柏崎刈羽原子力発電所6号機が14年ぶりに起動!

ブログ 原子力

「大雪警報」発令中の敦賀市。
 
福井地方気象台の発表によれば、福井県全域で、22日夕方まで大雪に警戒とあり、今は静かに、シンシンと雪が降る状況にあります。
 
雪による交通障害などの心配もさることながら、ここまでの冷え込みも重なると気になるのが電力需給。
 
そこで、北陸電力送配電ホームページ(HP)の「北陸エリアでんき予報」を見てみると、今日の需要ピーク時で広域ブロック(※)の使用率は91%(9:00〜9:30)で「安定」した状況にあるものの、明日23日は94%で「やや厳しい」とありました。
 
(※)広域ブロック:原則、北陸エリアを含む全国9エリア(連系線状況によりエリア範囲が異なる)
 
なお、同HPによれば、現在の需給運用は、エリア単位での使用率管理ではなく、地域間連系線を最大限活用した広域ブロック単位での使用率管理を行う仕組みとなっており、状況によっては北陸エリア使用率実績が100%に近づく場合がありますが、広域ブロック使用率に余裕がある場合は、電力の安定供給において支障は生じないとしています。
 
つまりは、仮に北陸エリアの需給が厳しくなっても、余裕のある他のエリアから電力融通を受けることにより補うということであり、日本全体でカバーし合う体制、それを担う「電力マン」にあらためて敬意を表するところです。
 
さて、その話ともつながるのが、昨日書きました東京電力ホールディングス(以下、東電HD)の柏崎刈羽原子力発電所6号機(以下、柏崎刈羽6号)の再稼働。
 
東京電力は21日、柏崎刈羽6(ABWR、135万6千キロワット)の原子炉を起動しました。
 
起動は何と約14年ぶり。
 

【原子炉モードスイッチを起動に切り替える運転員(電気新聞より引用)】
 
福島第一原子力発電所事故から15年の節目を前に、信頼回復、安全確保に努めてきた東電HDの原子力事業が再始動することを心から嬉しく思うところです。
 
発電所に関しては、制御棒を午後7時2分から引き抜き、核分裂が開始すると午後8時28分に臨界に。
 
順調に進めば27日に系統に並列(送電開始)し、点検のための原子炉停止を挟んで2月26日に営業運転入りする予定となっています。
 
先に述べた、広域ブロック運用を考えると、例えば今日の北陸エリアの需要ピーク時使用電力が「530万キロワット」に対し、柏崎刈羽6号の「135万6千キロワット」もの供給力が追加される意味は非常に大きいことであり、いかに安定供給に貢献するかが分かります。
 
一方、柏崎刈羽6号の起動により、廃止措置を決めた24基を除く36基(建設中3基)のうち、再稼働した原子力発電所は計15基になったものの、国がエネルギー基本計画で示す、原子力発電の電源構成に占める割合を2040年度に「2割程度」とする目標に対し、2024年度は9.4%に留まっており、残る既設プラントの再稼働が待たれるところ。
 
現在、再度の再稼働申請に向けた追加調査を行っている、わが日本原子力発電の敦賀発電所2号機もそのうちのひとつ。
 
14年の歳月を経て再稼働を果たした柏崎刈羽6号の姿を見るに、一日も早く戦線復帰することが与えられた使命と役割であると、あらためて胸に置く次第です。

柏崎刈羽原子力発電所の皆様に心からのエールを送ります

ブログ 原子力

「政策転換を歓迎する」と受け止めるべきなのでしょうか。
 
綱領に「原発ゼロ社会を一日も早く実現する」と明記していた立憲民主党ですが、公明党と結成した新党「中道改革連合」は「原発ゼロ」に触れず、基本政策でも「安全性が確実に確認され、実効性のある避難計画があり、地元合意が得られた原発を再稼働」すると明記したとのこと。
 
(注)本来「原子力発電」と書くべきですが、ここは引用のため、そのまま「原発」と表記することをご容赦ください。
 
あらためて、昨夏の参院選で立憲民主党が掲げた公約を読むと、次のようにあります。
 
<2025参院選公約における立憲民主党のエネルギー政策(抜粋)>
 
◉50年までのできる限り早い時期に化石燃料にも原子力発電にも依存しないカーボンニュートラルを達成
◉原発の新増設は認めない。廃炉作業を国の管理下におく体制をつくる。実効性のある避難計画の策定、地元合意がないままの原発の再稼働は認めない
◉今後10年で省エネ・再エネに200兆円(公的資金50兆円)を投入する
 
同党の〝背骨〟とも言える政策を、公明と足並みをそろえるために条件付きで再稼働を容認した転換に、与野党から疑問視する声が上がっているところ、国民民主党の玉木雄一郎代表が述べた「背骨となる政策がこんなに簡単に変わるのか、という印象だ」との言葉に、私も思いをともにする次第です。
 
いずれにしても、AIなどの急速な発展に伴い電力需要が増加に転じた日本において、低廉な電気の安定供給のためには既設原子力発電所の早期再稼働は待ったなしであるとともに、この先、脱炭素電源である原子力発電所の、さらに安全性を高めた次世代革新炉によるリプレースや新増設まで進めることが「現実的」な政策であると考えるもの。
 
と同時に思うのは、「化石燃料(火力)」の扱いをどうされるのか。
 
転換したとはいえ、2050年までのできる限り早い時期に「省エネ・再エネだけで電力を賄う」としていた政策を、新党はトータル的にどのようなエネルギー政策にするのか注視する次第です。
 
