2020年11月20日
ブログ 政治
全国で初めてテロ対策の「特定重大事故等対処施設」(特重施設)が完成し、起動した九州電力川内原子力発電所1号機(鹿児島県薩摩川内市)は、その後順調に工程を進め、18日には核分裂反応が安定的に続く「臨界」に到達、昨日19日に発電を再開しました。
文章で書くと、さも当たり前のように思えるかもしれませんが、全ての新規制基準に対応するために費やした人的資源、物的資源、そして時間は膨大であり、数々の試練や苦労を関係者の皆さんが一丸となって乗り越え、ここに至ったことに対し、心より敬意を表します。
川内1号機は、この後調整運転を行い、12月中旬には営業運転に入る予定となっていますが、現在、国内で稼働している原子力発電所はこの川内1号機と同じく九州電力の玄海4号機(佐賀県玄海町)の2基のみ。
菅総理が掲げる「2050年温室効果ガス排出実質ゼロ」は挑戦的、野心的目標と言われており、様々な革新的技術開発や再生可能エネルギーの比率をどう高めていくかは勿論のこと、コスト面や信頼性を考えた場合、この原子力発電の存在は欠くことの出来ない電源であることから、昨日のまちづくりではありませんが、「今あるものを生かす」という視点を持って、目標達成に向けた現実的施策の議論がされるよう期待するところです。
さて、現実的施策と言えば、コロナの陰に隠れてなのか敢えてなのか、あまり報道されていないように感じる憲法改正論議。
昨日は衆議院の憲法審査会が開催され、各党委員からの自由党論が行われましたが、菅総理を真似してか、鬼滅の刃のセリフを用い『「全呼吸の集中」で取り組むべきだ』と述べた自民党(船田元議員)を始め、野党においても国民投票法改正案を含め積極的に議論すべきとする維新、国民民主党。
とりわけ国民民主党の山尾志桜里議員は、極めて開催頻度が少ない同審査会の状況に対し、「木曜日の定例会は原則として毎回開催すべき」と課題提起したほか、「公人としての責務感を持って憲法改正の議論を進め、誠実且つ公正に国民投票に進んでいくことが何よりも肝要」と維新の足立康史議員らが意見するなど足並みが揃った形。
これに対し、消極的なのは立憲民主党に共産党。
立憲民主党の山花郁夫議員からは、憲法審査会の積極的開催や国民投票法改正案の採決に向けた発言はなかったほか、共産党の赤嶺政賢議員は「憲法審査会は動かすべきでない立場」とまで述べられたところ。
「安倍政権の間は議論しない」とは仰ってましたが、今は菅政権であり、いつになったら議論するつもりなのでしょうか。
旧民主党時代の党内不一致課題のひとつであった改憲に関して、立憲民主党になってもまだ意見が分かれていることを表しているのか、はてさて共産党と次の衆議院選挙で協力しようと考えているからなのか。
いずれにしても、国家の幹であり、最重要課題とも言える憲法改正について、論議すらしないというのでは何のための国政政党なのかと憤りすら感じるところであり、限られた国会会期を有効に使って審議を進めていただきたいと切に願うところです。
エネルギー政策と外交防衛は「現実的」なものでなければならないと言われる通り、先の原子力発電の扱いやこの改憲に関しても、夢物語でなく地に足のついた冷静な議論のもと、最適解を導き出していく。
そうした姿勢と判断こそ、今の我が国にとって必要なことであり、政治が国民からの信頼を得ることにつながると考える次第です。
【以前に撮影した西福寺の銀杏。派手な花は咲かねども映える姿は政治姿勢とも重なるのかと。】
2020年11月19日
ブログ まちづくり
「第3波」は、さざ波から徐々に大きな波に。
新型コロナウイルス感染に関しては、そうした感覚に陥らざるを得ない状況となってきています。
昨日の新規感染者は、全国で2203人と過去最高を更新。
東京の493人を始め、神奈川、埼玉、静岡、長野でも過去最多を更新する事態。
福井県は11名。
