「渡らぬバトン」に夢潰え。「届かぬワクチン」に落胆す。

オリンピック ブログ 新型コロナウイルス

今東京大会まで、日本選手が誰ひとり出場できていなかった陸上女子1500メートル。
 
「お家芸」とは真逆にあるようなこの競技に出場権を得たばかりでも快挙ですが、予選、準決勝と世界のトップ選手にも怯まぬ「攻める」走りで決勝まで駒を進めてきた田中希実選手。
 
昨晩の決勝でもこれまで同様の魂の込もった走りを見せ、堂々の8位入賞。
 
ゴールタイム3分59秒95は、準決勝に次ぐ自己2番目の好タイムで、地元開催の五輪で世界との距離を一気に縮めて見せました。
 
そして、残した言葉は、「今までの常識を覆すというか、自分の中の常識も覆すこともできた。本当に五輪という舞台が大きかったかなと思う」。
 
息を切らしながら、いつも通り最後にトラックに一礼し終えた顔は、本当にやりきった充実感に満ちていたように見え、自分に限界を設けずチャレンジする勇気をもらいました。
 
そして、その後に行われた注目の男子400メートルリレー決勝では何と1走の多田選手から2走の山縣選手へバトンが渡らず途中棄権という「まさか」の結果。
 
レース後のインタビューで、桐生選手、小池選手達も声を揃え「攻めた結果」との言葉を述べていましたが、バトンパスのミスがないよう、受け手が動き出すタイミングを通常より遅らせる安全策を採った5日の予選は、1組3着で通過はしたものの、38秒16のタイムは決勝に進出した中で一番遅い9番目。
 
金メダルを狙う「リレー侍」としては、「思い切り勝負を懸けなければ勝てない」と考え、タイミングを早める「攻める」バトンワークで臨んだことは自然の流れであったと思います。
 
写真を見ると、多田選手が思い切り伸ばした右手のバトンが、山縣選手に届かなかったのは、数センチ。
 

【指先には触れたかのようなバトン。つながらぬバトンとともに金メダルが潰えた瞬間。】
 
「攻めた」ことは、裏付けに基づいて、世界の頂点に立つために4人が採った作戦であり、部外者は結果論で述べてはいけないと思います。
 
逆に、ギリギリの選択をせねば勝てないのが世界の舞台で、走力と技術を極限まで高め、チャンレジをしたこのリレーチームに拍手を送りたいと思うところです。
 
それにしても、やはり人生には「まさか」が潜んでいることを痛感する訳ですが、今回のような悔しさがまた人を強くするのだと感じて止みません。
 
さて、五輪からは多くの感動と学びを得るところですが、新型コロナウイルスは落胆と嘆きが出るところ。
 
昨日の福井県は、新たに35名の感染者と発表。
 
ここ最近の感染拡大を受け、県独自の「緊急事態宣言」が出されました。
 
期間を8月24日までとし、県内全域の飲食店に対し、11日から24日までの営業時間を午後8時までに短縮するよう要請するなど、単に注意を呼び掛けることだけではない対応となっています。
 
ここ敦賀市においては、7月末から連続して新規感染者が確認されるとともに、4日からは9人、10人、10人と二桁に届く感染者数となっていることを踏まえ、昨日も市の新型コロナウイルス感染症対策本部会議が開催され、現況の共有、今後の対応などが確認されたところです。
 
出席された二州健康センターからは、特徴として県外、夜の街由来がほとんどであること、原子力事業者は関連会社も多く、県外の社員が出勤される車内などでの感染リスク、学校関係は大事に至っていないが、早めに検査をし対応していくなどの考えが話されていました。
 
また、渕上市長からは、状況によっては連休中でも(市の)施設を閉める場合もあるとの考えも示されるとともに、市のホームページ上で市民の皆さまに対するメッセージも発信されています。
 
→→→(渕上市長コメント)新型コロナウイルス感染症に対する市民の皆さまへのメッセージVol.17
 
新型コロナウイルス感染症に感染するリスクは誰にでもあります。感染された方はもとより、検査を受けることになった方、献身的な対応をしていただいている医療従事者の方々への誹謗中傷、事実に基づかない情報発信などは、絶対にしないでください。
感染がこれ以上の拡がりとならないよう、みんなで乗り越えましょう。市民の皆さまの御理解と御協力をどうぞよろしくお願いいたします。
 
17回目となる市長メッセージの最後もこう締め括られていますが、ロックダウン、敦賀封鎖のようなことが出来ない以上、市民の皆さんの連帯とご協力で乗り越えるしかないと思う次第。
 
一方、重症化を防ぐワクチン接種に関しては、供給量の見通しが立ったことから、以前に予約を再開したところでしたが、昨日、9月以降に見込んでいたワクチンの配分が半分になると連絡があったそうで、これにより9月分の集団接種および9月20日以降の個別接種の新規予約を一時停止することとなり、ホームページにもお知らせが掲載されることに。
 

【敦賀市ホームページに掲載のワクチン接種に関するお知らせ】
 
二転三転、国に振り回される各自治体の苦労たるや同情をもするところですが、本当にどうなってるのかと国には言いたい。
 
事態の収束に向けた期待でもあるワクチン供給を十分且つスムーズに、国から各自治体につなぐことは、先ほどのリレーと照らせば、言わば「バトン」であり、ここは綱渡りではなく、安全に、そして確実に届けていただきたいと切に願います。
 
感染対策をしっかりと講じ、日々お過ごしいただいている方におかれては、これまで通りの生活を引き続きお願いするところですが、そうでない方は、ふとした緩み、基本行動の欠如が、医療機関や飲食店、そして子ども達の貴重な夏休みの思い出まで奪ってしまうことに影響するとの思いを持っていただき、繰り返しになりますが、ここは敦賀の市民力で何とか乗り越えられますよう、私からもお願い申し上げ、本日のブログを閉じさせていただきます。