研究開発や人材育成の基盤として不可欠な「試験研究炉」

ブログ 原子力

敦賀市議会12月定例会は、今日から一般質問。
 
先般お伝えしましたとおり、11日(木)までの3日間に17名が登壇いたします。
 
各議員の質問項目を以下に再掲いたしますので、議場傍聴あるいはご視聴(敦賀市議会インターネット中継、YouTube配信、嶺南ケーブルネットワーク放送)いただければ幸いに存じます。
 
 →「令和7年第4回敦賀市議会定例会 一般質問 発言通告一覧」はこちら
 
さて、昨日の続きのようになりますが、「もんじゅ」サイト(福井県敦賀市)を活用し、原子力分野の新たな研究開発や人材育成の中核的拠点となっていくことを目指して検討が進められている「試験研究炉」について。
 
中性子ビーム利用を主目的とした新たな試験研究炉として、計画の詳細設計段階以降における実施主体として日本原子力研究会開発機構(以下、JAEA)が選定され、JAEAと協働して原子炉設置を支援する主契約企業として三菱重工業と契約締結までを終えているところ。
 
研究用原子炉は、RI製造、燃料・材料照射等にも利用されるとともに、学術研究や産業利用に関わる幅広い研究、施設や装置の利活用を通じた人材育成等が行われることから、私自身、今後大きな期待を寄せていることは昨日述べたとおり。
 
なお、研究用原子炉で扱われる放射線の特性は、工業、医療、農業、先端的な科学技術、環境保全、核セキュリティ等の様々な分野で利用され、物質の構造解析や機能理解、新元素の探索、重粒子線やα線放出、RI等によるがん治療を始めとして、これまで国民の福祉や生活水準向上等に大きく貢献しているうえ、今後も利活用による発展が見込まれています。
 
一方、大きな懸念は、わが国におけるこうした研究施設等の基盤的施設・設備が減少の一途を辿っていること。
 
「令和6年度版原子力白書」によれば、研究炉や臨界実験装置は、最も多い時期には約20基が運転していましたが、令和6(2024)年3月末時点で運転中6基、停止中2基の計8基にまで減少
 
福島第一原子力発電所事故以降に全ての研究炉が運転を一旦停止し、新規制基準への対応が行われたものの、JAEAが管理・運用している原子炉安全性研究炉(NSRR)、JRR-3、HTTR、定常臨界実験装置(STACY)の4基については運転が再開され、「常陽」は令和8(2026)年度半ばの運転再開が計画されています。
 
また、京都大学研究用原子炉(KUR)、近畿大学原子炉(UTR-KINKI)の2基についても運転を再開しているものの、京都大学は令和4(2022)年にKURの運転を令和8(2026)年5月までに終了することを発表しています。
 
また、民間企業の研究炉である東芝エネルギーシステムズ株式会社東芝教育訓練用原子炉(TTR-1)及び東芝臨界実験装置(NCA)、ならびに株式会社日立製作所日立教育訓練用原子炉(HTR)では廃止措置が進められている状況にあります。
 

【我が国の研究・臨界実験装置の状況(「令和6年度版原子力白書」より引用)】
 
前述のとおり、研究炉や放射性物質を取り扱う研究施設等の基盤的施設・設備は、研究開発や人材育成の基盤となる不可欠なものですが、高経年化や新規制基準への適合性から、利用可能な基盤的施設・設備等は減少しており、「原子力白書」においても、その強化・充実が喫緊の課題としています。
 
そのため、国、JAEA及び大学は、長期的な見通しのもとに求められる機能を踏まえて選択と集中を進め、国として保持すべき研究機能を踏まえて基盤的施設・設備の構築・運営を図っていく必要があること、また、それらの基盤的施設・設備は、産学官の幅広い供用の促進や、そのための利用サービス体制の構築、共同研究等の充実により、効果的かつ効率的な成果の創出に貢献することが期待されるとあり、まさにこの「期待」がもんじゅサイトに建設する新試験研究炉にかかっていると言えます。
 
つまり、新試験研究炉は、「わが国」の持続的発展のために必要不可欠なものであることから、KURの運転終了なども念頭に、一日も早く、切れ目なく整備せねばならないものと考える次第です。
 
結びに、ノーベル化学賞に選ばれた京都大学の北川進特別教授は、授賞式前の会見でこう仰っていました。
 
「多くの人が言うように、基礎研究には長い時間がかかります。この基礎研究の支援援助には25年ほど見込む必要があります。」
 
本日述べた試験研究炉然り、日本が科学立国に返り咲くためには、基礎研究の重要性を国が理解し、国が積極的に援助・投資すること。
 
緊縮財政の名のもと、すぐに成果や効果が出ないと(誰かさんの「2番じゃダメなんですか」を思い出します)、このまま学術研究予算削減を続けていては、優秀な日本の研究者・技術の国外流出に歯止めがかかる訳がないことから、こうしたノーベル賞受賞者らの声に、国は真摯に耳を傾け、対応を講じていただきたいと切に願う次第です。
 
※投稿後、追加

【参考:大学の研究費を減らす日本(国民民主党本部資料より抜粋引用)】

高速増殖炉もんじゅ「ナトリウム漏えい事故」から30年

ブログ 原子力

平成7(1995)年12月8日。
 
今から30年前の今日は、試験運転中の高速増殖原型炉もんじゅで「ナトリウム漏えい事故」が発生した日。
 
これにより、原子炉を手動で緊急停止し、事故発生の翌日、12月9日以降の調査結果、原子炉格納容器内にある中間熱交換器から出ている2次系配管(出口配管)のナトリウム温度計が破損、漏えいしていたことが判明。
 