このうち7名は敦賀市で確認されたものであり、市の感染者累計はこれで20名に。
これを受け、市ではコロナ対策本部会議を開催し、情報共有と各部局ごとの対策事項が確認された模様ですが、ここ数日の市内感染の起点が日本原電並びに関西電力美浜発電所の原子力事業者からであることを思うとやはり胸が痛むもの。
両事業者においては、これ以上の拡大を防止するため、感染の可能性ある社員を全てPCR検査するなどの対応を図っているところであり、沈静化の方向となるよう願い、今日の結果を待ちたいと思います。
そうした中ではありますが、私のほうはリスクを見極めながら活動を進めるべく、昨晩は港都つるが主催のセミナーに参加。
「地域の資源を生かしたリノベーション」について、その道の第一人者である嶋田洋平様の講演を拝聴させていただきました。
戦前戦後と鉄鋼のまちとして栄え、その後八幡製鉄所の縮小とともに急激な人口減少などにより活気を失ってしまったご出身地「北九州市小倉」を何とか再生しようと、「リノベーション」というキーワードをもとに「まちづくり」に取り組まれた実体験をご紹介いただきました。
ざっと一言で言うとこのようになる訳ですが、質疑を合わせた1時間半に凝縮された内容は、眼からウロコのことだらけであったことに加え、以前に参加したシンポジウムでも「確信」となった自身の考え「今あるものを生かす」が、さらに確固たるものになるなど、本当に有意義な時間となりました。
こうした場にお声掛けいただいた港都つるがさんに感謝申し上げます。
実体験に勝る説得力は無いとの言葉通り、絵に描いたような寂れゆくシャッター街、増える空き家、空きビル、空き地をふとした切っ掛けから生まれた「核となるプレイヤー」同士のつながりから、「自分たちで」、「今あるものを生かして」何とかしようと立ち上がった皆さんのキーワードは「リノベーションのまちづくり」。
◉若い人がチャレンジする場所がなく(賃料が高い)、東京に本社があるチェーン店ばかりのまち。
◉小さいスタートを切ることがないから育たないという構造的問題に着眼。
◉古い商店街の強みは何か→ここにしかいない人、ここにしかないサービス、ここでしか買えないもの。
◉積み重ねてきた時間の手触りのようなものを大切に。
◉イノベーションとは雇用を作り出すことでもある。
◉まちづくりは、まちのコンテンツづくりであり、まちの最大のコンテンツは「人」
◉まちづくりのリノベーションとは、今あるものを生かして新しく活用すること。
◉外は変わらなくても中身を変え、価値を生み出す→リノベーションとはもう一度「革新」を起こすこと。
◉空き家、空き店舗、空きビルは「まちの宝物」であり、ゆたかな空間資源として捉える。
◉今ストックしているものがあるということは、それだけポテンシャルがあるということ。
◉不動産オーナーとビジネスオーナーをつなぐ役割が「まちづくり会社」。
◉公園のような、人々の安らぎや居場所となるストリートをつくる。
◉縮減引力が強い時代は、民間の賑わいを作り、適切なタイミングで公共投資をすることが重要。
◉リノベーションを最初に行い、不動産価値が上がれば民間は投資する。
◉オーナーの意識が変われば、イノベーションは起こせる。
◉行政の役割は、エリアイノベーションを政策として掲げること、再生のビジョンを明確にすること、民間を後押しする姿勢、補助金ではなくファイナンス(融資制度等)でバックアップする仕組みづくり。
羅列して恐縮ですが、私がポイントとメモした点は以上のこと。
これらをまさに、嶋田さんらが実際に行ったことであり、「核となる人」が始めたことは次々に「共感を呼ぶ人」に伝播、シャッター街は新たな明るさと賑わいを取り戻し、新たな雇用や趣味を生かす場(主婦の皆さんも)を生み出し、面白いまちに人は定住・移住し、働く女性や子どもが増えた(祭りが復活!)。
こうした取り組みに、行政は政策の方向転換を図り、民間(銀行や不動産会社)も共同体として参画した。
