「球都・敦賀」にふさわしいスコアボードが完成

ブログ 敦賀と野球

「今後このスコアボードが新しくなりました総合運動公園野球場において、球都・敦賀にふさわしく、多くの熱戦が繰り広げられることを期待しております」
 
これは、昨日の福井新聞に掲載された広告「祝 敦賀市総合運動公園野球場スコアボード改修工事完成」での、渕上隆信敦賀市長あいさつの一節。
 
私も全く同じ気持ちであります。
 
ちなみに、ご存知の方には釈迦に説法となりますが、野球どころ、野球が盛んなまちを表す“球都”は、千葉県木更津市、群馬県桐生市、愛媛県松山市、そして福井県敦賀市と全国に4つしかないと言われており、ここ敦賀は、大正から昭和初期にかけて「北陸では無敵」と呼ばれた敦商(とんしょう)の活躍、そこから成る野球好きの市民性がルーツとなっています。
 
実は、私のブログのカテゴリーに「敦賀と野球」を置いているのも、自分が野球好きということに加え、そうしたルーツにつながるような出来事を書き残したいとの思いからきていることを捕捉しておきたいと思います。
 
さて、その敦賀市総合運動公園野球場の“新”スコアボードですが、改修工事が終わり、昨日の全国高校野球福井県大会にて初使用。
 
昨朝は、公式戦を前に、市教育委員会並びに工事を担当した都市整備部のご配慮により、市議会議員にお披露目会と称した説明会を開催いただきました。
 
1987年に同野球場が竣工した際に「手書き式」であったスコアボードは、その後、2001年には当時主流であった「磁気反転式」(オセロのように単色の色板を反転させる方式)に生まれ変わったものの、約20年が経過し、機器の老朽化が進んだことに加え2019年頃から不具合が発生、昨年の夏の高校野球大会前にはとうとう制御不能の状態となったもの。
 
こうした変遷を経てきたスコアボードは、改修により、今度は最新の「LED方式」に生まれ変わり、従来に比べ高輝度で優れた視認性、表示が瞬時に切り替わる応答性を有していること、UMPIREの部分には、球速や球数、メッセージなどを自由に表示することができる機能を付加するなど、選手や観客にも見やすく、分かりやすいものになったことを実物にて確認することが出来ました。
 

【この日の第1試合、勝山高校vs武生高校の試合で初使用されたスコアボード】
 
また、以前にも申し上げたことの再掲となりますが、もうひとつ、私にとってかなり嬉しくも感激したことは、当初8月末としていた工期を「何とか夏の高校野球県大会までに間に合わせる」との思いを持って、敦賀市、受注者である酒井電機株式会社、機器製造にあたった東芝EIコントロールシステム株式会社など関係者の皆さんが対応にあたられ、こうして現実として「完成が間に合った」ことに対し、そのご尽力に心より感謝申し上げます。
 
加えて、忘れてならないのは、昨夏の制御不能以降、表示機能の無い野球場を見るに見兼ねた敦賀工業高校野球部の生徒らが中心となって製作していただいた「仮説スコアボード」については、この間見事に代役を務めてくれました。
 
今後は、別の場所で引取先が決まっているようですが、球児の思いが込められたこの仮設スコアボードが、今後新たな場で活躍されることを願っています。
 
さて、話しを高校野球県大会に戻しますと、雨で第3試合が中止になった敦賀会場でしたが、今朝の天気を見ると何とか試合が出来そうです。
 
そして何と天の巡り合わせか、本日の第2試合には敦賀工業が科学技術高と、第3試合には敦賀高校が高志と、敦賀勢が登場します。
 
昨日報道があり、私も極めて残念でならないのですが、新型コロナの学校クラスターで大会出場辞退を余儀なくされた福井商業高校野球部の計り知れない無念、思えば昨夏は、甲子園への道さえ閉ざされた先輩たちの無念など、こうして「聖地甲子園」をめざして試合ができることの大切さを思いながら、この新たな環境のもと、本日登場する両校に敦賀気比高校を加えた敦賀勢3校には、「球都・敦賀」を代表するにふさわしいプレーで健闘されることを強く願って止みません。

幕末の悲劇「天狗党」〜武田耕雲斎からの手紙〜

ブログ 敦賀の歴史・文化

7月5日に住所地が大阪府の方で1人、新型コロナウイルス新規感染のあった敦賀市ですが、一昨日8日は3人、昨日は4人と、ここ1週間で8人の新規感染者数となっています。
 
感染のあった市内のバーについては、既に公表もされているところですが、こうして店舗名を明らかにされることで濃厚接触者や推定者の特定がしやすくなり、ひいては感染拡大を最小限に留めることにつながることから、どのような形で感染されたのかは置いたとして、勇気を持って公表されたことを感謝するところであります。
 
今日も複数名の新規感染は免れないところかと推測しますが、数に一喜一憂することなく、対策の基本行動遵守に努めていきましょう。
 
さて、市内の状況がこうなってくると、中々外出するのも慎重になろうかと思いますが、感染リスクの低い場所で余暇を楽しむとの観点から皆さんにご紹介したいのが、市立博物館で開催されている特集展示「天狗党~武田耕雲斎からの手紙~」。
 
