エネルギー危機を眼前にして何故「限定的」にするのか

ブログ 原子力

以前より、議会運営員会にて検討を進めている敦賀市議会の「業務継続計画(BCP)」。
 
昨日午後も委員会が開催され、素案を元に協議を行いましたが、本BCPが対象とする災害が発生した際の「議員の基本的役割」の部分で委員間の認識が一致せず、かなりの時間を掛けて議論となりました。
 
結果、文言修正により「双方納得する方向」が得られましたが、委員各位のBCPに対する視点や捉え方をまとめるには熟議が必要と、改めて勉強になった次第です。
 
自然災害などが発生した際に、いかに議会の機能を維持するか、また市の災害対応が円滑に進むよう、例えば被災状況・情報を議会側で一本化することなどの取り決めを策定する議会BCP。
 
行政視察で得た知見を最大限生かすことも念頭に、引き続き、より良い計画となるよう積極的に意見していきたいと思います。
 
さて、前述の「双方納得する方向」ですが、またこうなるのかと感じることが昨日の新聞にありました。
 
年末に政府が決定した「GX実現に向けた基本方針」ですが、原子力発電所の次世代革新炉への建て替え(リプレース)について、「まずは廃止決定した炉の建て替えを対象とする」としていたものを「廃止を決定した原子力発電所の敷地内に限る」よう条件を明確化するとのこと。
 
当初の方針よりも限定的な見直しになる訳ですが、公明党で「地元から強い要望があり、安全性が向上する場合に限り、例外的に考えるべき」との意見があるよう、与党内の原子力慎重派に配慮した形との見方がされています。
 
以前に公明党からは、対象となる具体的な地点として「敦賀や美浜」の名前が挙がっており、まさにそのことを示すものと受け止めるところです。
 
一方、そもそも「次世代革新炉とは何ぞや」(とりわけ「次世代軽水炉」のことを指す)ということが明確になっていない中で、建て替えの物理的条件だけを限定的にしていくのはいかがなものかとも思う次第ですが、これが「双方納得する方向」、いわゆる「落とし所」なのでしょうか。
 
エネルギー安全保障の観点において、脱炭素電源による「安定した」電力供給力を高めることが、いまの我が国にとって必要不可欠であることは明白ですが、こうして先に立地点を絞り込んでしまって大丈夫なのか。
 
私は甚だ疑問であり、エネルギー危機を眼前にしても「空気」で決まるかのこの見直しに違和感しかありません。
 
なお、話題に挙がる敦賀3,4号機は、2004年3月に原子炉設置変更許可申請を行なった「申請済」プラントであることに加え、もちろん敷地内であること、今後策定されるであろう次世代革新炉の規制基準を踏まえつつ、現設計の改良型加圧水炉(APWR)の安全性をさらに高めることによって、当然リプレースの対象になるものと、「私の中では」確信するところです。
 

【防波堤・護岸及び埋立地の状況<埋立地全景>(2022年12月21日 撮影)ー日本原電HPより引用ー】

【原子炉背後法面の状況 (2022年12月21日 撮影)ー日本原電HPより引用ー】