こうして書いていることは小倉市で実際にあった成功体験な訳でありますが、「小倉で出来たことは敦賀でも出来ること」でもあります。
嶋田さんが敦賀のまちを歩かれた感想は「ポテンシャルと可能性しか感じない」だそうです。
「リノベーションとまちづくり」の第一人者がそう仰られ、次も早目に敦賀に来たいと最終電車で帰京されたことを裏返せば、それだけ魅力あるまちと感じていただいたということでしょう。
嶋田さん然り、ここ最近のシンポジウムや講演会で耳にしたことに共通しているのは、「敦賀は魅力と可能性あるまち」ということと、そんな敦賀の「今あるものを生かす」ことが「まちづくりのカギ」ということであります。
私自身が「確信」とする考えもそのことであり、この先「革新」と出来るかどうかは、これからの行動次第。
「知って行わざるは知らぬことと同じなり」の教えを胸に、考えを共有する皆さんとともに提言・活動していきます。
【このストリートこそ敦賀の「ここにしかない」ポテンシャルであり可能性!】
2020年11月18日
ブログ 原子力
全国では1700人の新型コロナウイルス感染者が確認された昨日。
これまで、徹底した感染防止対策により社内での感染者ゼロを続けてきた、私が勤める日本原子力発電(以下、日本原電)ですが、誠に残念ながら陽性者1をカウントすることとなってしまいました。
昨日17日に福井県が発表した新規感染者は4名、うち2名が敦賀市から。
2人とも60代男性ということでしたが、1名が日本原電の立地・地域共生部に勤務する社員、もう1名が関西電力美浜発電所で運営や管理業務にあたっていた社員と原子力事業者2社からの発症となり、市民の皆さまには大変なご心配をお掛けしておりますこと、私の立場からもこの場をお借りしてお詫び申し上げます。
既に日本原電、関西電力ともに自社のホームページにて公表しておりますが、感染拡大防止のため、感染者との濃厚接触者のみならず、同じ職域に勤める者などもPCR検査を行うなどの対応を図っているところであり、結果を注視するとともに早期の収束を願う次第です。
※日本原電ホームページを以下にリンクします。
→→→日本原子力発電ホームページへ
かくいう私も当事者であり、身近であった発症を踏まえ、より一層感染対策を徹底していきたいと考えます。
日本全体で見ますと、ここ最近の感染者数の増加傾向から「第3波」襲来と言われており、各地方にて最多感染者を記録している分布も北・東日本に集中している傾向にあると分析されています。
もうひとつの傾向として、第1波に比べて重症化する率が低いということも言われており、個々の危険度は下がっているのかも知れませんが、忘れてならないのは医療体制への影響です。
第2波も経験し、各医療機関も万全の体制を取っているとはいえ、それを上回るクラスターが発生すれば、瞬く間に危機に陥ることを今一度認識しておく必要があります。
自社より感染者を出しておいて申し上げるのも大変恐縮ですが、今一度、感染拡大の影響を共有しつつ、withコロナで生活するための行動にご協力をお願いいたします。
【青空が続く昨日でしたが、さすがに気持ちはブルー】
2020年11月17日
ブログ まちづくり
日本の選挙制度と異なり、中々すっきりしない米大統領選。
バイデン氏が勝利宣言をした後も、選挙結果に不満を持つトランプ支持派が暴動を起こすなど、融和には程遠い状況の中、15日にはトランプ大統領が「彼が勝利したのは、選挙が不正だったからだ」とツイートしたとのこと。
「不正選挙」という留保をつけたものの、バイデン次期大統領の勝利に初めて言及した形となり、大型訴訟もちらつかせながら、まだ諦めていない状況を冷静な米国民層はどう見ているのか。
「鋼鉄の独裁者」と呼ばれたソ連の指導者スターリンは、「投票するものは何も決定出来ない。投票を集計するものが全てを決定する」との言葉を残していますが、これは自由の国アメリカとは真反対であった国のこと。
