日本の自然観と太陽光発電は共存できるのか

エネルギー ブログ

記憶に新しい、静岡県熱海市で発生した大規模土石流災害に関しては、現在も県の「発生原因究明作業チーム」による調査が進められているところですが、起点付近にあった盛り土や太陽光パネルとの関係を含め、果たしてこの災害が「自然災害」であったのか「人為的災害」であったのか、私も関心をもって調査状況を注視しているところ。
 
そうした中、8月1日の福井新聞「現論」に興味深い記事が掲載されていました。
 
その記事とは、京大名誉教授の佐伯啓思氏が寄稿した「西洋と日本の自然観」。 
 
自分の知識にもとポイントをメモしておいたので、以下にご紹介させていただきますと、
 
自然災害にせよ、感染症にせよ、自然の脅威から身を守るための様々な試みが文明を作り上げてきた。その典型は、西洋の近代科学や現代医学で、自然現象の中にある隠された作用を人間の理性の力で取り出し、自然と対峙して、これを合理的に管理する、というものであった。その延長線上に、人間のゲノムや脳神経などの「自然」にまで手を入れようという今日の生命科学が登場する。要するに、西洋の科学や技術は、「人為」によって「自然」を利用しようとしたのである。
(中略)
ところが、自然の脅威に対抗するもうひとつ別の方向がある。それは人為を超えた自然の脅威をそのものとして受け止め、人の預かり知らぬ不可思議な作用に畏怖を覚え、一種の宗教的感情を持ち出す方向である。どうやら、昔の日本人はこの方向を向いていた
 
元々「自然」は、日本語では「自然(じねん)」であり、これは「おのずから」という意味であったことからも分かるように、人為を超えた自然の作用は、「おのずから働く」ものであって、人の意志に従って人の都合の良いものに改変できるものではない。これは、西洋のとりわけ近代以降の自然理解とは大きく違っている。
(中略)
その結果、日本では、自然災害にせよ、感染症のパンデミックにせよ、どこかやむを得ない自然現象であって、それと対峙して、人為の力で自然を克服するといった発想は弱い。「おのずから」の作用を及ぼす「自然」を人為によって人間の都合で変更することを良しとしない。こういう感覚が今日でも底流を流れている
 
どちらが良いというのではない。ただ私には、人間の作り出した合理的な科学や技術で自然を人為的に管理できるとする近代社会の発想は、それだけでは限界にきているように思われる。
 
今日、声高に叫ばれる、環境テクノロジーのイノベーションなどによる経済成長などとというやり方が「自然」の人為的な管理の延長線上にあることは明らかであろう。この二つの思考(人為orおのずから)をどのように調和させるかという難題の前に我々は置かれている。
 
なるほどと、確かに日本人が古より、自然にはすべて神が宿っているという「八百万の神」の考えを持ってきたことからすれば、熱海の一件とも照らし、思わず納得した次第。
 
そうして思うに、やはり頭に浮かんでくるのは、自然環境と太陽光発電との関係。
 
先般、素案の文字が取れた次期「エネルギー基本計画」における「再生可能エネルギーの主力電源への取組」では、以下のようにあります。
 
再生可能エネルギーは、世界的には、発電コストが急速に低減し、他の電源と比べてもコスト競争力のある電源となってきており、導入量が急増している。我が国においても、2012年7月のFIT制度の導入以降、10%であった再生可能エネルギー比率は18%にまで拡大した。導入容量は再生可能エネルギー全体で世界第6位となり、再生可能エネルギーの発電電力量の伸びは、2012年以降、約3倍に増加するというペースで、欧州や世界平均を大きく上回る等、再生可能エネルギーの導入は着実に進展している。特に、平地面積当たりの太陽光の導入容量は世界一であり、我が国は、限られた国土を賢く活用して再生可能エネルギーの導入を進めてきた
(中略)
具体的には、地域と共生する形での適地確保や事業実施、コスト低減、系統制約の克服、規制の合理化、研究開発などを着実に進め、電力システム全体での安定供給を確保しつつ、導入拡大を図っていく。
 
また、関連する団体の考えも調べてみると、2050年カーボンニュートラルの目標達成のために、太陽光発電協会(JEPA)は2050年の日本の太陽光発電を300GW超とするビジョンを掲げていることや、自然エネルギー財団は、同じく太陽光発電の設備容量を2050年には524GWとすることを提案しています。
 
※参考まで、上記2団体の考えを以下にリンクします。
 →→→2050年カーボンニュートラル実現に向けて(一般社団法人 太陽光発電協会)
 →→→脱炭素の日本への自然エネルギー100%戦略(自然エネルギー財団)
 
ちなみに、1GWは100万KWであり、大型の原子力発電所1基の設備容量(110万kw)に相当することから、そのために必要な太陽光パネルの面積は約60平方キロメートルで山手線の内側の面積に等しいと良く例えられます。
 
2019年時点での日本の太陽光発電の設備容量は56GWであり、既に狭い国土に平地面積当たり世界一の導入をしてきていることを思えば、これからどこに設置していくのかという疑問に陥る訳ですが、太陽光発電協会によれば、2050年に向けて(300GW超導入に向け)、増設する太陽光発電のうちその半分が需要地設置(住宅、駐車場・工業団地、自動車・電車・船舶など)、そして残りの半分が非需要地設置ということで、非需要地設置には、非農地(2019迄のFIT認定非住宅や水上空間等)と農業関連でほぼ半分を占めるとの考え。
 
さらに農業関連とは、耕作地、耕作放棄地、その他畦畔などを示すものですが、ポイントは、増設分の5分の1程度を耕作地が受け持つことになっている点で、つまり60GW分、3600平方キロメートルは山手線内の60倍、言い換えると36万ヘクタールは日本の全耕作面積(田畑合計で438万ha)の約12分の1相当の面積に太陽光パネルを設置するということになります。
 
