「福井県感染拡大注意報」発令は「想定事象」〜引き続き「基本対策」の徹底を〜

ブログ 新型コロナウイルス

ここ最近の全国各地での感染状況、加えて年末年始の帰省シーズンが重なると言うこともあり、私自身は「想定事象」としていた福井県内での感染拡大。
 
8日の28人、9日の27人に続き、昨日は48人の新規感染者が確認され、杉本知事は14時より臨時の記者会見を行い、県独自の基準に照らし「福井県感染拡大注意報」を発令するとともに、従来同様、自らスライド資料を用い県内の感染状況を説明されました。
 

【直近1週間の新規感染者数をもとに「注意報」を発令(福井県発表資料より)】
 
説明終了後、記者からの「県民に一番呼び掛けたいことは何か」との問いに対し、「皆さん自身が感染しないこと」と答えられた際には、「そりゃそうだろ」と思わずツッコミを入れてしまいましたが、私の考えは浅はかで、知事の言わんとするところは、感染要因を分析するに「基本対策を徹底すれば防げる」との思いがあっての発言と理解。
 
そのことを裏付けるかの如く、福井県ではこれまでも感染経路の特定とともに(現時点ではまだ経路を把握できている)、丁寧な疫学的調査、状況の聞き取りなどにより、「数字で根拠」を示してきているところですが、昨日説明のあった状況からは、大きな特徴が2点。
 
1.県外由来系統による感染が98%
◉1月5日〜10日の感染状況からは、48系統(感染経路)のうち県外系統が47系統(97.9%)となっている。
 
2.感染経路の特定できる感染者の96%が、会話時のマスク着用なし
◉同じく1月5日〜10日の感染状況から、感染経路が特定可能な事例107件のうち、103件(96.3%)がマスクなし。
◉マスクなし事例では、飲食を伴う事例がほとんど。
 
こうした状況を踏まえ、「注意報のポイント」でも「感染拡大防止へ、一人ひとりが感染対策を再確認」をキャッチフレーズに、飲食の機会を控えよと言うのではなく、認証店の利用やそうした際においても「おはなしはマスク」を徹底すること、また県外往来に関しては感染拡大地域との往来は慎重になどの具体的な取組項目を挙げ、注意喚起を図ったところです。
 
 →→→杉本知事による臨時会見時の説明資料(1月10日)はこちらから
 
一方、もうひとつの視点として、海外事例や国内におけるこれまでの感染状況を数字的に見ても、「重症化率は低い」ことは明らかなよう。
 
福井県の発表データが示すよう、134人感染のうち、重症者※はゼロ(現時点でICU使用ゼロ)、病床使用も29床であることから、こちらも数字が証明する事実がここにあると認識する次第。
 
※重症者の定義:ICUに入室または人工呼吸器を装着した方(福井県新型コロナウイルス感染拡大防止対策チーム「患者の状況等について」資料より引用)
 
肺炎にもなりにくいオミクロン株を捉え、「風邪と変わらない」と述べる有識者もおられ、私自身も多数の感染者が発生している(検体がそれだけ多い)沖縄や東京の状況からして、過度に恐れる必要はないと考えるものです。
 
とは言え、こうした場合に常に頭に浮かぶのは医療従事者の姿。
 
重症化率は低いとはいえ、入院・宿泊療養者への対応を始め、感染者が増えれば重症者も今後増えることが想定されることから、最も留意すべき「地域の医療体制を守る」ため、ここは「感染しても風邪程度だから」と気を緩めるのではなく、皆で「医療負担を低減させる」との思いのもと、ひとり一人の感染対策で感染拡大を防止していくしかないとの考えに至る次第です。
 
また、この「注意報」発令により、敦賀市議会で予定していた「高校生との意見交換」も対面式からオンラインに切り替えざるを得なくなりました。
 
こちらは、公の立場の議会が行うことを念頭に、学校にコロナを持ち込まないことに最大限配慮し対応するとの考えのもと、「平時では無くなった段階」でオンラインに切り替えるとの基準を広報広聴委員会として確認していたもの。
 
つまりは、「想定事象」が訪れたと言うことに過ぎないため、委員会で再度確認のうえ、対面と遜色なく実施できるよう対応を進めたいと思います。
 
行政においても、この状況を「想定事象」としリスク管理をされてきたことと存じますが、先週末行われた「新型コロナウイルス感染症対策本部会議」での対応確認以降、さらなる感染拡大レベルの引き上げを念頭に、庁内の勤務体制(行政機能維持の観点より)や公共施設の運営(市内在住者利用に限定するなど)についてどう対応していくのかについて、私自身も確認しておきたいと考えるところです。
 
いずれにせよ、このオミクロン株に対しても「最大限悲観的に備える」との危機管理の鉄則のもと、疫学的知見を的確に把握のうえ、冷静に対応することが何より肝要と考え、対応にあたる所存です。