「幕末の悲劇」とも称されている水戸「天狗党」ですが、元治元年(1864年)に藤田小四郎らを中心に筑波山で挙兵した後、京にいる一橋慶喜を頼り、朝廷に尊王攘夷を訴えようと約千名が行軍、その年の12月、風雪の中、木ノ芽峠を越えて敦賀の新保村に着陣したものの、そこで幕府軍に捕らえられ首領の武田耕雲斎、藤田ら天狗党は、そこで処刑されるとのエピソード。
 

【展示物の写真撮影はNGにつき、入口でのみ撮影】
 
この特集展示では、天狗党や当時の水戸藩の事情、挙兵から行軍、新保で止まる行軍のあゆみなどの流れに沿い、武田耕雲斎が加賀藩を通じて追討軍総指揮・一橋慶喜の元へ届けられた手紙を始め、博物館に寄託・寄贈された60に及ぶ貴重な関連資料が展示されており、天狗党降伏までの様子を伺うことが出来ます。
 
また、NHK大河ドラマで話題の渋沢栄一の従兄・成一郎(喜作)が、栄一と共にこの時期、一橋慶喜の部下として働いており、天狗党と間違えられ捕らえられるなど、知られざる天狗党関連エピソードも一部パネル展示で紹介されています。
 
私も先日観覧してきましたが、幕末の動乱期にタイムスリップしたかのような気分になりました。
 
武田耕雲斎は那珂湊(茨城)での戦争の際、「大いなる紅葉二三を縫った白の陣羽織」を着用しており、展示コーナでも所用の陣羽織及び軍扇が展示されていましたが、この陣羽織には、水戸藩主斉昭が急進的な幕政改革を幕府に咎められたことにより、致仕・謹慎を命じられ、これに連座して謹慎となった時に耕雲斎が詠んだ歌「木かくれて常には見えぬ紅葉はの散りてこそ知れ赤き心を」の思いが込められていたことを知りました。
 
まさに「散って燃ゆる」のは陣羽織のみならず、耕雲斎の生き様自体を表したものであると、純粋な「誠」の文字を貫いた武士道に心打たれたところであります。
 
この特集展示の会期は、8月3日(火)まで。
 
是非皆さんも幕末の悲劇と敦賀の関わりの歴史を振り返ってみてはいかがでしょうか。
 
※参考まで、2019年度気比史学会主催の市民歴史講座「峠を越えた群像」の第4講「小浜藩から見た天狗党」を聴講した際に、内容を書き留めたブログ(2019年11月3日)を以下にリンクします。
本来の敵は外国人であったはずなのに、何故日本人同士が戦わなくてはならなかったのか、純粋に国を思う志士と幕末の混乱など、天狗党がいかに深く、複雑な環境から生まれたのかをご理解いただけるかと思いますので、博物館に行かれる前に是非、お読み取りいただければ幸いです。
 
 →→→天狗党の志士に思いを馳せる(やまたけブログ)

「平成の怪物」引退表明とその原点

ブログ 敦賀と野球

第103回全国高校野球選手権福井大会が昨日8日開幕しました。
 
福井県営球場で行われた開幕試合は、美方高校が丸岡高校に勝利、2試合目は降雨ノーゲームとなったものの、2年ぶりに開催される「夏の甲子園」出場を懸け、同球場と敦賀市総合運動公園野球場を舞台に30チームが戦いを繰り広げます。
 
新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、県独自の「緊急事態宣言」中の昨日は部員と指導者、学校関係者、事前申請した保護者だけが観戦できるとしていましたが、宣言解除の本日9日以降は一般客の観戦も認めるとのこと。
 
入場の際の手続きに関しては、県高野連がホームページに掲載しておりますので、高校野球ファンの皆さんは是非、そちらをご確認のうえ観戦いただけたらと思います。
 
 →→→福井県高校野球連盟のページはこちら
 
昨年は一高校球児の親として、様々な思いがよぎる夏を過ごした私ですが、今年は高校球児を応援する一ファンとして、どこかで球場観戦できればと思うところです。
 
さて、夏の甲子園と言えば、7日に今季限りで現役を引退することを発表した松坂大輔選手。
 
シーズンを残しているだけにまだ言うのは早いのかもしれませんが、「平成の怪物」と呼ばれる所以となった甲子園での激投、プロ入り後も数々の名シーンを残し活躍を続け、23年で日米通算170勝を挙げたその活躍と功績に心からお疲れ様の声を掛けたいと思います。
 
この松坂選手に関しては、同じ1980年度生まれの選手が「松坂世代」と呼ばれ、昨季引退した元阪神の藤川球児選手が自身の引退セレモニーで「ライバル松坂大輔へ。目標でいてくれてありがとう」とメッセージを送ったことに表れるよう、元巨人の村田、杉内選手らそうそうたる顔ぶれが常に意識したのが松坂選手であったことは、世代の絆の強さを表す言葉として認識されています。
 
また、松坂語録もご承知置きの通りかと思いますが、西武入団1年目の1999年5月、初対決した当時オリックスのイチロー選手を3打席連続三振を奪った試合後の「自信から確信に変わった」とのコメントや、シーズン中に何度も繰り返した「リベンジ(復讐)」はその年の新語・流行語大賞に選ばれるほど秀悦した言葉をも残したことは、やはりスーパースターの所以と思うところです。
 
そんなスーパースターでありながら、気取らず、野球少年がそのまま大きくなったようなあの笑顔など、どこかあどけなさが残る松坂選手は私も大ファンな訳ですが、数々のプレーの中で、私が最も印象に残っているのが1998年夏の甲子園大会で準々決勝のPL学園戦で延長17回を戦い抜き、松坂投手が250球完投勝利を挙げた翌日の準決勝の試合。
 
