待ちに待った新世界での一歩

ブログ

自然の世界は何が起こるか分からないと言いますが、やはりこういうこともあるんですね。
 
世界中のスーパーコンピュターが本州直撃と予想していた「台風14号」ですが、本州に上陸することなく進路を徐々に南寄りに変え、Uターン。
 
気象庁によれば、太平洋の上空に現れた「空気の渦」によるものということでありますが、様々な事象が重なる気象予報はスーパーコンピューターの分析をも裏切ることがあるということで驚いた次第です。
 
台風14号は今後勢力を弱め熱帯低気圧に変わるとのことですが、風向き次第で日本列島に再接近する可能性も残るということであり、これまた予報と進路がどうなるのか。
 
少し違った観点から注視しておきたいと思います。
 
さて、今日は日曜日ということで、少し柔らかい話題を。
 
実は、7月末、我が家にワンちゃんがやってきました。
 
以前から、家族の中では、長男の高校野球が終わったら飼おうと決めていた訳ですが、甲子園予選の代替え大会であった福井県高校野球大会が終わったその直後の週末に、きらめきみなと館で開催された「わんにゃんフェア」で、そのワンちゃんと出逢ってしまった訳です。
 
妻と二人でふらりと立ち寄った会場で、妻が一匹のロングコートチワワの男の子に一目惚れ。
 
ひと昔前で言うと、「ビビっ!」ときた訳ですね。
 
衝動買いで良いのかな?とも話しながら、元々飼おうとしていたタイミングだから衝動買いではない、そして何より、ここで「ビビっ!」と来たのは何かの運命ということで、我が家に来ることになった次第。
 
5月12日生まれの男の子の名前は「きゅう」(敢えてひらがなです)。
 
命名の由来は欲張って3つ(長男、長女より多いかも。。。)
 
まず高校野球が終わったタイミングで飼ったので「球」、次に長男の背番号が「9」であったこと、そして、コロナ禍でも「上を向いて歩こう!」の思いを込めて「坂本九」。
 
漢字にするかどうかも迷いましたが、ひらがなであれば、どの意味合いも包括できるとの考えから「きゅう」と命名した次第です。
 
その後の我が家は、「きゅう」または「きゅうちゃん」のひとつ一つの仕草に一喜一憂するほど、ワンちゃん中心の生活となり、名古屋に住む大学生の長女は別れを名残り惜しむなど、まさに家族がひとり増えたのと同じで、我が家の一員となりました。
 
また、トイレや噛み癖も失敗ばかりしてたのが、しつけていくにつれ成長していく姿は、昔の子育てを思い出すようで楽しいものですね。
 
ワンちゃんを飼われている方はご経験済みの通り、抗体や狂犬病の注射が終わるまで外での散歩は出来ない訳ですが、ようやくその注射も終わり「散歩解禁!」。
 
昨日は、家族も「きゅう」も総出で、待ちに待った散歩に出掛けました。
 
「きゅう」にとっては、どこもかも未知の「新世界」で興味深々ながら、最初の一歩を踏み出した姿は、どこか凛々しく感じられました(完全に親バカですね)。
 

 
知り合いの大きなワンちゃんとも、鼻と鼻でコミュニケーションも取れたようで、これまた新たな出会い。
 

 
行動範囲も友達の範囲も、これから徐々に広げていって欲しいと思います。
 
こうして書いているとキリがない訳ですが、ペットは癒しの存在であることは勿論のこと、家族の輪と和を強め、またその成長ぶりが自分の励みにもなるようで良いこと尽くし。
 
本当に我が家に来てくれたことに感謝です。
 
この「きゅう」ですが、今後は直々ブログにも登場するかも知れませんが、ご愛敬ということで可愛がってやっていただければ幸いに存じます。
 

【初のお散歩に疲れたのか、帰宅後はこの表情で爆睡でした】

福井県長期ビジョンと嶺南未来構想会議の将来構想

ブログ まちづくり

突然ですが、「会議」と聞いて「ワクワク」することって皆さん余りないですよね?
 
一般的に、仕事や地域活動などでの「会議」とは形式ばったものが多いため、中々「ワクワク」とまでならないのが実態かと思いますが、私にとって昨日は、会議の前も後も「ワクワクしっ放し」のことがありました。
 
それは、3月以降、これまで回を重ねてきている「嶺南未来構想会議」(嶺南6市町有志議員による嶺南の将来構想を考える会)で、昨日は敦賀駅交流施設オルパークにて開催。
 
実は、この日の開催は先週日程が決まった急なものではありましたが、未来構想会議メンバーからの声掛けにて県内の他市町議員、嶺南でまちづくりに参画されていらっしゃる方々、商工会議所や行政の皆さんなど、当日の飛び込みを含め、各方面より20名弱の皆さんに参加いただき、開催の運びとなり嬉しい限り。
 
会のほうは2部構成で、1部は福井県地域戦略部の出前講座にて、県の長期ビジョン2020→2040の内容を説明いただき、2部では構想会議より嶺南全体の将来構想をプレゼンさせていただきました。
 

【私は中盤までの司会と構想会議プレゼンの2番手を務めさせていただきました。】
 
県の長期ビジョンに関しては、出来立てホヤホヤの冊子をお持ちいただき、何とこういった会合で配布するのは、この会議が初めてという「初物」で、これまた嬉しい限り。
 

 
お忙しい中、県地域戦略部からは藤丸副部長様、同部未来戦略課の瓜生主任にお越しいただき、長期ビジョンにある「基本目標」、「将来イメージ(2040年の福井)」、「長期プロジェクト」、「新時代スタートアッププロジェクト」などに関し、策定にあたっての背景や考え方なども含め、丁寧且つポイントをついてご説明いただきました。
 
ただでさえ、大変ボリュームの大きいところをポイント的に紹介いただいたうえに、さらにこの誌面では全てをお伝え出来ないのが残念ですが、特に嶺南に関して言えば、6つの基本目標のひとつに「WAKASAリフレッシュエリア」を掲げ、そのサブタイトルに「上質な暮らしの先駆け」とあること、「将来イメージ」では「日本地図を塗り替える 国土強化のネットワーク」とし、敦賀港の世界最高水準のスマート港湾の進化、北陸新幹線開業により嶺南が関西至近の生活圏にしていくことなど、具体的に将来に向けた「狙い」が想像出来るものでした。
 