余談ですが、これに関連しては、菅直人元首相が、これから日本の選ぶべき電源構成は、原子力ゼロ、太陽光や風力の再生可能エネルギーが主役、しかも太陽光は営農型に大きな可能性がある旨の発言をしていますが、この営農型太陽光発電はソーラーシェアリングといい、田の上に太陽光パネルを張り、共存するのだそう(成立しないことは火を見るより明らかで、思わず笑ってしまいますが)。
 
山間地や傾斜地に無理くり設置されるメガソーラーが全国各地で問題化していることに加え、休耕地であったとしても限られた農地を太陽光発電に差し出すことは果たして現実的と言えるのでしょうか。
 
話しを冒頭に戻すと、こうして自然や豊かな日本の田園風景を壊してまで太陽光発電の導入拡大に躍起になることは、日本の自然観や古からの文化とは相反するものと考えるところであり、「自然」を人為によって人間の都合で変更することを良しとせず、山々や田畑を脈々と守ってこられた先人たちのご努力を無にするようなことは、絶対にしてはならないと強く思う次第であります。
 
何千年も培ってきた日本固有の文化や価値観まで投げ打って、太陽光パネル(ほぼ中国製になるのではと)を敷き詰めることは、聞こえの良い「脱炭素」と引き換えに日本の「魂」まで売ってしまうような気がしてならず、国情に見合う範囲を超えた太陽光発電の導入には、決して賛同することは出来ません。
 

【野坂の麓に広がる田園風景。心のオアシスでもあるこうした場所は日本人の原点でもあり、これからも大切に守らねばと心に誓う次第】

夏本番の大雨に長雨。災害情報に十分ご留意を。

ブログ 防犯/防災

昨日の夕方は、「あの試合をもう一度・スポーツ名勝負」と題してNHKで放送された、1998年夏の甲子園準決勝、横浜vs明徳義塾の試合に見入ってしまいました。
 
この試合は、高校野球ファンなら誰しも知る、「平成の怪物」松坂大輔投手が、準々決勝でのPL学園との再試合450球を投げた翌日、8回表まで0-6の劣勢を跳ね返して、横浜が大逆転サヨナラ勝ちをするという試合であり、結果を知りながらも、当時の興奮を思い出した次第。
 
球児たちの計り知れぬ勝利への執念と球場の雰囲気が重なって起こる「甲子園の魔物」を生む高校野球は、やはり面白いもの。
 
ちなみに、松坂選手を語るうえで、私の最も印象に残るシーンが、この試合で流れを一変させる9回のマウンドに立つ場面であり、以前のブログにも記載しておりますので、宜しければ参考までご覧ください。
 →→→「平成の怪物」引退表明とその原点(2021年7月9日ブログより)
 
そして、2年ぶりの開催となる夏の全国高校野球は、台風の影響で日程が1日順延され、本日10日、甲子園球場で開幕します。
 
新型コロナウイルスの感染が急拡大する中、チーム関係者に最大3回のPCR検査を行うなど徹底した感染対策を講じたうえでの開催となりますが、オリンピック同様、観るものに力を与える熱戦を期待したいと思います。
 
さて、順延の原因となった台風9号は、温帯低気圧に変わって以降、日本海を北東に進み、本日は東北地方を通過する見込みとなっています。
 
ここ敦賀では、昨日23.1m/s(16:41)の最大瞬間風速となったほか、時折強い雨が降りはしたものの大事には至らず、大きな被害は無かったものと認識しています。
 
しかしながら、今朝のこの雨のように、局地的に滝のような雨が降って、北海道から北陸、東海を中心に大雨になるところがあるとの予報となっていることや、この先の週間天気予報を見ると、17日までは傘と雲マークしかないという、梅雨時期かと思うような天候となっています。
 
これだけの長雨、しかもどこかで線状降水帯に掛かるようなことになれば、一気に災害リスクが高まることから、河川の水位上昇や地盤の緩みなどに十分警戒して過ごさねばなりません。
 
なお、河川の水位上昇に関しては、昨日も島根県益田市の高津川で、台風9号の影響で転覆した船を岸に寄せようとしていたところ、団体職員の男性が流され、行方不明になっています。
 
敦賀では、先般全戸配布されたハザードマップに示された河川ということになろうかと思いますが、例えこの先気になるような状況があったとしても、興味本位で近づくことは絶対にされませんようお願いいたします。
 
この雨により、冒頭の甲子園大会へも影響なきよう願うところですが、まずは自分の身を守ること。
 
これからお盆時期となりますが、それぞれの地域の災害リスクを把握のうえ、くれぐれも災害情報にご留意のうえお過ごしくださいませ。
 

【福井県河川・砂防総合情報による笙の川の水位情報。この先、右肩上がりのグラフとならないよう願うばかりです。】

2020東京オリンピック閉幕

オリンピック ブログ

8月9日。
 
今日は、広島に続き、76年目を迎える「長崎原爆の日」。
 
新型コロナウイルスの感染防止を図るため、昨年に続き参列者数を例年の1割程度に縮小し、10時45分から長崎市の平和公園で平和祈念式典が開催されます。
 
長崎の原爆投下の前日、8月8日には模擬爆弾がここ敦賀市にある東洋紡績の工場に投下されたとあって、その関係性から複雑な思いが募るもの。
 
広島と同じく、今日も黙祷に合わせ、長崎の地において犠牲になられた方へ鎮魂の祈りを捧げるとともに、恒久平和と核兵器廃絶を願う日にしたいと思います。
 
さて、こうした日を前に、17日間に亘り熱戦が繰り広げられたスポーツの祭典「東京オリンピック」が閉幕しました。
 
全ての競技を終え、日本は史上最多となる27個の金メダルを獲得し、3位に躍進するとともに、メダル総数(58個)も過去最多を記録するなど、文字通り「快進撃」と言えるものでした。
 