PL学園戦同様、甲子園史上に残る激闘と言われているのが、この明徳義塾対横浜戦な訳ですが、前日250球を投げた松坂投手はさすがに登板を回避、右腕にテーピングをして左翼手として出場するものの、登板した2年生の投手が2人とも打ち込まれ、8回表終了時点で6-0と明徳義塾が大量リード。
 
万事休すと思われましたが、8回裏、横浜高校の攻撃中に、満を辞して松坂投手がブルペンでピッチング練習を始めた瞬間にテレビ越しにも甲子園の空気が変わり、「よし行くぞ」とばかりにテーピングを剥がし取る姿で場内がどよめき、この回、明徳義塾の選手がミスを重ねるなどして一挙4点。
 
そして9回表、いよいよ松坂投手が登板し打者3人でピシャリと抑え、その裏に3点を奪い逆転サヨナラ勝利を納めるという、まさに漫画の主人公の世界。
 
決勝の京都成章戦でのノーヒットノーラン優勝でこの夏のドラマは完結する訳ですが、私の中では何故か、この準決勝でテーピングを外したシーンが最も印象に残っています。
 

【ブルペンでテーピングを外す松坂投手】
 
いま考えると、それはプロスポーツの中でもそうはいない「一瞬で空気を変える選手」の象徴的なシーンであったからではないかと思います。
 
そして、これと重なり合うのが、昨朝の福井新聞スポーツ欄「取材ノート」の「原点にサヨナラ暴投」の記事。
 
この記者が松坂選手とのインタビューの中で「思い出の一球」を問うたところ、衝撃の155kmプロデビューでもイチローからの奪三振でもなく、高校2年夏、神奈川県大会準決勝で自身の暴投でサヨナラ負けを喫した際の「一球」であると話したのだそう。
 
「チームが勝つために何が必要か真剣に考え、目的を持って野球に取り組む切っ掛けになった」のがその理由。
 
「この一球が、『松坂世代』を牽引した一時代を築いた男の原点であり、屈辱という糧を雪辱という血肉に変える人生は、重ねた勝ち星の数だけでは図れぬ重みがある」と記事は結んでいます。
 
おそらく、先ほどのテーピングを外したシーンには、この1年前の屈辱を思い返し、「負けてたまるか」との思いが込められたものだったであろうことからすれば、スーパースター松坂大輔の生き様を象徴するものとして、私の記憶の中に残し続けたいと思います。
 
そうして数々の名シーンを思い返しながら、スーパースターだからといって決して成功続きであった訳ではなく、こうした失敗や屈辱を原点に、それをバネに励み、研鑽を積んだからこそ成功があり、そのことが人生における価値なんだということを、私自身も今一度胸に刻むとともに、その舞台ともなった大甲子園をめざし、全国各地で戦いを繰り広げる高校球児の皆さんにも勝ち負け以上に大事なこのことが少しでも伝わればと思って止みません。

新型コロナウイルスワクチン接種予約は一時停止、延期に

ブログ 新型コロナウイルス

七夕の昨日は、ロマンチックな気分とは程遠く、ひっきり無しに届く大雨・土砂災害警報などの緊急情報メールに冷や冷やする一日。
 
福井県内は、本州付近に停滞した梅雨前線や低気圧の影響で前日から断続的に雨が降り、午前7時には福井市の一部地区、鯖江市の全域に高齢者等避難情報が出され、住民計5人が一時公民館に避難しました。
 
高齢者を含む、避難行動要支援者の避難は、視界が確保出来る「日中」に行うとの鉄則からすれば、こうした判断と行動が命を救うものと受け止めた次第。
 
福井市は正午に、鯖江市は13時に同情報を解除したほか、敦賀市を含め、この日早朝に発令された県内の土砂災害警戒情報、大雨警報は注意報に切り替わり、18時25分にすべて解除となりました。
 
県は災害対策連絡室を設置して情報収集に当たっているとのことですが、現時点で大きな被害は報告されていない模様であり安堵するところですが、福井地方気象台によると、この梅雨前線は山陰沖から東日本を通って日本の東に延びており、県内では大気の不安定な状態が続く見通し。
 
土砂災害に対しては、これまでに降った雨で地盤の緩んでいる所があり、気を緩めず警戒せねばなりません。
 
一方、同じ警報でもこちらは新型コロナ。
 
福井県は7日、新型コロナウイルス感染拡大に伴う独自の「緊急事態宣言」を期限の本日8日で解除し、明日9日から「特別警報」に切り替えると発表しました。
 
こちらは、福井市の飲食街、いわゆる「片町」でのクラスターに端を発した訳ですが、以降、関係者の皆さんの協力と医療関係者の献身的なご努力により、一旦ここまで落ち着いてきたもの。
 
次の「特別警報」の期間は7月22日までとしており、順次ステージを下っていくことを願うばかりです。
 
それにしても痛いのはワクチン接種が足踏み状態になること。
 
国からの安定的なワクチン供給の見通しが立たなくなったことを受け、ここ敦賀市でも以下のようにワクチン接種予約の一時停止や延期をする旨、ホームページなどにて公表されています。
 