スターリンの恐ろしい言葉こそ信じられない世界でありますが、民主主義国家の雄であるアメリカの覇権を巡る動向にはもう暫し注視が必要なようです。
さて、国内に目を向けると、昨日発表された今年7〜9月の国内総生産(GDP:季節調整値)速報値は、物価上昇を除く実質で前期比5.0%増、このペースが続くとした年換算で21.0%増となるものの、戦後最大と言われた4〜6月の落ち込みの影響は大きく、経済規模では前年のまだ半分程度にまでしか回復しておらず「遅い回復」と表現されています。
加えて、想定されていたこととは言え、コロナ感染「第3波」で先細りが懸念されるなど、「遠い回復」などとも報じられているところてあり、まだまだ予断を許さない認識を持つ必要があることは言うまでもありません。
そうした中、昨日午後は、連合福井推薦議員らで構成するF-TOP21議員懇談会が開催され、各市町議会のトピックスなど意見交換を行いましたが、話題は何といっても「北陸新幹線敦賀開業の延期」問題。
先般、県議会で説明のあった国交省と鉄道・運輸機構の資料をもとに状況の共有を行いましたが、県議会説明の場を県会自民党が途中退席したことにより、協議会自体も定数不足で散会になったとのこと。
連合系会派の民主みらいとしては、12月定例会の場で検証と今後の対応を確認していくとありましたが、県会自民党退席のシーンをニュースで見た複数の方が私に仰るのは「そこで質疑するのが議員の役割やろ」、「パフォーマンスとしか思えんあの行動は理解出来ん」といった厳しい批判の声ばかり。
当の私も同じ気持ちになったことも踏まえ、懇談会の場では、県議会での確認と有権者への的確な発信をお願いするとともに、連携を図りながら市議会の場でも役割を果たしていきたいと発言させていただきました。
【以前に敦賀駅構内から撮影した新幹線敦賀駅前工事の様子】
開業延期が現実となったいま、原因や責任を問うことは勿論必要なことですが、大事なのはこれからのこと。
先ほどの経済ではありませんが、先細り感が生まれるようではいけません。
延期の影響を最小限にしたうえで、工期の延期、これを準備期間が長くなったと置き換えれば、花で言えば肥しや水をあげる期間が長くなったということであり、根を張り幹を太く、そしてその分、大きな花が咲くようにするのがこれからすべきこととポジティブに考え、私自身そうしたスタンスのもと引き続き対応していきたいと考えます。
皆さまにおかれましては、大輪咲かせるために必要な育て方(施策)があれば是非ヒントを頂戴出来ますよう宜しくお願いいたします。
【希望の未来に向けたコンコースは既につながっている!】
2020年11月16日
ブログ 防犯/防災
絶好の行楽日和が続いたこの週末。
昨日午後に岡山松陵線を抜け、新木崎通りへ車を走らせていると、何と反対車線の1車線が大渋滞。
全て日本海さかな街へのお客さんのようで、起点の駐車場は車にバス、バイクがびっしり。
福井県はカニシーズンとあって、ここ敦賀もコロナはどこへやらの盛況ぶりでした。
これからさらに紅葉が進み、市内各所の観光スポットも見頃となってきますので、食と合わせてお立ち寄りいただければ嬉しく思います。
さて、私のほうですが、行楽日和はさて置き、一昨日に続き参加したのは防災関連。
昨日の午前中は、私の住むひばりヶ丘町にて防災訓練が行われました。
例年は、集合形式の「避難訓練」として開催している訳でありますが、今年度はコロナ禍もあり、訓練内容を「安否確認」のみに変更。
9時の発災想定を受け、会館に対策本部を設置、区民の皆さんは「我が家は無事」を示す黄色リボンを玄関ノブなどに掲示のうえ、班長さんがその戸数を確認(安否確認)するという内容で実施。
併せて防災部では避難道路の確認や防災用具の点検、役員側では通報連絡、記録などを行いました。