最終日の昨日、男子マラソンでは、出走106人中30人が途中棄権するという壮絶なレースの中、大迫傑選手が6位入賞。
 
この大迫選手に関しては、佐久長聖高で出場した高校駅伝から、名門早稲田大学に入学後は箱根駅伝での活躍、その後実業団を辞して単身でアメリカに渡り、中長距離界のカリスマ、ファラー選手などと肩を並べ、オレゴンプロジェクトで厳しい鍛錬をする様子をずっと見てきた私(instagramでのフォローですが)としては、「何かやってくれる」との期待を込め応援していましたが、2位集団との差16秒は最後まで埋まらず。
 
大迫選手だから「あきらめず何かやってくれる」と期待してしまった訳ですが、このオリンピックをラストランとし、現役引退をする覚悟を持って走り切った大迫選手がレース後語った言葉は「今日は100点」。
 
また、73位となった服部勇馬選手は、意識朦朧とした様子でゴール。
 
車椅子で運ばれる事態となりましたが、重度の熱中症であったとのこと。
 
支えてくれた方や同僚やライバル、そしてオリンピックに出られなかった選手のためにも絶対にゴールに辿り着くとの思いで走り切ったとの思いを述べた服部選手の走りからは、日の丸を背負うことの重さ、体力や技術を超越した凄まじき世界を感じた次第です。
 
このオリンピック期間を通じ、各競技で様々な成功と失敗、栄光と挫折、そうしたものを見てきましたが、結果がどちらであっても常に前を向くアスリート。
 
オリンピック開催前には、競泳女子の池江璃花子選手の「スポーツの力で日本を元気に!」との言葉を紹介しましたが、私自身がそうであるよう、日本全体がそうした気持ちに包まれた17日間であったと思います。
 
そして、外国メディアが「大きな金メダルがあるとすれば、大会をあたたかく支えてくれた日本のボランティア、関係者に掛けてあげたい」と語ったよう、まさに各国選手団からも称賛される「おもてなし」で支え、無事に大会を終えることが出来たのは、ボランティアの皆さんや警察や消防などを含むエッセンシャルワーカーの方々のお陰であり、心から感謝を申し上げます。
 
閉会した今日からは、東京オリンピックに対する様々な評価やコメントがされることとは思いますが、私自身としては、自国での先に述べたような大会が開催されたことを誇りに思うところであり、その思いを原動力に前に進むべしと考える次第です。
 
新型コロナウイルス感染拡大の収束は未だ見通せず、緊急事態宣言下にある「東京」に、205カ国・地域から約1万1千人もの選手が集い、「絆」が育まれました。
 
差別や貧困など、コロナ禍によって世界ではさらに分断が顕在化している中で、数々の制約を乗り越えて開催したことは、「コロナ禍で初めて世界をひとつにするイベント」であったことは間違いないことであり、後世に残すレガシーとも思うところ。
 
歴史を振り返れば、1964東京オリンピックの後、日本は敗戦から立ち上がり、高度成長で世界に冠たる国となりました。
 
2020東京オリンピックの後は、人類が経験したことのないコロナ感染という未曾有の事態からどう立ち上がっていくか。
 
そう思えば大事なのはここからであり、今日から気持ち新たにスタートしたいと思います。
 
改めてとなりますが、様々な声がある中、大会の準備から運営までを支えていただいた関係者の皆さん、世界中のアスリートの皆さん、本当にお疲れ様でした、そして沢山の感動をありがとうございました。
 

【2020東京オリンピック閉会。次はパリで!】

皆さんが支払っている「再エネ発電賦課金」はおいくらですか?

エネルギー ブログ

野球の侍ジャパンが悲願の金メダル、女子ゴルフで銀となったほか、女子マラソンでも数大会ぶりの入賞を果たすなど、昨日も日本人選手の活躍に興奮と元気をもらう一日となりました。
 
早いもので、東京オリンピックも本日が最終日。
 
今日の男子マラソンでは大迫選手のラストラン、女子バスケットボールでは、王者アメリカとの決勝戦と続きますが、恐らく人生でもうないかもしれない自国開催のオリンピックを閉幕まで見届けたいと思います。
 
さて、話しは全く変わりますが、このオリンピックに紛れるかのように進んでいる、国のエネルギー政策論議。
 
既に新聞などでお知り置きの通り、まず8月3日には、総合資源エネルギー調査会(経産相の諮問機関)発電コスト検証ワーキンググループにて経済産業省・資源エネルギー庁が、2030年の新たなエネルギーミックスを反映した電源別発電コストを提示しました。
 
個別電源(火力、原子力や太陽光)を電力システムに受け入れるための「統合コスト」は、主要電源全てで増加傾向がみられ、特に事業用太陽光は大幅な追加コストが生じる可能性が指摘され、これをいかに抑制しつつ、誰が負担していくのか問題提起がされました。
 
続いて、上記コスト検証ワーキングでの報告も踏まえ、8月4日には、総合資源エネルギー調査会の基本政策分科会で、次期「エネルギー基本計画」の素案について大筋合意。
 
経済産業省・資源エネルギー庁の修正案については、橘川武郎委員(国際大学副学長)が強く反対しましたが、概ね委員の賛同が得られたとし、会長一任の結論を得、今後は、国連気候変動枠組み条約第26回締約国会議(COP26)までの閣議決定に向け、今後パブリックコメントなどの手続きを進めるとのこと。
 
また、環境省と経済産業省は4日、両省合同の有識者会合で「地球温暖化対策計画」の案を示し、大筋で了承されました。
 
ここでは、温室効果ガスを2030年度に2013年度比46%削減する目標に向けて、産業や家庭など部門別の削減目標や具体策を盛り込み、排出削減によって経済と環境の好循環を推進していく方針を強調したとのことです。
 
詳細を述べることは致しませんが、主力化していこうという再生可能エネルギーについて、「エネルギー基本計画」素案では、今後発電量を200~400億KWhを積み増すことになっていますが、2030年までの9年間で即戦力として拡大できるのは実質的に太陽光に限られるため、これを実現するため60~76GWもの太陽光発電を新設することを想定しています。
 
これだけ大量の太陽光パネルを短期間で導入することについては、その実現性について有識者から様々な疑念や懸念が指摘されているのは事実であり、そのポイントについては、私が認識する限り以下の点かと存じます。
 
