三菱重工業が「試験研究炉」の主契約者に選定

ブログ 原子力

昨日の敦賀市議会は、補正予算審査のための予算決算常任委員会を開催。
 
10時からの全体会では、事前通告のあった28件について基本質疑を行った後、総務民生、産経建設、文教厚生に分かれての分科会にて詳細審査しました。
 
私は、基本質疑で、ふるさと納税事業費、新幹線敦賀開業まちづくり推進会議負担金、配水管漏水修理費の3件について質疑。
 
このうち、ふるさと納税事業費(返礼品事業)に関しては、当初予算の寄附額を上方修正し、昨年同規模の90億円を見込むものの、10月からの「ふるさと納税制度改正」(募集適正基準の改正など)の影響は、既に兆候として表れてきているとのことでした。
 
また、債務負担行為として1,800万円を計上した新幹線敦賀開業まちづくり推進会議負担金については、開業後の持続的な賑わいづくりに向け、同会議のイベント部会にて検討した、来年9月を目途に開催を見込む「音楽フェス」に関する費用であり、プロモーションとの調整などについて今年度から準備を始めたいとありました。
 
これらを含む補正予算案については、12月14日に開催予定の予算決算常任委員会にて、分科会長報告から採決まで行うことになります。
 
さて、議会のトピックスは以上とし、昨日の関心事は、高速増殖原型炉「もんじゅ」の敷地内に設置検討を進める「試験研究炉」に関し、設計、製作および据付を実施する主契約企業に三菱重工業が選定されたとのニュース。
 
このほど、実施主体である日本原子力研究開発機構(以下、JAEA)との間で基本契約を締結し、今後はJAEAの下で新試験研究炉の整備に係る事業を一括して取りまとめ、建設を推進していくとのこと。
 
三菱重工業はこれまで、国内全24基の加圧水型軽水炉(PWR)の建設や新規制対応をはじめとする多くの原子力プラント工事を完遂するほか、先行の試験研究炉である高温工学試験研究炉(HTTR)においても幹事会社として主導的役割を果たし、発電炉から試験研究炉まで幅広い知見と実績を有しています。
 

【新試験研究炉の施設イメージ(JAEAホームページより)】
 
また、同社は「もんじゅ」の廃止措置工事を取りまとめており、新試験研究炉整備においても「もんじゅ」廃止措置工事との工程やエリアなどを調整しながら円滑に建設を推進することが可能であり、今回の選定では、これらの実績や知見、円滑な建設工事の遂行などの観点について高い評価を受けたとありました。
 
今後は、同社がこれまで培ってきた技術力を生かし、着実に新試験研究炉の開発に取り組んでいただきたいと思います。
 
なお、JAEA、京都大学、福井大学の3者連携のもと、コンソーシアム形式にて本計画を進めるところですが、文部科学省が「西の原子力研究拠点」と位置付けるのが、新試験研究炉を有することになる敦賀。
 
将来的には、多くの若い学生や国内外の研究者が集い、学び、磨いた技術や成果をもって、ここ敦賀から世界に発信されるような、そんな環境が構築されることを切に期待する次第です。