【敦賀市の今後のワクチン接種の対応(市ホームページより)】
 
 →→→敦賀市HP「新型コロナウイルスワクチン接種について」はこちらから
 
河野大臣の「供給量は十分につき、各自治体は早期に接種出来るよう準備を」との号令のもと、対応にあたってきた自治体の立場からすれば、梯子を外された所ではない、嘆きの心境かと思う訳でありますが、この供給量不足は、こうした自治体の早急な接種体制構築により需要過多になったものか、そもそも予測されていたものなのか。
 
いずれにしても、国においてはこの顛末の検証はともかく、とにかく接種スピードに対応出来るような供給力量確保に全力を尽くしていただきたい。
 ※上2段落については、投稿後に一部表記修正しました。
 
こうして、言わば被害者的立場でもある市に聞くのも心苦しいとは思いつつ、ワクチン接種事業実施本部に対応の考え方をお伺いすると、個別接種、集団接種ともに1回目接種を終えた方が2回目の接種が出来ないことはあってはならないため、そうした点を配慮のうえ、今後の予約停止判断をしていくこと、7日から予約を開始した「中学3年生以下のお子さんのいる世帯」の対象はMAX約1万人になることなども踏まえ、その後に予定していた特段の制約のない方の12日からの予約については、ワクチンの現有量との兼ね合いから一旦丸々延期せざるを得ない状況であることを教えていただきました。
 
65歳以上の高齢者接種時にあった予約混雑を踏まえ、電話受付も6人から10人に増員するなど、市としても万全の体制を整えていただけに本当に残念としか言いようがないのですが、市民の皆様には、どうかこうした状況をご理解いただき、何卒冷静に受け止めていただけますよう、私の立場からもお願い申し上げるところです。
 
こうして思えば、自然災害に新型コロナ、暑さに熱中症など、警戒や注意を促してばかりで恐縮ですが、何を置いても自分の命や健康を守るのは、他の誰でもない自分。
 
一歩家を出れば様々に潜むリスクに対し、自分で出来るリスク低減策を徹底して過ごしていきましょう。

法規制整備や組織対応に「防災」の横串を

ブログ 防犯/防災

熱海市伊豆山の大規模土石流に関し、敦賀市内においても大規模盛り土などの開発行為がされた場所があるのかについて、昨日市の方に確認すると、結果として3地区6箇所にて該当する区域があるとのこと。
 
当該区域においては宅地開発業者からの説明などにより、現在お住まいの方も、そうした区域であることを認識されているということであり、まずは今回の災害を受けて、同様の事象が発生するリスクの高いエリアが把握されていることは確認することが出来ました。
 
また、私自身は以前より、太陽光発電事業者の乱開発による無秩序な森林伐採や設置不備による台風時などの飛散被害などを未然に防ぐ観点から、「敦賀市太陽光発電の適正な設置に関する条例」なるものを制定すべきとの考えにより、他自治体の状況や制定事例などの調査を行ってきていたところ。
 
これに関しては、メガソーラーまでは行かずとも、山間区域に小規模施設が設置されている実態があるということも聞きましたので、詳細な実態調査を進めたうえで、ここ敦賀市においても条例制定など実効的な策により、「抑止力」を高めることが出来ないか、しかと検討のうえ取り組みたいと考えます。
 
それにしても、先の開発行為などの確認に関しては、土砂や宅地の関係など法律との兼ね合いもあり、最初は危機管理対策課、次に道路河川課、そして都市政策課と3つの部署の課長さんとお話しし全容が掴めたほど、所管する部署も多岐に跨ることも分かった次第。
 
突然の電話でのヒヤリングにも関わらず、丁寧に対応、ご説明いただいた課長さん方には感謝を申し上げます。
 
一方、防災と都市開発、森林管理のそれぞれを所管事項としてだけではなく、今回の事例の対応として横串を刺す指揮命令系、部署はどこなのかなど、やや疑問にも感じましたので、行政組織として盲点や抜け道が出来てしまうことのなきよう、その点に関しては改めてもう少しヒヤリングをさせていただきたく存じます。
 
さて、発生から4日目を迎える熱海市伊豆山の大規模土石流に関しては、6日新たに3人の死亡を確認したと発表、死者は計7人となりました。
 
また静岡県と熱海市は、5日に所在がつかめていなかった64人の氏名や性別を公表後、親族や知人の連絡を受けて本人に確認するなどしたところ、安否不明者は27人になったと明らかにしており、被災者の生存率が著しく下がるとされる「発生後72時間」を過ぎ、今日も行われる県警や消防、自衛隊による約1700人態勢での捜索活動により、安否不明者が一人でも減ることを切に願うところであります。
 
さらに、関係省庁では、原因究明や被災地支援、他地域での同種災害防止などの対応策を打ち出し、小泉環境相は、土石流の起点付近に太陽光発電設備が設置されていることから、山林開発などを伴い災害を引き起こす恐れのある太陽光発電所の立地規制を検討すると表明。
 
「急傾斜地への設置を懸念する地域もあり、ここに建てるべきではないとの対応も必要ならやるべきだ」と発言したそうですが、それを言うなら併せて、この狭い国土の日本に太陽光パネルを敷き詰めれば再エネ100%は実現するという妄想、夢物語からも早く醒めていただきたいと強く思うところです。
 

