2025年5月20日
敦賀発電所1号機の廃止措置計画工程を変更
55年前に開催された「1970大阪万博」会場に“原子の灯”を送った日本原子力発電株式会社(以下、日本原電)の敦賀発電所1号機(以下、敦1)。
営業運転開始日(1970年3月14日)を誕生日とすれば、私より2歳上。
私自身にとっては入社以来、愛情込めて機械設備の保修業務に携わった“マイプラント”であり、その思いについては、これまで幾度も述べているところ。
発電所に係る皆さんが、親しみを込めて呼ぶ「敦1(つるいち)」ですが、昨日はこちらに関する話題がありました。
既に日本原電より「敦賀発電所1号機 廃止措置計画の工程変更に伴う変更届の提出について」とのタイトルでプレス発表がされており、これをなぞる形になりますが、2017年4月19日に原子力規制委員会から廃止措置計画の認可を受けた以降、各種設備の解体撤去等を進めてきたところ、同社は、廃止措置完了時期を2040年から2047年に変更(7年延期)し、昨日、福井県及び敦賀市に報告するとともに、廃止措置計画の変更届を原子力規制委員会に提出したとのこと。
なお、今般の変更は、2026年度から原子炉本体等の解体を予定していたところ、解体廃棄物の保管予定エリアにある大型機器の解体に時間を要することから、原子炉本体等の解体着手を延期することとしたとあり、同社は、引き続き、安全確保を最優先に、敦1の廃止措置に取り組むとともに、廃止措置の状況については、丁寧な情報発信に努めるとしています。
→日本原電のプレス資料(2025年5月19日)はこちらをご覧ください
これだけ読んでも、理由がよく分からないかと思いますので、同プレスに添付されていた説明資料を基に解説いたしますと、敦1に関してはこれまで、タービン・発電機等の解体や、原子炉建屋内・タービン建屋内の機器、屋外の機器の解体を進めてきているところ、2026年度からの原子炉本体等の解体のためには、解体廃棄物を保管する予定のエリアにある大型機器(※サプレッション・チェンバ)をまず解体する必要があります。
※サプレッション・チェンバは、原子炉運転中に事故が発生した際に、原子炉で発生した蒸気を凝縮して原子炉圧力の上昇を抑えるための設備。直径:約34m、断面直径:約8m、円環外周:約100mの円環状の容器の中に防錆剤を含んだ水を約1,500トン貯めている状態にある。

【図中右の赤斜線の部分を先に解体しないと、①(原子炉本体)の解体物を保管できない】
敦1に携わった我々は、略して「サプチャン」と呼ぶ、このサプレッション・チェンバの解体に向け、廃止措置計画申請当時からメーカーと検討を進め、解体の見通しを得ていたものの、当該メーカーが事情により受注体制の構築が困難となったこと、その後、新たなメーカーを選定し、検討した結果、解体に必要な装置の設計・製作や水処理、解体等に7年程度を要することを確認。
一方、廃止措置工程に影響が出ないよう、サプチャンの解体を、原子炉本体等の解体と並行して行えないかも検討した結果、解体廃棄物の保管に必要な移送ルートやスペース、放射線のしゃへい能力の十分な確保が難しいことから、安全を最優先に考え、当初の計画通りサプチャン解体完了後に 原子炉本体等の解体に着手とせざるを得ない(並行ではなく順番に)ことから、今回の工程変更に至ったとのことでした。
私は、原子炉建屋の中が手に取るように分かるだけに、構造的・技術的にそうせざるを得ないことを重々理解するものですが、延期の期間が「7年」と聞けば、遺憾に思う気持ちもまた理解するところ。
建設工事がそうであったよう、廃止措置工事も日本のトップランナーとして、パイオニア的存在として進める敦1。
安全第一は言うまでもなく、半世紀以上に亘り、ご理解とご支援をいただいている地元の皆様への感謝のもと、こうしたことを広く丁寧にご説明することは、地元に根差した企業の責務であり、私自身も同様、組織内議員としての役割と責任を果たしていきたいと存じます。