さて、先に述べたよう、喫緊の課題は既設原子力発電所の早期再稼働にあるところ、東京電力は20日に予定していた柏崎刈羽原子力発電所6号機(以降、柏崎刈羽6号)の再稼働を見送ると発表しました。
 
17日に発生した制御棒の警報が作動しないトラブルで、動作確認が最長21日ごろまでかかる見込みとなったことが理由とあり、その後の状況を心配していましたが、2月26日を予定する営業運転の再開に大きな影響は出ないとの見方を示したとのことでやや安堵。
 

【自身も半年間お世話になった、再稼働間近の柏崎刈羽原子力発電所(原子力産業新聞より引用)】
 
なお、長い道のりを経て再稼働にたどり着こうとしている同発電所は、昨年12月24日に東京電力が柏崎刈羽6号機(ABWR、135.6万kWe)について、原子炉起動予定日を2026年1月20日、営業運転開始予定日を2026年2月26日とした使用前確認変更申請書を原子力規制委員会へ提出(あわせて、6号機の運転開始に伴い共用設備を使用する必要があるため、7号機も使用前確認変更申請を提出)。
 
その後12月22日に、新潟県議会が柏崎刈羽6・7号機の再稼働容認を表明した花角英世知事を信任する決議案を可決。
 
翌23日、花角知事が赤澤経済産業大臣に再稼働の地元同意を正式に伝達し、再稼働に向けた議論は最終段階に入るとともに、原子力規制委員会から試験使用の承認が得られたことを受け、ここに至っています。
 
また、原子炉起動から営業運転開始までの当初の主な工程は、まず、2026年1月20日を予定日として原子炉を起動。制御棒を引き抜き、原子炉内で核分裂反応を開始した後、原子炉の出力を徐々に上昇させる。
 
この過程で、原子炉冷却系や制御系などが設計どおり機能しているかを確認する。
 
次に、原子炉で発生した熱を用いてタービンを起動し、その後、発電機出力をおよそ50%まで段階的に引き上げる。この時点で一度中間停止を行い、主要機器の設備状態を詳細に点検する。
 
中間停止後は、再び原子炉を起動し、同様に出力を上昇させ、タービンを再起動したうえで発電機出力を高め、最終的に原子炉の定格熱出力を約100%まで到達させる。
 
定格出力に達した後は、総合負荷性能検査を実施。
 
これらの工程を経て、2026年2月26日に営業運転を開始する予定としており、現在遅れてはいるものの、2月26日の営業運転開始に向け、何をおいても安全最優先で、着実に工程を進める関係者の皆様に、心からのエールを送る次第です。

半世紀前の先人が築いた原子力エネルギーが再び必要とされる時代    

ブログ 原子力

仕事始めと月曜が重なった昨日は、今年最初の街頭演説からスタート。
 
普段に比べ、やや交通量の少ない朝でしたが、皆様方におかれては無理なく、徐々に調子を上げていっていただければと。
 
なお、今朝使用したのは、初当選時からの「活力と魅力あふれる敦賀の未来のために」と書かれたのぼり旗。
 
本年も、キャッチフレーズに込めた思いと初心忘るることなく活動にあたってまいります。
 
また、その後は11時から、プラザ萬象大ホールで開催された「新春市民交流会」に参加。
 
この「新春市民交流会」は、令和8年の幕開けにあたり、市民のどなたでも参加できる交流会(飲食はなし)であり、新年の顔合わせや名刺交換など互いにご挨拶する場。
 
会では、米澤光治敦賀市長、浅野好一市議会議長から年頭のご挨拶、しばし懇談の後、奥井隆敦賀商工会議所会頭のご発声による万歳三唱で本市の発展を祈念しつつ、本年の本格スタートを切った次第です。
 
ご挨拶で特に印象に残ったのは奥井会頭からの、(生成AI急拡大などに伴う電力需要増を踏まえ)「半世紀前の先人が築いた原子力エネルギーが再び必要とされる時代が来ている」、「電力事業者と地元事業者の連携を密にして、いま一度、エネルギー産業で世界に打って出られるような地域にしていきたい」(私の記憶と、一部福井新聞の記事を引用)との言葉。
 

【年頭のご挨拶をされる浅野議長】
 
とりわけ、敦賀発電所2号機(以下、敦賀2号)の長期停止は、市政や地元経済等に影響を与え続けていると深く認識するところである中での、こうした期待の言葉を嬉しく思うとともに、身の引き締まる思いがしたところであります。
 
敦賀においては、現在進められている敦賀2号の追加調査で「活断層ではない」ことを科学的に立証した上での、早期再申請、再稼働が期待されるとともに、敦賀発電所1号機、ふげん、もんじゅの安全で着実な廃止措置工事や原子力リサイクルビジネス、さらには、もんじゅ敷地内に設置予定の試験研究炉に敦賀3、4号増設計画など、いま、そして将来に向け、原子力関連だけでもこれだけの項目が並んでいます。
 
会頭が仰った言葉の背景には、日本の商業用原子力開発は敦賀から始まったという誇りと、国策である日本のエネルギー政策に貢献し続けてきたという自負からくるものと推察するところであり、そのお気持ちに敬意と感謝を表するとともに、原子力事業者はこのような思いと期待をしかと胸に留め、安全第一と地元のご理解を第一義に、歩みを進めていかねばと考える次第です。
 