なお、大交流化時代にあって、北陸新幹線開業以降にあるリニアの開業により、小浜から京都(新幹線)、京都から東京(リニア)のルートが可能となれば、何と所要時間は2時間を切るとのことに驚いた次第であり、視野はその先に、リニアまでも含めるべきと認識することが出来ました。
 
そうしたことから、副部長からは「これからは嶺南の時代」との言葉もあったことや、福井県全体のビジョンに関しては、5,000人の県民の声を踏まえ策定されたものであること、「福井をもっと面白く」、「次世代ファースト」、そして何より「もっとチャレンジしていくんだ」という福井への思いや気概を感じることが出来たことは、大変私にとって有意義な時間となりました。
 
休憩を挟んでの構想会議からのプレゼンテーションにおいては、中止とはなったものの、若狭高校の高校生を対象に意見交換しようと準備していたものをベースに、約15分間ではありましたが、私たちがここまでで考えた「嶺南の将来構想 〜関西に一番近い 海のあるまち〜」この日参加出来た前川和治 敦賀市議会議員、杉本和範 小浜市議会議員、そして私の3名にて分担し思いと考えを伝えさせていただきました。
 
県長期ビジョンと同じく、ここで全てをお伝えすることは出来ませんが、実はこの日のために杉本議員が構想のエッセンスをワンペーパーに纏められたものを掲載させていただきます。
 

 
本構想に関しては、素案の域を出ませんでして、様々な立場、あらゆる世代の皆さんからもご意見を伺いながら改良を重ねていくとしており、またそういう場を開催する際は、皆さんにもお声掛けさせていただきたいと存じます。
 
両プレゼンテーションを終えた後は、3つのテーブルに別れてのグループディスカッションにて長期ビジョン、嶺南将来構想それぞれに対し、前向きで建設的な意見が活発に飛び交いました。
 
感想をお聞きすると、嶺南の議員さんからも「また誘ってや」とあったり、市民の皆さんからも「ワクワクする内容で面白かったわ」などの声を聞き、またまた嬉しい限り。
 
何より、この場を通じて「共感」してもらえた方が一人でも増えたことをありがたく感じた次第です。
 
人口約13万人の嶺南は、45年後にはほぼ半分の7万人になると予想されています。
 
つまり、敦賀市ひとつ分の人口が減るということです。
 
しかしながら、こうした現実を悲観し嘆くのではなく、北陸新幹線開業に加え、リニア開業までを見据えれば、我が敦賀市はもちろんのこと、「これからは嶺南の時代」とあったように、嶺南全体には大きな期待とチャンスがあります。
 
よって、その期待とチャンスを夢物語で終わらせないためにも各市町の壁を少しづつ取り除き、嶺南をひとつの単位としてどう盛り上げていくかを、まさに今考えなければなりません。
 
そのためにも、魅力的でチャレンジ精神あふれる分かりやすいビジョンを構築し、地域住民の皆さんの共感や賛同を得なてこそ、真にまちの発展に向け前進するものと考えるところです。
 
昨日は、そうした意味でもその考えが間違っていないことを確認出来る場となりましたので、今後も引き続き仲間の皆さんとともに考え行動するとともに、極力多くの皆さんからご意見を頂戴出来ますよう取り組んでいきたいと思います。
 
お忙しい中、敦賀まで足を運んでいただいた県の地域戦略部の皆さま、急遽のお声掛けにも関わらず、快く参加いただいた皆さま、大変お疲れ様でした。そして、ありがとうございました。

北海道寿都町及び神恵内村の判断に、国民の一人として敬意を表します

ブログ 原子力

この2日間は、我が国の原子力政策における大きな課題である「核燃料サイクル」の前進に向けて、二つの進展がありました。
 
ひとつは、7日にありました日本原燃のプルトニウム・ウラン混合酸化物(MOX)燃料加工工場(青森県六ヶ所村)の安全対策が、原子力規制委員会にて新規制基準に適合しているとする「審査書案」を了承したこと。
 
これは事実上の「審査合格」を示し、今後、一般からの意見公募などを経て正式合格となる予定です。
 
そして、もうひとつは、昨日8日、北海道寿都町が町議会の判断も踏まえ、原子力発電所で生じる高レベル放射性廃棄物の最終処分地選定プロセスの入り口に当たる文献調査への応募を決めたこと。
 
数万年もの間、放射能を持ち続ける高レベル放射性廃棄物を地下深くに埋設して安全に隔離保管する「最終処分法」が制定されてから約20年を経ての実質上、本格的な動きとなります。
※平成19年の高知県東洋町は応募したものの、その後住民の反対により断念。
 
これに関しては、埋設処分の安全性研究の内容や冷静な議論を求めて、8月14日の自身のブログでも考えを記載しておりますので、参考まで以下ご覧いただければと存じます。 →→→外圧なき「高レベル放射性廃棄物の最終処分地選定」議論を望む
 
この文献調査に関しては、同じく北海道の神恵内村が調査への請願を採択しており、この北の大地の2町村の判断に対し心より敬意を表するところであります。
 
参考までに、この地層処分を実現していくためのプロセスは次の図のようになっており、この「文献調査」は、法律に基づく3段階の処分地選定調査の第1段階に当たるものです。
 

【経済産業省 資源エネルギー庁ホームページより】
 
また、地層処分の仕組みや地域の科学的特性については、一人でも多くの方に関心を持っていただき、理解を深めていただくことが必要とし、国においては「科学的特性マップ」(2017年7月公表)により、地層処分を行う場所を選ぶ際にどのような科学的特性を考慮する必要があるのか、それらは日本全国にどのように分布しているかといったことを分かりやすく示しており、その地域特性区分(分類基準)は以下のようになっています。
 