◉既に政府資料の中でも、再エネのFIT買取り費用について、2020年度の3.8兆円が約6兆円へと拡大することが示唆されており、現状で3.36円/KWhのFIT賦課金負担(平均的世帯の負担額が年間約1万円)が倍増近く拡大することが懸念される。
 ※言い換えれば、消費税5%以上にあたる国民負担が生じることとなる。
◉電気料金上昇圧力は、このFIT賦課金の負担増だけでなく、自然変動電源を大量に入れることに伴う系統安定化費用や、送電線増強費用なども上乗せされることになるが、最終的に国民や企業が負担することになる電気料金がどれだけ上昇することになるかについて、政府の素案では具体的に示されていない
◉また太陽光パネルの設置場所についても、平地の少ない日本の国土に既に面積当たり世界一太陽光パネルを設置している中、さらに設置拡大を続けることについて、山林を切り開いて設置することによる環境破壊や土砂災害への懸念、さらには寿命を迎えたパネルの大量廃棄問題への懸念が高まっている
◉ちなみに、新設する76GWの太陽光設置に要する面積は約760㎢であり、東京23区(638㎢)に全面的に敷き詰めても足りない計算となる。
◉政府はこの素案を最終的な基本計画にまとめていく中で、そうした懸念に真摯に向き合って、国民に対してそのメリットとデメリットについてわかりやすく説明する必要がある。
 

【ちなみにオール電化の我が家の電気料金明細(7月分)。電力使用料に応じて、国民皆に賦課される「再エネ発電賦課金等」は2,187円で、この月の電気料金の約14%。この先、これ以上負担していくとなることに皆さんはどう思われるでしょうか?】
 
日本国内でもこうした懸念の声が挙がっている訳ですが、他国に目を向けると、英国では脱炭素(ネット・ゼロ)政策を進めるボリス・ジョンソン保守党政権の家庭用のガス使用禁止やガソリン自動車の禁止等の具体的政策が明らかになるにつれ、その莫大な経済負担を巡って与党内からも異論が噴出しているとのこと。
 
野党労働党も黙ってはおらず、英国下院のビジネス委員会は、2050年までに脱炭素化するための「真の経済負担を政権は国民に説明していない」と非難。
 
これを受け、英国財務省は、29年後にネット・ゼロを達成するための経済負担は、累積で1.4兆ポンド(=210兆円)という試算を示したとのことです。
 
一口に210兆円と言いますが、とてつもない規模の数字であることは火を見るよりも明らかです。
 
とは言え、さすが民主主義国家の先輩の英国。
 
批判に晒されようと明確な試算値を国民に示したことは意味のあることと受け止めた次第。
 
こうして、国内での指摘、英国を始め脱炭素化を進める他国の状況を見るに、わが国にとっての電源構成のベストミックスは、長期に亘る影響を見据え、極めて現実的且つ将来に向けて胆力を持って策定することが肝要であることは言うまでもないところ。
 
そのうえで、陸続きや安定した資源確保が出来る他国と違い、島国で資源が少なく、四季のある日本が「再生可能エネルギーの主力化」をめざすという今の計画では、気候変動対策という世界的な潮流に飲み込まれて、二酸化炭素の排出抑制という命題と非現実的なコスト計算に目を奪われ、この国の進むべき道を誤ることになるのではないかと、心配で心配でなりません。

「渡らぬバトン」に夢潰え。「届かぬワクチン」に落胆す。

オリンピック ブログ 新型コロナウイルス

今東京大会まで、日本選手が誰ひとり出場できていなかった陸上女子1500メートル。
 
「お家芸」とは真逆にあるようなこの競技に出場権を得たばかりでも快挙ですが、予選、準決勝と世界のトップ選手にも怯まぬ「攻める」走りで決勝まで駒を進めてきた田中希実選手。
 
昨晩の決勝でもこれまで同様の魂の込もった走りを見せ、堂々の8位入賞。
 
ゴールタイム3分59秒95は、準決勝に次ぐ自己2番目の好タイムで、地元開催の五輪で世界との距離を一気に縮めて見せました。
 
そして、残した言葉は、「今までの常識を覆すというか、自分の中の常識も覆すこともできた。本当に五輪という舞台が大きかったかなと思う」。
 
息を切らしながら、いつも通り最後にトラックに一礼し終えた顔は、本当にやりきった充実感に満ちていたように見え、自分に限界を設けずチャレンジする勇気をもらいました。
 
そして、その後に行われた注目の男子400メートルリレー決勝では何と1走の多田選手から2走の山縣選手へバトンが渡らず途中棄権という「まさか」の結果。
 
レース後のインタビューで、桐生選手、小池選手達も声を揃え「攻めた結果」との言葉を述べていましたが、バトンパスのミスがないよう、受け手が動き出すタイミングを通常より遅らせる安全策を採った5日の予選は、1組3着で通過はしたものの、38秒16のタイムは決勝に進出した中で一番遅い9番目。
 
金メダルを狙う「リレー侍」としては、「思い切り勝負を懸けなければ勝てない」と考え、タイミングを早める「攻める」バトンワークで臨んだことは自然の流れであったと思います。
 
写真を見ると、多田選手が思い切り伸ばした右手のバトンが、山縣選手に届かなかったのは、数センチ。
 

【指先には触れたかのようなバトン。つながらぬバトンとともに金メダルが潰えた瞬間。】
 
「攻めた」ことは、裏付けに基づいて、世界の頂点に立つために4人が採った作戦であり、部外者は結果論で述べてはいけないと思います。
 
逆に、ギリギリの選択をせねば勝てないのが世界の舞台で、走力と技術を極限まで高め、チャンレジをしたこのリレーチームに拍手を送りたいと思うところです。
 
それにしても、やはり人生には「まさか」が潜んでいることを痛感する訳ですが、今回のような悔しさがまた人を強くするのだと感じて止みません。
 
さて、五輪からは多くの感動と学びを得るところですが、新型コロナウイルスは落胆と嘆きが出るところ。
 
昨日の福井県は、新たに35名の感染者と発表。
 
ここ最近の感染拡大を受け、県独自の「緊急事態宣言」が出されました。
 
期間を8月24日までとし、県内全域の飲食店に対し、11日から24日までの営業時間を午後8時までに短縮するよう要請するなど、単に注意を呼び掛けることだけではない対応となっています。
 