さて、こうして思いを新たにした“仕事始め”でしたが、一方で同日、経済産業大臣から中部電力に対し、原子力規制委員会による原子炉等規制法に基づく浜岡原子力発電所3号機・4号機の新規制基準適合性確認審査において、浜岡原子力発電所の地震動の評価を不適切な方法で実施していた事案が確認されたとして、電気事業法第106条第3項の規定に基づく報告徴収を求めた(報告期限は2026年4月6日)とのニュースがありました。
 
中部電力ホームページのプレスリリースで詳報を見るに、原子力規制委員会による新規制基準適合性審査を受ける中において、昨年5月から原子力規制庁による基準地震動の策定に関する調査への対応を行ってきたところ、このたび、浜岡原子力発電所の地震動評価における代表波選定が、審査会合での当社による説明内容と異なる方法や意図的な方法で実施されていた疑いがあることが確認されたとのこと。
 
 →中部電力プレスリリース「浜岡原子力発電所の新規制基準適合性審査における基準地震動策定に係る不適切事案について」はこちら
 
中部電力は、「本事案は審査に重大な影響を及ぼすおそれがあるとともに、地域の皆さまをはじめとするステークホルダーの皆さまからの当社原子力事業に対する信頼を失墜させ、同事業の根幹を揺るがしかねない事案であると極めて深刻に受け止めている」とお詫びした上で、今後は独立した外部専門家のみで構成される委員会(第三者委員会)を設置することを取締役会で決議し、これによる調査を進めていくとありました。
 
同じ原子力産業に携わる者として、一報は極めて残念なことに違いなく、報告徴収を受けた中部電力の調査・対応に注視してまいる所存です。

小型モジュール炉「BWRX-300」に日本の技術あり

ブログ 原子力

人事院勧告や国の補正予算を踏まえた追加議案が提出されることを受け、敦賀市議会は昨日、議会運営委員会を開催し、今後の日程を協議。
 
十分な審査を行うため、休会日にあたる19日(金)に本会議ならびに各委員会を開催する日程とし、元々予定されている22日(月)の最終日に併せて、採決まで行うことに決定しました。
 
なお、追加議案は本日提出されることから、会派の皆さんとともに精査の上、審査・審議に臨む所存です。
 
さて、話は変わり、先日、卓球の張本智和選手(世界ランキング5位)が日本勢初となる(※)WTTファイナルズで優勝し、悲願の年間王者になったとありましたが、まさにこれは快挙。
 
※:WTT(ワールドテーブルテニス)は、国際卓球連盟(ITTF)が主催する卓球の国際大会の新シリーズ
 
準々決勝では世界ランク2位の中国選手、決勝では同4位のスウェーデン選手を撃破しての優勝であり、真の実力で王者の座をつかんだことを喜ぶ次第です。
 
こうして世界レベルの卓球界において、張本選手はじめ、「日本ここにあり」と存在感を示していることを誇りに思うところですが、その思いは原子力の分野でも。
 
原子力産業新聞によれば、米GEベルノバ日立ニュークリアエナジー(GVH)社は12月11日、同社製の小型モジュール炉(SMR)「BWRX-300」が、英国の包括的設計審査(GDA)のステップ2(実質的な技術評価段階)を完了したことを明らかにしたとありました。
 
既にご承知のとおり、BWRX-300への期待は世界中で高まっており、カナダのオンタリオ州営電力ダーリントン発電所では、BWRX-300初号機の建設が進められている(サイト内で計4基建設予定)ほか、米原子力規制委員会(NRC)は、テネシー州オークリッジにあるクリンチリバー発電所で米国初となるBWRX-300の建設許可申請を受理し、審査中。
 
また、米デューク・エナジー社は、ポーランドのシントス・グリーン・エナジー社とともに、BWRX-300の標準設計に共同出資するなど、世界の中でシェアと存在感を高めている状況にあります。
 
なお、BWRX-300は、電気出力30万kWの次世代沸騰水型炉(BWR)で2014年にNRCから設計認証を取得した第3世代+(プラス)炉「ESBWR(高経済性・単純化BWR)」をベースにしており、BWR開発の歴史の中で10番目に開発されたことから、ローマ数字で10番目を意味する「X」を用いて名付けられたとあります。
 

【日立GEベルノバニュークリアエナジー社のBWRX-300パンフレットより抜粋引用】
 
先の「日本ここにあり」の心境がなぜかといえば、この開発には、60年にわたって培った「日立製作所」の原子力技術が大いに生かされているから。
 
日立製作所といえば、私は敦賀発電所1号機のメンテナンスで大変お世話になり、人なつっこい「日立なまり」と職人気質の現場責任者の方々の顔が浮かぶところであります。
 
話を戻し、社名がややこしいので分かりにくいのですが、日立GEベルノバニュークリアエナジーは、日立製作所が1950年代に始めた原子力事業の50有余年の歴史の中で培った技術と経験を引継ぎ、さらにグローバルにビジネス展開することをめざし、2007年7月1日に、日立製作所とGEベルノバ社(旧ゼネラル・エレクトリック社)とが経営資源を融合して設立された原子力専門メーカー。
 
この経営資源の融合により、2007年6月4日に、米国にGEベルノバ日立ニュークリアエナジーが設立されています。
 
こうした関係により、海外では「GEベルノバ日立」と米企業が先になるわけですが、実は「日本の原子力技術ここにあり」。
 
なお、BWRX-300は60年にわたるBWRの技術と実績をもとに、信頼性の高いカーボンフリー電源の1つとして開発されたものであり、極めて高い安全性と迅速に展開できる即応性を備えています。
 