【同じく経済産業省 資源エネルギー庁ホームページより。もちろん北海道の両町は「緑色」に該当しています。】
 
こうした考え方やプロセスを経て、地域の意向と対話重視で進めるものであり、自治体の首長や知事の反対があれば無理に進めない、つまりこの文献調査においても最終処分の建設と直結するものでないことを理解しておくことは、特定の地域のみならず、全国の複数の地域から応募されることにつながり、実現の可能性の枠を広げるという観点からも重要なことと考えます。
 
こうした中、8日未明には、同じ寿都町内に住む77歳の男性が片岡町長宅に放火未遂とのニュース。
 
幸いにも町長が直後に気づき消し止めたことで大事に至らず安堵しましたが、恐らくこの日の判断を不満に思った感情的行動であり、絶対にあってはならないこと。
 
裏を返せば、こうした感情的行動や誹謗中傷を受けることも覚悟のうえで、「何が国益に資するのか」、「次世代に課題のツケ回しをしない」との崇高な信念を持って毅然として行動を続ける片岡町長を始め、寿都町議会、住民の皆さんには重ねて敬意を表します。
 
これについては、請願を採択した神恵内村に対しても全く同じ気持ちであります。
 
冒頭述べましたように、原子力発電所から出る高レベル廃棄物の最終処分の問題は、長年の国家的課題であり、「トイレなきマンション」などと揶揄され続けてきたもの。
 
その課題解決に向けては、まだ小さな一歩かもしれませんが、この小さな二つの町と村が判断したことは、とてつもなく大きいもの。
 
私たちは同じ国家に暮らし、課題を共有するものとして、決して傍観者になるのではなく、自分ごとに置き換えて、中立で正しき知識のもと冷静に今後の議論・動向を見守るべきであります。
 
皆さまにおかれましては、その点何卒ご理解いただき、過度の恐れや誹謗することなく、冷静な議論の進展にご協力いただけますよう宜しくお願いいたします。

うろこ雲 野坂を越えて 未来へと

ブログ


 
「うろこ雲 野坂を越えて 未来へと」
 
写真を撮影した時には、やや崩れ掛けてしまったものの、昨日の空には見事な「うろこ雲」。
 
空一面を覆い尽くす「うろこ雲」は、野坂山が小さい存在に思えてしまうぐらい壮大で、その力強さが未来に進む力のように感じた気持ちを詠んだのが、冒頭の句であります。
 
プレバトであれば、夏井先生に叱られるのでしょうが、こうして気持ちを句にしたためるというのも良いものですね。
 
こうして書きながら、天気に纏わることわざでは、「うろこ雲が出たら3日のうちに雨」、「ひつじ雲が出ると翌日雨」というように悪天の予兆を示すものがあるようでして、今朝の天気は見事に雨。
 
ということは、「うろこ雲」と思っていたものは、実は「ひつじ雲」であったのかと。。。
 
そうなると、この雲についてもう少し知りたくなり調べてみると、様々な雲をその形と出現高度によって分類し、国際的に同じ分類で運用されているものに「十種雲形」というものがあるとのこと。
 
10種類というとずいぶん細かいように思えますが、高さと形の組み合わせで分類されていて、雲の形の分類は、空一面に薄く層状に広がる層雲と、ひとつひとつの雲が丸い塊になっている積雲の2種類。
 
さらに雲が出現する高さは、高度5,000m以上の高さに現れる上層雲、高度2,000mから7,000mくらいの高さに現れる中層雲、最も低いところに現れる低層雲の3種類に分けられ、これらを組み合わせた形で10種類に分類されていることが分かりました。
 
昨日の「うろこ雲」と思った雲は、「ひつじ雲」と同じ「巻積雲」あるいは「高積雲」に分類され、つまり比較的高い空に現れる雲だそうで、形や大きさの揃った小さな雲が等間隔で広がる姿が魚のうろこのように見えたり、ひつじの群れのように見えたりすることから、そう呼ばれています。
 
他にも、魚のサバの模様のように見えることから「サバ雲」、イワシの群れのようにも見えることから「イワシ雲」とも呼ばれるようですが、魚に例えられることが多いのは、元々、天候に大きく左右される漁師さんが言い習わしたものとも言われていることからすると妙な納得感があるもの。
 
雲ひとつとっても、調べてみると面白いものですね。
 
話しを元に戻しますと、「うろこ雲」に「ひつじ雲」、両方に共通するイメージは「群れ」。
 
冒頭の句にある「未来」の言葉につなぐには、「独り」ではなく「皆んな(群れ)」で力を合わせて進む必要があるということで、結論は両者正解ということにしておきたいと思います。
 
こうして様々な雲が見えるようになってくるのは、空気が乾いて澄み、上空まで見通しが利くようになる「秋」だからだそうで、俳句の世界では「うろこ雲」なども秋の季語になっている訳ですが、実は「台風」も同じく秋の季語。
 
台風に関しては、この週末に掛けて「台風14号」が接近するところでありますが、その先にある台風一過の「秋晴れ」を穏やかに迎えられるよう、大きな被害なきよう願うところであります。
 
本日は、ベタな句に始まり、にわか知識の雲の話しで失礼しましたが、そうして視点を変えてみると人生色んな楽しみ方があるということでご容赦願いたく。
 
引き続いてのご愛読を宜しくお願いいたします。

情報伝達は「受け取る側」の気持ちを大切に

ブログ

コロナ第2波も落ち着き、福井県内においては、27日連続で新型コロナ新規感染者ゼロが続いていたところ、昨日は久々に新規感染者確認との(福井新聞からの)速報メールが届きました。
 
しかも発症が確認されたのは、敦賀市の40代男女(夫婦)2名とのこと。
 
敦賀市においては、ちょうど1ヶ月前に6例目の感染者が出て以来ということで、7,8例目の新型コロナ感染者となります。
 
県の記者会見によれば、お二人は夫婦で、男性は会社員、女性は自営業。
 
男性に発熱症状があったため検体採取、PCR検査をしたところ「陽性」とのことで、同居の濃厚接触者である女性(奥さん)も検査結果「陽性」、学校に通うもう1名は「陰性」と確認されたとのこと。
 