【熱海市伊豆山で発生した大規模土石流の起点付近(手前中央)。土砂は奥に向かって流れた。6日13時17分(共同通信社ヘリより)】
 
併せて、梶山経済産業相は、現場付近にある太陽光発電設備が、国が進める固定価格買い取り制度(FIT)の認定を受けていることを踏まえ、政府による原因究明の一環として、当該設置事業者に対し聞き取りを実施する方針を明かにしました。
 
さらに、赤羽国土交通相は、全国で同様の危険な場所があるかどうか「盛り土(造成地)の総点検」を実施する方針を示すとともに、関係省庁と連携し、調査事項や対象箇所など基準を策定する作業を進めていく考えとのことであり、こうした事例を契機とし、各関係省庁が所管する様々な法律や規制に「防災」という横串を通していただき、早急な対応、法整備をお願いするところです。
 
こうしている間にも、7日4時26分には福井気象台が、敦賀市に大雨(土砂災害)警報を発令。
 
七夕気分はあきらめ、注意警戒です。

生死を分けるタイムリミット「72時間」

ブログ 防犯/防災

日中、そして夜半も時折強い雨が降った敦賀。
 
こう連続して降雨があるとやはり気になるのが笙の川の水位ですが、今朝、呉竹地点の情報を確認するとまだ顕著な水位上昇とはなっていない模様で安堵。
 

【6日5時の笙の川の様子(福井県河川・砂防総合情報サイトより)】
 
しかしながら、インターネットの天気情報サイトでは、「梅雨の最盛期、大雨と熱中症のリスク高まる」といったタイトルが並び、この先1週間は、梅雨前線が南北に移動しながら本州付近に停滞する見込みで、今日6日は北陸や中国地方など日本海側で雨脚が強まるところがあるとのことであり、保水した雨の流出とともに、引き続き注意・警戒していきたいと思います。
 
まさに「出水期」も本番を迎えている訳ですが、敦賀市では危機管理対策課より、今一度、風水害に備えて事前に確認していただきたい各情報ページへのリンクを一覧とし、昨日ホームページ掲載がされました。
 
市から発令する避難情報や、土砂災害情報、トンボメール(敦賀市防災メール)などの再周知がされていますので、皆様方におかれましても一度ご覧になっていただければと存じます。
 
以下に当該ページをリンクいたします。
 
 →→→敦賀市HP「風水害に備えて」はこちら
 
さて、目を覆いたくなるような映像が幾度となくテレビで流れる熱海市伊豆山の大規模土石流に関しては、発生直後から警察や消防、自衛隊などによる必死の捜索活動が続けられているものの、5日夜、この日の捜索を終えた段階で、新たに2人の死亡を確認したと発表。
 
この災害での死者は計4人となりました。
 
お亡くなりになられた方に対し、心よりご冥福をお祈りいたします。
 
一方、流失家屋は少なくとも130棟という中で、熱海市は住民基本台帳を基に所在不明者の確認作業を進めており、居場所が分かっていないのは4日時点の147人から64人まで減ったとのこと。
 
こうした災害において、被災者の生存率が下がるといわれる境目の「72時間」は本日6日午前に迫っています。
 
幸い雨は小康状態となった一方で、夏の暑さが戻り、現場では今日も過酷極まる捜索活動になることが予想されますが、生死を分けるタイムリミットまでに一人でも多くの方が発見、生存確認されることを祈るばかりです。
 
一昨日のブログの繰り返しとなりますが、長雨が続くここ敦賀においても、熱海の災害を対岸の火事としてはいけません。
 
「私のところは大丈夫」との「正常性バイアス」を取り払い、高まる河川の氾濫や土砂災害のリスクに十分警戒しつつ、「72時間」も意識のうえ、この出水期に備えていきましょう。

東京都議選開票結果、出口調査から感じたこと

ブログ 政治

新規制基準下で国内初の40年超運転を開始した関西電力美浜発電所3号機は、2日にタービン動補助給水ポンプの定期試験を一時中断し、保安規定における運転上の制限の逸脱を判断したものの、その後の点検により運転継続に問題ないことを確認。
 
3日22時15分に制限を満足する状態に復帰した後、慎重に工程を進め、4日14時45分に定格熱出力一定運転を開始しました。
 
また同じく関西電力の大飯発電所3号機においては、2020年7月20日から定期検査を実施していましたが、7月3日に原子炉を起動、4日には臨界到達、諸試験を行った後、本日5日は発電機並列、調整運転を開始する予定となっています。
 
以前にも申し上げました通り、定格電気出力82万kwの美浜3号、118万kwの大飯3号の稼働により、関西圏内の電力需給環境は改善するばかりか、太陽光や風力などと違い、天候や自然災害に左右されず安定的に発電する、いわゆる「ベースロード電源」の存在はやはり頼りになる訳であり、今後両プラントが順調に本格運転に入ることを切に願うところであります。
 
さて、グズついた空模様の昨日は、定例会閉会後1ヶ月以内の発行を目標とする「やまたけNEWS」の原稿作成にあたった一日でしたが、夜には注目の東京都議会議員選挙開票が行われました。
 

【東京都議会議員選挙開票結果(NHK WEBニュースより)】
 
開票結果については、既に報道でお知り置きの通り、都議会第1党であった都民ファーストの会は議席を減らし、自民党と2議席差の第2党に下野、逆に自民党は、過去2番目に少ない議席数で、目標としていた自民・公明両党での過半数に届かなかったものの、第1党に返り咲くこととなりました。
 