【発災を受け設置された対策本部】
【防災器具の点検を行う防災部員の皆さん】
「安否確認」については、町内488戸中、リボンを掲示された戸数が402戸、参加率は82.4%という集計結果に。
昨年は66%であったことからすると、かなりの参加率アップとなりました。
【我が家もしっかり黄色リボンを掲示】
避難訓練式の場合は、リボンを掲示せずに集合場所で安否確認されるケースもあるとのことであり、単純比較は出来ませんが、仮にコロナが逆にこうした地域防災への参加意識向上につながったのであればプラスに働いたとも捉えることが出来るのかなと。
いずれにしても、区の8割以上が認識を持って行動されたことは評価出来るものであり、万が一に備えたさらなる意識高揚と行動促進に向け、今回の訓練結果を生かしていきたいと考えます。
本番さながらの災害訓練を行う意味では荒天のほうが良かったのかも知れませんが、そこまで理想を言っては叱られますね。
この行楽日和の週末は、大規模訓練、身近な訓練両方を経験し、私にとっても地域の皆さんにとっても防災の意義を考える良き2日間となりました。
2020年11月14日
ブログ 原子力
昨日は、発電所の協力企業棟にて市政報告会を開催しました。
前回6月定例会の際は、コロナ第1波の影響により集合開催を見送ったこともあり、久方ぶりの開催となったものの、貴重なお昼休みにも関わらずお集まりいただいた皆さんに感謝。
敦賀市の大型プロジェクトの進捗状況や9月定例会の内容など30分間弱報告をさせていただきました。
日々のブログにやまたけNEWSとお伝えする手段は、自分なりにフル活用しているつもりですが、何と言っても対面で顔を合わせながらお伝えすることが私にとって一番の励みになるもの。
来週以降も対面型の報告会は続きますので、報告資料(パワポ)も日々改良をし、少しでも市政の状況や私の考え、活動内容をご理解いただけるよう取り組んでいきたいと思います。
コロナの状況はありますが、ブログをご覧いただいてる皆様におかれましても、職域や地域を問わずどこでも馳せ参じますので、是非ともお声掛けのほど宜しくお願いいたします。
さて、この2日間はこのブログでも原子力の話題を取り上げている訳ですが、今までこんなに続くことはなかった再稼働に向けたニュースが昨日も。
今度は、全国で初となるテロ対策の「特定重大事故等対処施設」(特重施設)を完成させた九州電力の川内原子力発電所1号機(鹿児島県)が、17日に再稼働するとのこと。
19日には発電を再開し、12月中旬には通常運転に復帰する予定であり、現在国内で唯一稼働している同じく九州電力玄海原子力発電所4号機(佐賀県)と合わせ2機目となります。
実はこの1号機は、特重施設の設置が期限までに間に合わないとし、今年の3月に運転を停止していたもの。
法令要求を満たさないため停止を余儀なくされたものとはいえ、運転する実力は万全であったものであり、この再稼働に懸ける関係者の意気込みは幾ばくかとお察しするところであります。
何よりも安全第一で運転に臨まれ、基幹電源として戦線復帰されることを願うばかりです。
原子力関係で言えば、昨晩は茨城県東海村において、日本原子力発電が東海第二発電所の安全性向上対策工事の状況説明会を開催されたとのこと。
コロナ禍のため、集合型の住民説明会開催時期を見定めていたようでありますが、やはり対面にて事業者の顔が見えてこその説明会であり、今後、コロナ対策には十分留意され、正確な情報をお届けするとともに住民の皆さんの声を真摯にお伺いし、今後の運営に生かしていただきたいと思います。
何を置いても、原子力発電は地域の皆さんのご理解や信頼なくして成り立たないもの。
続く再稼働ムードに甘んずることなく、自分自身はもちろん、原子力に勤める皆が襟を正し、その役割を果たし続けたいと考えます。
2020年11月13日
ブログ 北陸新幹線