症状は、男性が嗅覚異常などで軽症、女性は無症状。
 
男性が9/25〜26に掛けて大阪(JR移動)に出掛けており、その際に感染した可能性が高いということでありましたが、お二人とも市内では殆ど自宅と会社の行き来のみであり、市内感染やクラスター化のリスクは低いと考えるとの会見内容でした。
 
ここまでが、福井県の公式発表に基づくご報告とお知らせとなります。
 
実は、このブログと同じように、これまでもFacebookなどSNSでもこうした発信をしてまいったところですが、昨日は良く知る方から、「こうやってみんなにさらされるのが気の毒に思います。自分に置き換えたら怖いですね。みんな気を付けてるのに可愛そうに思います。」との貴重なご意見を頂戴しました。
 
私が、この新型コロナに関して、事実をタイムリーに届けることが重要とした考えは、感染症の特性上、プライバシーの関係などから情報の開示が限られており、そのことから来る住民の感染対策の遅れ、疑心暗鬼から要らぬ詮索やデマの拡散、そして誹謗中傷につながり、ひいては人間関係や地域コミュニティすら壊す可能性があることから、拠り所となる県の公式会見から知り得た情報を極力速やかに皆さんにお知らせすることで、そうしたことを防止することが出来るのではないかということであります。
 
実際、SNS時代の噂の広がりというのは「超」がつくほどのスピードであり、敦賀市内で感染者が出始めた頃は、「あそこの店の人じゃないか」、「やっぱり違うみたい」と、まさに思い込みやデマの投稿が沢山流れていました。
 
一度拡散された情報は、決壊したダムのように広がっていき、「あの店じゃないか」「あの人じゃないか」と疑いを掛けられた方が現実的に被害を被ることを目の当たりにした私は、この「事実に基づかない情報」が流れる前に、「事実に基づく情報」をお伝えすれば、少なくとも私の発信を見ていただいた方は「事実の把握」を、さらにはその方から別の方へと「事実」は拡散され、そうすればデマや詮索が少しでも減らすことが出来るのではないかと考えた次第であります。
 
こうしたことは本来、一番近い行政サイド(敦賀市)に対応いただきたいことであり、RCNや防災トンボメールでの発信も要望もした経過はありますが、改善を待っていても仕方ありませんので、議員である私としては「自ら行動する」ことでその役割を果たすべきとの思いで発信し続けてきた訳であります。
 
しかしながら、今やGoToトラベルにあるよう国が人の往来を推進し経済効果を高めようとしていることや指定感染症のレベルもインフルエンザと同等にまで下げようかとの議論も出てきていること、さらにはコロナ対策に関しては、各個人で出来ることの認識は浸透をし、コロナコロナとそこまで過敏になる必要性はどこまであるのかと考え直すところであり、私自身の結論としては、こうした発信を公式のブログやSNSで行うことは一旦止めるとの考えに至りました。
 
付け加えさせていただくと、こうした情報発信は、決して独りよがりでやってはいけません。
 
その時々の状況を見定めつつ、大事なことは「情報を受け取る側」の心情や思いにも配慮しないと、思いと反する方向にもなってしまうということで、それに気づかせてくれた、昨日ご意見いただいた知人の方には心より感謝するところであります。
 
ただし、もう放ったらかしということではありませんし、高齢者の方など「情報弱者」の皆さんにどうお伝えしていくのかかなど、課題は沢山ありますので、そうしたことへの対応を考えることが議員である私の役割との認識をもって、引き続き「情報発信」については良く考え、行動していきたいと思います。
 
最後に、感染症の怖さは、人間関係や地域コミュニティまでをも破壊するものであることを今一度皆さんの胸に留めていただき、今後も詮索や誹謗中傷は控えていただくとともに、感染対策についても基本動作の励行を継続いただくことをお願い申し上げ、本日のブログを閉じさせていただきます。
 

【一昨日の寄り道は敦賀湾でしたが、昨日は若狭湾へ。沈む夕陽と夕焼けが心に染みました。】

本質はどこに?日本学術会議の任命問題

ブログ 政治

日本学術会議の新会員候補のうち、6人の任命を首相が拒否したとして同会議や野党、メディアが反発をしています。
 
一部野党は、お得意の「合同ヒヤリング」を行い、メディアのコメンテーターは、こちらもお得意の「〜であれば問題ではないでしょうか?」との疑問形でコメントを結ぶ。
 
これまで「桜を見る会」や「家計学園」など散々見飽きた光景に「またか」と思ってしまうのは私だけではないはず。
 
こうした時、中立性を持って物事を見るひとつの手法として大手新聞各社の論説や記事の内容を見比べるということをしている訳ですが、本件に関して、ネット記事等にて論説を拾うと、
◉朝日新聞:「学術会議人事 学問の自由 脅かす暴挙」
◉毎日新聞:「学術会議6氏任命せず 看過できない政治介入だ」
◉東京新聞:「学術会議人事 任命拒否の撤回求める」
などとあります。
 
一方、論調が異なるのが産経新聞で、日本学術会議のほうに問題があるとしています。
◉産経新聞:「日本学術会議 人事を機に抜本改革せよ」
 
報道にあるよう、日本学術会議は1949年に設置され、現在内閣府の特別の機関であり、内閣総理大臣が所轄し、その会員は国家公務員(特別職)となっていて、その経費は国家予算で負担され、会員210名に対し約10億円もの予算となっています。
 
同会議に関して、こういった事実は周知の事実かもしれませんが、2017年3月「軍事的安全保障研究に関する声明」では、軍事研究を禁じた過去2度の声明を継承するとの考えを明らかにしており、これに対しては、憲法で規定されている「学問の自由」に反するのではないかとの指摘もあるところ。
 
また、二国間交流との位置づけのもと、2015年には中国科学技術協会と両機関における協力の促進を図ることを目的とした覚書を結んでいて、こちらについては、中国共産党との科学技術機関と連携していると複数の保守系議員から指摘が挙がっているところでもあります。
 
言い換えれば、日本政府の研究はしない、ダメと言いながら、中国政府の軍事研究はいいということにもなり、それでは国益に反するどころか、税金を投入する国の機関としていかがなものかと疑念の目が向けられても致し方ない面もあると考えるところでもあります。
 