共産、立憲民主はそれぞれ議席数を伸ばしているものの、候補者の一本化など、実質的な選挙協力をした結果が功を奏した模様であり、衆議院選挙に向けては距離を置くと口では言いつつも、こうした主要選挙で手を握っている以上、信念や理念なき野合であると認識しておきたいと思います。
 
結果で特徴的だったのは、今回の都議会議員選挙で当選した女性の候補者は、これまでで最も多かった前回の選挙をさらに5人上回る41人と過去最多となったこと。
 
これは、定数127のおよそ3分の1を女性議員が占めることになります。
 
また、東京都選挙管理委員会発表によると今選挙の確定投票率は42.39%は、前回選挙より8.89ポイント低下し、過去2番目に低い投票率であったとのこと。
 
この数字を単純に見るに、「女性進出」と「政治離れ」と言えそうですが、特に投票率に関しては、コロナの影響や各年代別など細かな分析も見る必要があろうかと思います。
 
また、NHKが行った有権者の投票行動や政治意識を探るための出口調査では、支持政党では無党派層が28%、小池知事の都政運営に対しては、勝手な私の予想とは裏腹に、「評価する」が64%、「評価しない」が36%との結果。
 
さらに、都の新型コロナ対策に関しては、「大いに評価する」と「ある程度評価する」を合わせて61%、「あまり評価しない」、「全く評価しない」が39%との結果でありました。
 
出口調査につき、恣意的な操作は行われていないとすれば、これまで各メディアで報道されてきたこと(小池知事は何もしていない等)とは異なる有権者の認識であると言えます。
 
先の選挙結果に関しても、ある新聞社は「自民が第1党に返り咲き」、違う社は「第1党となるも自公で過半数届かず」とあれば、読み手の印象はかなり変わるもの。
 
そう思えばやはり、ニュースのタイトルや切り取り記事など、報道機関のさじ加減でどうにでも出来る部分に惑わされることなく、数字や客観的データをもって自分なりに解釈、理解しておくことの重要性を感じる次第であります。
 
さて、この都議選での結果、小池都政に対する評価結果が出た後、報道や世論はどう動くのか。
 
東京オリンピックの後に控える衆議院選挙を睨み、私を含め、有権者にはより一層「本質を見抜く力」が求められることになります。

熱海市伊豆山で発生した大規模土石流。決して「対岸の火事」にしてはならず。

ブログ 防犯/防災

高校陸上部時代の先輩にお声掛けいただき、以前に取得した日本陸連の審判資格。
 
審判手帳もいただいていながら、中々参加出来ないペーパードライバーでいましたが、定例会も終わり、昨日は敦賀市総合運動公園陸上競技場にて開催された「敦賀陸上競技記録会」兼「二州地区中学校陸上競技大会」に審判として参加。
 
私は「出発係」ということで、経験ある審判員の皆さんのご指導を受けながら、トラック種目の選手配置、スタート準備完了を本部などにトランシーバーで連絡する重要な役割をいただき、何とか任を終えることが出来ました。
 
出発係をしていると、会社の後輩が一般の部で出場していたり、とりわけ中学3年生にとっては部活生活最後になるやもしれぬレースに懸ける緊張感、それとは別にどこかあどけなさ残る中1クラスの微笑ましさなど、様々な選手の鼓動をスタートライン近傍で感じることが出来、それらを含め貴重でありがたい経験の場となりました。
 
コロナ禍で、応援も声援ではなく拍手というルールを実直に守る各校生徒の皆さんの姿にはどこか胸打たれましたが、改修してほぼ1年近くになるこのブルーのトラックで、いつか気兼ねなく、声援がこだまする環境になればと願い、今後も出来得る範囲で協力していきたいと思います。
 
こうして朝から夕方まで審判をしながら、気になって仕方がなかったのが、同日10時半頃、静岡県熱海市伊豆山で発生した大規模な土石流による被害。
 
家屋10棟以上が流され、約20人の安否不明などの被害状況を受け、静岡県は災害対策本部を設置し、すぐさま自衛隊に災害派遣を要請のうえ、熱海市に災害救助法の適用を決めました。
 

【熱海市伊豆山で発生した土砂崩れ現場】
 
午後には、陸上自衛隊が隊員約30人を現地に派遣し、消防などと調整し本格的な救助を開始し、必死の救出作業により生存確認された方もいる一方、残念ながらお亡くなりになった方も確認されました。
 
救助作業は今なお続いていますが、尊い命を奪われた方に対しご冥福をお祈り申し上げるとともに、被害に遭われた方々には心からお見舞い申し上げます。
 
また、静岡県の3日14時時点のまとめによると、避難指示が計18市町で約37万6000人に、高齢者等避難が2町の約1万3000人に発令されたほか、JR東海の調べでは、大動脈である東海道線で上下線計58本が運休、計65本が部分運休するなどし、乗客約3万5680人に影響が出たとのこと。
 
これら交通を含む、電力、ガス、水道など各ライフラインについても必死の復旧作業が行われている最中であり、これら作業にあたる皆さんに敬意と感謝を表するとともに、自らの身を守る安全作業をお願いするところです。
 
72時間で800ミリ近くの大雨が降った熱海市の現場周辺は、県が土石流の発生する恐れのある「土石流危険渓流」に指定されており、斜面が急で地質も水を含みやすく、大雨が降れば土石流が発生しやすい悪条件が重なっていたといいます。
 