サイクル機構(当時)においては、破損温度計以外の温度計の調査、流力振動水試験等の模擬試験および解析による調査を行い、破損原因は、配管内を流れるナトリウムの流体力により、さや細管部に振動(流力振動)が発生し、さや段付部に高サイクル疲労が生じたため破損に至ったとされ、これは、メーカーの温度計さや管の設計に問題があったとの判断に至りました。
 
なお、漏えい事故では、発生から6時間後の9日午前2時5分に5人の職員が現場確認のため配管室に入り、ビデオ撮影したものの、それを隠していたことが大きな批判を浴び、連日テレビや新聞に取り上げられる社会問題に。
 
当時、日本原電に入社して5年目、同じ敦賀半島の敦賀発電所で勤務していた私にとってもこの事故はセンセーショナルであり、原電からもんじゅに出向に行かれていた方からのお話とも併せ、壮絶な現場対応であったことを思い返す次第です。
 
その後、もんじゅは運転再開のための本体工事を平成19(2007)年に完了し、平成22(2010)年5月6日に2年後の本格運転を目指して運転を再開したものの、同年8月には炉内中継装置落下事故が発生。
 
平成24(2012)年に再稼働する予定でしたが実現することなく、平成28(2016)年12月21日に組織的な問題を理由に、原子力関係閣僚会議において廃止が正式決定され、以降、廃止措置工事を続け、今に至る。
 
これが、もんじゅに関する一連の経過となります。
 
なお、廃止判断がされる前には、地元をはじめ、敦賀市議会からは「核燃料サイクル政策に係る国の責任ある対応を求める意見書」提出により、国においては、そうした立地地域の思いや意見を十分に踏まえた上で、核燃料サイクル政策の目的を果たせるよう、長期的な視野に立ち、取り組むことが肝要であるとの考えを伝えたことを書き置く次第です。
 
しかしながら、意見書の思いに国が応えることなく、結果、平成28(2016)年12月21日に原子力関係閣僚会議にて「もんじゅの廃止」が決定。
 
その際、今後の取扱いについてはこう書かれています。
 
「このような状況を勘案し、『もんじゅ』においてこれまでに培われてきた人材や様々な知見・技術等を、将来の高速炉研究開発において最大限有効に活かす観点からも、これまでの『もんじゅ』の位置付けを見直し、『もんじゅ』については様々な不確実性の伴う原子炉としての運転再開はせず、今後、廃止措置に移行するが、あわせて『もんじゅ』の持つ機能を出来る限り活用し、今後の高速炉研究開発における新たな役割を担うよう位置付けることとする。」
 
 →「もんじゅの取扱いに関する政府方針」(平成 28年12月21日 原子力関係閣僚会議)はこちら
 
加えて、同日、同じく閣僚会議発出の『高速炉開発の方針』では、「高速炉開発は、長期にわたるプロジェクトであり、将来を見据えた一貫性のある継続した取組が欠かせない。国内のすべての関係者が、本方針を踏まえ、それぞれの責任を自覚して役割を果たしつつ、 相互の連携を強化することによって、着実に高速炉開発を進めていくことの重要性を改めて強調したい。」とありました。
 
 →「高速炉開発方針」(平成28年12月21日 原子力関係閣僚会議)はこちら
 
以降、(高速炉)『戦略ロードマップ』(平成30年12月21日 原子力関係閣僚会議)では、「7.地元自治体との協働」として次の記載。
 
「今般の政策の見直しによって、今後『もんじゅ』の廃止措置に取り組むとともに、『もんじゅ』を含む周辺地域において高速炉研究開発を実施していくが、説明会を開催するなどこれらの経緯・取組について政府として丁寧に説明し、地元の理解を得られるよう最大限取り組んでいく。また、地域雇用・経済の観点を含め、地元がともに発展するよう、政府として最大限に応えていく必要がある。このため、今般の「もんじゅ」に係る政策変更に伴い、地元に大きな影響が生じないよう、また地元が共に発展していけるよう、必要な地域振興策等に政府として取り組むこととする。」。
 
そして直近では、『第7次エネルギー政策』(令和7年2月)の「Ⅵ.カーボンニュートラル実現に向けたイノベーション」の(2)原子力の項に「高速増殖原型炉もんじゅについては、安全の確保を最優先に、着実かつ計画的な廃止措置に責任を持って取組を進めるとともに、国は地元の協力を得ながら、福井県敦賀エリアを原子力・エネルギーの中核的研究開発拠点として整備していく。」と明記されています。
 
こうした30年間、一連の過程を経て今がある訳ですが、中核的研究開発拠点の中心的役割を担う、もんじゅ敷地内に建設予定の「試験研究炉」は、昨年“推定活断層”なるものの指摘により先は見えず、停滞感が否めない状況にあります。
 
30年前の事故、社会問題となった教訓は決して忘れてはいけないことであることはもちろんとして、廃止決定の際、国が地元と約束したことも同じく忘れてはならないことであり、さまざま約束したことについて、一日も早く実現に向けた道筋、見通しが得られるよう、国が責任と役割を果たしていくことは言うまでもないこと。
 
もんじゅで目指した「夢の原子炉」によって、わが国の原子燃料サイクルの一翼を担うはずだったのが敦賀であり、今後もその役割を引き継ぐとともに、この後建設される試験研究炉には、国内外の研究者が集い、ここで学んだ技術者たちが世界で活躍する。
 
また、ここで研究された製品が世界に貢献し、人々を救う。
 
私自身は、もんじゅを巡るこれまでの歴史を胸に刻みつつ、この先敦賀がそうした拠点となるものと、ポジティブに捉え取り組む所存です。
 

【日本海の荒波と高速増殖炉もんじゅ(2022年12月 やまたけ撮影)】

「ガソリン暫定税率廃止法案」が全会一致で成立!