「任命」の件に関しては、政府の人事である以上、「説明責任を果たすべき」という考えと「任命しなかった理由を明らかに出来ない」の相反する考えがあろうかと思いますが、後者については、どのような組織であろうと、人事であればその理由を明らかに出来ないのと同じでもあり、ここは政府の対応に注視するところ。
 
こう書いておきながらですが、私の見方も見る人から見れば偏向しているのかもしれませんので、あくまでも冷静且つ中立に両方の立場の意見、過去の経過、もちろん法解釈を含め、政府が批判されるに値するのか、貴重な国会論議の時間を費やすに値するのかの視点をもって、自身においても考えを整理しておきたいと思います。
 
話しは変わり、昨日は久々に西浦の道を走りました。
 
帰路につく時間には夕陽が敦賀湾に差し込み、惹き込まれるような美しさ。
 
思わず、沓の海岸線に暫し寄り道をしてみると、何とも心が穏やかになるもの。
 
やっぱり、ふるさと敦賀の海は宝!と独り言を言いつつ、この透き透る海を見るに、政治もこの透明性がなければ信頼されないよなあと、先ほどの話しと重ね合わさりました。
 
何事を行うにも「何のため」、「誰のため」、「説明責任」を自身に問い掛け、この敦賀の海のようにクリーンで透明性ある政治に向け、引き続き地方議員の一員として尽力してまいります。
 


【寄り道した沓の海岸線。いつ訪れてもやはり、心が穏やかになる場所です。】

良き町内活動で生まれる地域コミュニティ!

ブログ まちづくり

昨日4日、投開票が行われた鯖江市長選挙において、無所属新人で前市議の佐々木勝久氏が14,348票を獲得し当選。
 
次点で前県議の田村康夫候補との差は2,150票ということで、まさに激戦であったことが伺えます。
 
鯖江市はこれまで、牧野市長のもとで特産品の「メガネ」や女子高生のアイデアを施策につなげる「JK課」、さらには行政としてSDG’sの取り組みなど、先駆的役割を果たしてきたまちであり、敦賀市とは人口がほぼ同じということもあり、比較されがちなまちでもあります。
 
私はどちらかの候補に肩入れしたということではない訳ですが、投票率61.63%という中で得た信任とともに、牧野市政からさらに発展する佐々木氏の手腕を同じ県内市町の立場から期待するところであります。
 
さて、我がまちに目を向けますと、曇り空の昨日は、町内の総出(一斉清掃作業)を開催。
 
例年は春先と秋口の2回行っている訳ですが、今年は新型コロナウイルス感染を踏まえ、1回目を県内第1波が治った7月5日(日)、そして2回目の開催が昨日となりました。
 
スタートの8時30分前には、皆さん行動を開始いただき、幸い雨も降らず、過ごしやすい気温のもと作業にあたることが出来ました。
 
私は副区長ということで、作業時は各班の補助的役割と作業終了後は、各班の作業エリアに集積されたゴミ袋、土嚢袋の回収にあたりました。
 
町内全域を軽トラで回り、美しくなった各ゴミステーションや公園周りを見るに、衛生面・防犯面への効果も含め、やはり美しいまちは住んでいて気持ちの良いもの。
 
皆さんのご協力に感謝です。
 

【町内各所で皆さんに作業いただいた「成果」。この分スッキリ美しくなりました。】
 
また、1回目と同じく、作業終了後には班ごとにお集まりいただき、班内の困りごとや改善要望などを伺う「班別常会」を空の下で開催。
 
私もある班を担当し、区としてのお願い事項(町内30km/h以下での安全運転、ゴミステーション管理、挨拶の励行)を伝達させていただいた後、普段感じてらっしゃる改善要望などをお伺いしました。
 
班ごとに挙げられた貴重なご意見は区として取りまとめ、ひとつでも要望に沿った改善が出来るよう取り組んでいきます。
 
この日、参加された人数に応じて配布させていただいたジュースの数を数えると431本だったそう。
 
ひばりヶ丘町の世帯数は約450軒であることを考えると、一家での複数参加や予備分を除いたとしても参加率は裕に9割を超えているものと思われます。
 
こうした団結力あるご協力への感謝もさることながら、参加いただいた皆さんにとって、この「総出」の中でご近所さん同士が顔を合わせ、暫しの間でもお話しされたことは、コロナ禍にあって良きコミュニケーションの場にもなったのかなと感じるところです。
 
住み良いまち、住み続けたくなるまちづくりの基本は、支え合い助け合う、良き町内・地域の活動基盤があってこそ。
 
そうした思いを私の考えの基本に置き、今後も引き続き自分自身が汗をかき、行動していきたいと思います。

祝!国道8号線空間整備事業完成!

ブログ まちづくり

思い返せば、いつぶりでしょうか。
 
新型コロナウイルス感染発症が始まって以降、公的立場として出席していた会合や式典などがこと如く中止となり、市議会議員として出席する機会が殆どなかった訳ですが、昨日は久々にその機会に触れることとなりました。
 
昨年来、工事が行われていた国道8号線の元町交差点から白銀交差点まで約900mの区間を二車線化、歩道の拡幅などを整備することにより安全性の向上と賑わい空間創出を目的とする「国道8号敦賀空間整備」が完成し、昨日は北公民館にて完成式典が行われました。
 

 
国道交通省近畿地方整備局 福井河川国道事務所が主催されたこの式典には杉本福井県知事始め渕上敦賀市長、高木毅衆議院議員、滝波宏文衆議院議員などがご臨席のもと、敦賀市議会はコロナに配慮のうえ人数を絞り、正副議長に加え産経建設常任委員会の委員がお招きいただいたもの。
 
手指消毒や検温は当たり前として、演壇のアクリルボード設置、ご挨拶されるごとの飛沫除去清掃など、十分な新型コロナ対策を講じながら開催されました。
 
ご来賓の皆さんのご挨拶を興味深く拝聴させていただくと、共通する言葉は「道路空間の利用」、「ゆとりと賑わい創出」、「市民の皆さんの有効利用」とあり、とりわけ高木毅衆議院議員からの「道路空間は、これまでの早く大量に物を運ぶ効率性から新たな形で使う時代になってきている」、「今日は完成の日であるが、このシンボルロードをいかに活かしていくかの始まりの日でもある」、また滝波衆議院議員からの「敦賀の発展につながる切っ掛けとなる」、「この道路空間は日本のモデルになっていくのではないか」との言葉が印象に残りました。
 
