実であり、こうした事例を「対岸の火事」と思うことなく、「リアルな教訓」として捉え対応していきます。

GE日立ニュークリア・エナジーが「小型モジュール炉」を受注

ブログ 原子力

原油価格高騰による国民生活や経済活動への影響で示されるよう、エネルギー資源の価格安定というのは極めて重要なことが分かります。
 
世界的な動きを見てみると、高騰しているのは原油だけではなくガスや石炭も、そして「ウラン」も同じであり、ウランに関しては国際価格が長期・スポットとも8月頃から上昇を続けている状況にあります。
 
スポット価格は1ポンド当たり、当初の30ドル前後から11月には約1.5倍の45.75ドルに高騰しており、直接の原因はカナダで設立された上場ファンドがウランの現物を大量買いしているためですが、その他にも投資家の動きが活発化している背景には、脱炭素化の流れで原子力発電が見直されていることが影響しているとのこと。
 
このカナダに関しては、米ゼネラル・エレクトリック(GE)の原子力合弁会社、GE日立ニュークリア・エナジーは2日、次世代原子力の「小型モジュール炉(SMR)」を電力大手カナダ・オンタリオ・パワー・ジェネレーションから受注したと発表しています。
 
日本勢の小型の商用原子炉の受注は初で、既存の原発よりも炉が小さく、理論上は安全性が高いとされるものの、脱炭素の流れが強まるなか、日本の原子力発電輸出が再開されることとなります。
 
決して原子力ひいきの視点で申し上げるのではなく、欧州や米国、中国にロシアなどの主要国の動きを始め世界全体の動きを見ても間違いなく、世界の潮流は「脱原子力」ではなく「原子力再利用」であると認識すべきであり、日本はこの潮流に目を逸らしていてはいけないものと考えるところです。
 
さて、そのGE日立が受注したSMRですが、日経新聞の報道によれば、受注額は非公表としているものの3000億円規模と見られ、GE日立は設計と機器の調達を担うとし、2022年内に建設許可を申請し最大4基を建設、早ければ2028年に初号機が完成するとのこと。
 
日立が強みを持つ軽水炉技術を使った出力30万キロワット級の「BWRX-300」と呼ばれる小型原子炉を納入する訳ですが、小型原子炉は現在商用化している出力100万キロワット級の原子炉に比べて出力が小さいものの、従来の原子炉よりも構造が簡素で発電規模も小さく、炉心を冷却しやすいのが特徴であり、脱炭素の流れの中、温暖化ガスを排出しない電源として世界で開発が進んでいます。
 

【GE日立が受注した小型原子炉のイメージ図(日経新聞ネット記事掲載より引用)】
 
半面、日本国内での導入には原子力発電所への信頼回復や耐震性など課題も多いとのことから、日本では2000年代に政府主導で原子力発電の輸出が進められましたが、2011年の福島第一原子力発電所の事故を機に安全やコスト面から見直し機運が高まり、計画が相次ぎ頓挫した経過があるとしています。
 
こうして紆余曲折を経てきた小型モジュール炉ですが、再びスポットを浴びることとなったことを始め、海外輸出ではあるものの日本の原子力技術が生かされること、さらには国内の原子力人材と技術の継承につながることを期待するところです。
 
昨日の繰り返しのようになりますが、世界の潮流が「脱炭素化」であることはもはや誰もが知るところですが、どのように達成するかの道筋についても、確立した脱炭素電源である「原子力発電」を利用拡大していくことが潮流となりつつあることは、各国が現実路線に舵を切っているということ。
 
「原子力の平和利用」の言葉通り、地球規模で貢献するこのエネルギー源に対し、今後も引き続き、安全を第一義とし英智を結集して取組むのみと心に誓う次第です。

東海第二発電所の「運転差止請求棄却」と「事実上の審査合格」

ブログ 原子力

元々このブログは、議会や政治のことを市民の皆さんにより知っていただきたいとの思いで議員になった時から始めたもの。
 
そうした切掛けであることから、特に定例会会期中は脇目も振らず議会報告の形となっており、読み手の皆さんにとってはさぞ堅苦しい内容ばかりで恐縮なのですが、趣旨を踏まえ何卒ご容赦いただければと存じます。
 
さて、そう言いながら本日も少し堅い話ではありますが、私にとっては明るい話題をひとつ。
 
もう半年以上前のことになりますが、本年4月15日に水戸地方裁判所で出された東海第二発電所の運転差止請求を棄却する判決に対して、同年4月に第一審の原告が東京高等裁判所に控訴していましたが、先の11月24日、今度は東京高等裁判所において、同発電所の運転差止請求を棄却する判決が出されました。
 
