関西電力美浜発電所3号機と高浜発電所1~4号機の運転差し止めを「認めず」

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センバツ高校野球に続き、昨日は待ちに待ったプロ野球が開幕。
 
本格的な球春到来に加え、靖国神社の桜も開花宣言、そして敦賀では今日から「花換まつり」と、広がる青空と相まって春の訪れを感じる次第です。
 
そうしたなか、昨日は注目の裁判。
 
福井県内にある関西電力美浜発電所3号機と高浜発電所1~4号機について、地元住民らが関電に運転の差し止めを求めた2件の仮処分申請で、福井地裁は、いずれも差し止めを「認めない」決定を出しました。
 
2件の仮処分申請で、住民側はとりわけ、美浜3号機と高浜1、2号機が「40年超」で、※高経年化に伴う設備の劣化で事故発生のリスクが高まっていると訴えました。
 
※高経年化
原子力発電に慎重な方や、今ではマスコミも普通に「老朽化」のワードを使っていますが、技術用語にそのような言葉はありません。運転年数の長期化に伴う劣化などは「高経年化」、40年を超える発電所などは「高経年プラント」と呼ぶのが正しいため、皆様もお気をつけください。
 
これに対し、関電側は「施設の経年劣化を加味して安全性を確保している」などと反論。
 
訴えを退けるよう求めた結果、福井地裁は、関電の主張を認めました。
 

【写真は、安全性向上対策工事中の高浜発電所1(手前)、2号機(奥)】
 
全国の地裁では、過去に同様の裁判で原告側勝訴の例もあるだけに注視していた訳ですが、こうして科学的根拠に基づく、妥当な判断がされたことに安堵したところです。
 
なお、関電は運転開始から来年で40年となる高浜3、4号機も運転期間延長認可を規制委に申請しており、こちらも認可に向け、粛々と審査を進められることを見守る次第です。
 
また、エネルギーに関しては、連日追い掛けている「自然エネルギー財団」を巡る問題について、昨日は国民民主党の榛葉賀津也幹事長が会見で以下のように述べました。
 
そもそも管轄外なのに、なぜ河野太郎氏は気候変動の問題に携わっているのか。
 
河野太郎氏は外務大臣の時も、なぜか気候変動有識者会議を立ち上げ、この気候変動有識者会議に河野大臣は「自然エネルギー財団」の執行役員を3名も入れ政府の方針と異なる答申を出した。
 
河野太郎氏が防衛大臣の時も防衛施設を再エネにするという方針を出し、5割が再エネの基地もあるが、どの基地が、どれほどのエネルギーを使用するかが外部に漏れる事になる。
 
再エネ100%の基地や駐屯地もあるが、その再エネ企業の一部は華僑が大株主だ。
 
国家安全保障に直結する問題であり、なぜ河野太郎氏が「自然エネルギー財団」を重要するのか、本件の説明責任は内閣府と大臣にある。
 
以上が会見の要旨ですが、この重大な問題が大きく取り上げられないことが不思議でなりません。
 
ついては、国民民主党が追及しているよう、この問題の本質部分を明らかにしていただくとともに、次期、第7次エネルギー基本計画に向けた議論が本格化するにあたり、国の検討機関においては、真に公平公正な委員選定がされることを求めて止みません。