生きがいに命燃やして

ブログ 人生観

プロ野球オリックスからドジャースと2035年まで12年契約した山本由伸投手が昨日、本拠地のドジャースタジアムで入団記者会見。
 
報酬の総額は、投手で過去最高の3億2500万ドル(約465億円)と、破格の評価をされた山本投手ですが、背番号「18」のユニホームに袖を通し自己紹介した後、「「今日からはワールドチャンピオンになるために、もっと野球が上手くなれるよう新しい毎日を過ごすことをファンの皆さまに約束します。本当の意味で憧れるのをやめなければいけません。自分自身が憧れてもらえるような選手になれるよう、頑張ります」と、今年のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)で大谷翔平選手が檄を飛ばしたフレーズを使って活躍を誓いました。
 
タイトルを総なめし、文句なしの日本No.1の投手でありながら、「もっと野球が上手くなれるよう」と努力する姿勢に、No.1たる由縁を感じた次第ですが、来シーズンの活躍を心から応援する次第です。
 
さて、メジャーに挑戦する選手だけでなく、スポーツの世界に共感し、感動するのは、「人生を懸けて」目標に向かって挑戦する姿、それを成し遂げるストーリーにあるのだと思います。
 
私自身、そうして一心に、「生きがい」をもって打ち込む人生模様に励まされ、勇気をもらうことはこれまで何度もあった訳ですが、ちょうど昨日の福井新聞に「生きがいに命燃やして」とのタイトルでコラムが掲載されていました。
 
記事には、医者嫌いで有名な養老孟司さんが、緊急手術で一命を取り止めた後、好きな昆虫採取に出かけられるほど回復したものの、入院時の検査で発見されたがん化の恐れがあるポリープなどを放置することにしたことを例に、担当医師が「養老さんは医者嫌いというより、生きがいを奪われることが何より嫌なんですよね。現代の医療システムに組み込まれることへの強い警戒があるんだと思います。」と述べたこと。
 
つなりは、養老さんの生きがいは、森や林に分け入り、汗をかきながら虫を追うこと。持ち帰った虫たちを顕微鏡で観察しながら思索に耽ること。それが出来ないなら、生きていても仕方ない…と。
 
また、かの漫画家 手塚治虫さんも大病を患った際に、プロダクションの社長に言った言葉は「頼むから仕事をさせてくれ」だったとあり、理屈ではなく、漫画を取り上げられたら死んでしまう、そんな感覚であったとも。
 
現に手塚さんは、入院中も連載を続け、最後の日記には、がん患者が死を前に病室のトイレに天井絵を描くという漫画のあらすじが記されていたとのこと。
 
コラムは、「手塚さんにとって、漫画を描くことと生きることは同義だったんでしょうね。」との言葉で結ばれていましたが、タイトルにあったよう、「生きがいに命燃やして」送った人生は、まさに生きた証であり、充実した幸せなものであると、改めて感じた次第です。
 
いま51歳の私ですが、孔子の『論語』では、「五十にして天命を知る」とあります。
 
直訳すると、50歳になって天から与えられた自分の使命を悟ることができたという意味ですが、悟りにまで辿りついていないのが現状。
 
このコラムに出会ったことも何かの思し召しと受け止め、この年末年始によく考えたいと思います。
 

【昨晩の特別警戒パトロールで見た夜空。星一徹の「あの星のように」ではありませんが、雲間に輝く月にコラムの言葉を重ねた次第。】