「理想への挑戦」と並行して進めていただきたい「国家の根幹にあるエネルギー政策」

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衆院選から一夜明けた昨日、高市首相(自民党総裁)は、党本部で記者会見し、政権運営への決意を表明しました。
 
ちょうどテレビで流れていたため、手を止めて見ると、今回の解散・総選挙は責任ある積極財政や安全保障政策の抜本的強化、政府のインテリジェンス(情報活動)機能強化といった重要な政策転換を自民と日本維新の会の連立政権で進めてよいのかどうかを国民に問う選挙でもあったと、まずあらためて、今回の解散総選挙の意味を説明。
 
その上で、「この大きな政策転換が国民に信任いただけなければ、私が首相でいる意味はない。『私の進退をかける』と繰り返してきた。(衆院選で大勝し)国民から政策転換を何としてもやり抜いていけと、力強い形で背中を押してもらった」との言葉は、民主主義国家における選挙結果の意味合いを指すものであり、反論の余地はないところ。
 
その上で、気になった点としては以下2点。
 
1点目は、「中低所得者を支援し、恒常的に手取りが増えるようにする観点から、給付付き税額控除制度導入に向けた議論を進める。導入までの間、2年間に限り飲食料品の消費税率ゼロとすることについて、国民会議で諸課題の検討を進める。」「国民会議をできるだけ早期に設置し、給付付き税額控除と合わせて議論し、結論を得たい。夏前には国民会議で中間取りまとめを行いたい」
 
2点目は、「国の理想の姿を物語るのは憲法だ。国の未来を見据えながら、憲法改正に向けた挑戦も進めていく」
 
1点目に関しては、物価高対策として選挙公約に「2年間の飲食料品の消費税ゼロ」を掲げた割には、「夏前に中間取りまとめ」ではスピード感がないことに加え、「検討を進める」との言葉に含みを持たせているのは「高市首相らしくない」と思え、党内の緊縮財政派に意識した発言となっているのではと推察されること。
 
また、2点目は、以前の安倍政権の時代から、憲法改正は自民党の悲願であるとし、確か岸田政権の時には「自分の代でやる」と言っていて、与党が過半数を占める時でさえ、遅々として進みませんでした。
 
国論を二分することが予想されるだけに、憲法改正論議を持ち出すのは「選挙に不利」と考えたのかどうかまでは分かりませんが、衆議院の憲法審査会において再三、国民民主党側から議論の加速を訴えるも、目に見える本気の対応がされてこなかったと認識するもの。
 
私としては、世界を見れば、70年間も憲法改正をしていない国の方が稀であり、「挑戦」というよりは、「時代や現実に沿った見直し」の観点から進めていっていただきたいと思う次第です。
 
さて、ついつい前置きが長くなりましたが、「国家の理想の姿を物語る」ことと並行して、高市政権に強く押し進めていただきたいのは「国家の根幹にあるエネルギー政策」。
 
高市首相は、自論として原子力の最大限活用はもとより、以前には核融合のことまで話されていた方であり、その点に関しては国民民主党の政策とほぼ同じ考えと認識するものであり、国家を支え、日本の今後の成長のために必要な「安定で低廉な電気の安定供給」を現実的な仕組みとして構築していっていただきたいと強く求めるもの。
 
そうした中、一丁目一番地である「既設原子力発電所の早期再稼働」に関し、首都圏の電気を賄う、東京電力の柏崎刈羽原子力発電所6号機(ABWR、135.6万kWe)が現在、「再再起動中」であります。
 

【再再起動を進める東京電力 柏崎刈羽原子力発電所】
 
「再再」と書いたのは、同6号機が1月21日、制御棒の引抜操作を開始し原子炉を起動したものの、制御棒の引抜操作時に操作監視系の警報が発生したため、同作業を中断。
 
東京電力では9日、警報設定の不具合などの原因を特定し、対策を終えたとして、原子炉の起動工程を明らかにした上で、同日再起動すると発表したため。
 
同6号機は9日午後2時に制御棒を引き抜き、原子炉を起動したと発表した後、午後3時過ぎには臨界を達成し、現在順調に起動工程を進めるところでありますが、柏崎刈羽とはじめ、日本国内にはまだ再稼働を果たしていない「眠ったままの財産」(原子力発電所)が複数基あります。
 
福井においては、日本原子力発電(株)敦賀発電所2号機(以下、敦賀2号)もそのひとつであり、地盤に関わる再調査を進めるところでありますが、ふと、一昨日の衆院選福井2区で当選された候補の「原子力発電所の新増設・リプレースに賛成か?」(福井新聞アンケート調査)の回答を見るに、「推進する」とした上で、結語にあったのは「一方で安全は絶対であり、断層や地震動のデータ操作などには厳しい姿勢で臨む」とありました。
 
敢えて「データ操作」のキーワードを用い、この分野(断層や地盤)だけを取り出して「厳しい姿勢で臨む」とした本意とは何か。
 
過去の経緯からして、敦賀2号のことを頭においていらっしゃるのでは?と、直感的に思った訳ですが、新たに「政治リスク」が生じることだけはないよう、ここは自民党のエネルギー・原子力政策、そして政権の考えに沿った対応を、高市首相にはお願いしたいと思います。
 
なお、新増設やリプレースを進めるにあたって必要不可欠な「次世代革新炉」の法規制上の整備や、取り組もうとする事業者の予見性を高めるための事業環境整備に関しては、スピード感をもって加速させることが日本の国力の維持向上につながることから、この点に関しては高市政権に大いに期待する次第です。