2026年2月15日
ミスを出し尽くせば、怖いものはなくなる。失敗のデータがあれば、精度を上げていける。
熱戦が展開されている、ミラノ・コルティナ冬季オリンピック。
先日、沙羅ちゃんの笑顔に涙したジャンプ混合団体「銅メダル」以降も、女子モーグルやスノーボード男女ハーフパイプでは驚きの大技、そして日本選手のメダル獲得に元気をもらう日が続いているところ。
そうした中、ここから挽回していこうという競技が「カーリング女子」。
前回の北京オリンピックでは、日本代表「ロコ・ソラーレ」が見事「銀メダル」を獲得したのがこのカーリングで、手に汗を握りながら観戦したことを思い出すところですが、今大会では日本代表「フォルティウス」がここまでの1次リーグでスウェーデン、デンマークに惜しくも敗れ2連敗スタート。
氷の状況把握に苦しむフォルティウスのセカンド小谷選手は、「五輪を外から見るのと、やるのとは違う。技術だけじゃない戦い方も見直さないといけない。」、司令塔のスキップ吉村選手は「ちょっと予想を裏切られることが多い」とこぼすなど、ややネガティブなコメントが見受けられていました。
しかし、昨日の予選第3戦目、世界ランキング1位のスイス戦を前に、中継したNHKのスペシャル解説を務めた北京オリンピック銀メダルのロコ・ソラーレの吉田知那美さんは、「まだ焦る段階でない」と。
これは、福井新聞のスポーツ欄「プロの視点」に掲載されていたので、読まれた方もいらゃっしゃるかと思いますが、記事中の吉田さんの言葉をいくつかご紹介します。
◉連敗はしたが、私がメンバーだったら「全然大丈夫」と思っている。
◉4位通過でもいいし、むしろ挑戦者として戦える立場にいる。
◉3戦目でぶつかる優勝候補のスイス戦は「育ててもらう、胸を借りる」気持ちで挑むことになるだろう。
◉ミスを出し尽くせば、怖いものはなくなる。失敗のデータがあれば、精度を上げていける。
そして結びに、「フォルティウスは総力戦が持ち味。スキップをサポートする他の選手たちの精度を上げることが、後半戦ではより重要になる。まだ焦る段階ではない。」と。
私もポジティブシンキングのほうだと自負はしていますが、世界の修羅場を経験した吉田さんの考え、言葉を発するメンバーが同じチームにいたらどれだけ励まされ、鼓舞されるだろうと、私まで「まだまだいける」と勇気づけられた次第です。
また、「ミスを出し尽くせば・・・」の言葉は、スポーツのみならず、仕事で失敗した時、行き詰まった時などにも通ずる考えではないかと。
そんな吉田さんをはじめ、同じような考えの持ち主が集まったチームが「ロコ・ソラーレ」だったと、あらためてその強さの要因を思い返した訳ですが、昨日行われたスイス戦では何と逆転勝利!
日本は3―4の第7エンドにスキップ吉村選手が、最終投で相手の石を2つ同時にはじき出す「ダブルテークアウト」に成功し、2点を奪って逆転。
第8エンドにスチールで1点を加えて逃げ切り、7―5で逆転勝利し、金メダル候補を撃破する大きな五輪1勝をつかみ取りました。

【優勝候補のスイスに逆転勝利したフォルティウスのメンバー(AP通信より引用掲載)】
これに吉田さんは、敗戦を糧にした戦いぶりに注目の上、「本当にまったく意味のない試合は1つもないっていうところを、フォルティウスが見せてくれてますね。お手本のような試合でした」と分析。
中継したNHKのスペシャル解説で声を震わせたシーンに、こちらも感激してしまったところ。
なお、フォルティウス吉村選手が大事にしている言葉は「前後際断」。
「過去も未来も断ち切り、今にすべてを集中する」という意味を持つ四字熟語だそうで、チームの支えとなっているとのこと。
「どんな局面であっても今できることに集中できている。集中できているからこそ、ショットにうまくつながっている」と、積み重ねに自信を示す吉村選手の表情に、ロコ・ソラーレの時と同様の期待をするところです。
しかし、喜んだのも束の間、スイス戦に続いて昨日夜に行われた予選リーグ第4戦で、日本(世界ランキング5位)は同ランキング10位の米国に敗れ、3敗目を喫しました。
これで、通算1勝3敗。
1次リーグは10チームによる総当たり戦で、上位4チームによる準決勝進出は6勝(3敗)が1つの目安になるとのこと。
過去2大会の日本代表ロコ・ソラーレはいずれも5勝4敗で進出し、メダルを獲得しており、フォルティウスはまだ可能性はあるとはいえ、15日は世界ランキング3位の韓国、同2位のカナダとの対戦も残しており、土俵際に追い込まれた状況にあるのは現実。
「まだ焦る段階ではない」
吉田さんの言葉と、フォルティウスのチーム力を信じて、予選突破、そしてその先にあるメダルに向けて応援あるのみです。