菅総理の所信表明演説で「2050年温室効果ガス実質ゼロ」が述べられて以降、新聞で「温室効果ガスゼロ」の文字を見ない日はないような気がしている今日のこの頃。
この野心的目標の達成に向けては、超現実的で具体的な政策としなければならず、現時点においてその鍵を握るのは「原子力発電」と「再生可能エネルギー」であることは間違いありません。
そうした中、11日には東北電力女川原子力発電所2号機再稼働に向けた宮城県知事の地元同意、また昨日12日は、地元福井県では、高浜町議会が臨時本会議にて40年超えとなる関電高浜発電所1,2号機の再稼働を求める請願を賛成多数で採択。
全国初となる再稼働に町議会が事実上同意したこととなり、議長が月内にも正式表明する見通しとされています。
さらに、視察に伺ったばかりの美浜発電所3号機の再稼働に関しても、12月定例会で判断していく旨、町会議長が述べられたとの報道もあり、年内に方向性が示される可能性が高くなってきています。
もうひとつ、発電プラントではありませんが、11日の原子力規制委員会の定例会見において、リサイクル燃料貯蔵(RFS)の使用済み燃料中間貯蔵施設(青森県むつ市)が新規制基準に適合していると認める「審査書」を全会一致で決定し、事実上の「合格」。
RFSは2021年度の事業開始を目指す考えに「変更はない」と述べるなど、課題解決に向け、一歩づつ前進している状況にあります。
これら、原子力施設で物事を進めるにあたっては、もちろん民間企業である以上、目標とする完成時期や設定した工期はあるものの、従事する関係者皆の認識は、「工程ありきではなく安全最優先」。
言い換えれば「安全に勝る優先事項はない」のであり、従前より国民の皆さんからも求めれらてきたことでもあり、地元の皆さんのご理解なくして進まないとの思いと併せ、さらにこのことを文化(意識しなくても出来る)として醸成していくことが不可欠と考えるところです。
話しは変わり、地元新聞では連日1面を飾る「北陸新幹線敦賀開業の延期」問題について。
国土交通省の鉄道局長と鉄道建設・運輸施設整備支援機構の理事長が12日に福井県庁を訪れ、杉本知事並びに畑県会議長に対し、北陸新幹線金沢〜敦賀間について、2023年春の開業が1年半遅れ、建設費が2,880億円膨らむとの試算を報告し謝罪。
杉本知事は「何を守ろうとしていたのか」と厳しく批判、畑議長は「福井県はなめられていると感じる。是が非でもやるという態度が見えない」と強い不信感を示したとのこと。
また、その後の福井県議会に対して行われた説明会では、県会自民党が質疑を拒否し退席したとも報道がされています。
質疑拒否に関しては、地元の声なども踏まえ、こういう場面でこそ徹底質疑にて問題の本質を追及すべきではと思うところでありますが、県議会レベルでの意思表明とはこういうことなのでしょうか。
単なるパフォーマンスでないことを願いますが…。
本件に関しては、国政においても与党プロジェクトチームが「了承せず」とするなど、12月中旬までに示される詳細内容をもって、何らかの方向性が示されるのかと推定する訳でありますが、こちらは原子力と違い、元々設定した開業時期を「何が何でも守るべし」との雰囲気にあります。
計画のスパンが長期であることや、延期となった場合の沿線地域経済、受け皿づくりや第3セクター鉄道会社など、影響の範囲がとてつもなく大きいことから、感情的になるのも致し方ないのかも知れませんが、どこか私としては「何かを犠牲にしてでも工期は守れ」、「安全よりも工程最優先」と聞こえて仕方ありません。
この受け止めは、あくまでも報道を見る限りのものであり、工事を管轄する鉄道・運輸機構の説明資料は追って、我々市議会議員にも郵送されてくるとの連絡を受けましたので、自分の目で見、実態もお伺いしながら、遅れた理由は止むを得ないものなのか、設備としての「安全」と作業現場の「安全」、設計者の「安全」(いずれも過重労働や精神的な追い込みの観点を含む)をしっかり確保したうえで、「安全を蔑ろにしない適正な工期」が示されるよう確認していきたいと考えます。
