2025年12月9日
研究開発や人材育成の基盤として不可欠な「試験研究炉」
敦賀市議会12月定例会は、今日から一般質問。
先般お伝えしましたとおり、11日(木)までの3日間に17名が登壇いたします。
各議員の質問項目を以下に再掲いたしますので、議場傍聴あるいはご視聴(敦賀市議会インターネット中継、YouTube配信、嶺南ケーブルネットワーク放送)いただければ幸いに存じます。
→「令和7年第4回敦賀市議会定例会 一般質問 発言通告一覧」はこちら
さて、昨日の続きのようになりますが、「もんじゅ」サイト(福井県敦賀市)を活用し、原子力分野の新たな研究開発や人材育成の中核的拠点となっていくことを目指して検討が進められている「試験研究炉」について。
中性子ビーム利用を主目的とした新たな試験研究炉として、計画の詳細設計段階以降における実施主体として日本原子力研究会開発機構(以下、JAEA)が選定され、JAEAと協働して原子炉設置を支援する主契約企業として三菱重工業と契約締結までを終えているところ。
研究用原子炉は、RI製造、燃料・材料照射等にも利用されるとともに、学術研究や産業利用に関わる幅広い研究、施設や装置の利活用を通じた人材育成等が行われることから、私自身、今後大きな期待を寄せていることは昨日述べたとおり。
なお、研究用原子炉で扱われる放射線の特性は、工業、医療、農業、先端的な科学技術、環境保全、核セキュリティ等の様々な分野で利用され、物質の構造解析や機能理解、新元素の探索、重粒子線やα線放出、RI等によるがん治療を始めとして、これまで国民の福祉や生活水準向上等に大きく貢献しているうえ、今後も利活用による発展が見込まれています。
一方、大きな懸念は、わが国におけるこうした研究施設等の基盤的施設・設備が減少の一途を辿っていること。
「令和6年度版原子力白書」によれば、研究炉や臨界実験装置は、最も多い時期には約20基が運転していましたが、令和6(2024)年3月末時点で運転中6基、停止中2基の計8基にまで減少。
福島第一原子力発電所事故以降に全ての研究炉が運転を一旦停止し、新規制基準への対応が行われたものの、JAEAが管理・運用している原子炉安全性研究炉(NSRR)、JRR-3、HTTR、定常臨界実験装置(STACY)の4基については運転が再開され、「常陽」は令和8(2026)年度半ばの運転再開が計画されています。
また、京都大学研究用原子炉(KUR)、近畿大学原子炉(UTR-KINKI)の2基についても運転を再開しているものの、京都大学は令和4(2022)年にKURの運転を令和8(2026)年5月までに終了することを発表しています。
また、民間企業の研究炉である東芝エネルギーシステムズ株式会社東芝教育訓練用原子炉(TTR-1)及び東芝臨界実験装置(NCA)、ならびに株式会社日立製作所日立教育訓練用原子炉(HTR)では廃止措置が進められている状況にあります。

【我が国の研究・臨界実験装置の状況(「令和6年度版原子力白書」より引用)】
前述のとおり、研究炉や放射性物質を取り扱う研究施設等の基盤的施設・設備は、研究開発や人材育成の基盤となる不可欠なものですが、高経年化や新規制基準への適合性から、利用可能な基盤的施設・設備等は減少しており、「原子力白書」においても、その強化・充実が喫緊の課題としています。
そのため、国、JAEA及び大学は、長期的な見通しのもとに求められる機能を踏まえて選択と集中を進め、国として保持すべき研究機能を踏まえて基盤的施設・設備の構築・運営を図っていく必要があること、また、それらの基盤的施設・設備は、産学官の幅広い供用の促進や、そのための利用サービス体制の構築、共同研究等の充実により、効果的かつ効率的な成果の創出に貢献することが期待されるとあり、まさにこの「期待」がもんじゅサイトに建設する新試験研究炉にかかっていると言えます。
つまり、新試験研究炉は、「わが国」の持続的発展のために必要不可欠なものであることから、KURの運転終了なども念頭に、一日も早く、切れ目なく整備せねばならないものと考える次第です。
結びに、ノーベル化学賞に選ばれた京都大学の北川進特別教授は、授賞式前の会見でこう仰っていました。
「多くの人が言うように、基礎研究には長い時間がかかります。この基礎研究の支援援助には25年ほど見込む必要があります。」
本日述べた試験研究炉然り、日本が科学立国に返り咲くためには、基礎研究の重要性を国が理解し、国が積極的に援助・投資すること。
緊縮財政の名のもと、すぐに成果や効果が出ないと(誰かさんの「2番じゃダメなんですか」を思い出します)、このまま学術研究予算削減を続けていては、優秀な日本の研究者・技術の国外流出に歯止めがかかる訳がないことから、こうしたノーベル賞受賞者らの声に、国は真摯に耳を傾け、対応を講じていただきたいと切に願う次第です。
※投稿後、追加

【参考:大学の研究費を減らす日本(国民民主党本部資料より抜粋引用)】