つまりは、控訴審において、日本原子力発電株式会社(以下、日本原電)が、東海第二発電所が地震に対する安全性を十分に有していることについて、科学的・技術的観点から説明してきた結果、その主張が裁判所に認められ、理解された結果が示されたことになります。
 
これを受け同社は、同発電所の更なる安全性・信頼性向上を目指し、引き続き、新規制基準に基づく安全性向上対策工事を安全第一で進め、地域の皆さまへの説明を尽くしていくとの考えを公表しています。
 
こうして司法の場において安全性が評価されたことを私自身も大変喜ばしく感じていたところ、12月1日には原子力規制委員会が、東海第二発電所の特定重大事故等対処施設(特重施設)設置などに関する原子炉設置変更許可申請の審査書案を取りまとめ、「事実上の審査合格」としたとのニュースがありました。
 
今後は原子力委員会と経済産業相の意見聴取後に許可を決定するとのことでありますが、BWR(沸騰水型軽水炉)では初の特重施設への許可となる見通しとなり、日本原電は、特重施設の設置期限である2023年10月までの完成をめざすとしています。
 
日本で再稼働を果たしている原子力発電所はPWR(加圧水型軽水炉)のみであり、エネルギー基本計画で示す2030年における原子力発電の比率20〜22%を達成するためには、現在原子炉設置変更許可申請をしている全てのプラントが稼働しなければならないことを考えれば、自ずとBWRプラントの一日も早い再稼働が期待されるところ。
 
こうした期待の一方危機感を覚えるのは、日本国内における慢性的な「電力需給ひっ迫」。
 
今冬も既に「需給ひっ迫」が叫ばれるところですが、昨日も萩生田経産大臣が「企業や家庭への節電呼び掛け」を行った旨の報道がありました。
 
夏も冬も電力需給ひっ迫に怯えなくてはならない理由は明白で、一言でいえば、脱炭素電源且つベースロード電源となり得る原子力発電の割合が著しく低いことに尽きる訳であり、再エネ比率を高めても改善するどころかさらに状況は悪化(コストの問題も含め)するものと考える次第です。
 
そうして考えればやはり、国民生活や経済活動の血液ともいえる「低廉で安定した電力供給」は何より優先すべきものであり、現時点の科学技術において原子力発電が果たす役割は非常に大きいと理解するのが自然の流れかと思うところ。
 
東海第二を始め、これに続くBWRプラントとともに審査をクリアのうえ再稼働を果たし、一日も早くこのエネルギー事情が改善することを願って止みません。
 

【一次エネルギー国内供給の推移(エネルギー白書2021より引用)。電源比率の推移から見えることがあるのかと。】

一般質問通告完了。質問順は「9番」。

ブログ 敦賀市議会

以前に、今定例会が「現庁舎で行う最後の定例会」となることをお伝えしたところですが、どうやら思い出がひとつ加わりそうです。
 
実は、定例会初日(11月30日)の閉会間際、本会議場内に何かが焦げたような臭いが漂い、後で空調関係の不具合であったことが判明したのですが、どうやら修理対応が困難なよう。
 
昨晩帰宅すると議会事務局より、議会運営委員会を6日に開催する旨のファックスが届いており、「議場空調設備の故障に伴う携帯品の取扱いについて」との議題からも、今定例会は「暖房なし」で覚悟を決めたことが容易に想像できるもの。
 
不謹慎だと叱られるかもしれませんが、最後の最後に力尽きた空調機械に対しては「お疲れさま」の思いをもって、これもひとつのエピソードとして心に留めたいと思います。
 
冬の寒さも本番を迎え、議場がどこまで冷え込むか分かりませんが、後は自分なりに体調を崩さぬよう対策をして臨みたいと思います。
 
さて、そのような状況で迎えるのが来週8日からの一般質問ですが、これに先立ち、昨日13時には発言通告が締め切られ、結果質問者は18名となりました。
 
発言通告一覧は、既に敦賀市議会ホームページに掲載されていますので、以下リンクよりご覧ください。
 
 →→→令和3年第4回定例会「発言通告一覧」はこちらより
 
今回、私が取り上げるテーマは、次の2点。
 
(1)再生可能エネルギーと地域共生について
(2)部活動の地域移行について
 
いずれも以前から懸念していた、私にとっては大きな課題であり、どこかで質問に取り上げるべくあたためてきたもの。
 
それぞれの質問趣旨だけご紹介しますと、
 
(1)再生可能エネルギーと地域共生については、2012年7月の再エネ固定価格買取制度(FIT)開始以降、限られた国土の中で導入拡大を進め、太陽光発電においては世界第3位の累積導入量まで伸びたものの、急速な導入拡大に伴い、様々な事業者の参入が拡大した結果、景観や環境への影響、将来の廃棄、安全面、防災面等の面で深刻な問題が顕在化している状況にある中、国は改正温対法に基づく再エネ促進区域の設定(ポジティブゾーニング)など、再エネのさらなる導入拡大の施策を打ち出している状況にあります。
 