原子力も新幹線も最前線の現場労働者の皆さんあって進むものであり、そこにある皆さんの思いや安全を踏みにじることだけは絶対あってはなりませんので。
【北陸新幹線敦賀駅周辺の上空写真(令和2年6月頃のもの)】
2020年11月12日
ブログ 原子力
東北電力女川原子力発電所2号機の再稼働を巡り、昨日は宮城県知事が同意表明したとのニュース。
再稼働に向けた地元同意は、東日本大地震にて被災した原子力発電所としては初、さらに福島第一原子力発電所と同じ型式(沸騰水型軽水炉:BWR)としても全国初となります。
私は単に再稼働が進むことを喜ぶのでは無く、被災地であり、様々な反対や風評を懸念する声もあったであろう中、地元の皆さんを始め、政治の場においても冷静且つ科学的視点の元、段階を経て判断されたことが、真っ当なエネルギー政策を進めるうえで大変重要なことと考える訳であり、まずもってそのことに対して敬意を表する次第です。
今後は、より一層丁寧に準備を進められ、安全最優先で再稼働されることを切に願い、期待したいと思います。
さて、偶然そのようなタイミングとなりましたが、昨日は敦賀市議会議員の1期生8名にて美浜町の原子力関係施設を視察させていただきました。
実はこの企画は5月頃に計画をしていた訳ですが、コロナにより延期、視察先の関電、日本原電がようやく受け入れ可となったため再設定させていただいたもの。
2台の車に分乗をし、関電美浜発電所、同じく美浜町にある日本原電の美浜原子力緊急事態支援センターの2施設に向かいました。
最初の関電美浜発電所では、3号機の安全性向上対策工事について、想定される最大規模の地震の揺れ(基準地震動)を993ガルとした耐震補強、津波やテロ対策、さらには重大事故に備えた免震事務所棟に緊急時対策所、デジタル化された中央制御室など、現場の様子を丁寧にご案内いただきました。
尚、耐震補強は、阪神淡路大震災の3倍の揺れに耐えるレベルとのこと。
私は防潮堤工事が佳境の時期に一度訪れたことがあるのですが、車両や作業員の皆さんでごった返し、3号機の原子炉建屋全面が足場で覆われていた当時と比べ、工事がほぼ完了した敷地内は整然とした一方、その姿は、私の目から見ても「要塞」と言っても過言ではない頑強なものに進化していました。
【関電美浜発電所PR館にて、3号機安全性向上対策工事の内容を詳しく説明いただきました】
また、日本原子力発電の美浜原子力緊急事態支援センターでは、「福島第一原子力発電所事故を踏まえ、高放射線量下など多様且つ高度な災害対応が可能な世界最高水準の災害対策対応組織を整備する」とのミッションのもと、遠隔操作のロボット、重機、ドローンなどを用い緊急対応を行うべく、訓練や機器の維持管理を行なっていることを他の議員の皆さんに知っていただきました。
【遠隔操作にて小型ロボットが実動する様子】
【重大事故が起きた際には、これら車両がロボットやドローンを積載し発災現場に向かいます】
同乗された議員とお話しするに、そうした役割を受け持つ組織が美浜にあること、日本原電が担っていることを初めて知った方が多く、原子力立地の立場として把握出来て良かったとの声がありました。
美浜発電所に関しては、テロ対策の関係などから構内の様子をお伝え出来ないのが大変残念でありますが、40年超の再稼働に向け、対策工事などハード面はもとより、この日も協力会社の皆さんと一体となって訓練する姿を拝見するに、ソフト面(確実な人的対応)も同じく最高水準を目指し取り組まれていることをヒシヒシと感じました。
話しを戻し、現在廃止措置工事中の関電美浜発電所1号機(PWR)と日本原電敦賀発電所1号機(BWR)は、型式こそ違えど1970年大阪万博に原子力の灯を送り届けた者同士。
