2025年11月17日
ギャンブル依存症対策に必要なのは「回復する仕組み」
秋晴れの昨日は、午前9時に地震発生想定のもと町内の防災訓練を実施。
参加実績の集計では、玄関口に黄色リボンをくくり、無事であることをで示す「安否確認」には住民の80%が参加。
また、各班ごとに集合し、原子力機構グラウンドまで移動しての実避難訓練には、33%の皆さまに参加いただきました。
その後、屋外では地元消防団員による消火ホースの接続実演、体育館内にて、敦賀美方消防組合による心肺蘇生法、AEDの説明を受けるなど防災意識を高めることができました。
続けて、秋のレクリエーションを行うこともあり、小さなお子さんも数多く参加。
自身も「災害に備えるまちづくり」に取り組むところ、こうして多世代の参加によって、「自分の地域は自分たちで守る」ことの重要性をあらためて感じた次第です。
訓練後は、レクリエーションの参加をパスし、一路福井市へ。
11月15日のブログでご紹介した「ギャンブル依存症セミナーin福井」に参加してまいりました。
昨年12月の設立以降、毎月開催している「全国ギャンブル依存症家族の会 福井」ですが、今回はその拡大版といえば良いのでしょうか、ギャンブル依存症対策に関する第一人者である田中紀子さんらがお越しになってのセミナーということで、会場のフェニックスプラザ地下大会議室はほぼ満員。
熱気あふれる中はじまり、以下のとおり進められました。
・医療法人積善会 猪原病院 大森 晶夫院長講演
・家族の体験談
・当事者の体験談
・田中 紀子氏講演
・高知 東生氏を加えてのトークセッション
メモ程度でしかありませんが、以下トピックスのみお伝えいたします。
<大森 晶夫院長からのお話>
◉依存症には、物質依存(アルコールなど)、行為依存などがあり、ギャンブル依存症は「行為依存」。
◉依存症関連問題として、自殺、うつ病、家庭問題などがある
・人間は本来、行動にブレーキを掛けられるが、脳の前頭前野(行動のコントロール)や線状体(行動の習慣化)の機能不全でコントロールできなくなる
・自己治療仮説(人を依存症にするのは「快感」ではなく、「苦痛の緩和」である)
・社交不安障害(人との付き合いが苦手で、一人で出来ることに走ってします)
・発達障害(注意欠如多動性障害、自閉症スペクトラム)
◉依存症とはコントロールできない人のことなので、いかに「止め続ける」ことが重要
◉ギャンブル依存に関して同じ問題を抱える自助グループの「GA(Gamblers anonymous)」、ギャンブルに問題を持つ人の
家族や友人の集まり「GAFA(Gambling Families Anonymous)」を頼ることが大事
◉依存症の人への望ましい対応として「I message」があり、「わたし」を主語にして話すことが効果的
<(公社)ギャンブル依存症問題を考える会 代表 田中 紀子氏>

【講演する田中紀子氏】
◉ネガティブな気分を変えられるもの(アルコールやギャンブル)に依存していく
◉自身は、「自分一人ですべてやらないといけない」と思うことが生きづらさだった
◉そこを変えることで依存から抜け出すことができた
◉どうやって依存症を回復していくかということを知らないと、どう人生を乗り切っていけばいいか分からなくなる
◉過去の自分を振り返って、変えるべきところは変える
◉当事者同士だから分かり合える(助言を聞き入れることができる)
・12ステッププログラムを行った人は、ある種選ばれし者
◉10年の活動を通じて構築してきたのは、自分たちが新しい人にプログラムを伝えていくことで、ギャンブルを止められる仕組みになっている
◉悲しいことに、被害者がお金を出し合って、被害者を助けているのが日本
・「考える会」や「家族の会」など、お互いの寄付金約1億円(すべて資金に回している)に対し、厚労省の助成金は400万円
◉ギャンブル産業のやり口、とりわけオンラインカジノについては2020年頃から国の審議会等で意見を言ってきたが、5年経ってやっとやったのが「ギャンブル依存症対策基本法」の改正。ただし、これは理念法であり罰則もない。
・オンラインカジノは海外では上場企業。日本では違法だが、自国が適法なら相手国がそうであっても関係なく入り込んでくる
・他国からは、日本はオンラインカジノに対策する能力がない、もしくは対策をやる気がない国とも言われている
・どれだけバカにされているかと思いつつ、その被害者を何とか救い出そうと取り組んでいるが、官僚や警察は何のためにあるのか
◉ギャンブルが原因で自殺した人数は、年間約400人
・10代、20代の死因のトップが自殺という国は日本だけ
・若い人は特に、ギャンブルからどう抜け出していいか分からないから
◉スマホのブロッキングは、「通信の自由が妨げられるから」とまったく国の対策が進まないのが現状
・それではと、自分たちはイギリスのブロッキングアプリを使っているが、アプリの利用料を自分たちが支払っている(年間160万円)
◉いつか国がやってくれるというが、この10年やってくれなかったので、自分たちで助けるしかないと思っている
・必要なのは「回復する仕組み」
・依存症から立ち直る際にすり抜けてしまうところ、抜け落ちてしまうところを無くして、継続して支援する仕組みができている
・家族への罪悪感を持ったままではいけないので、家族に対する借金の返済をしているかどうか(埋め合わせのプログラム)
・家族がいつまでも肩代わりしていては、重症化する一方で何も解決にならない
◉家族がやってはいけないこと「し」「を」「き」(仕置き)はダメ
→「し」借金の肩代わり 借入が増え、闇金にとっては優良客になる
→「を」脅しや説教 何の効果もない 追い詰め、心を閉ざします 隠し事が増え、反抗、暴力につながる
→金銭管理や行動制限 家族が締め上げれば、隠れ借金をする 友人や知人からの借金は、心情的に法整理で済ませら図、大変な苦労になる 犯罪に手を出してしまうこともある
◉ギャンブル依存症は「誰がなるか分からない」ので、こういうことを皆、知っておかないといけない
◉自衛隊700人に対し講演した。相談がある方は自分(田中代表)とつながれることになっている
◉行政や企業経営者にも知ってほしく、各種研修で講演していきたい
私自身、敦賀での「家族の会」に幾度か参加していますが、その際、当事者や家族の方から何度も発せられた「リコさん」がこの田中紀子(ノリコ)さん。
国内はもとより、WHOの会議でも講演される、さすが第一人者だけあって知識はもちろん、この問題を何とかしたいという情熱、熱量をひしひしと感じた次第です。
ギャンブル依存症に関しては、「回復できる病気」という考えに立つことがまず大事ですが、昨日学んだのは「生きづらさを持っている人が依存症になる」という概念を変えないといけないこと。
「生きづらさ」は大なり小なり誰しもある訳であり、依存症になるならないは「そこ」ではない。
「お金にだらしない人」や「弱い人」がなる病気ではなく、誰もが罹る可能性がある「病気」であることを理解してもらう必要があります。
また、ギャンブル依存症対策に必要なのは「回復する仕組み」。
そして、「仕組み」につなぐためには、「考える会」や「家族の会」の存在を知っていただかないといけません。
こうしてブログやSNSでご紹介することで、いま困っている方(当事者・家族)に一人でも気づき、つなぐことができればと思います。






