2026年2月23日
「令和8年度 新春防衛懇談会」を開催
昨日のブログでご紹介したよう、島根県などは「竹島の日」の22日、松江市で21回目の記念式典を開催。
式典には、「日本の領土を守るため行動する議員連盟」や地元の国会議員15人、隠岐関係者ら計約420人が出席したとありました。
なお、高市早苗首相は昨年の自民党総裁選で、本式典に閣僚が出席すべきと主張していたものの、政府からの派遣は古川直季・内閣府政務官のみ(政務官の出席は14年連続)。
高市政権の誕生による進展を期待していた会場の一部からは古川政務官に対し、「なぜ大臣じゃないんだ」「恥を知れ」などと激しいヤジが飛ぶ場面もあったとのこと。
せっかく派遣された方にヤジを飛ばすことが決して良いこととは思いませんが、昨日述べたような、国に対する地元関係者の忸怩たる思いがそれだけ高まっていると理解するところです。
さて、こうして、わが国の領土問題を考える日にちょうど行事を催したのは「敦賀防衛懇話会」。
この会は、私も理事として参画しており、会則にある目的は以下。
(目的)
この会は、陸上・海上・航空自衛隊の隊員が安じて任務に邁進できるよう民間防衛基盤の育成強化を図り、自衛隊の実施する各種行事の支援協力を行うことを目的とする。
事業活動としては、防衛意識の普及向上、講演会・懇談会の実施、自衛隊の広報・募集活動への協力支援や隊員に対する激励・慰問など。
私は会に参画してまだ5年程度でありますが、平成12年の設立以降、四半世紀に亘り活動を継続されている先輩方に敬意を表する次第です。
この日は、プラザ萬象の会議室にて定期総会、場所を大ホールに移しての新春防衛講演会、懇談会とシリーズで開催。

【定期総会と新春懇談会の資料】
講演会では、陸上自衛隊 第10師団長の垂水達雄 陸将より、「厳しい安全保障環境下における第10師団の取組について」をテーマに、大変貴重なお話を伺いました。
なお、第10師団とは、陸上自衛隊の5つある方面隊のうち、東海・北陸・近畿・中国・四国地区2府19県の防衛警備の任にあたる中部方面の隷下部隊にあたり、愛知県名古屋市に位置する守山駐屯地に司令地を置き、富山・石川・福井・岐阜・愛知・三重の東海北陸6県の防衛警備に任じ、災害派遣、民生協力及び国際平和維持活動等の国際貢献を行っています。
その師団長がお越しいただいたことだけでもありがたいことですが、日本を取り巻く安全保障環境を語る垂水陸将の「21世紀に入ってなお、武力による他国への主権侵害が起きている事実を強く認識せねばならない」との言葉が一番印象に残りました。
また、講演会で紹介のありました「防衛白書(令和7年版)」では、わが国を取り巻く安全保障環境(第1章)概観に次のとおり説明されています。
現在の安全保障環境の特徴として、第一に、普遍的価値やそれに基づく政治・経済体制を共有しない国家が勢力を拡大している。また、力による一方的な現状変更やその試みは、法の支配に基づく自由で開かれた国際秩序に対する深刻な挑戦であり、ロシアによるウクライナ侵略は、最も苛烈な形でこれを顕在化させている。国際社会は戦後最大の試練のときを迎え、新たな危機の時代に突入しつつある。グローバルなパワーバランスが大きく変化し、政治・経済・軍事などにわたる国家間の競争が顕在化している。特に、中国と米国の国家間競争は、様々な分野で今後も激しさを増していくと思われる。
第二に、科学技術の急速な進展が安全保障のあり方を根本的に変化させ、各国は将来の戦闘様相を一変させる、いわゆるゲーム・チェンジャーとなりうる先端技術の開発を行っており、従来の軍隊の構造や戦い方に根本的な変化が生じている。
第三に、サイバー領域などにおけるリスクの深刻化、偽(にせ)情報の拡散を含む情報戦の展開、気候変動などのグローバルな安全保障上の課題も存在する。
領域をめぐるグレーゾーン事態は恒常的に生起しており、また、武力攻撃の前から偽情報の拡散などを通じた情報戦が展開されるなど、軍事目的遂行のために軍事的な手段と非軍事的な手段を組み合わせるハイブリッド戦が、今後さらに洗練された形で実施される可能性が高い。
<抜粋引用終わり>
ここでいう「グレーゾーン事態」とは、純然たる平時でも有事でもない幅広い状況を端的に表現したもの。
例えば、国家間において、領土、主権、海洋を含む経済権益などについて主張の対立があり、少なくとも一方の当事者が、武力攻撃に当たらない範囲で、実力組織などを用いて、問題にかかわる地域において頻繁にプレゼンスを示すことなどにより、現状の変更を試み、自国の主張・要求の受入れを強要しようとする行為が行われる状況をいうとあり、日本においてはまさに、北方領土や竹島の問題がこれにあたると認識する次第です。
なお、垂水陸将からは続けて、これらに対応する第10師団の取り組みや、自衛隊組織のご紹介など、限られた時間の中で緊張感のある、分かりやすい講演をいただき、心より感謝いたします。
その後行われた懇談会においては、陸上自衛隊の金沢、鯖江駐屯地、海上自衛隊 舞鶴地方隊、航空自衛隊第6航空団 小松基地、自衛隊福井地方協力本部の各方面よりそれぞれお越しいただき、お話することができました。
皆様におかれましては、やわらかな語り口の中にも凛とした雰囲気、そして発するお言葉から「国を守る」という使命感に満ちた隊員の皆様を本当に頼もしく感じた次第であり、そうした方々への感謝と敬意を忘るることなく、私自身は今後も引き続き、敦賀防衛懇話会の一員として、会則にある「自衛隊の隊員が安じて任務に邁進できるよう」微力ながら役割を果たしてまいる所存です。