ここ敦賀市においては、7月末から連続して新規感染者が確認されるとともに、4日からは9人、10人、10人と二桁に届く感染者数となっていることを踏まえ、昨日も市の新型コロナウイルス感染症対策本部会議が開催され、現況の共有、今後の対応などが確認されたところです。
 
出席された二州健康センターからは、特徴として県外、夜の街由来がほとんどであること、原子力事業者は関連会社も多く、県外の社員が出勤される車内などでの感染リスク、学校関係は大事に至っていないが、早めに検査をし対応していくなどの考えが話されていました。
 
また、渕上市長からは、状況によっては連休中でも(市の)施設を閉める場合もあるとの考えも示されるとともに、市のホームページ上で市民の皆さまに対するメッセージも発信されています。
 
→→→(渕上市長コメント)新型コロナウイルス感染症に対する市民の皆さまへのメッセージVol.17
 
新型コロナウイルス感染症に感染するリスクは誰にでもあります。感染された方はもとより、検査を受けることになった方、献身的な対応をしていただいている医療従事者の方々への誹謗中傷、事実に基づかない情報発信などは、絶対にしないでください。
感染がこれ以上の拡がりとならないよう、みんなで乗り越えましょう。市民の皆さまの御理解と御協力をどうぞよろしくお願いいたします。
 
17回目となる市長メッセージの最後もこう締め括られていますが、ロックダウン、敦賀封鎖のようなことが出来ない以上、市民の皆さんの連帯とご協力で乗り越えるしかないと思う次第。
 
一方、重症化を防ぐワクチン接種に関しては、供給量の見通しが立ったことから、以前に予約を再開したところでしたが、昨日、9月以降に見込んでいたワクチンの配分が半分になると連絡があったそうで、これにより9月分の集団接種および9月20日以降の個別接種の新規予約を一時停止することとなり、ホームページにもお知らせが掲載されることに。
 

【敦賀市ホームページに掲載のワクチン接種に関するお知らせ】
 
二転三転、国に振り回される各自治体の苦労たるや同情をもするところですが、本当にどうなってるのかと国には言いたい。
 
事態の収束に向けた期待でもあるワクチン供給を十分且つスムーズに、国から各自治体につなぐことは、先ほどのリレーと照らせば、言わば「バトン」であり、ここは綱渡りではなく、安全に、そして確実に届けていただきたいと切に願います。
 
感染対策をしっかりと講じ、日々お過ごしいただいている方におかれては、これまで通りの生活を引き続きお願いするところですが、そうでない方は、ふとした緩み、基本行動の欠如が、医療機関や飲食店、そして子ども達の貴重な夏休みの思い出まで奪ってしまうことに影響するとの思いを持っていただき、繰り返しになりますが、ここは敦賀の市民力で何とか乗り越えられますよう、私からもお願い申し上げ、本日のブログを閉じさせていただきます。

恒久平和と核兵器廃絶を切に願う「原爆の日」

ブログ

本日8月6日は、先の大戦を象徴する出来事、広島に原爆が投下されて76年となる「原爆の日」。
 
「北朝鮮拉致問題」と同じく、私にとって絶対に風化させてはならない日のひとつであります。
 
本日、広島の地で行われる平和記念式典(広島市原爆死没者慰霊式並びに平和祈念式)は、慰霊碑が平和記念公園に建立された昭和27年以来、途切れることなく続けられてきており、本日も昨年に引き続き、新型コロナウイルス感染拡大防止策を十分に行ったうえで、規模を縮小し開催されるとのこと。
 
昨年実施しなかった放鳩については、実施する方向で調整中ともあり、平和の象徴でもある鳩が広島の空に飛び立つ姿に期待するところです。
 
式典は、午前8時開式、同8時50分閉式の予定とのことであり、どれだけ時間が経過しようとも犠牲者の方への鎮魂の祈りを捧げ続けるとともに、原子爆弾の惨禍という未曽有の事態からよみがえった広島の歩みを、改めて思う1日にしなければなりません。
 
昨年の記念式典では松井広島市長が、平和宣言の中で、平和を脅かすウイルスに対しては「連帯」が重要と強調し、「75年間は草木も生えぬ」と言われた広島でも人々が「連帯」して苦難に立ち向かい復興したことを述べられました。
 
一瞬にして焼け野原となった絶望から、それでも人々は懸命に歩み、まちや暮らしを再建してきた、まさに苦難と復興の歴史を思い返すことは、1年以上を経過しても尚、過去最高の新規感染者となっている新型コロナウイルスにどう対応していくのか、今の日本に「連帯で乗り越えよ」との言葉を投げ掛けられているような気がしてなりません。
 
また、この日併せて考えなければならないのは、核兵器の問題であります。
 
「核兵器廃絶」との思いは、世界唯一の被爆国である日本国民の誰しもに共通するものでありますが、3年前に国連で採択された核兵器禁止条約に日本が参加しなかったことなど、「廃絶」に向けた取り組みに対しては、国民の皆さんも政治の世界も意見が分かれるところ。
 
中国や北朝鮮など周辺国との緊張が続く中、日米同盟を基軸とした多国間連携に頼らざるを得ない日本としては、今すぐにでも「米国の核の傘から脱せよ」と言われてもそれは無理筋な訳であり、世界唯一の被爆国たる役割を国際社会の中でどう発揮していくのかという点で、私自身は現実的な行動が必要と考えるところであります。
 