つまり、我が国における原子力発電の黎明期から半世紀に亘り切磋琢磨をし歩んできた仲であり、本日この「進化」を共有出来たことは私にとっても大変意義深いものとなりました。
冒頭の女川2号機の地元同意と同じく、これからその段階に進もうという美浜発電所3号機の再稼働もさることながら、次期エネルギー基本計画の見直しにあたっても、この両発電所が担ってきた役割や歴史、立地地域として原子力との共生を果たしてきた美浜町、敦賀市の思いを踏まえ、我が国にとって現実路線の計画となるよう、引き続き自身も役割を果たしていきます。
2020年11月11日
ブログ
バイデン氏の勝利宣言がご当地アメリカではどう報じられているのかとCNNニュースを覗くと、全く違うジャンルの記事に目が…。
何でも、米ヴァージン・ハイパーループが開発を進める高速輸送システム「ハイパーループ」が米ネバダ州ラスベガスで初の有人による試験運用を実施し、商用化に向けた大きな節目となったとのこと。
このハイパーループはまだ実証されていない輸送システムながら、磁気浮上などの技術が使われた大きな真空のチューブ(パイプのようなもの)の中を最高時速600マイル(約965キロ)で移動。
記事では、試験距離が500mであったため、時速も約100マイルまでしか上げなかったとのことでしたが、今後10年以内の実用化を目指すとのことであり、奇しくも北陸新幹線敦賀開業延期のニュース後ということも相俟って、時代の先を行く、挑戦の国アメリカの技術開発に唸ってしまいました。
さて、昨日は、そんなアメリカの大リーグにも挑戦し、「火の玉ストレート」を代名詞に持つ、阪神タイガースの藤川球児選手(以下「球児」と呼ばせていただきます)が最終登板の後、引退セレモニーが行われ、ライブでじっくり見させていただきました。
球児の引退により、いわゆる「松坂世代」の名選手、記憶に残る選手がまたひとりグラウンドを去ることとなりました。
この日の巨人戦は0-4で阪神ビハインドの中、9回表に登場した球児は、対する原監督の粋な計らいで代打に送られた、これまた球界を代表するバッター坂本、中島選手をフルスイングの空振りにて連続三振、最後の重信選手を内野フライに打ち取り、見事に有終の美を飾りました。
【巨人・坂本勇人選手から火の玉ストレートで三振を奪う藤川球児投手】
高知商業からドラフト1位で阪神に入団した球児でしたが、先発ではプロの洗礼を受け伸び悩んでいたところ、中継ぎで開花、その後抑えの切り札として活躍したのは説明不要で皆が知るところ。
虎ファンの私としても、球児が打者をキリキリ舞いさせる姿、球児が出て来れば試合は勝ったと思える安堵感を幾度も味合わせてもらったことを思い出した次第。
海を渡り大リーグへの挑戦、帰国後は四国独立リーグでプロ復帰を諦めず投げ続け、念願の阪神復帰。
紆余曲折、屈辱と成功入り混じる野球人生でしたが、それを乗り越えてこれたのは、常に「何くそ」、「今に見とれよ」と思う反骨精神があったからこそとのこと。
引退セレモニーでの球児と戦った選手らからのビデオメッセージでは、何と清原和博氏も登場。
清原を持ってしても「バットの上を行くストレートは初めてだった」と言わしめるほど、唸る「火の玉ストレート」は凄かったのでしょう。
そんな球児がマウンドに上がる姿を見れないのは本当に寂しい訳ですが、40歳、22年間全力投球スタイルを貫き通したことに敬意を表し、今後は違う形でプロ野球界を盛り上げてくれることを願いたいと思います。
そして最後に、松坂世代の張本人「松坂大輔」選手には、「目標でいてくれてありがとう」と感謝とエールの言葉を送ったところにドラマがありました。
ありがとう球児、さらば火の玉ストレート。
その反骨精神と直球勝負の生き様からもらった力は、私はもちろんのこと、皆の心の中で生き続けることでしょう。
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