長崎県対馬市議会の特別委員会が「文献調査」受け入れの請願を「採択」

ブログ 原子力

台風7号は通り過ぎたものの、昨日は大雨の影響で東海道新幹線が大混乱。
 
15日の運休で移動できなかった、お盆の帰省客でごった返す各駅の様子や乗車したは良いものの、9時間車内に缶詰め状態などのニュースに触れ、大変な状況を目にしたところ。
 
同じく帰省していたわが家の長女も昨日、東京に戻る予定でしたが、通常ダイヤに戻るとされる本日の移動に変更。
 
勤務先のご配慮に感謝するところですが、いずれにしても、大動脈にも影響を与え続けた自然の脅威をまざまざと感じたお盆となりました。
 
さて、そのようななか、お盆の時期にも関わらず開催されたのが長崎県対馬市議会。
 
対馬市では6月20日、原子力発電所で発生する高レベル放射性廃棄物の最終処分場に向けた文献調査を巡る請願書8件(5件は反対)の取り扱いについて、特別委員会を設けて付託すると全会一致で決定していたところ。
 
市議会ではその後、設置した特別委員会にて、請願団体の代表者や有識者を参考人として招致するなど議論してきましたが、昨日開催した同委員会で、地元の建設業団体が提出した調査受け入れを促進する請願を賛成多数で採択しました。
 

【文献調査受け入れの請願を賛成多数で採択した対馬市議会の特別委員会(産経NEWSより引用)】
 
文献調査を巡っては、市内の建設業団体が人口減少や経済衰退を理由に受け入れを要請する一方、漁協の一部や市民団体は1次産業や観光業への風評被害を訴え、反対する請願を出していましたが、反対の請願は不採択に。
 
9月12日に予定されている本会議でも採択される見通しであり、今後は、処分場に慎重な姿勢を示してきた比田勝(ひたかつ)市長の判断に注目が集まるとされています。
 
現在、文献調査を進める北海道の寿都町、神恵内村に続き、調査にはより多くの自治体(原子力発電所の立地自治体も含め)に手を挙げて欲しいと考える私としては、対馬市議会の判断を尊重し、市長も前に進める姿勢を示していただきたいと思うところです。
 
また、原子力の関係で言えば、中国電力と関西電力が山口県上関町で建設を計画している原子力発電所の使用済み燃料の中間貯蔵施設を巡っては、西町長が18日にも、調査の受け入れに対する態度を表明するとされていることや、さらには「夏頃の放出」としている東京電力福島第一原子力発電所の処理水海洋放出の件についても、判断時期が近づいています。
 
こうした件に触れるに、決して課題を先送りしないとの覚悟のもと、客観性ある科学的根拠をもって進めることが、日本の原子力政策にとって極めて必要なこと。
 
寿都町や神恵内村が文献調査に手を挙げたのは、日本にとってこの最終処分の問題をどうにかしないといけないという、まさに「国家観」あっての行動。
 
繰り返しになりますが、バックエンド側の問題に関しては、原子力立地自治体も電力消費地も関係なく、自分ごととして捉えていただくことが肝要であることから、先に述べた相次ぐ原子力関連の話題に対しても、関心を高めていただけますようお願いいたします。