では、この厳しい国際社会の中で、「核兵器廃絶」を「理想」で終わらせないためにどうすれば良いのか。
 
正直、昨年の今日の時点では、この問いに自身の考えはまとまっていませんでしたが、ちょうどその後の敦賀市議会9月定例会にて、「日本政府に『核兵器禁止条約』への賛同と批准を求める意見書の提出に関する請願」が提出され、この際、自身の考えを整理したうえで、本請願に対する討論を行ったところ。
 
思えば、こうした機会に確固たる自身の考えを持てたという意味で、請願の提出に感謝する次第ですが、その考えについては、討論全文を掲載した、昨年10月3日の「やまたけブログ」を以下にリンクしますので、そちらをお読み取りいただければ幸いに存じます。
 
→→→2020年10月3日ブログ「請願第2号『日本政府に「核兵器禁止条約」への賛同と批准を求める意見書の提出に関する請願』に対する討論全文」
 
こうして、私の考えは示させていただくものの、もちろんこの考えを押し付ける気持ちは毛頭ありません。
 
ただ、長い人類の歴史において唯一、原子爆弾による被ばくを経験した日本であるからこそ、世界の中で果たせる役割、乗り越えなければならないこと、そしてこの先も幾多の葛藤のうえに立って思考を続けねばならないことは、国民皆に共通するものであり、他人事にだけはして欲しくないとの思いであります。
 
奇しくも2年連続、新型コロナウイルス禍で迎える「原爆の日」。
 
犠牲者へ捧げる黙祷は、ウイルス禍に耐えつつ今ある平和を守ること、そして76年前に起きた現実を絶対に風化させないとの念を強く我が胸に留め置くことと誓い、今後も思考を続けていきたいと思います。
 

【5年前に訪れた「原爆ドーム」。風化させてはならない76年前がここにはあります。】

「悲しみなんて笑い飛ばせ」を口ずさみ、前へ!

オリンピック ブログ

毎週恒例の辻立ちからスタートした昨日。
 
本格的な暑さとなる前の朝方とはいえ、敦賀湾を照らす朝日の反射具合、空の青さ、浮かぶ雲、すべてがいつもと違うと感じていた訳ですが、辻立ちを終えた8時過ぎには既に気温は30度。
 
その後もグングン上昇し、お昼には35.2度(この日の最高気温)となりました。
 

【昨朝の敦賀湾。海面のギラギラ感が「熱中症警戒アラート」の暑さを物語っていました。】
 
また、福井県内でも感染拡大が続いている新型コロナウイルスについては、28人が新規感染と発表。
 
敦賀市でも9人、学校関係者も含まれるということですが、夏休み中ということもあってか、学校から保護者への連絡が上手く伝わっていないなどとの声も耳にした次第。
 
以前にもあった市内の小中学校クラスターで得た経験は活かされているとは思いますが、この点については改めて確認しておきたいと思います。
 
いずれにしても、暑さに関しては、本日も「熱中症警戒アラート」が発表されており、引き続き、コロナとの二重リスクに警戒となりますが、ここは踏ん張りどころと一層気を引き締めて、敦賀の市民力で乗り越えていかねばと思うところです。
 
さて、気温の熱気とは別に熱戦続くオリンピック。
 
昨日もスケートボード女子の金銀、しかも史上最年少12歳のメダリスト誕生の快挙などがあった訳ですが、ここ数日の競技で本当に凄いと感じているのは陸上。
 
以前に49年ぶりに決勝進出をした男子3000m障害の三浦龍司選手のことを書きましたが、その三浦選手は、2日に行われた決勝で並み居る世界の選手、とりわけこの競技では常勝ケニヤ選手相手に食らいつく、というより堂々と渡り合っての7位。
 
この種目での7位入賞は、何と日本人初。
 
トラックのクロスカントリーと呼ばれる3000m障害が、いかに日本人にとって壁の高いものであったかが分かります。
 

【世界と互角に渡り合う三浦選手】
 
また、同じく49年ぶり決勝進出の男子走り幅跳びの橋岡優輝選手は、同じく2日に行われた決勝で、表彰台ラインの3位まで11センチという激戦を繰り広げての6位入賞を果たしました。
 
こちらは1984年ロサンゼルス五輪7位の臼井淳一選手以来、日本勢37年ぶりの入賞とのこと。
 
そしてさらに、度肝を抜かれる驚愕の走りで、テレビの前で思わず声を挙げてしまったのが、陸上女子1500mの田中希実選手。
 
予選で自らの日本記録を1秒75更新する4分2秒33をマークし、準決勝に進んだ田中選手。
 ※ちなみに、私の高校時代のベスト記録は4分5秒ですので、完全にぶっち切られています。
 
予選後のインタビューでは、勝負の準決勝に向けて「燃え尽きるようなレースがしたい」と気を引き締め直していた言葉通り、昨日の準決勝では、スタート直後からトップに躍り出、強者揃いの海外勢を従え、レースを引っ張るという堂々の走り。
 
声を挙げて応援したラスト、前を行く選手を猛追しての3分59秒19、4分を切る日本新記録とともに、この組5着で決勝進出を決めました。
 
オリンピック史上、この種目に日本勢が出場すること自体が初めてであり、そう思えば尚のこと、この決勝進出は、先に書いたよう「驚愕」の言葉がピッタリな訳であります。
 
決勝は6日。
 
田中選手はレース後、「うれしい気持ちが強すぎて、(決勝を)走るのが信じられない。五輪の空気に助けられているかな。今のような気持ちに次、いつ巡り合うか分からないので大切にやっていきたい」と前をグッと見つめていました。
 

【準決勝でレースを引っ張る田中選手】
 
周りで「日本人選手何年ぶり」などの言葉が踊る中、三浦選手も橋岡選手も、そして田中選手もオリンピック出場で満足するのではなく、体力面で劣る陸上競技で、目指すはメダルの気持ちで「日本人ここにあり」とばかりに戦う真の強さ、誇らしさを感じた次第。
 
こうして思えば、私を含め、大概の人は身近なことも然り、「自分はここまで」、「自分には無理」と限界や壁を自分自身で作ってしまっている訳ですが、それは自分の可能性を自分自身で潰してしまっているということ。
 