ブログ 原子力 政治

昨日は嬉しいニュースがふたつ。
 
ひとつは、北海道電力泊原子力発電所3号機(以下、泊3号)。
 
鈴木直道 北海道知事の考えがどう示されるのか注目されていた定例道議会で28日、泊3号の再稼働を容認すると表明しました。
 
鈴木知事は「原子力発電の活用は当面取り得る現実的な選択と考えている」と答弁し、再稼働を容認する理由として、泊3号が国の新規制基準に適合していること、再稼働により電気料金の値下げが見込まれるとともに電力需要の増加が想定されるなかで安定供給が確実になること、脱炭素電源の確保で道内経済の成長や温暖化ガスの削減につながると説明。
 
地元が同意の意向を示していることと併せ、容認の考えに至ったとあり、先日のブログに書いた「現実的な」判断をされた鈴木知事に敬意を表する次第です。
 
なお、再稼働に必要な知事同意は道議会の議論を踏まえて最終判断するとしており、来月上旬にも正式に同意する見通し。
 
東日本では、既に再稼働を果たしている東北電力の女川2号(宮城)、先般、知事の同意が得られた東京電力柏崎刈羽原子力発電所に続き、今回で3例目となり、遅れてきた原子力の活用がようやく前進することとなります。
 
北海道電力がめざすのは「2027年の早期」の再稼働。
 
大きく前進したことを喜ぶ次第です。
 
そしてもうひとつの嬉しいことは、「ガソリンの暫定税率廃止」について。
 
国民民主党が4年前から主張し続け、今臨時国会では与野党共同で廃止法案が提出されていたところですが、昨日の参議院本会にて全会一致をもって「成立」しました。
 
これに関しては、私の言葉より、まさに「ど真ん中」で交渉・調整に当たってこられた国民民主党の榛葉賀津也幹事長が、昨日の定例会見で思いを語っていますので以下ご覧ください。
 
<11月28日(金)榛葉幹事長 定例会見より>
 
今日は嬉しいことが2つ(※)ありまして、1つは午前中、参議院本会議でいわゆるガソリンの暫定税率廃止法案が全会一致、投票総数244、賛成244、反対0で通過しました。本当ですと(総議員数は)245なので、1人棄権かと思ったら片山さつき財務大臣が大臣席に座っていたのでこれで全員ということで、感無量でした
 
結党以来、絶滅危惧政党の国民民主党がこの問題に食らいついて離さず、他党が裏金問題をやっているときもなんとかガソリンを下げてほしいと、この間いろんなことがありました。売れない実力派地下アイドルと言われながらもこれだけは離さないと、今日それが成就して、昨日も5円安くなっていましたね。これで12月11日、いみじくも1年前に私が3党幹事長合意を署名したその日に、今年の12月11日に残りの5円10銭補助金が入って25円10銭、そして今日法案が通ったので、12月31日に税制がなくなることになりました。
 
改めて国民の皆様に感謝したいと思います。この果実を勝ち取ったのは政治家でも官僚でもなく、国民のみなさんの選挙の結果ですから、改めて有権者の皆様に感謝を申し上げたいと思います。
 
※ちなみにもう1つの嬉しいことは、ウナギの国際取引規制否決でした(榛葉幹事長は静岡県選出)
 
<引用終わり>
 
なお、11月5日に与野党6党がガソリンの暫定税率を12月31日に廃止することで正式合意したことを受け、添付の国民民主PRESS号外を発行しています。
 
廃止までの移行や国民民主党の取組経過が分かりやすく記載されていますので、ぜひご覧ください。
 


 
「国民の皆さんの政治に対する信頼が失われた理由、それは政治家や政党が約束を守らなかったから。国民民主党は自分達が掲げた政策は何がなんでも実現しようと思って今も戦っている。」
 
ひとつ政策実現を果たした国民民主党のスタンスは、昨日のブログでご紹介した、川合たかのり参議院議員(国民民主党幹事長代行)の言葉どおり。
 
「政治は誰がやっても一緒」では決してありません。
 
皆様方におかれましては、今後とも国民民主党へのご理解とご支援を賜りますようよろしくお願いいたします。

必要性を堂々と語っていただきたい「泊発電所3号機」の再稼働

ブログ 原子力

先日、東京電力柏崎刈羽原子力発電所“再稼働”の地元同意を示した新潟県の花角英世知事。
 
26日の記者会見で、来月開会する県議会の定例会に総額約73億円の補正予算案を提出すると発表し、原子力複合災害時の避難道路整備費などに使われるほか、そのうち約3,100万円は、柏崎刈羽原子力発電所6、7号機の再稼働に関する広報費等に充てられると述べました。
 
これら広報費について花角知事は、県議会で議論がしやすくなるよう、通常の補正予算案と議案を分けることにした上で、国の再稼働交付金を活用し、原子力発電所の安全・防災対策を県民に周知する冊子等を作成し、理解促進を図るとありました。
 
また、発電された電力の多くが首都圏に送られている点について問われた花角知事は、「生産地と消費地の非対称性は、電力に関わらず多くの場面で存在する。ただ新潟県民がどういった思いで原子力に関する諸問題に向き合ってきたのか、電力を使う側に知ってもらいたいとも思う」と語ったことは、知事の率直な思いと受け止めるところ。
 
