柏崎刈羽原子力発電所の皆様に心からのエールを送ります

ブログ 原子力

「政策転換を歓迎する」と受け止めるべきなのでしょうか。
 
綱領に「原発ゼロ社会を一日も早く実現する」と明記していた立憲民主党ですが、公明党と結成した新党「中道改革連合」は「原発ゼロ」に触れず、基本政策でも「安全性が確実に確認され、実効性のある避難計画があり、地元合意が得られた原発を再稼働」すると明記したとのこと。
 
(注)本来「原子力発電」と書くべきですが、ここは引用のため、そのまま「原発」と表記することをご容赦ください。
 
あらためて、昨夏の参院選で立憲民主党が掲げた公約を読むと、次のようにあります。
 
<2025参院選公約における立憲民主党のエネルギー政策(抜粋)>
 
◉50年までのできる限り早い時期に化石燃料にも原子力発電にも依存しないカーボンニュートラルを達成
◉原発の新増設は認めない。廃炉作業を国の管理下におく体制をつくる。実効性のある避難計画の策定、地元合意がないままの原発の再稼働は認めない
◉今後10年で省エネ・再エネに200兆円(公的資金50兆円)を投入する
 
同党の〝背骨〟とも言える政策を、公明と足並みをそろえるために条件付きで再稼働を容認した転換に、与野党から疑問視する声が上がっているところ、国民民主党の玉木雄一郎代表が述べた「背骨となる政策がこんなに簡単に変わるのか、という印象だ」との言葉に、私も思いをともにする次第です。
 
いずれにしても、AIなどの急速な発展に伴い電力需要が増加に転じた日本において、低廉な電気の安定供給のためには既設原子力発電所の早期再稼働は待ったなしであるとともに、この先、脱炭素電源である原子力発電所の、さらに安全性を高めた次世代革新炉によるリプレースや新増設まで進めることが「現実的」な政策であると考えるもの。
 
と同時に思うのは、「化石燃料(火力)」の扱いをどうされるのか。
 
転換したとはいえ、2050年までのできる限り早い時期に「省エネ・再エネだけで電力を賄う」としていた政策を、新党はトータル的にどのようなエネルギー政策にするのか注視する次第です。
 
さて、先に述べたよう、喫緊の課題は既設原子力発電所の早期再稼働にあるところ、東京電力は20日に予定していた柏崎刈羽原子力発電所6号機(以降、柏崎刈羽6号)の再稼働を見送ると発表しました。
 
17日に発生した制御棒の警報が作動しないトラブルで、動作確認が最長21日ごろまでかかる見込みとなったことが理由とあり、その後の状況を心配していましたが、2月26日を予定する営業運転の再開に大きな影響は出ないとの見方を示したとのことでやや安堵。
 

【自身も半年間お世話になった、再稼働間近の柏崎刈羽原子力発電所(原子力産業新聞より引用)】
 
なお、長い道のりを経て再稼働にたどり着こうとしている同発電所は、昨年12月24日に東京電力が柏崎刈羽6号機(ABWR、135.6万kWe)について、原子炉起動予定日を2026年1月20日、営業運転開始予定日を2026年2月26日とした使用前確認変更申請書を原子力規制委員会へ提出(あわせて、6号機の運転開始に伴い共用設備を使用する必要があるため、7号機も使用前確認変更申請を提出)。
 
その後12月22日に、新潟県議会が柏崎刈羽6・7号機の再稼働容認を表明した花角英世知事を信任する決議案を可決。
 
翌23日、花角知事が赤澤経済産業大臣に再稼働の地元同意を正式に伝達し、再稼働に向けた議論は最終段階に入るとともに、原子力規制委員会から試験使用の承認が得られたことを受け、ここに至っています。
 
また、原子炉起動から営業運転開始までの当初の主な工程は、まず、2026年1月20日を予定日として原子炉を起動。制御棒を引き抜き、原子炉内で核分裂反応を開始した後、原子炉の出力を徐々に上昇させる。
 
この過程で、原子炉冷却系や制御系などが設計どおり機能しているかを確認する。
 
次に、原子炉で発生した熱を用いてタービンを起動し、その後、発電機出力をおよそ50%まで段階的に引き上げる。この時点で一度中間停止を行い、主要機器の設備状態を詳細に点検する。
 
中間停止後は、再び原子炉を起動し、同様に出力を上昇させ、タービンを再起動したうえで発電機出力を高め、最終的に原子炉の定格熱出力を約100%まで到達させる。
 
定格出力に達した後は、総合負荷性能検査を実施。
 
これらの工程を経て、2026年2月26日に営業運転を開始する予定としており、現在遅れてはいるものの、2月26日の営業運転開始に向け、何をおいても安全最優先で、着実に工程を進める関係者の皆様に、心からのエールを送る次第です。