2025年12月12日
「市立敦賀病院の人的基盤について」一般質問を終える
令和7年第4回(12月)定例会の一般質問最終日の昨日は、残る4名が登壇。
大谷吉継公を通じた敦賀の魅力発信や農業従事者の減少、地域に根差した医療人材の確保策について、それぞれ質問されました。
最終登壇者となった私は、「市立敦賀病院の人的基盤について」質問。
主には「人」に焦点を当て、病院事業管理者ならびに病院事務局長と真剣な議論のもと、職場環境の改善や看護師や医師、救急現場などの体制整備、さらには働き方、医療DX(テレロボットの活用など)に至るまで、考えや課題の共有を図るとともに、真摯かつ全般的に前向きな答弁が得られたと受け止めるところです。
本日のブログでは、自身の質問のやり取りについて、嶺南ケーブルネットワーク(RCN)議会チャンネルの録画から文字起こししたものでご報告いたします。
少々長くなりますが、ぜひご覧いただければ幸いです。
やまたけ質問 『市立敦賀病院の人的資源について』
【質問趣旨】
現在、市立敦賀病院においては、第3次中期経営計画に掲げた令和10年度までの黒字化を目標に取組を進めているものの、令和6年度の決算状況及び令和7年度の現状を踏まえると、目標どおりの黒字化は極めて厳しい状況にあります。また、公的医療の責務を果たすための基盤的コストである人件費に関しては、人事院勧告に伴う給与改定などにより増加する一方、病院経営の根幹を成すのは「人」であり、士気の維持に加え、ロイヤリティー(忠誠心や愛着)をもって従事いただけるか否か、つまりはその「基盤」をどう活かすかが、今後の敦賀病院の経営を左右する極めて重要な論点と考えます。
ついては、現状の体制や職場環境実態を踏まえ改善を図っていくことが、ひいては市民から安心で頼られる地域の中核病院であり続けることにつながると考え、以下質問いたします。

【昨日の質問の様子(RCN録画画面より加工引用)】
【質問やり取りの要旨】
※(お断り)答弁を受けての更質問までは記載していません
Q1:経営指標の一つである職員給与費対医業収益比率の令和6年度実績は68.3%となっており、先の9月定例会では、人件費の増加が経営に大きな影響を及ぼしているとの見解を示していますが、その要因ならびに現有職員体制(職員数や配置等)、職員の働き方、貢献度に対する評価をお伺いします。
A1:職員数は、正規職員が445名。育児休業などを取得する職員が増加しており、実働時間が減少している。このため会計年度任用職員の採用やアウトソーシングを行っている。職員は非常に忙しい環境の中、市民の命と健康を守るという使命のもと、日々献身的に業務に従事している。経営面の意識も非常に高く持ってくれている。職員の貢献度は極めて高いものと評価している。
Q2:職員給与費対医業収益比率の令和10年度目標(56.6%)が持つ意味合い(なぜこの数字か)、達成に向けてどう取り組む方針なのかお伺いします。
A2:第3次中期経営計画では、徐々に医業収益が増加すると想定し、令和6年度から10年度の各数値を見込んだ結果、令和10年度の職員給与費対医業収益比率の数値目標を56.6%とした。しかしながら、現在は人件費が増加し、医業収益も微増の状況につき、数値目標と大きい誤差が出ていることから、本年度に中期経営計画を見直し、新たな数値目標を設定したいと考えている。
Q3:②の目標達成に向けては、まずは医業収益を増加させることにより相対的に人件費割合を下げることであり、人的資源の効率化や人事処遇改善(負側の)は行わないとの方針で良いか、考えをお伺いします。
A3:職員の削減や処遇の改悪については、現在考えていない。まずは医業収益の増加に向けて、患者数の増加に取り組む。
Q4:持続可能な医療提供体制を確保する観点に加え、職員が士気高く、市立敦賀病院で働くことに誇りややりがいを持っていただくために実施すべきこととは何か、現在取り組んでいることも含め、考えをお伺いします。
A4:職員個人の開発的動機と組織の環境づくりを整えることが必要と考えている。環境づくりについては、病院の方針を共有し、それぞれの業務が病院の方針にどう結びつくかを確認する場を設けることが必要。スキルアップの機会も提供し、職員の成長を支える支援と、その努力が認められる風土づくりが必要と考えている。ESの場を通じて、お互いを褒め合うなどに取り組んでいる。
Q5:看護師の確保に関し、令和4年度から令和7年度(現時点まで)の年度内における離職者数、中途を含む新規採用者数の実態をお伺いします。
A5:令和4年度:離職18/採用18、令和5年度:離職22/採用18、令和6年度:離職26/採用18、令和7年度:離職6/採用16
Q6:主に若い世代の離職割合が多いと認識しますが、離職された方に理由は確認されているのか。確認されているのであれば、主な理由をお伺いします。
A6:主な理由は、転職、結婚、転居、育児であることは確認している。