以前にも述べたよう、柏崎刈羽原子力発電所6、7号機(ABWR)は定格電気出力135.6万キロワット/基であり、1基稼働すれば首都圏の電力需給は2%改善すると言われています。
 
とりわけ、夏季・冬季の電力需要増に綱渡りで対応していることを思えば、この再稼働は非常に大きな意味と価値を生むものであり、その点はぜひ首都圏にお住まいの皆様にもご理解をいただければと思う次第です。
 
一方、電力不足といえば北海道。
 
ただでさえ電力需給が厳しい中において、千歳市で建設が進む半導体工場「ラピダス」をはじめ、他にも「さくらインターネット」や「アルゴグラフィックス」など、膨大な電力を消費するデータセンターが計画されている状況。
 
2025年4月の日本経済新聞記事によると、エネルギー経済社会研究所が過去の実績を踏まえ、半導体工場とデータセンターの需要を合算した場合、北海道の2030年代半ばの電力需要は693万キロワットと試算。
 
一方、液化天然ガス(LNG)火力の石狩湾新港発電所2号機が2030年度に稼働するなどし、供給力は694万キロワットと想定され、同研究所の松尾豪代表は「ちょっと需要が伸びた瞬間に停電になるので、計画されているデータセンターなどの需要が順調に伸びた場合には厳しい」と話す。
 
そこで期待されるのが原子力規制委員会の審査がほぼ終わった北海道電力 泊発電所3号機だ。
 
原子力規制委の判断次第だが、早ければ2027年夏に再稼働できるとの観測も出ており、そうなれば供給力は大幅に向上するとありました。
 

【日本経済新聞デジタル(2025年4月21日)より引用】
 
まさに、この先の道民の生活や成長産業への投資の鍵を握るのは原子力発電といったところですが、新潟県と同様、これまで慎重姿勢を続けている鈴木直道北海道知事の判断に注目が集まるところ。
 
そうした中、鈴木知事は昨日の北海道議会定例会開会後に開いた会見で、泊発電所3号機の再稼働について「定例道議会で議論させて頂きたい。頂いた質問に対し、私の考えを示したい」と述べたとのこと。
 
一説によると「やむを得ない」との理由で再稼働に同意する考えを示されるとの情報もありますが、道議会が28日から開く一般質問でどうお答えになるのか。
 
注視するのはもちろんでありますが、知事には「やむを得ない」との消極的賛成ではなく、先に述べた厳しい北海道の電力需給状況を踏まえ、さらには将来に向けての北海道の発展のため、「現実的な」対応として泊発電所の電気が必要であることを、堂々と語っていただくことを期待する次第です。

敦賀発電所2号機の追加調査現場を公開

ブログ 原子力

敦賀市議会は昨日、「議会報告会」ならびに「敦賀高校生との意見交換(模擬請願審査)」の最終回を終えました。
 
議会報告会は市内の全公民館で計9回、模擬請願審査は3日間に亘り開催。
 
まずもって、参加いただいた市民の皆さま、高校生に感謝申し上げるとともに、裏方でお支えいただいた議会事務局の方々に御礼申し上げます。
 
今後は、頂戴しました貴重なご意見について、取り扱いを協議するとともに、それぞれの反省点など、追って議会内で取りまとめのうえ、次回に反映してまいる所存です。
 
なお、本日は、令和7年第4回(12月)定例会の告示日。
 
12月1日から今年最後の定例会がはじまりますので、モードを切り替え臨んでまいります。
 
さて、話は変わり、「はや1年経ったのか」と感じるのは、マイプラントの日本原電敦賀発電所2号機(以降、敦賀2号)。
 
昨年11月13日に開催された原子力規制委員会において「日本原子力発電株式会社敦賀発電所の発電用原子炉設置変更許可申請書(2号発電用原子炉施設の変更)に対する処分の案」が議題に供され、結果、発電用原子炉設置変更許可をしないことについて、いずれも規制委員会「全会一致」で決定されたことを思い返すところ。
 
その後、再申請に向けた追加調査計画を公表のうえ、9月16日からは敷地内のボーリングや岩盤までの掘削など、調査に着手したところ。
 
なお、追加調査の概要や進捗については、日本原電の広報誌や11月4日付けのお知らせ(HP公開)「敦賀発電所の近況について」にてお伝えしています。
 

【追加調査の概要(11月4日付「敦賀発電所の近況について」より抜粋引用)】
 
そうしたなか、11月19日には追加調査現場を報道陣に公開。
 
20日付けの福井新聞1面に掲載されていました。
 
記事の一部引用となりますが、調査に関しては次のように紹介されていました。
 
<記事抜粋引用>
 
追加調査は9月16日に着手した。原電によると、2号機原子炉の北約200メートルののり面で10月中旬までに深さ、7、8メートルのボーリング4本を終えた。現在は集めた地質データを分析、評価している。原子炉建屋北側の試掘溝で見つかり、規制委の審査で焦点となった「K断層」の活動年代を特定する考え。
原子炉の北約150メートルの「ふげん道路ピット」と呼ばれる場所では、地下5メートルの岩盤面を露出させ、K断層が原子炉直下まで延びているかを確認する。
再申請にはK断層だけでなく、敷地内にある他の破砕帯(断層)の活動性を全て否定することが求められている。原子炉建屋付近に地下約30メートル、延長約200メートルの調査抗(地下トンネル)を新たに掘る方針で、現場公開で位置を説明した。
原電は再調査は順調に進んでいるとし、田中正樹・敦賀発電所副所長は「追加調査で必要なデータを整えた上で、再申請、稼働に向けて誠実に進めていきたい」と話した。
 
