「国旗及び国歌に関する法律」の公布から今日で21年

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日本の伝統的な風習のひとつ「お盆」。
 
今日8月13日は、ご先祖様の霊をお迎えするということで、自分の家まで迷わずたどり着けるようにと玄関前やお墓で行う「迎え火」、逆に15日もしくは16日にはご先祖様を送り出すために「送り火」を行うのが、一般的な風習となっています。
 
敦賀で行われる「とうろう流し」は、この送り火の一種ですね。
 
今年は、新型コロナの影響により、帰省をして直接ご先祖様の供養をすることもままならない状況となっておりますが、大事なのはご先祖様を迎えるという気持ちであり、どこにいても、このお盆に際しては心の中でご先祖様を思い敬う気持ちを持ちたいものです。
 
さて、日本の風習に因んだ話しとして、この8月13日は「国旗及び国歌に関する法律」が公布された日でもあります。
 

【我が家にある卓上型国旗】
 
今から21年前の平成11年(1999年)、当時の小渕総理大臣のもとで制定された本法(以下「国旗国家法」)は、8月9日に成立の後、13日に公布、施行となっています。
 
(国旗)
第一条 国旗は、日章旗とする。
2 日章旗の制式は、別記第一のとおりとする。
(国歌)
第二条 国歌は、君が代とする。
2 君が代の歌詞及び楽曲は、別記第二のとおりとする。
 
※別記第一は、寸法の割合及び日章の位置、採食が示されている。
※別記第二は、歌詞とともに楽譜が示されている。
 
わずか2つの条文から成るものであり、何故この時期に法制化したのかと言えば、それまでも主に学校教育の場において「法制化されていない」との理由で国旗・国歌の教育をされていない実態があったうえ、この年の2月には広島県立世羅高校の校長が、卒業式での国旗掲揚、国歌斉唱を巡る対応(反対された)により自殺したことを機に法制化の議論が加速したという、嘆かわしくも悲しい背景があります。
 
また、国会における決議においては、7月22日の衆議院が賛成403票、反対86票、参議院が賛成166票、反対71票で可決との結果となっています。
 
政党別に見てみると、賛成側は自民・公明・自由・改革クラブなどに対し、反対側は共産・社民。
 
そして興味深いのは、民主が賛成・反対に大きく分かれ投票していること。
議員の名前までは列記いたしませんが、それぞれのスタンスを取られた議員名を見れば「なるほど」と思います。
 
このように当時の党内不一致課題であったことが鮮明に浮き彫りとなった事例であると同時に、こういった対応を見るに、その後の民主党がが辿った道、そして今も理解出来る訳であり、昨日述べたような玉木代表の「歴史は繰り返してはならない」、「政策の一致は譲れない」との考えは至極真っ当なことであることを再度認識する次第であります。
 
話しが横道に逸れましたが、成立した8月9日夕、野中広務官房長官(当時)の定例会見で、今では当たり前となっている日の丸が会見場に掲げられた際、記者団がどよめいたと伝えられたくらい、当時は本来「当たり前」であるはずの国旗掲揚が「シビア」な問題であったことが分かります。
 
日章旗、いわゆる「日の丸」は、国名「日本」や「日出る国」に通ずるものとして、古くから日本人に親しまれてきたものであり、起源は不明であるものの、鎌倉時代には既に武士たちに用いられていたことが知られているほか、戦国時代や江戸時代には「旗印」として使われており、明治3年には「大政官布告第57号」として商船に掲げるべき旗として「日の丸」の規格が定められています(大政官布告第57号は、平成11年の国旗国歌法制定に伴い廃止)。
 
また、国家、いわゆる「君が代」は、その出典の由来が「古今集」巻頭の「我が君は千代に八千代にさざれ石の巌となりて苔のむすまで」にあることは有名でありますが、その後、江戸時代には「我が君」は、より広義的な「君が代は」となり、広く流布されたようです。
明治維新後、国際化の波に押し寄せられる中で、当時薩摩の歩兵隊長を務めていた大山巌が国歌としての道筋を付けたと言われていますが、その後も「国歌の扱い」として歌われ、最終的には、国旗国歌法により制定がされたという歴史を辿っています。
 
このような日本の言われや古から続く日本文化、歴史から成る「日の丸」と「君が代」は、国民として敬い、大切にするのは至極当然のことであり、「法に定めがあるから」、「強制されたから」掲揚する、斉唱するというものでは無いと考えます。
 
調べたことをつらつらと述べてしまいましたが、日本の風習であるお盆と同じく、日本のシンボルについてもこういった日に思い返すことが大切であり、このような歴史を踏まえつつ、正しき認識を持って過ごしたいと考えます。
 
最後に、国旗国歌法が成立した平成11年8月9日に小渕内閣総理大臣(当時・故人)が出された談話を掲載したします(内閣府ホームページより)。
今一度、本法の趣旨と込められた思いをご認識いただければ幸いに存じます。
 
【小渕内閣総理大臣談話】
 本日、「国旗及び国歌に関する法律」が成立いたしました。
我が国の国旗である「日章旗」と国歌である「君が代」は、いずれも長い歴史を有しており、既に慣習法として定着していたものでありますが、21世紀を目前にして、今回、成文法でその根拠が明確に規定されたことは、誠に意義深いものがあります。
 国旗と国歌は、いずれの国でも、国家の象徴として大切に扱われているものであり、国家にとって、なくてはならないものであります。また、国旗と国歌は、国民の間に定着することを通じ、国民のアイデンティティーの証として重要な役割を果たしているものと考えております。
 今回の法制化は、国旗と国歌に関し、国民の皆様方に新たに義務を課すものではありませんが、本法律の成立を契機として、国民の皆様方が、「日章旗」の歴史や「君が代」の由来、歌詞などについて、より理解を深めていただくことを願っております。
 また、法制化に伴い、学校教育においても国旗と国歌に対する正しい理解が促進されるものと考えております。我が国のみならず他国の国旗と国歌についても尊重する教育が適切に行われることを通じて、次代を担う子どもたちが、国際社会で必要とされるマナーを身につけ、尊敬される日本人として成長することを期待いたしております。