心の中の壁を取り払い、「自分ならできる」と思ってあげないと自分が可哀想だなと、ふと思った次第。
 
好きな歌、FUNKY MONEKY BABYの「悲しみなんて笑い飛ばせ」の歌詞にこうあります。
 
越えられない高い壁は
ぶつかってぶっ壊して
前に進んでけばいいさ oh oh oh oh
(中略)
不可能なんてないよ、可能だらけさ
絶望なんてないよ、希望だらけさ
 
オリンピックで奮闘する選手に自分の姿を重ねながら、今日もこの歌詞を口ずさみ頑張っていきます。

コロナと熱中症。二つの「警報」にご留意を。

ブログ 防犯/防災

杉本福井県知事が会見で「爆発的感染拡大」相当だと述べたよう、福井県は昨日、県内で過去最多となる43人が新たに新型コロナウイルスに感染したと発表。
 
これまでの最多、4月22日の38人を上回り、初めて40人を超えたとのことですが、発表された資料を見ると、感染者の所在地は福井市、坂井市、あわら市、越前市、敦賀市、小浜市、永平寺町、越前町、南越前町、京都府(高浜町滞在)となっており、従前のように、ある程度エリアが特定できる状況ではなく、県内全域に亘っていることが分かります。
 
この感染拡大を受け、県独自の基準に基づく「感染拡大特別警報」が発令されましたが、先般、敦賀市で行われたコロナ対策本部会議で病院事業管理者が危機感を募らせたよう、県内一円での感染者増は医療機関の負担増、とりわけ嶺南の緊急医療を一手に受け入れる敦賀病院にとっては、普通医療にも影響を及ぼし兼ねないことから、そうした意識のもと行動いただくよう、自身の行動に注意を払うとともに、市民の皆さんにもご協力をお願いするところです。
 

 
【福井県の啓蒙チラシ。しっかりご協力いただいている皆様におかれましても、今一度ご確認を。】
 
加えて、敦賀市防災メール(トンボメール)に登録されている方はご承知かと思いますが、ここ最近は「その他の災害速報」として、救急活動による消防車出動メール件数が増加していると感じています。
 
本格的な暑さや海難事故などで災害リスクが高まることの表れとも思いますが、コロナ感染対応とも併せて、こうして対応いただいている関係者の皆さんへの感謝も忘れてはならないと強く思うところです。
 
さて、もう一方の「警報」は、この猛暑。
 
気象庁は同じく昨日、福井県で本日4日に熱中症の危険性が極めて高い気象状況になることが予測されるとして、「熱中症警戒アラート」を発表しました。
 
「熱中症警戒アラート」の趣旨や内容に関しては、以前のブログに記載したため割愛しますが、本日予想される「暑さ指数(WBGT)」の日最高は、ここ敦賀では「32」で危険(31以上)となっています。
 
※暑さ指数(WBGT:Wet Buld Globe Temperature)は気温、湿度、日射量などから推定する熱中症予防の指数
 
また、県内各地の予想最高気温は、敦賀35度、福井では36度となっていて、本日も「溶ける暑さ」になりそうです。
 
徹底したコロナ感染対策に取り組んでいる方におかれましては、人との離隔距離が十分に取れている状態においては、マスクを外しても良いとの認識も持っていただきながら、コロナと熱中症の二つのリスクに対応いただければと思います。
 
私もこの後、恒例の辻立ちをしてまいりますが、朝の比較的涼しい時間帯とはいえ油断することなく、ペットボトルを傍に置き、十分注意して行ってまいります。

日本原子力研究開発機構の「HTTR」が約10年半ぶりに運転を再開!

エネルギー ブログ

外にいると「溶けるような」という表現がピッタリの昨日の暑さ。
 
それもそのはず、敦賀の最高気温は34.9度(14時11分)まで上昇したとのことで、発電所へ向かう西浦の海水浴場には色とりどりのパラソルやテントが並び、コロナ禍を忘れさせるかの光景。
 
青い空に映える、「北陸のハワイ」水島を横目に車を走らせ、お昼休みには敦賀発電所の協力会事務所にて市政報告をさせていただきました。
 

【あまりの綺麗さに車を停め撮影。ハワイだけあって、やはり夏が一番似合うかも。】
 
お昼休みの中、報告会には、労組役員さんを中心にお集まりいただきましたが、昨日は女性参加の割合がいつもより高く、違った視点で聞いてもらえるということを嬉しく思いつつ、話しを進めさせていただきました。
 
参加された皆さんは、発電所構内でお勤めの方ばかりということで、若干最近の国のエネルギー政策に関する動きなども絡めながら、6月定例会で一般質問した、敦賀市が進める調和型水素社会やスマートタウンの内容や駅西地区開発、市庁舎建設の状況など市政のトピックスについて、いつものパワーポイント形式でご紹介。
 
伝えたいことを盛り込み過ぎて、意見交換する時間が短くなってしまったことは反省点な訳ですが、子育てに関するご意見、ご要望などもお聞かせ願いたいとお伝えをし、報告会を終えました。
 
引き続き、発電所で働く皆さんとは緊密な連携を図っていきたいと思います。
 

【市政報告会の様子】
 
さて、報告会とも関連するエネルギーの分野に関しては、ここ最近では関西電力の美浜発電所3号機の再稼働など、原子力発電でも軽水炉のことをお伝えをしてきた訳ですが、この7月30日には、日本原子力研究開発機構(以下、原子力機構)の高温工学試験研究炉「HTTR」(茨城県大洗町、高温ガス炉、熱出力3万kW)が、約10年半ぶりに運転を再開しました。
 
「HTTR」は、2011年初頭の第13サイクル運転終了後、東日本大震災を挟み、新規制基準対応に伴い停止していたとのことですが、原子力機構では再開に向けて、2014年11月に新規制基準適合性に係る審査を原子力規制委員会に申請。
 