こうした状況を踏まえ、再エネに関しては、導入拡大や自己の利益のみを目的とした不適正な事業規律による無秩序な開発・設置と引き換えに、美しき郷土敦賀の景観が損なわれることや地域住民の安心と安全が脅かされることがあってはならず、そうしたリスクを未然に防止することこそが行政の使命であると考え、実効性ある取組み(適正な設置のための条例制定など)により、こうした問題に対する抑止力とすべく質問するもの。
 
(2)部活動の地域移行については、令和2年9月に文科省が「学校の働き方改革を踏まえた部活動改革」を策定し、「学校と地域が協働・融合」した部活動の具体的な実現方策とスケジュールを明示したうえで、令和5年度から休日の部活動を段階的に地域移行すべく取組みを進めているところ。
 
これを踏まえ福井県においては、地域移行に向けた国の実践研究として鯖江市と美浜町、敦賀市の3地域で実施するとともに、今後は、実践研究によって洗い出された課題等をモデル地域以外の市町とも共有し、県内各市町における部活動の段階的な地域移行につなげていく予定としていますが、現実問題として既に平日・休日の部活動の活動時間は削減されてきており、次代を担う生徒たちの思いや希望が置き去りとなることへの懸念、貴重な成長機会の提供が保障されない状況になりつつあることも重く認識するところであり、この改革が持つ意味の重要性を踏まえつつ、一部の教育機関や関係団体のみならず、高い市民力をもって、これを先進的に進めるべきとし質問するもの。
 
質問の詳細まで書くことは控えますが、両項目ともに、これまで自身が調査・ヒヤリングしてきたことをベースに提案型の質問となるよう努める所存です。
 
これも以前から述べておりますよう、私と理念を共有する国民民主党の政治姿勢は「対決より解決」。
 
今回もまさに「解決」をめざすことはもとより、(2)に関しては先進的に取組むことの効果など、さらに高みをめざした質問になればと思うところです。
 
最後になりますが、質問者18名のうち、私の質問順はちょうど真ん中の「9番」。
 
登壇は2日目の9日(木)のお昼前後あたりかと予想されますが、質問の精度を一層高め、与えられた30分が最大限有意義な場となるよう、引き続き準備対応にあたってまいります。
 

【すっかりお馴染み?となりました質問順を決める「ガラポン」。出た玉は⑨でした。】

予算決算常任委員会全体会、分科会にて補正予算案を審査

ブログ 敦賀市議会

定例会が始まり、あまり日にちのことを意識していませんでしたが、暦は12月に入りました。
 
1月始まりの手帳を持つ私としては、この時期は2冊を持ち歩くことになるため、少々面倒臭い訳ですが、それでも来年の予定を書き込み始めるといよいよ年末であることを感じる次第。
 
地方議員の場合、四季折々の移り変わりとともに定例会という節目があるため、なお思うのかもしれませんが、とにかく月日が経つのが早い。
 
それだけ日々が充実していることと、昨日も自分の中で納得しましたが、早く感じようが遅く感じようが、それは一日一日をどう過ごしたかの結果でしかないことから、心を忘れると書く「忙しい」この師走も時間を大切に過ごしていきたいと思います。
 
さて、そうした思いのもと臨んだ昨日の敦賀市議会は、補正予算案を審査する予算決算常任委員会が開催され、文字通り「慎重審査」が行われました。
 
敦賀市議会の場合、予算に関する案件は予算決算常任委員会に付託され、議長を除く全議員が出席する「全体会」にて基本質疑を行なった後、総務民生、産経建設、文教厚生の3つの「分科会」に分かれて審査することとなっており、10時から全体会を始め、分科会が始まったのが15時、私が所属する産経建設分科会が終了したのは17時40分と、すっかり外が暗くなるまでの審査となりました。
 