議員になって以降、本整備に関しては「車線減らすなんて何考えとるんや」、「歩道を広くしたって誰も歩かんやろ」など、手厳しいご意見を頂戴してきたところですが、現実を見ると、敦賀バイパスの開通以降、国道8号線(本町通り)の通過交通量は、平成2年に約19,600台/日あったものが平成27年には約11,700台/日にまで減少、高齢化の進展により、道幅の広い交差点、横断歩道を高齢者の方が時間内に渡り切れなかったりなど安全面の問題が生じてきていたほか、都市再生等特別措置法の整備などにより道路空間自体の位置づけが変化の様相を呈していることも相まって、このメインストリートを国の財源補助も活用しながら時代の変化に合わせて見直したことに、私は賛成であり、そのことを今後も市民の皆さんにも説明していきたいと思います。
 
式典の後は、屋外に出て、パネルでのご説明、さらには短い距離ながら「通り初め」を行い、関係者の皆さんと完成の嬉しさを分かち合うとともに、これからの活用に向けた話しなどをしつつ歩かせていただきました。
 
今後は、安全性が確実に向上したかの検証を行いつつ、北陸新幹線敦賀開業を睨み、整備にて生み出した歩道空間を様々なジャンルで市民の皆さんにご活用いただき、賑わいと活気ある中心市街地の創出につなげていければと思います。
 
この日も4台のキッチンカー、神楽商店街の皆さんのブースなどが出店されし、こうしたちょっとしたことでも賑わいが出ておりましたが、こうした物販のみならず、例えば音楽好きな方はここで楽器を演奏したり、ダンスが好きな若い人はここで踊ったり、趣味の発表の場に使ったりしても良いのではと思うところであり、「じゃあこんなことはやってエエんか?」「あんなもことしたい」などのアイデアあれば、ドシドシ私まで教えていただければと思います。
 


 
とにかく申し上げたいのは、歴史的に見ても敦賀のメインストリートでシンボルロードである訳でありますので、批判することはもうやめて、「前向き」且つ「自由なアイデア」で盛り上げていきましょう!ということです。
 
道路の変化は時代の変化を表します。
 

【私が生まれる2年前(昭和45年)の本町通りはこんな感じだったんですね】
 
今日は日曜日。
 
車を停め、新しくなった国道8号線本町通りを歩き、この空間をどう使えるのか思考を巡らせることも良いのではないでしょうか?
 
繰り返しになりますが、ひらめいたアイデアは是非、やまたけまで教えてくださいね。
 
ではでは、本日はこれまでに。

9月定例会閉会。議員経験上最も長い一日。

ブログ 敦賀市議会

議場の時計で「21時31分」。
 
32日間の会期を締め括る、令和2年9月定例会最終日が閉会した時刻です。
 
最終日の昨日は、9時からの議会運営委員会に始まり、9時30分からは全員協議会、10時から本会議を開会の後、追加提出議案の審査のため本会議を一旦休憩し、付託先の予算決算常任委員会(全体会→産経建設分科会)、産経建設常任委員会、さらには追加で討論通告があったことから再度議会運営委員会を開いた後、本会議を再開。
 
各常任委員会委員長の報告に続き、今定例会提出議案15件に対する討論・採決、請願2件の採決と続き、特別委員会からの中間報告、議員提出のB議案の採決と進み、最後の渕上市長からのご挨拶を終えたのが先に記載した時刻という一日の流れでありました。
 
おそらく、嶺南ケーブルテレビの議会チャンネルをご視聴の方におかれては、日中「本会議は休憩中」のテロップばかりで「何しとるんや?」とヤキモキさせたことと存じますが、実際にはこのような審査を行なっていたということでご理解いただければと思います。
 
きめ細やかな議会の報告をモットーとする私ですが、さすがに濃密な一日のすべてを記載する訳には行きませんので、本日は主な3点に絞ってご報告させていただきます。
 
1点目は、最終日に追加議案として提出された一般会計補正予算「夜間景観整備事業費」について。
 
本事業は、福井県の「イルミネーションエリア創出による夜間景観促進事業」を活用して、金ヶ崎緑地エリアのボードウォーク部分などでのプロジェクションマッピンング、敦賀郵便局から金ヶ崎緑地までの桜並木通り450mをイルミネーション整備するというもので、財源は県の補助金33,333千円、市の一般財源16,667千円の合計50,000千円。
 
プロジェクションマッピングについては、予算成立後から今年度末まで設計・製作を進め、来年度から開始、イルミネーションに関しては今年の年末からの開始を目途に進めるというものでした。
 
審査を付託された予算決算常任委員会の全体会、産経建設分科会を通し、拙速感が否めないといった意見や費用対効果、ランニングコストなどなど様々な質疑が交わされました。
 
私もこの案件に関しては、事前調査を行なったうえで、しっかりと準備のうえ分科会審査に臨み、そもそもの金ヶ崎周辺整備構想との関係性や計画性、経済効果や市内への回遊性、プロジェクションマッピングのコンセプト、将来の発展性、安全性や環境面(騒音や光の影響)への配慮など、あらゆる視点から市の考えや思いを確認させていただきました。
 
そのうえで、これまで市民の皆さんが手作りで金ヶ崎エリアの賑わい創出につなげ、育てていただいている「ミライエ」は敦賀の宝であり、最も大切にしないといけないことから、「ミライエ」の雰囲気を壊すことのないよう十分連携を図って進めること、ただ単に子ども受けするマッピングではなく、幅広い世代が楽しみ、歴史や港、鉄道など敦賀らしさを演出する企画とするよう強く要望し、本案に賛成をしました。
 
特にプロジェクションマッピングは通年を通して設置をするものであり、金ヶ崎エリアの賑わい創出のみならず、この地にケータリングカーなどが集い、市内の飲食店・宿泊施設とも連携した回遊性や経済効果を発揮されるよう期待し、この後もしっかりと経過確認をしていきたいと考えます。
 

