2024年10月11日
筑波山での挙兵から160年 〜松原神社例大祭にて水戸烈士の遺徳を偲ぶ〜
毎年10月10日は、松原神社例大祭。
水戸烈士の遺徳を偲ぶ墓前祭であるこの例大祭に、今年は市議会副議長として参列いたしました。
「幕末の悲劇」とも称される「水戸天狗党」は、元治元(1864)年に藤田小四郎らを中心に筑波山で挙兵した後、京にいる一橋慶喜を頼り、朝廷に尊王攘夷を訴えようと約千名が行軍。
その年の12月、風雪の中、木ノ芽峠を越えて敦賀の新保村に着陣したものの、そこで幕府軍(加賀藩)に捕らえられた首領の武田耕雲斎先生、藤田小四郎ら天狗党は、船町(現蓬莱町)に所在した鰊蔵に収容された後、志半ばで非業の最後(処刑)を迎えるとの幕末の歴史。
水戸烈士が最後を遂げた敦賀の地においては、総大将の武田耕雲斎先生以下、烈士411柱の御霊を松原神社に祀り、長きにわたり連綿と敦賀水戸烈士遺徳顕彰会や市民の皆様の手によって守られ、顕彰されてきています。
なお、そうした関係から、水戸市と敦賀市は水戸烈士没後100年(1965)には姉妹都市となり、以降、相互交流が続けられているところですが、昨日は、水戸市をはじめ、常陸太田市、潮来市よりそれぞれ市長、議長を始め多くの関係者の皆様が参列のもと、厳粛な雰囲気のなか例大祭が執り行われ、遺徳を偲ぶとともに、安らかに眠られますよう祈りを捧げた次第です。
また、例大祭を終え、参列者一同で神社の向かいにある「武田耕雲斎等墓」(幕府が下した斬首刑により敦賀で命を落とした353名の名前が墓石に刻まれている)を参拝。
国を思う一心で行動を起こし、純粋な「誠」と「義」、まさに「散って燃ゆる」武士道を貫いた、耕雲斎先生らの墓前に静かに手を合わせました。
【墳墓に向かう参列者。左手に建つのは武田耕雲斎先生の銅像。命を賭して貫いた武士道ここにあり。】
筑波山での挙兵から今年は160年。
こうして例大祭を挙行いただきました敦賀水戸烈士遺徳顕正会の皆様に心より感謝申し上げるとともに、天狗党の歴史でつながる水戸市、常陸太田市、潮来市の皆様とはより関係性を深め、私たち世代、さらには次代へつないでいかねばと胸に誓った次第です。
結びに、160年の節目を機に、敦賀市では武田耕雲斎等墓、水戸烈士記念館(旧鯡蔵)の周辺整備を完了。
10月12日(土)午前中には、学芸員による現地解説会が開催されます。
また同日の午後2時からは、気比史学会 敦賀市民歴史講座(第4講)として、『水戸天狗党ーゆかりの地における慰霊・顕彰と評価一』と題した講座を開催します。
是非これらの行事に参加いただき、水戸烈士を偲ぶとともに、160年前の敦賀に思いを馳せていただければ幸いに存じます。
【広報つるが(令和6年10月号)より抜粋】
<参考>
水戸天狗党を取り上げた、過去の「やまたけブログ」(3件)をご紹介いたしますので、以下リンクよりご覧ください。
→①天狗党の志士に思いを馳せる(2019年11月3日ブログ)
→②幕末の悲劇「天狗党」〜武田耕雲斎からの手紙〜(2021年7月10日ブログ)
→③水戸「弘道館」で幕末の歴史に思いを馳せる(2023年8月7日ブログ)