同社においては、今後、欧米諸国のプロジェクトに参画して経験を蓄積し、平行して国内市場開拓を進めていくとあります。
 
既に立ち遅れている日本の革新軽水炉開発でありますが、こうして世界で技術と経験を積む日本の原子力プラントメーカーの存在に敬意を表するとともに、日本国内でも早く、導入の機運が高まることを切に望む次第です。

研究開発や人材育成の基盤として不可欠な「試験研究炉」

ブログ 原子力

敦賀市議会12月定例会は、今日から一般質問。
 
先般お伝えしましたとおり、11日(木)までの3日間に17名が登壇いたします。
 
各議員の質問項目を以下に再掲いたしますので、議場傍聴あるいはご視聴(敦賀市議会インターネット中継、YouTube配信、嶺南ケーブルネットワーク放送)いただければ幸いに存じます。
 
 →「令和7年第4回敦賀市議会定例会 一般質問 発言通告一覧」はこちら
 
さて、昨日の続きのようになりますが、「もんじゅ」サイト(福井県敦賀市)を活用し、原子力分野の新たな研究開発や人材育成の中核的拠点となっていくことを目指して検討が進められている「試験研究炉」について。
 
中性子ビーム利用を主目的とした新たな試験研究炉として、計画の詳細設計段階以降における実施主体として日本原子力研究会開発機構(以下、JAEA)が選定され、JAEAと協働して原子炉設置を支援する主契約企業として三菱重工業と契約締結までを終えているところ。
 
研究用原子炉は、RI製造、燃料・材料照射等にも利用されるとともに、学術研究や産業利用に関わる幅広い研究、施設や装置の利活用を通じた人材育成等が行われることから、私自身、今後大きな期待を寄せていることは昨日述べたとおり。
 
なお、研究用原子炉で扱われる放射線の特性は、工業、医療、農業、先端的な科学技術、環境保全、核セキュリティ等の様々な分野で利用され、物質の構造解析や機能理解、新元素の探索、重粒子線やα線放出、RI等によるがん治療を始めとして、これまで国民の福祉や生活水準向上等に大きく貢献しているうえ、今後も利活用による発展が見込まれています。
 
一方、大きな懸念は、わが国におけるこうした研究施設等の基盤的施設・設備が減少の一途を辿っていること。
 
「令和6年度版原子力白書」によれば、研究炉や臨界実験装置は、最も多い時期には約20基が運転していましたが、令和6(2024)年3月末時点で運転中6基、停止中2基の計8基にまで減少
 
福島第一原子力発電所事故以降に全ての研究炉が運転を一旦停止し、新規制基準への対応が行われたものの、JAEAが管理・運用している原子炉安全性研究炉(NSRR)、JRR-3、HTTR、定常臨界実験装置(STACY)の4基については運転が再開され、「常陽」は令和8(2026)年度半ばの運転再開が計画されています。
 
また、京都大学研究用原子炉(KUR)、近畿大学原子炉(UTR-KINKI)の2基についても運転を再開しているものの、京都大学は令和4(2022)年にKURの運転を令和8(2026)年5月までに終了することを発表しています。
 
また、民間企業の研究炉である東芝エネルギーシステムズ株式会社東芝教育訓練用原子炉(TTR-1)及び東芝臨界実験装置(NCA)、ならびに株式会社日立製作所日立教育訓練用原子炉(HTR)では廃止措置が進められている状況にあります。
 

【我が国の研究・臨界実験装置の状況(「令和6年度版原子力白書」より引用)】
 
前述のとおり、研究炉や放射性物質を取り扱う研究施設等の基盤的施設・設備は、研究開発や人材育成の基盤となる不可欠なものですが、高経年化や新規制基準への適合性から、利用可能な基盤的施設・設備等は減少しており、「原子力白書」においても、その強化・充実が喫緊の課題としています。
 
そのため、国、JAEA及び大学は、長期的な見通しのもとに求められる機能を踏まえて選択と集中を進め、国として保持すべき研究機能を踏まえて基盤的施設・設備の構築・運営を図っていく必要があること、また、それらの基盤的施設・設備は、産学官の幅広い供用の促進や、そのための利用サービス体制の構築、共同研究等の充実により、効果的かつ効率的な成果の創出に貢献することが期待されるとあり、まさにこの「期待」がもんじゅサイトに建設する新試験研究炉にかかっていると言えます。
 
つまり、新試験研究炉は、「わが国」の持続的発展のために必要不可欠なものであることから、KURの運転終了なども念頭に、一日も早く、切れ目なく整備せねばならないものと考える次第です。
 
結びに、ノーベル化学賞に選ばれた京都大学の北川進特別教授は、授賞式前の会見でこう仰っていました。
 
「多くの人が言うように、基礎研究には長い時間がかかります。この基礎研究の支援援助には25年ほど見込む必要があります。」
 
本日述べた試験研究炉然り、日本が科学立国に返り咲くためには、基礎研究の重要性を国が理解し、国が積極的に援助・投資すること。
 
緊縮財政の名のもと、すぐに成果や効果が出ないと(誰かさんの「2番じゃダメなんですか」を思い出します)、このまま学術研究予算削減を続けていては、優秀な日本の研究者・技術の国外流出に歯止めがかかる訳がないことから、こうしたノーベル賞受賞者らの声に、国は真摯に耳を傾け、対応を講じていただきたいと切に願う次第です。
 