<引用終わり>
 
このような紹介文の上にあったタイトルは、「審査再申請へ道遠く」。
 
確かに2年以上という調査期間を考えれば、まだまだ道のりは遠いかもしれませんが、ひとつ一つのデータを蓄積していくことによって、一歩一歩、着実に近づいているのは確か。
 
私の好きな野球漫画「球道くん」(水島新司著)の主人公 中西球道君が、亡き父からの教えであり、彼そのものと言える言葉に「球けがれなく道けわし」があります。
 
この言葉には、人生という道は険しいが、純粋な心(球)で野球に打ち込むことで乗り越えられるというメッセージが込められており、敦賀2号に当てはめれば、道けわしくとも信念をもって、けがれなき真実(活断層でないこと)を証明することではないかと。
 
さらにその先にある本来目的は、原子力発電をもって日本のエネルギー需給に貢献する「再稼働」であり、通過点であるこの審査を何としてでも突破するため、前に進むのみであります。
 

【漫画「球道くん」の表紙より。ボールは亡き父が遺したもの。】

原子力・放射線は日常的な技術 〜10月26日は「原子力の日」〜

ブログ 原子力

本日、10月26日は「原子力の日」。
 
この日を「原子力の日」に定めたのは、昭和38(1963)年に日本原子力研究所の動力試験炉(JPDR)が日本で最初の原子力による発電に成功した日であり、また、昭和31(1956)年に日本が国際連合の専門機関の一つである国際原子力機関(IAEA)への参加を決めた記念すべき日でもあるという理由からです。
 
なお、昭和31年という年は、戦後日本で初めて原子力予算が認められ、原子力の平和利用に新たなスタートを切った年となります。
 
当時、米国、ソ連、英国では核爆発実験を続けていましたが、原子力を世界の平和のために利用することを日指す国際的な機関の必要性が叫ばれ、IAEA憲章が国連総会で採択された上で、同年10月26日には、日本を含む70カ国で憲章に署名がなされ、原子力の平和利用の国際協力が大きな広がりを持つことになりました。
 
原子力の平和利用に関してはまず、核分裂や核融合で生じる熱エネルギーの利用(原子力発電等)、そしてもう一つの大きな柱は、放射線の利用となっており、医療用のX線撮影は、診断には欠かせない手段となっていることは言うまでもありません。
 
「令和6年度版 原子力白書」(令和7年6月:原子力委員会)を読むに、原子力委員会の上坂充委員長は、公表にあたってとして次のように述べています。
 
「原子力・放射線の技術は、日々の日常生活で手に取るものにも一般的に使われている日常的な技術です。そして、リスクについて知っていただくことはもちろんのこと、原子力・放射線は適切に扱うことで、私たちの現在の生活や将来に大いに貢献するというベネフィットの側面についても知っていただきたいと考え、今回の白書を作成しました。」
 
放射線利用に対しては、よく「正しく恐れる」と表現しますが、不安を抱くだけでなく正しい知識を持つこと、その特徴を生かし、さらに有効利用することを考えていく必要があると、「原子力の日」にあたって思う次第です。
 
 →「令和6年度版 原子力白書」掲載サイトはこちら
 
また、放射線の恩恵に授かるという意味に関しては、昨日書いた父にも関係が。
 
実のところ、父は約4ヶ月前に「下咽頭(かいんとう)がん」に罹っており、本年7月1日から入院。
 
35回の放射線照射と抗がん剤治療により、がん自体の存在は消滅し、担当医師からは「こんなに順調に回復した人は稀」とまで言われながら、無事に9月初旬には退院。
 
その後自宅療養を続けていたところ、症状が出て、見つかったのが「間質性肺炎」だった訳ですが、この要因のひとつが、がん治療の放射線照射が下咽頭であったがために、肺まで届いた放射線によって免疫力が高まり、潜在していた「間質性肺炎」を活性化させてしまったのではとの推察もされるところ。
 
壮絶ながん治療を乗り越えた後だけに、今回の難病罹患に「なぜ続けて二度も試練を与えるのか」と、人生の非情さを感じずにはいられません。
 
また同時に、放射線の恩恵とリスク(今回の場合は不可抗力ですが)とはこういうことと感じるところでもあり、先の原子力委員長の言葉を今一度噛み締める次第です。
 

【夜間の付き添いも4回目。昨朝は、病室の窓から望む野坂山に元気をもらいました。ガンバレ親父!】

「原子力発電の将来の開発規模」を示したことに大きな意義あり

ブログ 原子力 政治

10月1日(火)に開催された第46回総合資源エネルギー調査会電力・ガス事業分科会の原子力小委員会。
 
電気事業連合会(以下、電事連)は、「今後の電力需給を見据えた原子力発電の見通し・将来像について」と題する資料を提示し、将来的に必要となる原子力発電所のリプレース規模に関する説明を行いました。
 
 →電事連の説明資料(原文)はこちらをご覧ください
 
これを報じた原子力産業新聞によると、第7次エネルギー基本計画に記された原子力発電容量(総発電電力量の2割程度)を達成するためには、2040年代に約550万kWのリプレースが必要で、2050年代には最大で約1,270~1,600万kWのリプレースが必要な可能性があること。
 
また、今後の発電電力量の推移や、脱炭素電源の導入状況によっては、さらなるリプレースが必要なケースも想定され、電事連は、今後の設備容量の低下(今後、廃止措置に進むプラント増)や原子力発電所建設に係る長いリードタイムを踏まえると、既存の安定電源を如何に更新していくかが重要だと指摘。
 