長時間降り続いた雨で地盤の緩んだ状況は当面、続くとみられ、気象庁は雨が止んだ後も警戒を呼び掛けています。
 
これ以上の二次災害につながらないことを願って止みませんが、このことを対岸の火事にしてはいけません。
 
天気予報を見ると、ここ敦賀も今日から16日までは雨マークの日が続きます。
 
先般、一部修正を終え、市内各戸に配布された「敦賀市洪水ハザードマップ」には、洪水や氾濫のみならず、土砂災害のリスクに備えるための情報も含まれています。
 
思い返せば、大規模被害のあった球磨川での災害の切っ掛けとなった梅雨前線停滞のスタートは、ちょうど一年前の7月3日でした。
 
そして、1年後に起きたこの熱海での災害。
 
「震災は忘れたことにやってくる」は過去のこと。
 
最近では「自然災害は忘れぬうちに」やってくると言える状況となっています。
 
手元に届いた「ハザードマップ」を今一度確認し、自分の住んでいるエリアの災害リスク想定をしておく。
 
既に雨が降り始めた今日、皆さんにも是非、お願いしたいと思います。

敦賀子育て支援情報サイト「 KOSODATE TSURUGA」

ブログ 敦賀市議会

「今日は蒸しますね〜」が挨拶代わりの言葉となった昨日。
 
それもそのはず、気象台のデータを見ると、日中の湿度は70%を超え、雨が降り出した17時以降では90%以上に。
 
我が家ではたまらず、今年最初のエアコンを起動しました。
 
スマホの天気予報では、今月中旬までは見事に傘マークが並んでおり、30度を超える暑さにこの湿度と思うとやや気も滅入りますが、屋内外ともに懸念される熱中症などにも留意のうえ過ごしたいと思います。
 
さて、そんなグズついたコンディションの昨日でしたが、議会のほうでは、市の児童家庭課と前向きで明るい意見交換が行われました。
 
以前に児童家庭課さんより、議会の広報広聴委員会に対し、本年4月から運用を開始した敦賀子育て支援情報サイト「KOSODATE TSURUGA」について、同じ広報という視点からご意見を頂戴出来ないかとの打診があり、委員の皆さんにも確認したうえで「意見交換会」として開催する運びとなったもの。
 
この敦賀子育て支援情報サイト「KOSODATE TSURUGA」はその名の通り、子育てをする方々が、困った時や調べたい時などに、年齢別、目的別、対象別のカテゴリーにより検索出来るという、敦賀市ホームページからリンクする外部サイトで、約1年掛けて、膨大な既存情報を整理のうえ作成されたもの。
 

 
 →→→敦賀子育て支援応援サイト「KOSODATE TSURUGA」はこちらから
 ※子育て世代のみならず、お孫さんを持つ世代の方にも是非、ご覧いただきたいです。
 
意見交換会の場は、実際の画面を通して確認出来るよう、パソコン画面をスクリーンに映写するとともに、各委員席にはタブレット(市のポータブルWi-Fiにて接続)が置かれるなど、リアルな環境をセットいただき感謝。
 

【意見交換会場の様子】
 
所管する児童家庭課さんのほうからは、本サイトを構築するにあたっての経過や現況などの説明があった後、各担当の皆さんからは、実際に画面操作をし、カテゴリーごとの構成や詳細内容までを確認。
 
その後、広報広聴委員のほうから活発な質問や意見が出されました。
 
委員の中には、子育て中のお母さん方に実際に見ていただき、意見集約やアンケートをされてこられた方もおられ、見ていただく対象からのリアルな意見は大変参考になりました。
 
必要な情報へのアクセス性や見やすさ、市ホームページとの関係などの意見も挙げられたものの、委員の皆さんの受け止めを総じて言えば、このサイトの存在自体が子育て世代にとって拠り所になるものであり、膨大な情報を整理され、「子育て世代のために」との思いをもってご尽力され、こうして形にされたこと自体に敬意を表するものであり、是非多くの方がこの存在を知り、活用していって欲しいとのことでした。
 
私も意見をさせていただきましたが全く同感。
 
今後は、さらに広報活動に努められ、実際にアクセスいただくことで、より実態に即した声を通じ本サイトのブラッシュアップにつなげ、「子育て環境日本一」をめざす敦賀市に相応しい、真に人に優しい支援体制を構築出来ればと思うところです。
 
最後に、まずは広報広聴委員会にと積極的にお声掛けいただいたことに感謝を申し上げるとともに、児童家庭課を始め、関係部署の皆さまの「より良いものに」との意気込みをもって取り組まれるこの「KOSODATE TSURUGA」が、子育て世代のバイブル的存在に成長を遂げることに期待をし、今日のブログを閉じさせていただきます。

期待とワクワク感高まる「“本屋”でもない“図書館”でもない、新しい知の拠点」

ブログ 北陸新幹線

9月にもあろうかと言われる次期衆議院選挙ですが、元衆議院議長でもある伊吹文明議員は、既にこの選挙に不出馬を表明されている議員の一人。
 
この伊吹議員が、不出馬にあたって現在の政治の状況も振り返りながら、「国会議員の責任」として述べられた言葉にはこうありました。
 
「国会議員の責任」は、選挙区の主権を預かっていることに尽きます。国民主権と間接民主制が憲法の精神です。かつて「先生と呼ばれたい」「赤坂の料亭に行きたい」などの発言で批判された人もいましたが、本来の責務を自覚していれば、国会議員の仕事は自己抑制の伴う窮屈でしんどいものですよね。
また、中選挙区から小選挙区になり、衆院議員は各選挙区から1人です。自分に投票しなかった人の主権も預かっていることにもなる。最後は多数決ですが、他党の意見にも耳を傾ける責任と謙虚さだけは失ってはならない。
 