※投稿後、追加

【参考:大学の研究費を減らす日本(国民民主党本部資料より抜粋引用)】

高速増殖炉もんじゅ「ナトリウム漏えい事故」から30年

ブログ 原子力

平成7(1995)年12月8日。
 
今から30年前の今日は、試験運転中の高速増殖原型炉もんじゅで「ナトリウム漏えい事故」が発生した日。
 
これにより、原子炉を手動で緊急停止し、事故発生の翌日、12月9日以降の調査結果、原子炉格納容器内にある中間熱交換器から出ている2次系配管(出口配管)のナトリウム温度計が破損、漏えいしていたことが判明。
 
サイクル機構(当時)においては、破損温度計以外の温度計の調査、流力振動水試験等の模擬試験および解析による調査を行い、破損原因は、配管内を流れるナトリウムの流体力により、さや細管部に振動(流力振動)が発生し、さや段付部に高サイクル疲労が生じたため破損に至ったとされ、これは、メーカーの温度計さや管の設計に問題があったとの判断に至りました。
 
なお、漏えい事故では、発生から6時間後の9日午前2時5分に5人の職員が現場確認のため配管室に入り、ビデオ撮影したものの、それを隠していたことが大きな批判を浴び、連日テレビや新聞に取り上げられる社会問題に。
 
当時、日本原電に入社して5年目、同じ敦賀半島の敦賀発電所で勤務していた私にとってもこの事故はセンセーショナルであり、原電からもんじゅに出向に行かれていた方からのお話とも併せ、壮絶な現場対応であったことを思い返す次第です。
 
その後、もんじゅは運転再開のための本体工事を平成19(2007)年に完了し、平成22(2010)年5月6日に2年後の本格運転を目指して運転を再開したものの、同年8月には炉内中継装置落下事故が発生。
 
平成24(2012)年に再稼働する予定でしたが実現することなく、平成28(2016)年12月21日に組織的な問題を理由に、原子力関係閣僚会議において廃止が正式決定され、以降、廃止措置工事を続け、今に至る。
 
これが、もんじゅに関する一連の経過となります。
 
なお、廃止判断がされる前には、地元をはじめ、敦賀市議会からは「核燃料サイクル政策に係る国の責任ある対応を求める意見書」提出により、国においては、そうした立地地域の思いや意見を十分に踏まえた上で、核燃料サイクル政策の目的を果たせるよう、長期的な視野に立ち、取り組むことが肝要であるとの考えを伝えたことを書き置く次第です。
 
しかしながら、意見書の思いに国が応えることなく、結果、平成28(2016)年12月21日に原子力関係閣僚会議にて「もんじゅの廃止」が決定。
 
その際、今後の取扱いについてはこう書かれています。
 
「このような状況を勘案し、『もんじゅ』においてこれまでに培われてきた人材や様々な知見・技術等を、将来の高速炉研究開発において最大限有効に活かす観点からも、これまでの『もんじゅ』の位置付けを見直し、『もんじゅ』については様々な不確実性の伴う原子炉としての運転再開はせず、今後、廃止措置に移行するが、あわせて『もんじゅ』の持つ機能を出来る限り活用し、今後の高速炉研究開発における新たな役割を担うよう位置付けることとする。」
 
 →「もんじゅの取扱いに関する政府方針」(平成 28年12月21日 原子力関係閣僚会議)はこちら
 
加えて、同日、同じく閣僚会議発出の『高速炉開発の方針』では、「高速炉開発は、長期にわたるプロジェクトであり、将来を見据えた一貫性のある継続した取組が欠かせない。国内のすべての関係者が、本方針を踏まえ、それぞれの責任を自覚して役割を果たしつつ、 相互の連携を強化することによって、着実に高速炉開発を進めていくことの重要性を改めて強調したい。」とありました。
 
 →「高速炉開発方針」(平成28年12月21日 原子力関係閣僚会議)はこちら
 
以降、(高速炉)『戦略ロードマップ』(平成30年12月21日 原子力関係閣僚会議)では、「7.地元自治体との協働」として次の記載。
 
「今般の政策の見直しによって、今後『もんじゅ』の廃止措置に取り組むとともに、『もんじゅ』を含む周辺地域において高速炉研究開発を実施していくが、説明会を開催するなどこれらの経緯・取組について政府として丁寧に説明し、地元の理解を得られるよう最大限取り組んでいく。また、地域雇用・経済の観点を含め、地元がともに発展するよう、政府として最大限に応えていく必要がある。このため、今般の「もんじゅ」に係る政策変更に伴い、地元に大きな影響が生じないよう、また地元が共に発展していけるよう、必要な地域振興策等に政府として取り組むこととする。」。
 
そして直近では、『第7次エネルギー政策』(令和7年2月)の「Ⅵ.カーボンニュートラル実現に向けたイノベーション」の(2)原子力の項に「高速増殖原型炉もんじゅについては、安全の確保を最優先に、着実かつ計画的な廃止措置に責任を持って取組を進めるとともに、国は地元の協力を得ながら、福井県敦賀エリアを原子力・エネルギーの中核的研究開発拠点として整備していく。」と明記されています。
 
こうした30年間、一連の過程を経て今がある訳ですが、中核的研究開発拠点の中心的役割を担う、もんじゅ敷地内に建設予定の「試験研究炉」は、昨年“推定活断層”なるものの指摘により先は見えず、停滞感が否めない状況にあります。
 