そのため、既設炉の最大限活用を進めるとともに、次世代革新炉の開発と建設に取り組む必要性を強調したほか、それら具体的な中長期の見通し・将来像の明示が、人材やサプライチェーン、技術基盤の維持や再構築に直結すると訴えた。
 
その上であらためて、国による事業環境の整備や、規制予見性向上が重要であると指摘したとありました。
 

【まさに、こうしたことを整えていくことが必要不可欠(上述の電事連提出資料「今後の電力需給を見据えた原子力発電の見通し・将来像について」より抜粋)】
 
なお、今回、「原子力の将来の開発規模」を示したことには大きな意義があり、電事連が以下の資料に記したよう、日本が有する原子力人材、高い技術を持つサプライチェーンの維持に向け、原子力発電の必要性をより具体的に説明し、さらには「成長産業」であることを認知いただくことが重要なことと考える次第です。
 

【今後必要となる原子力発電所建て替えの規模を示す意義(引用元は上記と同様)】
 
一方、先日の日本経済新聞[社説]にあったタイトルは「構造問題を解決する『国家の大計』を語れ」。
 
社説では、自民党総裁選の投開票が4日に迫るなか、選挙戦の最終盤に入っても少子高齢化やエネルギーなど日本が抱える構造問題に関する論戦は乏しいとし、各候補は目先の政策に終始せず、数十年先を見据えた「国家の大計」を語るべきだ。
 
社会保障や食料安全保障に続き、エネルギー政策を巡る論戦も総じて低調であり、特に1基につき1兆円規模の投資が必要とされる原子力発電所新増設の支援や、使用済み核燃料の最終処分、東京電力福島第1原子力発電所の廃炉など、原子力で山積する課題への言及は少ない。
 
洋上風力発電のコスト高騰問題への対応など、再生可能エネルギーの普及策も不透明だ。緊迫する地政学情勢や気候変動で、安定供給と脱炭素の両立は一段と難しさを増す。
 
国の安全保障に直結するエネルギー戦略を正面から論じないことは、政権与党の自覚不足とみられても仕方がない
 
5人の候補者は党内融和や野党との連携に気を配り、自分の主張を抑える傾向が目立つ。だが国の針路に関する骨太の議論を行い、長期的な国家運営のメッセージを出さなければ、総裁選後も自民党の再生はおぼつかないだろう。
 
※記事中の「原発」は「原子力発電所」に修正
 
余談ですが、先の電事連が「リプレース」とまでしか表現(「第7次エネ基」に従い)していないところ、天下の日経新聞が、しかも社説で「新増設」とまで踏み込んでいただいているのはありがたいこと(意図して書いたのかは分かりませんが)。
 
話を戻し、自民党総裁選に関してはまさに、私も社説に記載のことを感じていたところであり、「仰るとおり」と拝読した次第です。
 
なお、「批判するなら対案を持て」。
 
国民民主党においては、国家の根幹を成すエネルギー政策に関し、公約で以下のとおり掲げています。

【7月の参院選における国民民主党政策パンフレットより】
 
「電力は国民生活と産業活動の血液」であるとともに、「エネルギー戦争」でもあった先の大戦から学んだこととは何か。
 
原子力基本法制定から今年で70年。
 
自民党総裁選と照らし、「自分の国は自分で守る」と原子力発電を選択し、命懸けで法律制定に尽力された故中曽根康弘元首相をはじめ、志と信念ある政治家の姿を思い返す次第です。

世界の潮流は「原子力への投資支援」

エネルギー ブログ 原子力

「秋分の日」の昨日は、あいあいプラザで開催された、関西電力労働組合 第56回美浜支部定期大会に出席。
 
休日にも関わらず、多くの代議員が出席のところ、挨拶では、大会のご盛会をお慶び申し上げるとともに、美浜3号の安全・安定運転はもとより、1、2号の廃止措置を着実に進める職場の皆様に感謝の思いをお伝えしました。
 
また、原子力における「世界の潮流」をご紹介したうえで、現在そしてこの先の日本の電力需要増を考えれば、原子力発電による新規電源開発が必要不可欠であり、美浜でのリプレースや敦賀3、4号機を含めた次世代革新炉の建設にあたっては、規制サイドにおいて審査基準を明確にすること、事業者が予見性をもって投資できるような環境整備を「国が」率先して、早期に行うことが重要であること。
 
これらの進展に向けて、微力ながら、先の敦賀市議会6月定例会の一般質問でも意見したこと、職場の皆さんの思いを受け止めながら、引き続き取り組むことをお誓い申し上げた次第です。
 
なお、今大会で56回目を迎える、歴史と伝統ある美浜支部は、美浜1号が、1970大阪万博会場に「原子の灯」を届けてから55年。
 
じっとこちらを見つめる代議員の皆さんの表情から、わが国の原子力黎明期から続くスピリットを感じた次第です。
 
さて、挨拶でご紹介した「世界の潮流」に関しては、これまでも度々お伝えしてきているところ、以降も次々と進展が。
 
トランプ米大統領の訪英に先立つ9月15日には、「原子力の黄金時代」と称される両国企業間の複数の合意を発表。
 
そのうえで、両国は18日に調印した技術協定にて、原子力分野では、先進炉、先進燃料、核融合の分野での連携を深め、核分裂および核融合のイノベーションの最前線に留まり続けることを目指すとし、両国において原子力発電所の増設を推進し、クリーンエネルギー分野への数十億ポンドの民間投資を後押しすることになるとありました。
 

