メイストームと松尾芭蕉

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昨日は、晴れのち曇り予報ながら、比較的爽やかな晴天が広がった一日。
 
夏日の陽気とも相まり、屋外でスポーツやレジャーでもと思うところではありますが、何せ風が強い一日でもありました。
 
元々、3月から5月にかけては、日本付近で急速に発達した低気圧によって「春の嵐」や「メイストーム(5月の嵐)」と呼ばれる激しい現象が発生し、台風並みの暴風や海岸では高波となることもあるので、お出かけの際には十分な注意が必要ともされていますが、その発生要因は、日本付近に北から入り込んでくる冷たい空気と南から流れ込む暖かい空気がぶつかりあって上昇気流が生まれることで、温帯低気圧が急速に発達するためだそうです。
 
ちなみに、台風の場合は、台風の中心が近づくと急激に風が強まりますが、「春の嵐」をもたらす発達した温帯低気圧は低気圧の中心から離れたところでも風が強く吹くため、被害の範囲が広がりやすいという特徴があるとのこと。
 

【政府広報より引用。確かに範囲に違いがあります。】
 
実は最近、気になっていることのひとつが、この「強風」の日が多いということ。
 
15日は、朝から平均風速10m/s近くの風が吹き、夜半まで吹き続けていることや、車のボディを見ればお分かりの通り、以前であれば2〜3日で終わっていた「黄砂」が幾度となく襲来することなど、どこか気持ちの悪い環境変化にお気づきの方もいらっしゃるかと存じます。
 
意識していなかった「メイストーム」が、これまでに増して強くなっているように感じることから、この後迎える出水期にあたっても、さらに強い「豪雨」に一層警戒しておく必要があると考える次第です。
 
さて、話しは変わり、本日5月15日は「旅の日」だそう。
 
日本旅のペンクラブが1988年に制定。
 
元禄2年3月27日(新暦1689年5月16日)に、松尾芭蕉が「奥の細道」の旅へ旅立った日に、せわしない現代生活の中で「旅の心」を大切にし、旅のあり方を考え直す日として制定されたとのこと。
 
「芭蕉」と「奥の細道」と言えば、敦賀とも結び付きが大変深く、仲秋の名月を敦賀の地で見れるようスケジューリングをしたとの話しが有名で、せっかく来たのに雨で見れなかったことを詠んだ、「名月や 北国日和 定めなき」の句は、決してネガティブではなく、見れるはずであった風景と想像した風景が見れなかった世界を重ね合わせて楽しむ超ポジティブな句であります。
 
そうして思えば、このコロナ禍で旅行もままならない中、芭蕉のように現実を受け入れつつ、この先に見える世界、見えた先にある風景に期待し、創造するというのは、350年の時を経たいま、芭蕉さんから元気付けられているような気がします。
 
今日も「メイストーム」が続いておりますが、この状況を、芭蕉さんなら何と詠むかに思いを馳せつつ、一回きりの人生をポジティブに考え、生きる大切さを思い返す日にしたいと思います。