30年前の事故、社会問題となった教訓は決して忘れてはいけないことであることはもちろんとして、廃止決定の際、国が地元と約束したことも同じく忘れてはならないことであり、さまざま約束したことについて、一日も早く実現に向けた道筋、見通しが得られるよう、国が責任と役割を果たしていくことは言うまでもないこと。
 
もんじゅで目指した「夢の原子炉」によって、わが国の原子燃料サイクルの一翼を担うはずだったのが敦賀であり、今後もその役割を引き継ぐとともに、この後建設される試験研究炉には、国内外の研究者が集い、ここで学んだ技術者たちが世界で活躍する。
 
また、ここで研究された製品が世界に貢献し、人々を救う。
 
私自身は、もんじゅを巡るこれまでの歴史を胸に刻みつつ、この先敦賀がそうした拠点となるものと、ポジティブに捉え取り組む所存です。
 

【日本海の荒波と高速増殖炉もんじゅ(2022年12月 やまたけ撮影)】

「ガソリン暫定税率廃止法案」が全会一致で成立!

ブログ 原子力 政治

昨日は嬉しいニュースがふたつ。
 
ひとつは、北海道電力泊原子力発電所3号機(以下、泊3号)。
 
鈴木直道 北海道知事の考えがどう示されるのか注目されていた定例道議会で28日、泊3号の再稼働を容認すると表明しました。
 
鈴木知事は「原子力発電の活用は当面取り得る現実的な選択と考えている」と答弁し、再稼働を容認する理由として、泊3号が国の新規制基準に適合していること、再稼働により電気料金の値下げが見込まれるとともに電力需要の増加が想定されるなかで安定供給が確実になること、脱炭素電源の確保で道内経済の成長や温暖化ガスの削減につながると説明。
 
地元が同意の意向を示していることと併せ、容認の考えに至ったとあり、先日のブログに書いた「現実的な」判断をされた鈴木知事に敬意を表する次第です。
 
なお、再稼働に必要な知事同意は道議会の議論を踏まえて最終判断するとしており、来月上旬にも正式に同意する見通し。
 
東日本では、既に再稼働を果たしている東北電力の女川2号(宮城)、先般、知事の同意が得られた東京電力柏崎刈羽原子力発電所に続き、今回で3例目となり、遅れてきた原子力の活用がようやく前進することとなります。
 
北海道電力がめざすのは「2027年の早期」の再稼働。
 
大きく前進したことを喜ぶ次第です。
 
そしてもうひとつの嬉しいことは、「ガソリンの暫定税率廃止」について。
 
国民民主党が4年前から主張し続け、今臨時国会では与野党共同で廃止法案が提出されていたところですが、昨日の参議院本会にて全会一致をもって「成立」しました。
 
これに関しては、私の言葉より、まさに「ど真ん中」で交渉・調整に当たってこられた国民民主党の榛葉賀津也幹事長が、昨日の定例会見で思いを語っていますので以下ご覧ください。
 
<11月28日(金)榛葉幹事長 定例会見より>
 
今日は嬉しいことが2つ(※)ありまして、1つは午前中、参議院本会議でいわゆるガソリンの暫定税率廃止法案が全会一致、投票総数244、賛成244、反対0で通過しました。本当ですと(総議員数は)245なので、1人棄権かと思ったら片山さつき財務大臣が大臣席に座っていたのでこれで全員ということで、感無量でした
 
結党以来、絶滅危惧政党の国民民主党がこの問題に食らいついて離さず、他党が裏金問題をやっているときもなんとかガソリンを下げてほしいと、この間いろんなことがありました。売れない実力派地下アイドルと言われながらもこれだけは離さないと、今日それが成就して、昨日も5円安くなっていましたね。これで12月11日、いみじくも1年前に私が3党幹事長合意を署名したその日に、今年の12月11日に残りの5円10銭補助金が入って25円10銭、そして今日法案が通ったので、12月31日に税制がなくなることになりました。
 
改めて国民の皆様に感謝したいと思います。この果実を勝ち取ったのは政治家でも官僚でもなく、国民のみなさんの選挙の結果ですから、改めて有権者の皆様に感謝を申し上げたいと思います。
 
※ちなみにもう1つの嬉しいことは、ウナギの国際取引規制否決でした(榛葉幹事長は静岡県選出)
 
<引用終わり>
 
なお、11月5日に与野党6党がガソリンの暫定税率を12月31日に廃止することで正式合意したことを受け、添付の国民民主PRESS号外を発行しています。
 
廃止までの移行や国民民主党の取組経過が分かりやすく記載されていますので、ぜひご覧ください。
 


 
「国民の皆さんの政治に対する信頼が失われた理由、それは政治家や政党が約束を守らなかったから。国民民主党は自分達が掲げた政策は何がなんでも実現しようと思って今も戦っている。」
 
ひとつ政策実現を果たした国民民主党のスタンスは、昨日のブログでご紹介した、川合たかのり参議院議員(国民民主党幹事長代行)の言葉どおり。
 
「政治は誰がやっても一緒」では決してありません。
 
皆様方におかれましては、今後とも国民民主党へのご理解とご支援を賜りますようよろしくお願いいたします。

必要性を堂々と語っていただきたい「泊発電所3号機」の再稼働

ブログ 原子力

先日、東京電力柏崎刈羽原子力発電所“再稼働”の地元同意を示した新潟県の花角英世知事。
 
26日の記者会見で、来月開会する県議会の定例会に総額約73億円の補正予算案を提出すると発表し、原子力複合災害時の避難道路整備費などに使われるほか、そのうち約3,100万円は、柏崎刈羽原子力発電所6、7号機の再稼働に関する広報費等に充てられると述べました。
 