【米英政府による調印式の様子(原子力産業新聞より引用)】
 
続けて、世界の原子力産業を代表する9業界団体(※)も18日、エネルギー安全保障の強化とクリーンで豊富な電力供給に対する世界的な需要の高まりに対応するために、各国政府に対して原子力への投資支援を呼びかける共同声明を発出。
 
※9業界団体
日本原子力産業協会(JAIF)の他、カナダ原子力協会(CNA)、米国電力研究所(EPRI)、仏原子力産業協会(GIFEN)、韓国原子力産業協会(KAIF)、米原子力エネルギー協会(NEI)、英国原子力産業協会(NIA)、欧州原子力産業協会(Nucleareurope)、世界原子力協会(WNA)の計9団体。
 
原子力産業新聞によれば、2023年、2024年にも開催されたこの年次ハイレベル会議には、政府と産業界のリーダーが一堂に会し、原子力に対する世界的な期待の高まりに応えるべく、必要な規模とペースで新規原子力発電所を建設するために必要な喫緊の課題について協議。
 
今回の会議では、多国間開発銀行やここ数か月間に原子力融資を発表した主要な民間資本関係者も参加し、原子力発電の規模拡大に不可欠な政策と資金調達のほか、タイムリーな建設や熟練した労働力の育成、燃料供給の確保、原子力部門のサプライチェーンに焦点を当てた協議が行われたとありました。
 
同声明では、各国政府に対して、様々な分野で具体的な行動を起こすように提起した訳ですが、その中で、私がポイントと感じたのは以下3点。
 
<共同声明抜粋>
 
◉クリーンエネルギー源に対して技術中立性を適用し、エネルギー部門の拡大を成功させる。これはエネルギーの最終消費者にとって不可欠であり、原子力部門への投資に対して明確なシグナルを送るためにも必要。さらに、原子力が国際的な炭素削減メカニズムにおける正当な取引手段として認められるようにする。
◉世界銀行が原子力プロジェクトへの資金提供に前向きな姿勢を示していることを踏まえ、民間の資金調達も促進するため、国内および多国間レベルでの公的資金へのアクセスを可能にする
規制当局間の連携強化により、設計のさらなる標準化を可能にし、コストの削減、フリートの展開を促進する。
 
美浜支部の大会で述べたことが、さながら世界規模で協議されているものですが、ふと、他国の民間企業が日本のメーカーやサプライチェーンに投資をし、「技術を金で買われる」ことになりやしないかと不安がよぎったところ。
 
東日本大震災以降、原子力比率が極端に低くなった(火力の比率増)日本においては、エネルギー源の海外依存によって「国益をたれ流し」続けていることに加え、今度は「技術まで他国に奪われる」ことは言語道断。
 
先の大戦がエネルギー争奪戦争であったことを忘るることなく、そうしたことに強い危機感をもって「政治が」早急に対応せねばと、重ねて思う次第です。

敦賀2号が追加調査に「着手」

ブログ 原子力 敦賀市議会

昨日から始まった敦賀市議会9月定例会の一般質問。
 
10時に本会議を開会し、7名が登壇。
 
避難所の準備状況、市職員の働き方の実態、敦賀まつり、有害鳥獣対策、子育て世代に直結する遊び場、自然災害から生命と暮らしを守る取り組み、敦賀の観光行政などについて、それぞれの視点から質問がされました。
 
これ以外の質問項目でありました、「人道の港敦賀ムゼウム」から平和交流に向けての発信(大塚議員)、社会教育(北條議員)については、自身の質問とも関連性があるため、どのような切り口で意見されるのか、しかと拝聴した次第です。
 
また、一日を通して気になった点は、市職員の働き方の部分で、不払い時間外労働(質問では「サービス残業」)の存在を認めるかの答弁があったこと、これらを防止するための出退勤やパソコンのログ管理など、民間企業ではひと昔前に採られている実効的な対策が講じられていないこと(費用との兼ね合いはあることは承知)。
 
ハラスメントに関しては、直近では令和7年第2回(6月)定例会において市長より、「柔軟な運用が可能な要綱の中でまずは具体的な取組の検討をしていくということで、その検討を積み重ねてきたところで、それについては答弁をさせていただいたとおりということです。今回、議会のほうでは、議論を重ねられて敦賀市議会ハラスメント防止条例制定の議案が提案されているというところで、市としましても条例化に向けた検討を進めたいというふうに考えています。」とあり、その域を出ないのかもしれませんが、現在検討を進める再発防止プロジェクトの報告を踏まえて、今ある要項の改正をし、うまく運用できることを見定めてから条例制定する(と私は理解)との昨日の答弁に、要項と条例の位置付けの違い(議会は、要項ではなく条例を制定してこそ意義があるとし、出来うる限り早く制定した)、市の意思表示・メッセージの観点からのスピード感では、市が言う「本気度」は、職員にも市民にも伝わらないのではと感じたところです(あくまでも私感です)。
 
一般質問は本日2日目。
 
自身にとって関心のある項目も取り上げられることから、初日と同様、しっかりと拝聴する所存です。
 
さて、思いとしては本来、昨日お伝えしたかった「敦賀発電所2号機」(以下、敦賀2号)に関する件について。
 
8月21日には、日本原子力発電株式会社(以下、日本原電)が「敦賀発電所2号機の新規制基準への適合性確認審査の申請に向けた取り組みについて(追加調査計画の概要)」のタイトルでプレス発表。
 
