新幹線開業は「卒業のない入学式」

ブログ まちづくり 北陸新幹線

昨夕は、駅西の「ちえなみき」で開催された「ottaトーク」にお声掛けいただき参加。
 
「ottaトーク」は、青森大学の櫛引素夫先生がコーディネーターを務める、主に北陸新幹線敦賀開業及び新幹線を活かしたまちづくりに関し、これまで回を重ねてきているミーティングで、この日はオンラインにて東京、福井市をつないで行われ、私にとって大変有意義な機会となりました。
 
度々、議会の場でも発言している「新幹線は目的ではなく手段」、真の成功の鍵は「地域の皆さんに、新幹線を“自分ごと”として感じていただくこと」の考えはまさに、以前、櫛引先生から教わったことを引用させていただいている訳ですが、今回も「“自分ごと”の発展」や「新幹線開業は、卒業のない入学式」などの言葉がありました。
 
また、参加された方々からの意見からも、多くの学びや気づきがあり、今後の自身の取り組みにも反映していければとメモした次第です。
 
さて、ミーティングの中でも切り口のひとつとしてあった「外国人観光客」について、福井県として掲げている目標は、2024年に「40万人」だそう。
 
現在が7万人(と、確か言っていた)からすると、新幹線開業効果があったとて、かなりハードルの高い目標と感じたところですが、ちょうど今朝の新聞を見ると、「訪日客のカード利用好調 36都道府県でコロナ前を上回る」と題し、次のような記事がありました。
 
訪日客がクレジットカードを利用して支払った金額が、7月時点でコロナ前を5.8%上回る水準だったことが、三井住友カードの調査で分かった。36都府県でコロナ前を上回り、東北などの地域で回復率が高かったとし、7月時点で中国人の団体旅行は解禁されていなかったが、米国や台湾からの訪日客が消費をけん引した。
 
都道府県別では、和歌山と山形がコロナ前の3倍超に達した。岩手、山口、高知、群馬、島根でも2倍を超えた。都市部よりも東北などの地域で回復率が高く、担当者は「地域で日本文化を体験する消費が進んでいる」と分析する。和歌山では高野山周辺の宿坊などが人気を集めているという。
 
福井県がどの位置にいるかまでの深掘り調査はしていませんが、「都会ではなく地域で」、「地域で日本文化を体験する消費が進んでいる」との点がポイントと感じた次第です。
 
敦賀で外国人が最も訪れるのは「人道の港敦賀ムゼウム」ですが、ムゼウムに来られた外国人客に市内散策をしていただくことのみならず、気比神宮周りの寺院や商店街と連携した座禅や着物試着体験、市立博物館での大谷吉継の武将試着、あるいは地引網や卸市場でのセリ、屋台のラーメンなど、長時間滞在、宿泊してもらえるような、敦賀ならではの「体験型パッケージ」を構築していくことで、他にも引けを取らない魅力が発信できるのではと思うところ。
 
敦賀は古から(古墳時代から)港を中心として栄え、大陸の玄関口である良港を有していたからこそ、近代ではいち早く敦賀まで鉄道敷設がされた歴史があります。
 
残念ながら、今でも「敦賀は何もないまち」と言ってしまう市民の声を聞きますが、何のその。
 
そうした歴史に誇りと自信をもって、「こんなものもあんなものもあるよ」と市民自らがPRしていただけるような、そんなまちにしていきたいと思いますし、私自身、その実現のため、「歴史や文化」を始め、学び発信していく所存です。
 

【「ottaトーク」にいく前に撮影した立駐屋上からの新幹線敦賀駅。夕日に輝くユリカモメ(屋根にある翼)のように、これから大きく羽ばたくのみ。】