全体会では、基本質疑の事前通告が28件となったことは昨日もお伝えしましたが、重複する質問もあるため、実際の事業件数で言えば14件。
 
振り返れば、全体会では、この14件の審査に約4時間を費やして審査したこととなります。
 
全てはご報告できませんが、重複数の多かったもの(議員の着眼ポイントが重なったもの)のみ、以下ご紹介いたします。
 
◉小浜線利用促進事業費補助金(企画政策部)・・・96万8千円(一般財源:48万5千円、県支出金:48万3千円)
・JR小浜線の利用を促進するため、市内で唯一、嶺南エリアでスクールバスを運行している敦賀気比高校(附属中を含む)と連携し、JR小浜線への交通転換を実証事業として行うもの。
・小浜から敦賀へのスクールバス利用者40名のうち、本事業の対象者(小浜〜美浜)を31人と想定し、補助を行う。
・事業実施期間を来年1月のひと月とし、事業終了後は保護者らへのアンケート等も行い、その結果も踏まえスクールバスの運行を考える(敦賀気比高側にて)。
 
◉新型コロナワクチン接種移動費支援事業費(福祉保健部)・・・901万1千円(一般財源:487万8千円、県支出金:414万円)
・今年度3回目のワクチン接種を受ける75歳以上の方、障がい者の方に、タクシー料金の1/2を助成(上限2000円)
・75歳以上高齢者6600名、障がい者300名のうち約3割の方が利用されるとして予算計上。
・タクシー降車の際に半額支払うこととし、後精算は不要の形とする。
 
◉商店街等集客向上支援事業費補助金(産業経済部)・・・240万円(一般財源:120万円、県支出金:120万円)
・北陸新幹線敦賀開業に向けた商店街への観光客誘導のための整備費用として、博物館通りの物件(旧さなだビル)の工事費用(水道管、電線管敷設)の一部に補助する。
・物件(ビル及び工場)の整備により、10の店舗区画が整備できる(2件は既に入居確定のため残り8区画)。
・前年度に行なった神楽エリアへの誘客事業と合わせた県補助であり、連動のうえ博物館通りに誘客していきたい。
・躯体は旧耐震基準であるが、国交省の法改正により耐震診断を行う要件が緩和されていることから本件対象外としたとの市答弁に対しては、こうした考えのもとでの補助について議員側より強く異論を唱える意見あり。
 
◉地域経済循環創造事業費補助金(産業経済部)・・・675万円(一般財源:337万5千円、国庫支出金:337万5千円)
・民間事業者(合同会社FUJIONE)が神楽の有休不動産(旧敦賀信金)をリノベーションし、交流型ワーケーション施設を整備するための事業に補助。
・総務省の交付金では、地域の金融機関との連携が条件となっており、当該合同会社は敦賀信金からの融資ならびに収益見込みの審査などが行われている。
・合同会社FUJIONEは、今年8月に設立、5名で運営している。
 
◉知育啓発施設書籍購入費(都市整備部)・・・債務負担行為:7722万円
・駅西地区に整備する知育・啓発施設に対し、開設時の書籍3万冊を調達・購入する。
・初期の購入費用を市が負担することについては、駅西官民連携では「民間でできるものは民間で」との考えが基本であるが、市民の普段使い、「知の提供」(知育・啓発施設のこと)は「民間だけでは成り立たなかった」ことから、官(市)が補助するスキームとした。
・3万冊のうち売れた分の原価については、市に納付することとなっており、投資回収時期は5年間の指定管理期間を目途に考えている。
・市民がユニークな選書に集まっていただくことに加え、もちろん新幹線開業で敦賀に来られた方にも来てもらえるような集客をめざす。
・税をもって「知」を届ける「はじめの一歩」と考えている。
 
◉ICT教育推進事業費(教育委員会)・・・230万1千円(一般財源:23万1千円、国庫支出金:207万円)
・新型コロナウイルス感染症拡大による学校の臨時休業や出席停止の際にも、ICTを活用し自宅で学習できる環境を整備するため、通信環境が十分でない家庭に対し、モバイルWi-Fiルーターを貸し出すための購入費用を計上。
・以前に行なった各家庭へのインターネット利用に関する環境調査では、環境なしが70件、スマホのテザリングでカバーしている家庭が133件あったことを踏まえ、購入するルーターを207台とした。
・貸出は申請書にて確認のうえ行うこととするが、令和4年度以降は、GIGAスクール構想のもと平時でもタブレットの持ち帰りを可としていく方向で考えている。
 
トピックス的にご紹介させていただきましたが、これ以外の事業についても同様、細かな部分までの確認が行われたところであり、分科会での審査結果については、16日の予算決算常任委員会全体会で報告、その後委員会採決することとしています。
 
そして本日13時は、来週8日から行われる一般質問の発言通告締切。
 
こちらは文面は整っているため、最終チェックを行い、なるべく早目の時間に提出したいと思います。
 

【17時40分。産経建設分科会は想定よりやや遅い時間に終了となりました。】

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