昨年11月13日の原子力規制委員会判断を受け、「社外の専門家の意見も踏まえながら具体化していく」としていた、申請に必要な追加調査の内容について、敦賀2号の新規制基準への適合性確認のための追加調査計画を取り纏めたことを公表していたところ。
 
 →2025年8月22日ブログ「再稼働に向け、敦賀2号の『追加調査計画』を公表」はこちら
 
その際、「現地での調査は、準備が整い次第速やかに着手し、調査状況等については、地域の皆様、関係者の皆様へお知らせしてまいります。」としていましたが、日本原電は16日、「敦賀発電所2号機 新規制基準への適合性確認審査の申請に向けた追加調査の開始について」のタイトルでお知らせを公表。
 
同日より、現地での調査を開始したとありました。
 
粛々と進める中において、それほど喜ぶものではないのかもしれませんが、私にとりましては、マイプラント「敦賀2号」の再申請、稼働に向けてスタートを切ったという観点から大変嬉しく思った次第です。
 
再審査に必要なデータを2年程度かけて取得する方針につき、調査に時間を要することは承知しているものの、スタートなくばゴールはなし。
 
一歩一歩着実に調査を進め、蓄積したデータにより、科学的根拠をもって「活断層ではない」ことを証明されるものと信じて止みませんが、同様に信じていただいている地元の皆様をはじめ、応援していただいている方々のためにも、一日も早く見通しを立てていただきたく思う次第です。
 
いずれにしましても、敦賀2号が「再稼働」によって果たす役割は、原子力発電によって、日本の電力需給に貢献すること。
 
建設当時から変わらぬ本質的な目的を胸に、私自身も与えられた役割を果たしてまいります。
 

【9月13日に新聞折込されていた「げんでんつるが」。引き続き、市民の皆様に分かりやすい説明を。】

原子力開発における「世界の潮流」と日本

ブログ 原子力

「世界の潮流」とは、世界が向かっている大きな方向性や、時代を動かす主な出来事や変化を指しますが(AI解説による)、まさに原子力の世界がそう。
 
原子力産業新聞に掲載される、原子力に関わる国内外のトピックスを見るに、昨日も米ウェスチングハウス(WE)社が、英国企業6社と了解覚書(MOU)を締結し、英国における、同社のAP1000ならびに小型モジュール炉(SMR)のAP300を採用する新規原子力発電プロジェクトの実施を目指すとあり、2050年までに国内で合計2,400万kWeの新規原子力発電所を稼働させ、国内電力需要の4分の1を原子力でまかなうという英国の野心的な目標を支援するために、同社は英国でのサプライチェーンを強化する考えとありました。
 
また、同新聞の最近のニュースだけでも、フランス、ポーランド、スイス、スェーデンの欧州諸国にインドや韓国などでの新型炉建設、加えて原子力を導入していないシンガポールにおいても、先進原子力技術の導入を視野に調査を開始するとあるなど、世界各国が、増大する電力需要や安全保障の観点から、原子力発電が切り札と、スピードを上げて開発を進める状況を把握するところです。
 

【世界の原子力発電設備容量の見通し(第41回 総合資源エネルギー調査会 電力・ガス事業分科会 原子力小委員会「原子力に関する動向と課題・論点」令和6年10月16日 資源エネルギー庁より引用)】
 
翻って日本。
 
今朝の新聞を見ると、中国電力が山口県上関町で検討している使用済み燃料の中間貯蔵施設を巡り、同町議会が中国電力を招き、説明会を開催した件。
 
また、北海道では、道内の経済8団体が11日、北海道電力泊発電所3号機の早期再稼働を求める要望書を鈴木直道知事や道議会に提出したとあり、鈴木知事は「総合的に判断したい」と述べた件が掲載されており、原子力規制員会の審査に合格していることを踏まえ、速やかに判断いただきたいと思う次第。
 
こうして日々、原子力の話題に事欠かない訳ですが、地元福井においては、関西電力が再開を計画する美浜発電所での次世代型へのリプレース(建て替え)検討に向けた現地調査を巡り、早ければ11月にも調査を開始し、2030年ごろまで約5年かけて同発電所北側と南側の二つのエリアで地質調査を行うとのニュース。
 
昨日行われた福井県議会の一般質問に対する答弁において、杉本知事は、「社内での検討にとどまっているということで、県が何か意見を申し上げる段階にはない」と述べたとあり、まぁそういう答えになるであろうと受け止めるところ。
 
一方、この質問をされた三田村輝士議員(立憲民主党)が、「原子力発電所の新増設や建て替えの是非は県民投票を行った上で判断すべきではないか」と問うたのに対し、県の防災安全部長は「県民の代表として地域の声を聞かれている県議会の議論を伺うことが重要であり、県民投票では賛成か反対かなど限られた選択肢しかなく、多様な県民の意見を集約することは難しいのではないか」と答弁したことに、こちらは「その通り!」と受け止めた次第です。
 
いずれにしましても、第7次エネルギー基本計画において、「原子力の最大限活用」を掲げ、既設原子力発電所の早期再稼働はもとより、次世代革新炉開発によるリプレース(新増設までは言っていない)を2030年半ばまでに進めるとのロードマップに既に遅れをとっていると認識するところ。
 
冒頭述べた、世界各国の開発スピード、政策としての実行力と比較するに、掛け声だけで、遅々として進んでいるように見えない日本は既に、「世界の潮流」に乗り遅れているものと、忸怩たる思い、強い危機感を抱く次第です。
 
※ブログ中に記載の、新聞掲載記事などにある「原発」はすべて、「原子力発電所」に置き換えています。

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