Q7:看護部においては、就業規則にある制度(育児部分休業)の取得が一部制限されるため、それにより子育てと仕事の両立が成立せず、ご自身のライフスタイルやライフステージに合った働き方を諦めざるをえず離職を選択される方、あるいは権利としての制度が取得できないことへの不満などにより離職する事例が複数あるとのことですが、そうした事実は確認されているのかお伺いします。
A7:育児の部分休業について、就業規則上は、子どもが小学校就学前まで取得可能だが、子どもが4歳になったら復職して欲しいと職員にお願いをした。離職については、部分休業から会計年度任用職員に代わった職員がいることは確認している。
Q8:⑦の事例(制度の取得制限)が事実である場合、独自ルールをなぜ設けなければならなかったのか理由をお伺いします。その扱いは病院内のどなたの判断で、どの役職者までが把握されているのかお伺いします。
A8:取得期間の短縮については、当時の幹部の判断によるもの。理由としては新型コロナウイルスの対応による必要従事者の増や夜勤従事者の減少により、職員数が不足する事態があったためお願いをした。
Q9:こうした運用は、貴重な看護人材を自ら失うことに直結することから、すぐにでも改善すべきと考えますが、これを受けての対応についてお伺いします。
A9:取得期間の短縮は好ましいものではないと、看護の中での判断に至っている。指摘のとおり、一部制限をお願いしている部分休業の取得期間については、小学校就学前までとし運用していく。
Q10:本年10月1日からの本館3階病棟49床の休床により、看護師の夜勤体制が2名から3名体制となり、夜勤回数の減、72時間ルールの遵守につながったと認識するものの、依然として夜勤可能勤務者が少ないこと、夜勤の業務負担が大きい状態にあります。現在、ご尽力いただいている夜勤勤務者の確保状況と併せて、看護チームの一員として患者さんの日常生活や診療の補助に関わる周辺業務を担っていただく看護補助者に夜間も担っていただくなど、看護師の業務負荷軽減策を講じるべきと考えますが、考えをお伺いします。
A10:看護職員、看護補助員の採用を積極的に実施している。看護補助者については、令和6年4月と令和7年4月を比較すると5名増員している。しかしながら、看護補助者の雇用に関しては、夜が22時30分までとなっており、中々夜勤可能な補助者が不足している状況にある。今後、改善できないかというところはしっかりと対応していく。
Q11:救急医療体制に関し、断らない救急を徹底し、医療圏の救急患者を積極的に受け入れる役割を果たすためには、現在の常勤救急医1名(+非常勤の救急医1名)では脆弱であるとともに、夜間を含め、他の医師への超過勤務負担が否めない状況にあります。救急医について、まずは来年度において現有人員の確保がされているのかお伺いします。
A11:来年度からは常勤の救急医が派遣継続されない見込みとなっている。従って、現有人員の見通しは立っていない状況。
Q12:加えて、敦賀病院とは2次救急と3次救急の違いはあるものの、公立小浜病院では救急医が5人配置されているとのことであり、搬送者数から見ても「偏在」状態にあると認識します。ニーズに応える適正配置、内科・外科医師の負担軽減につなげるためにも、常勤救急医の増員を求めますが、関係大学や福井県へ派遣の要望を通じ、増員の見通しは立っているのかお伺いします。
A12:救急需要の実態から見ても、救急医の人員配置に偏在が生じているとの指摘は率直に受け止める。当院は3次救急に準じたミニ3次救急だが、そういう救急医療を続けて行っている。救急対応は、内科系、外科系医師が兼務する現在の体制というのは、医師の善意と献身に支えられている側面が強い状況にある。負担軽減の観点からも、常勤の救急医の増員が不可欠であると認識しており、派遣については毎年、最重要事項として福井県に強く要望を続けている。関連大学にも訪問し、派遣の要望を続けている。救急医が少ないという派遣原資がそもそも少ないという問題に直面しており、来年度の派遣の見通しも立っていない状況であるが、現在の体制にて、救急患者の受け入れには支障がないよう対応してまいる。
Q13:働き方に関し、まずは適正な労働時間管理が重要ですが、中期経営計画にある「勤怠管理のIT化による適正な労務管理」や「効果的なタスクシフトの実現」の対応状況について伺う。
A13:勤怠管理システムを導入し、労働時間管理の適正化を図っている。これらのデータも活用し、業務の平準化やタスクシフトに取り組んでいる。
Q14:なお、一部の職域においては、慢性的に時間外勤務が多く、「帰れない風土」があると聞く。事業管理者のリーダーシップのもと、病院全体として、職場風土の改善(メリハリワークの励行など)に取り組むべきと考えますが、考えをお伺いします。
