ドイツと事情が異なる日本の選択肢

エネルギー ブログ

東日本大震災から15年の昨日。
 
活動は普段どおり、朝の辻立ちから議会へ。
 
敦賀市議会では、10時に開会した本会議の冒頭、浅野議長より、犠牲となった方々に謹んで哀悼の意を捧げるとの言葉に続き、議場の全員で黙祷を捧げました。
 

【昨日の辻立ちは、震災の記憶を思い返しながら。】
 
その後は代表・一般質問2日目の議事に入り、日本共産党敦賀市会議員団の代表質問、6名の一般質問が行われました。
 
各議員が取り上げた主な質問項目は、市長の基本認識、人間ドック拡充の取組、障がい福祉サービスの改善、今冬の大雪への対応、5歳児健診導入、ご当地ソング、子育て支援についてなど。
 
それぞれの視点や切り口、思いを拝聴いたしました。
 
なお、質問最終日の今日は、残る5名が登壇されますので、従前同様に注視いいただければ幸いです。
 
さて、3.11と重なった質問の中に、「再生可能エネルギーへの本格的な転換を進め、原子力発電ゼロ(※)の日本を目指すべきと考えるが市長の見解を伺う」との問いがありました。
 
※本ブログでは、原文中(発言含む)の「原発」はすべて、「原子力発電(所)」に置き換えていることをご了承ください。
 
これに米澤市長は、国のエネルギー政策も踏まえつつ、我が国にとって原子力発電は今後も必要と、明確に答弁された訳ですが、「原子力発電ゼロ」でよく例に出されるドイツを見てみると、ちょうど「エネルギーレビュー vol.540 2026年1月号」に国際環境経済研究所所長で常葉大学名誉教授の山本隆三氏の記事が掲載されていました。
 
記事を抜粋すると、ドイツは2023年4月15日に最後まで稼働していた3基の原子力発電所を停止し、11年の福島第一原子力発電所事故直後に決めた脱原子力を実行した。
 
ドイツ経済は不振だ。その原因のひとつは、ロシアから半世紀にわたり供給され、産業と生活を支えた安価な天然ガス供給が失われたことによるエネルギー価格の高騰だ。もうひとつの原因は、輸出入を通じ深い関係にある中国経済の不振の影響だ。ドイツの実質国内総生産(GDP)の伸びは、2023年、24年と前年比マイナスだ。
 
エネルギー価格の上昇はエネルギー多消費型産業を直撃し、2018年からの化学産業の生産量の落ち込みは2割を超えた。ドイツ産業の柱である自動車業界も、電気自動車(EV)市場の読み間違い、中国市場での不振があり、生産と雇用の維持に四苦八苦している。
 
そんな状況下で、電力需要は大きく増加すると予測されている。前政権は2030年の電力需要を、今のほぼ5割増の7500億キロワット時としていたが、低成長に加え、EV市場の伸び悩みもあり、現政権は6000億から7000億キロワット時の間になると予想を引き下げた。
 
電源確保のため、ドイツ政府は1200万キロワットの天然ガス火力の導入を計画しているが、温暖化の観点から欧州委員会との議論になり、導入は不透明だ。閉鎖予定の石炭火力を予備電源として確保する可能性もあるとされるが、事業者が満足する費用が支払われるのかはっきりしないので、これも不透明だ。
 
再稼働が可能であるならば、安定電源として原子力発電を使うべきだろう。2025年4月の世論調査では、原子力発電への回帰賛成55%、反対36%、分からない9%だ。
 
経済が低迷する中とはいえ、電気料金と安定供給の面で再稼働がなくても大丈夫とするのは解せないが、エネルギー水産業協会(BDEW)と日本の経団連に相当する産業連盟(BDI)との会話から共通して読み取れたのは、周辺諸国が原子力発電の新設に力を入れているから、ドイツがあえて原子力に乗り出さなくても、当面は周辺国からの原子力の電気を輸入すれば良いとの発想だ。ドイツの新政権と同じく日本の高市新政権も、競争力ある電気料金と安定供給を掲げている。ドイツと事情が異なる日本の目標達成の道は、原子力発電所の再稼働、建て替え、新設しかない
 
<引用終わり>
 
国民生活も経済活動も、電気料金の高騰に喘ぐドイツの状況は把握していましたが、「ドイツに学べ」と声高に唱える「再エネ100%」論者の方は上記の状況をどう説明されるのか。
 
「原子力ゼロ」を目指せと問わねばならない立場は立場として、近年の国内外の情勢から、「原子力か再エネ」かの二項対立論者は明らかに減少していると認識する次第です。