【金ヶ崎エリアのプロジェクションマッピング。参考の広島マリーナポップではカープつながりか足元に鯉が泳いでいます。】
 
2点目は、手話言語条例制定(仮称)に関する請願、議員提出議案と手話通訳者の配置について。
 
今定例会に提出された請願のうち1件が上記の「敦賀市手話言語条例(仮称)」の制定を求める請願でありましたが、この日は請願者である敦賀市聴覚障がい者福祉協会の皆さん(全員がそうではないのかもしれません)が議場に傍聴に来られ、請願から議員提案の決議までをご覧になられました。
 
先に開催された議会運営委員会においては、傍聴に伴い手話通訳者を配置することを決定し、この日は2名の手話通訳者の方が代わる代わる演壇の左隣で手話通訳をされました。
 
そう言えば、男性の方は新型コロナ感染発症時の福井県の記者会見の場で良くお見掛けしたような…。
 
また、配置を決定した議会運営委員会の場で委員長から、演壇に立つ方は極力ゆっくり丁寧に話すようにと依頼があったことを踏まえ、請願説明者や特別委員会委員長、そして議長も大変丁寧な語り口で対応。
 
議席から見る手話通訳者の方の見事な通訳に見入ってしまったのと、傍聴席の聴覚障がいのある方にもしっかりと伝得られたことを嬉しく、そして何か優しい気持ちになりました。
 
請願や決議にもありました、聴覚障がい者と健聴者の共生社会の実現、誰もが住みやすく支え合うまちづくりに向け、今後早期に「敦賀市手話言語条例」が制定されますよう願うところであります。
 
最後3点目は、もうひとつの請願である『日本政府に「核兵器禁止条約」への賛同と批准を求める意見書の提出に関する請願』について。
 
請願者は「原水爆禁止国民平和大行進・世界大会福井県実行委員会」日本共産党敦賀市会議員団の2名が紹介議員となって提出されてきたもの。
 
本請願に関しては、私自身との考えに照らし、対応について会派内でも協議を行いましたが、やはり議会は「言論の府」、そうした考えの相違は議場で示すべきとの結論に至り、私が「原案に反対」の立場で討論させていただきました。
 
これについては、世界で唯一の戦争被ばく国である日本として大変重要なテーマであり、内容を要約すると誤解を招いたり、理解がされなかったりする可能性があることから、私の討論内容(全文)を別にご紹介しております。
 
お手間を取らせ恐縮ですが、関心のある方におかれましては、以下のリンクより当該ブログをお読み取りいただきたく存じます。
 →→→請願に対する「やまたけ討論」の全文はこちらから
 
以上、3点に絞ってのご報告となりますが、最終日に主に感じた項目となります。
 
さすがに朝から根詰めて審査・審議をしたせいか、議員の皆さんも理事者の皆さんも、そして縁の下でガッチリとサポートいただいた議会事務局の皆さんも疲労の色は隠せませんでしたが、私にとっては、32日間真剣に議論を交わした大変充実した定例会となりました。
 
次なる定例会に向けた準備はもとより、日常の議員活動を大切に一日一日を積み重ね、今後も敦賀市の発展のため尽力していきたいと思います。
 
皆さま方におかれましては、引き続きのご支援と叱咤激励をお願いし、令和2年9月定例会最後のご報告ブログとさせていただきます。
 

【昨夜22時前の敦賀市役所。議会対応にこれだけの方が対応していただいたことを照明の数が語っています。議案作成から真摯な審議対応まで、理事者の皆さまも大変お疲れ様でした。】

請願第2号『日本政府に「核兵器禁止条約」への賛同と批准を求める意見書の提出に関する請願』に対する討論全文

ブログ 敦賀市議会

令和2年9月定例会最終日に行いました、請願第2号『日本政府に「核兵器禁止条約」への賛同と批准を求める意見書の提出に関する請願』に対する、私の討論内容(全文)をご紹介いたします。
 
請願者は「原水爆禁止国民平和大行進・世界大会福井県実行委員会」、紹介議員は、日本共産党敦賀市会議員団の2名。
 
請願の趣旨は、①核兵器廃絶・核兵器のない世界を実現するためには、唯一戦争被爆国である日本政府が、率先して核兵器禁止条約に参加し、その先頭に立つべきではないか、②アメリカの「核の傘」からの離脱を決断し、核兵器禁止条約への賛同と批准の手続きを進めるべきではないかというものです。
 
私は、核兵器のない世界平和を希求する立場のもと、この「核兵器禁止条約」の存在や参加すること自体を否定するものではありませんが、核兵器のない世界を実現するための現実的なプロセスとして、本請願趣旨には賛同できないとの思いから、「ふたつの現実」の論点により討論させていただきました。
 
もちろん、私の考えを押し付けるものではございませんが、日本国民にとって大変重要なテーマにつき、是非皆さんにも考えの一つとしてお知りいただきたく。
 
参考まで討論原稿の全文を掲載しますので宜しければご覧ください。
 
【以下、原案に反対する立場での「やまたけ」の討論全文です】
 
市民クラブの山本たけしです。
 
私は、請願第2号『日本政府に「核兵器禁止条約」への賛同と批准を求める意見書の提出に関する請願』を不採択とする委員長報告に賛成の立場から討論を行います。
 
まず私は、世界唯一の被曝国である我が国の立場として、核兵器のない世界の実現を訴え続けてこられた被爆者の方々や被爆地の努力に対し心より敬意を表するとともに、私自身、核兵器のない世界平和を切に希求するものであります。
 
そのうえで、本請願にある、「核兵器禁止条約」に日本が率先して参加をし、条約不参加を表明している核保有国などを説得することが日本政府の役割ではないか、またアメリカの「核の傘」から離脱を決断し、核兵器禁止条約への賛同と批准の手続きを核兵器国に求めるべきではないかという2点の趣旨に関しては、「ふたつの現実」、すなわち目的を達成すための「現実的なアプローチ」、そして「現実的な国家安全保障」の観点において賛同出来ない大きな理由があると考えます。
 
