2026年1月4日
亡き仲間のために走り続けるということ
すっかり“正月の風物詩”として定着した「箱根駅伝」。
第102回東京箱根間往復大学駅伝は結果して、青山学院大学(以下、青学大)が圧倒的な強さで史上初となる2度目の総合3連覇を果たしました。
1区16位の出遅れから、5区で「※シン・山の神」黒田朝日選手の異次元の走りにより劇的な逆転で往路を制した青学大は、復路では一度も首位を譲らず大会新記録で駆け抜け、直近12年で9度目の総合優勝という驚異的な強さで幕を閉じました。
※新・真などの意味があるようなので、ここでは「シン」と表記しました。
これで歴代最多勝利監督となった原監督は采配のポイントについて「統計学、確率の問題。分析していく力が監督には求められる」と持論を語った後、「中国電力時代に日々電気料金の計算をしていた。中国電力時代に培った能力がここにも生かされている」と笑い飛ばしたそう。
選手のコンディションや特性を見抜き、最適な選手起用をする監督もさることながら、これに応える選手、10区間のどこかで「やってくれる」と思わせるチーム全体の雰囲気が、他チームにとっての脅威、裏を返せば青学大の強さと思う次第です。
加えて、今回の青学大には一層、“負けられない理由”があったと。
その理由とは、2年時には16人のエントリーに名を連ね、今大会も「本来なら走っていた存在」と言われた皆渡星七(みなわたりせな)さんが昨年2月に悪性リンパ腫で亡くなったこと。
前回大会は6区候補としてライバルでもあった佐藤有選手は「11月に(皆渡さんが)体調を崩してから『自分が頑張らないと』と思っていた」と、今回1年越しに思いを結実し快走。
チームとしても、今大会は皆渡さんの名前(星七)にちなんだ7つの「★」を記したたすきをつなぎ走り切ったとのエピソードを知り、沿道の声援や監督の檄など外からの鼓舞に加え、「彼に優勝を報告したい」との内面からの鼓舞が、今回の青学大の走りにつながったことに感動を覚えた次第です。

【青学大選手の腕に書かれた「★7」(星七)の文字(産経新聞WEBより引用)】
なお、皆渡さんの件に関しては、大学卒業後、地元の福井放送でアナウンサーとして活躍している、青学大陸上部前主将の田中悠登さん。
敦賀気比高校出身の田中アナは、箱根駅伝に2度出走し、昨年の第101回大会では9区2位でチームの8度目の総合優勝に貢献した選手ですが、彼にとって皆渡さんは「本当に弟のような存在」だったそうで、「彼の分まで生きると約束」して以降、福井県内縦断100kmランを行ったり、今春には、皆渡さんの地元大阪で『ななつぼしマラソン』を開催すると、「星七のように、堂々と生きます」と強い思いをつづっていることを知りました。
こうして様々な人が、亡き仲間のために走り続けることは、皆渡さんが、皆の心の中で生き続けるということ。
三が日最後の昨日。
今は母だけとなった実家に兄弟・孫たちが集まり、亡父を偲んだところだけに、その心境が重なった次第です。