これら広報費について花角知事は、県議会で議論がしやすくなるよう、通常の補正予算案と議案を分けることにした上で、国の再稼働交付金を活用し、原子力発電所の安全・防災対策を県民に周知する冊子等を作成し、理解促進を図るとありました。
 
また、発電された電力の多くが首都圏に送られている点について問われた花角知事は、「生産地と消費地の非対称性は、電力に関わらず多くの場面で存在する。ただ新潟県民がどういった思いで原子力に関する諸問題に向き合ってきたのか、電力を使う側に知ってもらいたいとも思う」と語ったことは、知事の率直な思いと受け止めるところ。
 
以前にも述べたよう、柏崎刈羽原子力発電所6、7号機(ABWR)は定格電気出力135.6万キロワット/基であり、1基稼働すれば首都圏の電力需給は2%改善すると言われています。
 
とりわけ、夏季・冬季の電力需要増に綱渡りで対応していることを思えば、この再稼働は非常に大きな意味と価値を生むものであり、その点はぜひ首都圏にお住まいの皆様にもご理解をいただければと思う次第です。
 
一方、電力不足といえば北海道。
 
ただでさえ電力需給が厳しい中において、千歳市で建設が進む半導体工場「ラピダス」をはじめ、他にも「さくらインターネット」や「アルゴグラフィックス」など、膨大な電力を消費するデータセンターが計画されている状況。
 
2025年4月の日本経済新聞記事によると、エネルギー経済社会研究所が過去の実績を踏まえ、半導体工場とデータセンターの需要を合算した場合、北海道の2030年代半ばの電力需要は693万キロワットと試算。
 
一方、液化天然ガス(LNG)火力の石狩湾新港発電所2号機が2030年度に稼働するなどし、供給力は694万キロワットと想定され、同研究所の松尾豪代表は「ちょっと需要が伸びた瞬間に停電になるので、計画されているデータセンターなどの需要が順調に伸びた場合には厳しい」と話す。
 
そこで期待されるのが原子力規制委員会の審査がほぼ終わった北海道電力 泊発電所3号機だ。
 
原子力規制委の判断次第だが、早ければ2027年夏に再稼働できるとの観測も出ており、そうなれば供給力は大幅に向上するとありました。
 

【日本経済新聞デジタル(2025年4月21日)より引用】
 
まさに、この先の道民の生活や成長産業への投資の鍵を握るのは原子力発電といったところですが、新潟県と同様、これまで慎重姿勢を続けている鈴木直道北海道知事の判断に注目が集まるところ。
 
そうした中、鈴木知事は昨日の北海道議会定例会開会後に開いた会見で、泊発電所3号機の再稼働について「定例道議会で議論させて頂きたい。頂いた質問に対し、私の考えを示したい」と述べたとのこと。
 
一説によると「やむを得ない」との理由で再稼働に同意する考えを示されるとの情報もありますが、道議会が28日から開く一般質問でどうお答えになるのか。
 
注視するのはもちろんでありますが、知事には「やむを得ない」との消極的賛成ではなく、先に述べた厳しい北海道の電力需給状況を踏まえ、さらには将来に向けての北海道の発展のため、「現実的な」対応として泊発電所の電気が必要であることを、堂々と語っていただくことを期待する次第です。

敦賀発電所2号機の追加調査現場を公開

ブログ 原子力

敦賀市議会は昨日、「議会報告会」ならびに「敦賀高校生との意見交換(模擬請願審査)」の最終回を終えました。
 
議会報告会は市内の全公民館で計9回、模擬請願審査は3日間に亘り開催。
 
まずもって、参加いただいた市民の皆さま、高校生に感謝申し上げるとともに、裏方でお支えいただいた議会事務局の方々に御礼申し上げます。
 
今後は、頂戴しました貴重なご意見について、取り扱いを協議するとともに、それぞれの反省点など、追って議会内で取りまとめのうえ、次回に反映してまいる所存です。
 
なお、本日は、令和7年第4回(12月)定例会の告示日。
 
12月1日から今年最後の定例会がはじまりますので、モードを切り替え臨んでまいります。
 
さて、話は変わり、「はや1年経ったのか」と感じるのは、マイプラントの日本原電敦賀発電所2号機(以降、敦賀2号)。
 
昨年11月13日に開催された原子力規制委員会において「日本原子力発電株式会社敦賀発電所の発電用原子炉設置変更許可申請書(2号発電用原子炉施設の変更)に対する処分の案」が議題に供され、結果、発電用原子炉設置変更許可をしないことについて、いずれも規制委員会「全会一致」で決定されたことを思い返すところ。
 