A14:風土を変えるためには、組織的なアプローチと職員個人の意識改革の両面が必要。まず私(病院事業管理者)自身が、「帰れない風土」の是正に本気で取り組む姿勢を示すことが重要であり、長期間労働が常態化している部署への私自身の直接介入を行う。また、定期退勤を妨げる要因を整理した上で、要因の解決を図る。誤った意識を変え、「帰れない風土」一掃したい。職員が心身ともに健康で、安心して働き続けられる病院へと風土を変えていくことを、経営の最重要課題の一つとして全力で取り組む覚悟である。
Q15:働き方改革に関し、鍵を握るひとつは、中期経営計画にも掲げる「ICTの活用」ですが、導入・取組状況と挙げている効果をお伺いします。
A15:当院ではRPA(ロボティック プロセス オートメーション)がある。パソコン上の作業を自動化するシステムで効率化、職員の負担軽減を図ることができる。自動化範囲は今後拡張する予定。電子カルテ生成AIや動画作成AIの導入も進めている。
Q16:地域内の医療供給体制維持に向けては、限られた医療資源の中で、引き続き役割分担や連携強化を進めていくこととの考えが示されていますが、まずは慢性期の患者をいかに他の病院で診ていただけるか、それによって病院経営の効率化、人的資源の有効活用につながると考えますが、考えをお伺いします。
A16:当院では、ニーズに合わせて慢性期も担っている。今後も周辺の医療機関と協議を進め、連携の強化、機能分担はこれから推進していきたいと考える。
Q17:人材の確保に向けて、大学や高校、養成学校へ訪問して「当院の魅力」を伝えているとありますが、敦賀病院の「魅力」とは何かお伺いします。
A17:多様な医療を経験できること。このことにより、自身の目指す専門医療を深めながらも幅広いスキルの習得ができる。さらにキャリア形成のための資格取得や学会参加に対する支援が充実していることが挙げられる。また、地域との距離が近く、地域に直結していることを実感できる医療現場であることも魅力であり、この地域の医療を守るという使命感が職員の中に共有されている病院であるということも魅力と感じている。
Q18:先般(11月21日)、敦賀病院においてもデモが開催された「患者さんを笑顔にするテレロボット医療現場DX」(敦賀市立看護大学でも講演)に関し、その趣旨であった、看護師の業務においても新たなテクノロジーをどう活用できるか、ロボットが入り込むことによって無機質になるのではなく、人が関わったほうが良いことに看護師の力を注げるという観点から、むしろ血の通った看護になるという点など、デモに対する受け止めをお伺いします。
A18:テレロボットは、業務負担の軽減、窓口での患者さんの案内役としての機能はすぐにでも実践できる。高齢者に人気があるのも見たことがある。費用対効果など慎重に考える必要があるが、ロボットが業務を支援することによって、看護師が本来力を注ぐべき、患者さんに寄り添う看護、人にしかできないケアに時間と労力を振り向けられる可能性を広げるものと考える。引き続き、医療DXの活用については推進してまいりたい。
Q19:実際、テレポートロボットを活用して、医療の分野で「遠隔面会:集中治療室にロボットツールを入れることも可能」や「遠隔教育:病室・自宅から教室にテレポートできる学校生活参加ロボット(テレロボ)」が利用されている。こうしたことの導入を通じ、敦賀病院でしかできない、入院患者や家族に希望を与えるような医療サービスの提供は、敦賀病院の魅力や選択につながるとともに、医療従事者にとってのやりがいや誇りにつながると考えます。ついては、地域(学校など)と連携を図りながら、こうした医療DXの導入を検討することを提案しますが、考えをお伺いします。
A19:当院でも過去にタブレットなどを活用した遠隔面会や遠隔教育を実践した実績がある。私(病院事業管理者)自身、以前の病院でアバターロボットを利用した医療を経験したことがある。テレロボットによる、遠隔面会や遠隔教育は、入院という非日常にある患者さんやご家族にとって物理的な距離を超えてつながり保つことにつながることを可能にする。そして、精神的な支えや生活の質の向上に大きく貢献するものと思う。この分野は進化がめざましく、今後さらに大きな期待があるものと思っている。今後も患者さんやご家族に希望を与えるようなサービスについては、医療DXを活用しながら、推進を今後考えてまいる。
(結びに)
医療の分野に従事される方々は、地域にとって財産であると言えます。現在、経営環境が厳しさを増す中にあっても、引き続き「人への投資」をお願いするとともに、地域の中核病院であり、最後の砦とも言える市立敦賀病院を、地域のみんなで守るとの意識を共有し、知恵を出し合っていくことを申し述べ、一般質問を終わります。ありがとうございました。
なお、今回は、病院職場の最前線で働く方々の声、そして、10月に急逝した父の入院(市立敦賀病院に)の際、肌で感じたことをもとに質問いたしましたことを補足いたします。






