2025年12月24日
「大規模太陽光発電事業(メガソーラー)に関する対策パッケージ」が閣議決定
振り返れば、令和3年第4回定例会において私は、その年の10月に閣議決定された「第6次エネルギー基本計画」(現在は第7次)において、2030年度の電源構成では22~24%から36~38%程度まで引き上げることとなった再生可能エネルギー(以下、再エネ)のうち、太陽光発電について一般質問。
質問では、2012年7月の再エネ固定価格買取制度(以下、FIT制度)の開始以降、太陽光発電の急速な導入拡大が進められてきたものの、これに伴い様々な事業者の参入が拡大した結果、景観や環境への影響、将来のパネルの破棄の問題、安全面、防災面等の面で深刻な問題が顕著化している状況にあるとし、敦賀市においても、再エネ特措法で可能としている、地域の実情に応じて条例を制定すべきではないかと意見しました。
結果、「新たに規制をする条例を設けるということは現在のところ考えておりません」との答弁だった訳ですが、これ以前からこのような点に関しては問題意識を持ってきたところです。
その後、敦賀市においては特段の問題発生はないものの、全国では急傾斜地のメガソーラー設置によって吸水量が低下し、大雨の際に山崩れが発生したり、また阿蘇山など有数の景観地での開発、さらに最近では、日本最大のラムサール条約登録湿地である釧路湿原国立公園周辺で太陽光発電施設の進出が続き、絶滅危惧種で天然記念物のタンチョウやキタサンショウウオが住む湿原の乾燥化に拍車がかかるとの懸念が高まるなど、問題がさらに顕著化しています。

【釧路湿原国立公園周辺に建設されたメガソーラー(東洋経済オンラインより引用)】
冒頭に記載しましたよう、そもそもこうした問題は、国のエネルギー政策で再エネの導入拡大を進めるとしたことが起因し、生じていることを考えれば、対策に関しても自治体任せにせず、国が責任を持って行うべきと常々思ってきた訳ですが、そうした中、昨日開催された「大規模太陽光発電事業に関する関係閣僚会議」において、「大規模太陽光発電事業(メガソーラー)に関する対策パッケージ」が閣議決定されました。
対策パッケージでは、今後、DX・GXの進展によって電力需要の増加が見込まれる中で、産業の競争力強化の観点から、脱炭素電源の確保が求められており、こうした中で、再エネや原子力などを最大限活用していくことが重要であるとしつつ、再生可能エネルギーについて、2012年のFIT制度開始以降、特に太陽光発電の導入が急速に拡大した一方で、自然環境、安全、景観などの面から地域において様々な懸念が生じる事例がみられており、再エネの導入にあたっては、地域との共生や環境への配慮が大前提である。地域との共生が図られた望ましい事業は促進する一方で、不適切な事業に対しては厳格に対応する必要があること。
太陽光発電事業について、土地造成及び電気設備の安全性確保、生活環境及び自然環境・景観の保全など、各種の公益との調整を行う関係法令を遵守する必要がある。政府において、関係省庁の連携の下、太陽光発電に係る様々な地域の懸念や課題を踏まえて、 これらの関係法令について総点検を実施した。 その結果、制度改正により法的規制を一層強化する必要があると判断されたものや、各種の法的規制が自治体において実効的かつ円滑に行われるような環境整備を行う必要があると判断されたものが存在したとし、政府としては、この総点検の結果に基づき、順次、速やかに法的な規制措置を実施していくとともに、国と自治体との更なる連携を行っていくこととするとありました。
具体的には、政府として、①不適切事案に対する法的規制の強化、②地域の取組との連携強化、③地域共生型への支援の重点化の3つの柱からなり、様々な対策が講じられることを「英断」と評価するものであります。
とりわけ、先ほど例に挙げた釧路湿原国立公園に関しては、上記①の項目の中で、湿原環境等の保全強化を図るため、自然公園法に基づく釧路湿原国立公園の区域拡張(環境省)し、公園区域内の開発を適切に規制する(令和8年度中に区域拡張を目指す)としたことに安堵するほか、何といっても最も大きいのは、③項で「FIT制度」を抜本的に見直すこと。
再エネ賦課金を用いた「FIT/※FIP制度」による支援(経済産業省)に関し、2027年度以降の事業用太陽光(地上設置)については、技術の進展によるコスト低減の状況や、太陽光発電に係る課題や特性を踏まえた支援策の重点化の方向性を念頭に、支援の廃止を含めて検討する(令和7年度中に方針を決定予定)としています。
※FIP制度(Feed-in Premium)は、FITからの移行制度。再エネ発電事業者への支援制度で、発電した電気を市場で売電した際の収入に、あらかじめ定められた「プレミアム(補助額)」を上乗せする仕組み。

【「大規模太陽光発電事業(メガソーラー)に関する対策パッケージ概要版(内閣官房HPより引用)】
→政策パッケージ(全文)はこちら
これにより、無秩序な開発の抑止につながるものと大いに評価するとともに、この制度の財源を生み出しているのは、国民民主党が徴収停止を求めている(主に物価高騰対策として)、各世帯が電気料金と合わせて収めている「再エネ賦課金」。
「FIT/FIP制度」が廃止される=再エネ賦課金も廃止になるのかまでは分からないものの、賦課金徴収額は400kWhの需要家モデルで月額1,592円、年額19,104円(2025年ベース:経済産業省)、国全体では約2兆7千億円(2024実績)となっています。
あらゆる電源には、リスクとコストがあります。
再エネの活用はもちろん重要なことであるとした上で、導入拡大のためにこれだけの国民負担を強いてきたことについても一旦立ち止まり考え直す。
昨日の閣議決定には大きな意義があると受け止める次第です。