2020年6月に原子炉設置変更許可に至った後、安全対策工事が行われ、2021年7月に入り原子炉起動までに実施すべき検査を終了しこのほど運転再開し、今後は、運転状態において原子炉の性能を確認するための検査を順次実施、9月末には原子炉出力100%の状態での最終検査を行い本格運転となる予定とのこと。
 
これに関しては軽水炉と同じく、運転再開に向けて約10年の月日を掛けての原子力機構の皆さんのご尽力あってのものであり、心より敬意を表するところです。
 
「HTTR」、いわゆる高温ガス炉は、水素製造などの多様な産業利用の可能性が期待されており、開発に関しては、原子力産業分野の取組みの一つとして、「2050年カーボンニュートラル」に伴うグリーン成長戦略で、「2030年までに大量かつ安価なカーボンフリー水素製造に必要な技術開発を支援していく」とされているほか、7月21日に資源エネルギー庁が示した次期エネルギー基本計画の素案でも水素社会実現に寄与する有望性が述べられているもの。
 
「HTTR」の運転再開を受け、萩生田文科相は、「各種試験が順調に進み、高温ガス炉に関する技術が蓄積され、『HTTR』を活用した水素製造に係る要素技術開発を始め、各種分野への応用に向けた取組が進展することを期待」との談話を発表。
 
梶山経産相も、高温ガス炉が産業分野の脱炭素に資する可能性を述べたうえで、「カーボンニュートラルに向けた取組が進展することを期待」とのメッセージを寄せたとのことですが、こうした新たな技術の研究、検証を確実に進めていくことは、少資源国の我が国だから尚のこと、重要で必要なことと考える次第です。
 
原子力機構によれば、今後はより厳しい条件を付加した試験を段階的に進め、高温ガス炉に関する安全基準の国際標準化にも貢献していくとのこと。
 
こうして日本の原子力技術を将来に亘って活かしていくことを思えば、より一層安全性を高めた軽水炉建設を進めていくことも同義だと思う訳ですが、国としてはこちらはタブーのよう。
 
先の報告会でも述べたのですが、こと国の根幹に関わるエネルギー政策については、頭の中が「お花畑」のような夢物語では決していけないのであり、確実性を高めた真に現実的なものでなければならないとの思いが一人でも多くの方にご理解いただけるよう、引き続き自身の役割を果たしていく所存です。

オンラインと対面の「ハイブリッド」な一日

ブログ 働く仲間とともに

熱戦続くオリンピックは、どうしても日本人選手の活躍に目が行きがちですが、昨日、競技最終日を迎えた競泳会場では、何とも心温まるシーンがありました。
 
全レースを締め括る男子400メートルメドレーリレーを世界新記録で制した米国チームが、表彰式後、「THANK YOU TOKYO」と記された青いフラッグを掲げて場内を練り歩き、今大会5冠を果たしたケーレブ・ドレセル選手は「18ヶ月前、私たちがこの場にいられると想像もしなかった。バスの運転手から清掃員まで、全ての人が大会実現のための重要な役割を果たしてくれた。私たちがここに来られたことをありがたく思っている」と開催に謝辞を述べたとのこと。
 
コロナ禍での開催に関しては、海外というより、日本国内で今なお賛否の声がある訳ですが、忘れてならないのは、選手同様「全力」で大会を支える関係者の皆さんが、裏方できめ細やかな「おもてなし」をしていただいているということ。
 
そうした行為によって、この米国選手団やドレセル選手の言葉を始めとし、多くの国から評価の声をいただけるというのは、何とも嬉しく、誇らしくも思うところです。
 
さて、話しは変わりまして、昨日もお伝えした町内での「オンライン活動報告会」ですが、日曜の昼下がり、14時からの2回目に参加いただいた方は2人。
 
こちらは良く知った方でもあった訳ですが、1回目同様の流れで進め、最後には、次回に向けてのアドバイスなどまで頂戴しありがたい限り。
 
zoomに関しては、ホスト側(主催する側)の設定で、音がミュートになることもあり、私自身も勉強せねばと反省した次第。
 
いずれにしても、初チャレンジした2回の開催で得たこと、計5名の皆さんから頂戴したご意見を糧にし、今後も改善を重ねながら対面とオンラインの「ハイブリッド型」で活動を進めていきたいと思います。
 
そして昨日は、そのもう一方の「対面」の機会が。
 
母体を始め、支援労組の定期大会は、コロナ感染に配慮をし、その殆どが祝電メッセージでの対応を依頼されてきているのですが、昨日は、日本郵政グループ労組(JP労組)福井南部支部の第14回定期支部大会にお招きいただき、久々に組合員の皆さんのお顔を拝見しながら、日頃のご支援に対する感謝と激励のご挨拶をさせていただきました。
 

【来賓として一言ご挨拶させていただきました】
 
会場のあいあいプラザ2階ホールでは、離隔距離を取り、互い違いにテーブルひとり掛け、演台のアクリルボード、マイクは挨拶者が変わる度に消毒作業とコロナ対策を徹底しての開催でありましたが、会場の凛とした雰囲気を始め、支部長さんや来賓の皆さんからのご挨拶から、こちらに伝わってくることも多々あり、やはり対面で得られる臨場感というのも感じた次第。
 
郵政事業に関しては、民営化以降、様々な改革が行われ、経営環境も大変厳しいものとお伺いしましたが、電力などと同じ、重要な社会インフラを支える事業につき、議案書にもあった「JP smile」を合言葉に、職場の笑顔を忘れずに、厳しい環境を乗り越えるべく頑張っていただきたいと、私からも言葉を掛けさせていただきました。
 
従前の全郵政労組時代から続く、私の立場へのご支援とご協力に感謝をしつつ、こうして昨日はオンラインと対面の両方でのコミュニケーションを通じ、引き続き頑張らねばとネジを巻く機会となりました。
 

【帰り道で見つけた公文名の向日葵畑。照りつける太陽のもと、「自分たちが主役」とばかりに顔を上げて咲く向日葵たちから元気をもらいました。】

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