コロナもスポーツも「ゴール」があるから頑張れる

ブログ 新型コロナウイルス

日本人選手の活躍が続く東京オリンピックは、昨日から陸上競技がスタートしましたが、初日から二つの「49年ぶり」の快挙。
 
その二つとは、ひとつ目が男子3000障害での三浦龍司選手、ふたつ目が男子走高跳びの戸邉直人選手の決勝進出。
 
ちょうど私は49歳ですが、生まれた年に開催されたミュンヘンオリンピック以来の出来事と思うと、どこか感慨深い気持ちになるもの。
 
それだけ世界との力の差があった競技とも言える訳ですが、とりわけ3000m障害での三浦選手の予選の走りを見ると、そうしたことを全く感じさせない快進のレースで、世界チャンピオンに肉薄する2位、タイムは自身の日本記録を約6秒縮める8分9秒92の日本新記録での決勝進出。
 
陸上競技の中でも比較的マイナーなこの競技ですが、実は私、高校時代3000m障害をやっておりまして、タイムはさて置き福井県大会で優勝した経歴を持っています(自慢めいた言い方ですみません)。
 
良く「なんでわざわざ水の中に入るのか分からん」と言われる「水濠(すいごう)」ですが、見てお分かりの通り、なるべく水に浸からずに飛ぶのがまたテクニックであり、水濠を入れて1周に5台あるハードルの越え方も自由(足を掛けても掛けなくても良い)という、私にとっては、この野性味あふれる競技が好きだった訳ですが、こうして30年以上前の記憶とも重ねて、三浦選手の走りに熱くなった次第です。
 
三浦選手のタイムは全体でも2番目の好タイムであり、レース後のインタビューでも決勝進出で満足することなく、メダルを狙うかのような眼光にまた熱くなりました。
 
決勝レースは8月2日となりますので、日本人選手が世界と互角に戦う姿をしっかり目に焼き付けたいと思います。
 

【僭越ながら、今から32年前、高校2年生の私(プロフィールの写真)。水濠に浸った後の濡れたスパイクの「グジュグジュ音」が懐かしい。】
 
さて、私の思い出話しから話しを切り替え、昨日福井県では、敦賀市での8人を含む30人の新規感染があった新型コロナウイルス。
 
首都圏を中心に全国的に新規感染者増となる状況を踏まえ、菅首相は昨夜、神奈川、埼玉、千葉、大阪の4府県に緊急事態宣言、北海道、石川県、京都府、兵庫県、福岡県に蔓延防止等重点措置を実施すると発表しました。
 
昨日のブログでは、この緊急事態宣言の効果はいかに、また以前にはコロナを脱する「ゴールの見える化」の必要性を述べたこともある訳ですが、宣言発出後の菅首相の記者会見で、ひとつ大きなポイントがあったものと受け止めました。
 
それは、上記の後者と同義の「出口の明示」について。
 
記者からの、「欧米は新規感染者が増えても重症者や死者数が抑えられ、さまざまな規制が解除されている。日本も新規感染者数を基準とした政策から方針転換するか」の問いに対し、菅首相は、「(前段省略)そうしたワクチンの接種を踏まえて、先ほど申し上げましたけれども、緊急事態宣言期間である8月いっぱいの中で、まずワクチンの進め具合。(全国民の)4割が2回接種する。さらに重症化病床の利用率。そして医療提供体制の負荷。そうしたことに着目して、具体的な分析を行った上で、地域における医療体制の状況などを判断して、その出口というのはわかりやすく考えていく。そういう必要があるだろうというふうに思ってます」との考えを明らかにされました。
 
具体的な基準については、仰られるよう専門家の意見も踏まえ設定していく必要があろうかと思いますが、昨日もご紹介しましたワクチン接種と重症化率、死亡率との相関なども踏まえ、科学的根拠をもって明示されることを、大方の国民の皆さんも期待しているものと考えるところです。
 
先進国では、新規感染が確認される中にあっても、屋外でのマスク着用義務を解除するなどの規制措置緩和を行なってきており、そうした事例も参考に是非とも早目に提示いただくことが、今の波を抑えることにもつながると考えます。
 
尊敬する熊谷俊人・千葉県知事は一昨日、神奈川県・埼玉県とともに3県知事と西村大臣とのオンライン会議にて、正式に3県で緊急事態宣言の要請を行ったことを報告するご自身のFacebookの結びでこう仰っています。
 
「以前より申し上げている通り、相次ぐ宣言に対する国民の忌避感を理解し、宣言の目的と出口を明示し、ワクチン接種が一定程度まで進む、あとわずかの期間における協力を得られるよう、政府には求めています。
 
冒頭の陸上競技と同じく、苦しくとも頑張れるのは「ゴール」があるから。
 
今なお、出口の見えないコロナトンネルを歯を食いしばり走り続ける国民の皆さんのためにも、ここだけは絶対に抵抗勢力に屈することなく、科学的根拠を踏まえた判断、政治のリーダーシップ発揮をお願いする次第です。