私がこの言葉から感じたのは、太字で強調した二つの認識。
 
この認識は地方議員とて同じことであり、長く国政でご尽力された重鎮の教えと思い、自身の胸にも留め行動していきたいと思います。
 
さて、28日に定例会を閉会した敦賀市議会ですが、昨日は新幹線対策特別委員会が開催され、駅西地区土地活用事業について調査を行いました。
 
具体的には、丸善雄松堂と編集工学研究所が検討を進める「知育・啓発施設に係る内装設計について」ということで、駅西広場の目玉とも言える複合施設内の大部分について、基本設計が整ったことを踏まえ、今後の方向性を確認すべく、設計者である両社を参考人としてお招きしての調査が行われました。
 
丸善さんらからの説明に入る前には、所管する都市整備部の担当から「設計・運営会社として選定した当初から、本施設や敦賀市の発展につなげるとの両社の熱意は変わることなく、今回も自信を持って提示させていただく」(書き留めまではしませんでしたが、このような言い回しであったかと)と、中々、委員会の場でここまで自信満々に、しかも情緒的に熱く語る担当もいないと思いつつ、それだけ彼自身も熱き情熱を持ってこのプロジェクトに取り組み、両社との信頼関係のもと仕事を進めているという自負と誇りの表れと、何か頼もしくも嬉しく感じ、思わずマスク越しに顔がニヤついてしまった次第。
 
一昨日の総合運動公園野球場のスコアボードと同様に、市や担当に強い思いや熱意があれば、それは相手方にも伝播をし、プラススパイラルの相乗効果を生むというもの。
 
まさにこの知育・啓発施設に関しては、私の目にも、所管部署と受注者ががっちりスクラムを組んで前進していると映り、ある種安心感を持って期待するものであります。
 
前置きが長くなりましたが、この施設は、当初より「人が行き交い、文化を育む港 敦賀が響き合う場」とし、「Place Of Ring Tsuruga」の頭文字を取った「PORT」である、「“本屋”でもない“図書館”でもない、新しい知の拠点づくりを目指します」とのコンセプトのもと進められてきているもので、私も幾度となく丸善雄松堂さんよりお話しを聞き、このめざす点については大いに共感しているものであります。
 
今回は、さらに施設の機能・活動の背景となる考え方として、「本を中心に、生き生きとした場が生まれる」との意味を有する「BOOK WARE」(ブックウェア)、「様々な本が行き交い、つながることで新たな体験を生む本棚空間」を表す「BIBLO Terminal」(ビブロターミナル:仮称)を加え、このワードにより、施設の存在意義や存在価値に具体的なイメージを重ねるということ。
 
さらに、施設の空間コンセプトについては、建物躯体の変更に伴い、先ほどの「PORT」というコンセプトを新しい空間に合わせ再編集(再設計と表現しないところが、丸善・編集工学研究所らしいと感じました)し、「World Tree 〜世界樹〜」とのコンセプトを掲げたとのこと。
 
これは、本を通じた市民の成長、多様な価値観、そして市民同士のつながり、敦賀と世界とのつながりを、空間としても表現していくとの意味であり、スケールの大きい、発展性あるものとして理解するところ。
 
プレゼンテーションにおいては、上記の説明に加え、各ゾーンのレイアウトの考え方やパースを用いた各アングルからの館内イメージも確認するなど、大変分かりやすく、熱意の伝わってくる時間となりました。
 
全てまではお見せできませんが、特徴的なパースのみ、以下掲載します。

【公園側から見た施設イメージ。奥の壁面には世界樹。】

【吹き抜け部分。1階面の本棚も上から見ると樹木の形。】

【2階の親子ひろばコーナー。読み聞かせや玩具コーナーを両サイドに配置。】
 
その後の質問時間では、私からは、吹き抜け部分に北前船や敦賀の港をイメージするという当初のコンセプトを踏襲するのであれば、よりダイナミックに表現すべきではないか(より“敦賀ユニーク”をアピールするとの観点)、人の賑わいや市民の日常使いとしての効果が発揮できるようワークショップスペースの位置を外からも人目につく場所にしてはどうかとの意見提起。
 
3万冊としていた蔵書数は躯体変更があっても確保できるのか、選書については市民へのマーケティングなどニーズの汲み取りは行うのか、多様な世代が集う場にしていくためのコンテンツとはなどの質問をさせていただきました。
 
他の委員の皆さんからも、開業後の運営面までを含め、活発な意見が挙がったことは、駅前の目玉になるであろう本施設に対する、期待の表れではないかとも受け止めた次第です。
 
予定では、今秋からいよいよ建築工事に入るこの施設。
 
2022年秋の開業をめざして進められる「“本屋”でもない“図書館”でもない、新しい知の拠点」に私自身、大変期待するところ。
 
7月からは、施設名称の公募も行うとのことであり、そうしたことも契機に、開業までを、ちびっ子からお年寄りまでが心待ちにするような、「ワクワク感の貯金」をタップリ膨らませることが出来る期間にしていければと、終始期待高まる一日となりました。

« 古い記事 新しい記事 »