その後、再申請に向けた追加調査計画を公表のうえ、9月16日からは敷地内のボーリングや岩盤までの掘削など、調査に着手したところ。
 
なお、追加調査の概要や進捗については、日本原電の広報誌や11月4日付けのお知らせ(HP公開)「敦賀発電所の近況について」にてお伝えしています。
 

【追加調査の概要(11月4日付「敦賀発電所の近況について」より抜粋引用)】
 
そうしたなか、11月19日には追加調査現場を報道陣に公開。
 
20日付けの福井新聞1面に掲載されていました。
 
記事の一部引用となりますが、調査に関しては次のように紹介されていました。
 
<記事抜粋引用>
 
追加調査は9月16日に着手した。原電によると、2号機原子炉の北約200メートルののり面で10月中旬までに深さ、7、8メートルのボーリング4本を終えた。現在は集めた地質データを分析、評価している。原子炉建屋北側の試掘溝で見つかり、規制委の審査で焦点となった「K断層」の活動年代を特定する考え。
原子炉の北約150メートルの「ふげん道路ピット」と呼ばれる場所では、地下5メートルの岩盤面を露出させ、K断層が原子炉直下まで延びているかを確認する。
再申請にはK断層だけでなく、敷地内にある他の破砕帯(断層)の活動性を全て否定することが求められている。原子炉建屋付近に地下約30メートル、延長約200メートルの調査抗(地下トンネル)を新たに掘る方針で、現場公開で位置を説明した。
原電は再調査は順調に進んでいるとし、田中正樹・敦賀発電所副所長は「追加調査で必要なデータを整えた上で、再申請、稼働に向けて誠実に進めていきたい」と話した。
 
<引用終わり>
 
このような紹介文の上にあったタイトルは、「審査再申請へ道遠く」。
 
確かに2年以上という調査期間を考えれば、まだまだ道のりは遠いかもしれませんが、ひとつ一つのデータを蓄積していくことによって、一歩一歩、着実に近づいているのは確か。
 
私の好きな野球漫画「球道くん」(水島新司著)の主人公 中西球道君が、亡き父からの教えであり、彼そのものと言える言葉に「球けがれなく道けわし」があります。
 
この言葉には、人生という道は険しいが、純粋な心(球)で野球に打ち込むことで乗り越えられるというメッセージが込められており、敦賀2号に当てはめれば、道けわしくとも信念をもって、けがれなき真実(活断層でないこと)を証明することではないかと。
 
さらにその先にある本来目的は、原子力発電をもって日本のエネルギー需給に貢献する「再稼働」であり、通過点であるこの審査を何としてでも突破するため、前に進むのみであります。
 

【漫画「球道くん」の表紙より。ボールは亡き父が遺したもの。】

原子力・放射線は日常的な技術 〜10月26日は「原子力の日」〜

ブログ 原子力

本日、10月26日は「原子力の日」。
 
この日を「原子力の日」に定めたのは、昭和38(1963)年に日本原子力研究所の動力試験炉(JPDR)が日本で最初の原子力による発電に成功した日であり、また、昭和31(1956)年に日本が国際連合の専門機関の一つである国際原子力機関(IAEA)への参加を決めた記念すべき日でもあるという理由からです。
 
なお、昭和31年という年は、戦後日本で初めて原子力予算が認められ、原子力の平和利用に新たなスタートを切った年となります。
 
当時、米国、ソ連、英国では核爆発実験を続けていましたが、原子力を世界の平和のために利用することを日指す国際的な機関の必要性が叫ばれ、IAEA憲章が国連総会で採択された上で、同年10月26日には、日本を含む70カ国で憲章に署名がなされ、原子力の平和利用の国際協力が大きな広がりを持つことになりました。
 
原子力の平和利用に関してはまず、核分裂や核融合で生じる熱エネルギーの利用(原子力発電等)、そしてもう一つの大きな柱は、放射線の利用となっており、医療用のX線撮影は、診断には欠かせない手段となっていることは言うまでもありません。
 
「令和6年度版 原子力白書」(令和7年6月:原子力委員会)を読むに、原子力委員会の上坂充委員長は、公表にあたってとして次のように述べています。
 
「原子力・放射線の技術は、日々の日常生活で手に取るものにも一般的に使われている日常的な技術です。そして、リスクについて知っていただくことはもちろんのこと、原子力・放射線は適切に扱うことで、私たちの現在の生活や将来に大いに貢献するというベネフィットの側面についても知っていただきたいと考え、今回の白書を作成しました。」
 
放射線利用に対しては、よく「正しく恐れる」と表現しますが、不安を抱くだけでなく正しい知識を持つこと、その特徴を生かし、さらに有効利用することを考えていく必要があると、「原子力の日」にあたって思う次第です。
 
 →「令和6年度版 原子力白書」掲載サイトはこちら
 
また、放射線の恩恵に授かるという意味に関しては、昨日書いた父にも関係が。
 
実のところ、父は約4ヶ月前に「下咽頭(かいんとう)がん」に罹っており、本年7月1日から入院。
 
35回の放射線照射と抗がん剤治療により、がん自体の存在は消滅し、担当医師からは「こんなに順調に回復した人は稀」とまで言われながら、無事に9月初旬には退院。
 
その後自宅療養を続けていたところ、症状が出て、見つかったのが「間質性肺炎」だった訳ですが、この要因のひとつが、がん治療の放射線照射が下咽頭であったがために、肺まで届いた放射線によって免疫力が高まり、潜在していた「間質性肺炎」を活性化させてしまったのではとの推察もされるところ。
 
壮絶ながん治療を乗り越えた後だけに、今回の難病罹患に「なぜ続けて二度も試練を与えるのか」と、人生の非情さを感じずにはいられません。
 
また同時に、放射線の恩恵とリスク(今回の場合は不可抗力ですが)とはこういうことと感じるところでもあり、先の原子力委員長の言葉を今一度噛み締める次第です。
 

【夜間の付き添いも4回目。昨朝は、病室の窓から望む野坂山に元気をもらいました。ガンバレ親父!】

« 古い記事