論点は「1千万円の根拠」〜予算決算常任委員会審査より〜

ブログ 敦賀市議会

宮城県と福島県で16日夜に最大震度6強を観測した地震の影響により、東北電力の原町火力発電所1号機(福島県南相馬市)や新仙台火力発電所(仙台市)の2基、さらには日立造船やENEOSの発電所などを含む計11の火力発電所が一時停止。
 
停止した設備の出力は計約610万キロワットに及び、このうち一部は17日朝に運転を再開したものの、北海道や東京エリアから東北電力ネットワークエリアに電力融通を行うなど必死の対応が図られました。
 
また、この地震の影響により発生していた最大約14万8千戸の停電も17日21時41分に全て復旧。
 
これには新潟など他県から150名を超える応援隊も駆け付け対応されたとのことであり、早期の復旧にあたられた関係者の皆さまに敬意を表する次第です。
 
ただでさえ長期化の様相を呈するウクライナ情勢がある中、こうして大きな地震発生などがあるとどこか不穏な空気を感じざるを得ませんが、一方季節は穏やかな春間近ということで、どこか複雑な心境ともなる訳ですが、まずは自身がいま集中せねばならないのは議会。
 
多方面に亘り気になることはあるものの、昨日は、終盤に近づきつつある敦賀市議会3月定例会の予算決算常任委員会に臨みました。
 
10時に開会した同委員会全体会ではまず、先刻提出された第31号議案「令和4年度敦賀市一般会計補正予算(第1号)」に関する基本質疑を行いました。
 
まだ認めてもいない令和4年度予算の、しかも補正予算案提出は異例とのことですが、これに含まれる2件の事業「中小企業者事業継続支援給付金」(4億9718万1千円)、「消費喚起推進事業費」(4千万円)は、新型コロナウイルス第6波の影響を受ける市内中小・個人事業主に対する支援を急ぎ実施したいとの考えが込められており、当初予算に加え実施したいというもの。
 
基本質疑においては、「中小企業者事業継続支援給付金」について、2月の中期財政計画説明の際には、当面取り崩さないとあった財政調整基金(財調)から繰入れすることになっていることの考え(補正では確実に見込む財源を充てるが、予算執行する中で振替し、財調を元に戻せるよう財源調整する)や中小40万、個人事業主20万を支給する要件や規模に関する質疑がありました。
 
また、「消費喚起推進事業費」(いわゆる、今年度行った市内の小規模店で利用できる電子クーポン「つるが割」の発行)については、「ふく割」に登録のある飲食、小売り、サービスなど232の市内小規模店(2/21時点)で利用できるというもので、具体的には2千円以上のお買い上げで5百円の割引があるとうもの。
 
質疑にあった経済効果に関しては、発行予定枚数の6万枚で1億2千万円の効果が見込める、発行方法については「ふく割」や他市町の状況も見ながら使いやすいものにしたいなどの答弁が示されましたが、最も指摘されたのがクーポン原資3千万円に対し、1千万円を充てる業務委託費について。
 
複数の委員が、業務委託先である「ふくいデジタルバウチャー推進協議会」に対する委託料の内訳や考え方などの根拠を問うものの、明確な回答が得られないまま全体会を閉じ(各委員の質問回数は3回までなので)、その後は所管する産経建設分科会による審査を行いました。
 

【敦賀のマスコットキャラクター「ツヌガ君」が起用された「つるが割」のアイコン】
 
分科会においても、基本質疑であった論点について、深堀りの質疑がされましたが、昨日はこれまた異例となる分科会外委員から質疑を求める声が挙がり、分科会に認否を諮ったうえでこれを許可、先ほどの委託料の根拠や妥当性を求める質疑がされました。
 
分科会長を務める私としては、イレギュラーなことに一瞬焦りましたが、委員会(この場合は分科会)に諮ったうえでであれば委員会外であっても発言ができるとする会議規則を把握していたため、運営に支障をきたすことはありませんでした。
 
議会は全て規則、ルールに基づいて運営されるものであり、こうしたことも想定のうえ熟知しておかねばと再認識した次第です。
 
さて、その「論点」に対しては、その後、今年度実施した「つるが割」における業務委託料を踏まえた今回の考え方、クーポン発行枚数など利用状況に応じて変動する形で契約締結する(1千万円が上限との意味)旨の確認がされたことに加え、迅速且つ経済効果を考えた場合にこの事業がベストな選択であるとの考えが示されたことで、各委員の判断に資する審査になったかと受け止めた次第です。
 
11時15分から始まった分科会はお昼休憩を挟み、14時過ぎまでを要しましたが、論点を明確にしたうえで深掘りの審査になったのかと。
 
さらに、その後は急ぎ分科会の審査内容を取りまとめ、16時50分から全体会を再開。
 
2日に行った当初予算審査に係る各分科会長報告から討論、採決を行い、結果、令和4年度当初予算案10件について「原案通り認めるべき」と決定しました。
 
予算決算常任委員会での審査結果は、23日最終日の本会議で委員長報告の後、採決に進むこととなります。
 
こうして全体会が終了したのが17時49分でしたが、昨日はもうひとつ、これも自身が委員長を務める広報広聴委員会を開催。
 
先般開催した今年度の「議会報告会」や「高校生との意見交換会」の報告書確認等を行いました。
 
全ての会議を終え、18時半過ぎに駐車場に向かうと、以前は真っ暗だったのがまだ明るいことに、日が長くなったことを感じました。
 
まさに「春近し」でありますが、何を置いてもこの定例会。
 
最終日には、ポーランドへの人道支援に係る追加議案も提出される運びとなってきましたので、残る1日も大切に、気持ち良く春を迎えられるような審査、審議で終えられればと思います。