ひとつめの「目的達成に向けた現実的なアプローチ」に関して、我が国には、唯一の戦争被爆国として、核兵器のない世界の実現に向け国際社会の取組をリードしていく責務があるとの決意のもと、日本政府は今から50年前の1970年2月に「核兵器の不拡散に関する条約」(NPT:1968年7月1日に署名開放、70年3月5日発効)に署名、1976年6月に批准をして以降、米、露、英、仏、中の5か国を「核兵器国」と定め、「核兵器国」以外への核兵器の拡散を防止する「核不拡散」、各締約国が誠実に核軍縮交渉を行う義務を規定した「核軍縮」、そして締約国の「原子力の平和利用」を「奪い得ない権利」とする3本柱の規定について先導的立場としての役割を果たしてきています。
 
なお、このNPTの締約国は2020年1月現在、核兵器国、非核兵器国を合わせ191か国・地域となっています。
 
また、今ほどの(日本共産党敦賀市会議員団の)討論では、日本は橋渡しとしての役割並びに外交努力をしていないとありましたが、我が国においては核兵器のない世界の実現のため、日本と核兵器国の軍事有識者などが協議を行う「核軍縮の実質的な進展のための賢人会議」、国連総会への核兵器廃絶に向けた決議の提出、軍縮・不拡散イニシアティブ(いわゆるNPDI)の枠組みや個別の協議等を通じ,核兵器国と非核兵器国の間の橋渡しに努めつつ,核兵器不拡散条約(NPT)体制の維持・強化や包括的核実験禁止条約(CTBT)の発効促進,核兵器用核分裂性物質生産禁止条約(FMCT)の交渉開始といった、核兵器国も参加する現実的かつ実践的な取組を積み重ねています。
 
とりわけ、2010年に日本とオーストラリアが主導して立ち上げた地域横断的な非核兵器国のグループであるNPDI(12か国で構成)は、メンバー国の外相クラスによる関与の下、現実的かつ実践的な提案を通じ、核兵器国と非核兵器国の橋渡しの役割を果たし、核軍縮・不拡散分野での国際社会の取組を主導しているほか、国連においては1994年以降、全面的な核廃絶に向けた具体的かつ実践的な措置を盛り込んだ決議案を国連総会に提出してきており、2019年の決議案においては、同年11月の国連総会第一委員会で148か国、12月の国連総会本会議では160か国の幅広い支持を得て採択されたところであります。
 
こういった着実且つ実効性ある取り組みを進めつつ、日本政府としての実行プロセスと「核兵器禁止条約」に対する明確な意思表示については、平成29年5月にウィーンで開催された2020年NPT運用検討会議第1回準備委員会において、当時の岸田文雄外務大臣が次のように述べています。
 
「核兵器国・非核兵器国の間の信頼関係を再構築しつつ、CTBTの早期発効やFMCTの早期交渉開始を実現し、核兵器の質的・量的向上の制限をかけ、国際的に信頼できる検証体制の構築に向け努力を傾注しつつ、核兵器の数を着実に減らしていく。こうして極めて低い数まで削減された「最小限ポイント」に達した段階で、核兵器のない世界の達成及び維持のための法的枠組みを導入することにより、核兵器のない世界という目標にたどり着く。これが日本の考える核兵器のない世界への道筋であり、核兵器禁止条約を現下の状況で持ち出して、核兵器国と非核兵器国の対立を一層深刻化させるのではなく、このアプローチこそが現実的で実践的な核兵器のない世界への近道だと確信する。核兵器を廃絶する法的枠組を持ち出すタイミングを間違えてはなりません。」
 
つまりは、核兵器のない世界に向けては、核兵器国と核兵器国の間はもとより、核兵器国と非核兵器国の間、さらに非核兵器国と非核兵器国の間、いずれの関係性においても顕著な対立構造があってはならず、いかなる関係性のもとにおいても信頼関係を構築しつつ、核兵器を提言したうえで機を捉え法的枠組を講じていくことこそが目的の達成に向けた現実的なプロセスと考える訳であり、私はこうした現日本政府の考えに賛同するとともに、請願にあるような、わが国のこれまでの取り組みを評価することなく、法的措置により強制力を持たせる核兵器禁止条約に参加することのみをもって廃絶の実現に向けた道筋だとする趣旨には賛同できません。
 
次にふたつ目の「現実的な国家安全保障」に関しては、核の惨禍を二度と繰り返さないための最も確かな保証が核兵器のない世界を実現することである一方で、そこに至る道のりの途中においても核兵器の使用はあってはなりません。つまり、諸国間の関係を不安定なものにして、逆に核兵器の使用の危険性が高まるようなことになってはならず、核軍縮は諸国間の安定的な関係の下で進められる必要があると考えます。
 
現実的に、令和2年度防衛白書においては、国際情勢が劇的に変化し、北朝鮮による度重なる弾道ミサイル発射、中国による尖閣諸島など一方的な現状変更の試みの執拗な継続、あるいは中国・ロシア軍機を対象とした自衛隊のスクランブル発進回数は、2019年度では947回に及ぶなど、わが国を取り巻く安全保障環境は急激に不確実性を増している状況にある中、日米同盟を基軸とする米国をはじめとした諸外国との間における防衛協力なくして、わが国の安全保障は成り立たないことからすれば、請願趣旨にある米国の「核の傘」から離脱すべきとの主張は、わが国の領土と国民の生命と財産を他国からの脅威に晒すことに直結するばかりか、現在の国際社会が保っている安全保障上のバランスを崩すことになり、逆に不安定な状況をつくり出してしまうことは、核兵器使用のリスクが高まるばかりか、核廃絶への道筋も大きく遠ざかるものであると考え、全くもって賛同出来るものではありません。
 
このような考えから、請願にある項目に反対するものであります。
 
以上、本請願に対する私の考えを申し上げ、本請願を不採択とする委員長報告に賛成の立場での討論といたします。
議員各位のご賛同を宜しくお願いいたします。
 
以 上
 

【世界の核弾頭保有数】
 

【請願第2号の全文です(次頁の意見書案は割愛しています)】

« 古い記事 新しい記事 »