災害に備えるまちづくり ー多様な視点で命と暮らしを守るためにはー

ブログ 防犯/防災

今日は「建国記念の日」。
 
祝日法では「建国をしのび、国を愛する心を養う」日としていますが、元を辿れば、明治政府が2月11日を紀元節の祝日と定めたところにあります。
 
そこには、悠久の歴史をもつ国家の素晴らしさを再認識し、国民一丸となって危機を乗り切ろうとする意味があった訳であり、まさに難局を迎えているいま、祝日に込められた意味を今一度思い返す日にしたいと思います。
 
さて、令和6年能登半島地震から1ヶ月以上が経過したところ、昨日は「敦賀市地域防災セミナー」が開催され、私も参加してまいりました。
 
改めて、様々な気づきや学びがありましたので、ぜひ皆様とも共有いたしたく。
 
本日のブログは、私の議事メモを掲載いたします。
 
なぶり書きで恐縮ですが、何かひとつでも「次への備え」に役立てば幸いです。
 

 
《敦賀市地域防災啓発セミナー》
 
日 時:令和6年2月10日(土)10時〜11時30分
場 所:きらめきみなと館 小ホール
テーマ:災害に備えるまちづくり ー多様な視点で命と暮らしを守るためにはー
講 師:山﨑 加代子氏(敦賀市立看護大学看護学部看護学科 教授)
 
※以下、箇条書きで記載
 
冒頭、ちょっとしたご近所のお付き合いが、いざという時に力を発揮するとの経験談。
 
◉災害が起きたら・・・一番に大事なことは
・震度5以上は必ず何か起きる。震度6は危ない。
・地震が起きた時には、まず自分の安全を守る。
・日頃からエレベーターに乗らないこともひとつ(逃げる体力をつくる、閉じ込められない)。
・地震があったらドアを開けること(反射神経的にできるように)
・元旦の津波警報の際は、看護大学に向かう道路が渋滞1キロ。大学の駐車場満杯1000人くらい。学内には約300人が避難(大学の判断で教室・図書室なども開放)
・渋滞を見た時に、責任はともかく「まずは命を助けること」が判断基準となった。
・津波50cmで200kg級の威力、60cmだと車が動く。2mは木造住宅が倒壊。
・能登では、車で避難した人がパンクに遭ったケースが多い(道路の割れ、凹凸)。
・健常者が車を使っていたら、身体の悪い方の避難に影響出る。
・「避難指示」は必ず避難(避難勧告は廃止されている)。
・避難もいろいろ。自宅の避難もありだが、食料や水の備蓄が必要。
・地震は突然。身を守る、何とか乗り切る。
・水害は予報あり。タイミングを見極め安全な場所へ。
・防災ラジオが各自宅にある敦賀市はすごい。
・防災ハンドブックを皆で読み合わせするような機会も備えのひとつ。
・「避難行動要支援者避難支援制度」は、コミュニティ単位で皆が助かるための制度。避難行動、避難生活、生活再建支援につながる。
・「個別避難計画」の策定を通して、関係者におけるハザードとリスクの関係性を考える機会にもなる。
・指定緊急避難場所、指定避難所に区分されるが、自分がどこに避難するのかを認識しておかないといけない。
・発災から3時間でトイレに行きたくなる人の割合30%
・避難所では、トイレ環境を始め、空間、ゴミの問題が顕著化する→ストレスにつながる
・トイレの確保と衛生は重要課題。トイレニーズは時間の経過とともに変化する(とにかく排泄→綺麗な場所で)。
・深部静脈血栓症(エコノミー症候群)の予防として、2〜3時間に1回は簡単な体操・屈伸運動を。
・防災会議(地区の会議でも)に女性委員の割合が高いと避難所運営がきめ細やかになる傾向あり。
・地域の避難訓練は、地域の負担にならず、専門家任せにせず、多様な住民(=当事者)が企画し、主体的な防災活動とすることが大事。
・現在行われている地区の活動(レクリエーションなど)に、防災・減災の視点を加えるだけでも効果がある。
・在宅避難者、車中泊避難者も被災者であり、避難所への避難者と同様の対応が必要(能登では、在宅避難者に物資を渡さなかったケースあり)。
・行政は頼り過ぎない。人数が少ないので対応し切れないことを理解する。
・フェーズフリー商品、ローリングストック、アウトドアグッズも日頃から。
 
メモはここまで。
 
なお、敦賀市立看護大学では、元旦の津波警報発令の際、避難所指定前に独自判断で学校を開放し、避難住民を受け入れたことは把握していましたが、避難車両で渋滞する道路を見た瞬間から、「命を助けること」が全ての判断基準になったとありました。
 
こうした対応が出来るのも、日頃からの防災意識と訓練の賜物。
 
昨日のセミナーならびに能登半島地震で得た知見、経験を、「災害に備えるまちづくり」に必ず生かしていきます。