南鳥島における文献調査に関する「村民説明会」が開催される

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東京都小笠原村に所属する小笠原諸島の島「南鳥島(みなみとりしま)」。
 
本州から約1,800km離れた日本の最東端で、日本列島東側の太平洋を南北に走る日本海溝を隔てた唯一の南鳥島は、現在一般住民(民間人)はおらず、防衛省(海上自衛隊)や国土交通省(関東地方整備局および気象庁)の職員が常駐しているのみで民間人は立入禁止。
 
観光目的で訪問することもできない島。
 
地震学者曰く、「南鳥島は、火山の噴火や地震がない太平洋プレートの上に載っている島」だそう。
 
その南鳥島といえば、海洋研究開発機構が今年2月2日、地球深部探査船「ちきゅう」が南鳥島沖の海底約5600メートルの海底から、レアアース(希土類)を含んだ泥の採取に成功したとの発表があったところ。
 
今後、精製試験などを重ね、2028年3月までに経済性評価を行う予定とありましたが、この分野のスピードは早く、日米両政府は19日に予定する高市首相とトランプ大統領の首脳会談で、レアアースなど重要鉱物の調達先を拡大する貿易協定に向けた行動計画をまとめる方針を固めたとあり、南鳥島沖のレアアースの共同開発を確認する方向でも最終調整に入ったと報じられています。
 
いずれの取り組みも、輸出制限など経済的威圧を強める中国への依存から脱し、日米が合同でサプライチェーンの強化を図ることが目的であることは言うに及びませんが、日本の領土に存在する、こうした貴重な資源に期待を寄せる次第です。
 
その南鳥島を巡り、東京都小笠原村の父島で昨日行われたのは、原子力発電所で発生した「高レベル放射性廃棄物(※1)の最終処分」に関する村民説明会。
 
※1 経済産業省では「特定放射性廃棄物」と表記
 
こちらは、3月3日に経済産業省が同村に対し、高レベル放射性廃棄物の最終処分場選定に向けた第1段階である「文献調査(※2)」を、南鳥島で実施するよう正式に申し入れたことを踏まえて行われたもの。
 
※2 文献調査は、処分地選定に直結するものではなく、調査を受け入れていただいた市町村の地質等に関する文献・データを調査分析して情報提供することを通じて、市町村でこの事業について議論を深めていただくためのものであり、いわば、対話活動の一環です(経済産業省HPより)。
 
説明会は2回、いずれも非公開で行われ、父島の住民約2千人のうち計約240人が参加。
 
説明会に出席された住民からは、風評被害を懸念する声が上がった一方、電力需要の高まりを指摘し「原子力は必要だ」とする意見もあったとのこと。
 
なお、高レベル放射性廃棄物の最終処分(地層処分)に関しては、原子力発電環境整備機構(NUMO)のホームページで以下のように分かりやすく説明されています。
 
<NUMOホームページより引用>
 
エネルギー資源に乏しい日本では、原子力発電で使い終わった燃料のうち95%から97%は燃料としてもう一度利用できるため、リサイクルして再び燃料として使うことにしています。
 
一方で、リサイクルした後に残る廃液は、再利用できないことに加えて強い放射線を出します。
 
私たちは、これを安全に処分できるようガラスと混ぜて固めたものを、地下深くの安定した岩盤に閉じ込めて処分するための事業に取り組んでいます。この処分方法を「地層処分」といいます。
 

 
地層処分の詳しくは、以下NUMOホームページをご覧ください。
 
→NUMOホームページはこちら
 
報道などではよく「核のごみ」と称されますが、正しくは「高レベル放射性廃棄物」であり、どこか負のイメージを抱かせる呼び方はやめていただきたいと以前から思うところですが、今回申し入れた「文献調査」を小笠原村が受け入れた場合、全国4例目となります。
 
国は、約20年かけて行われる3段階のプロセスを踏まえ、最終処分場1カ所を選定し、地下300メートルより深い岩盤に埋める「地層処分」とする計画を立てており、この問題を解決するのは原子力発電所の立地如何を問わず、電力消費地を含めた日本全体で考える「現世代の責任」であります。
 
小笠原村では、父島の南約50キロにある母島でも21日に村民説明会が開かれる予定とあります。
 
こうした計画を進めるにあたり、何より重要なのは住民の皆様のご理解。
 
まずは静かな環境で、科学的な視点のもと開催されることを切に期待する次第です。