敦賀発電所2号機の原子炉設置変更許可申請の補正書が提出される

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月日が過ぎるのは早く、今日から9月。
 
2日から4日にかけては、4年ぶりの「敦賀まつり」が開催されますが、まつりが終わった8日からは9月定例会。
 
1週間前の今日は告示日ということで、午前中には議会運営委員会が開催されることとなっておりますが、まつりはまつりで楽しみつつ、それと並行して、定例会に向けた準備もしっかり進めたいと思います。
 
さて、8月も終わりましたが、この月末までを期限として提出を求められていたのは、日本原子力発電(以下、日本原電)敦賀発電所2号機の原子炉設置変更許可申請の補正。
 
これは、2023年4月18日に原子力規制委員会から、敦賀発電所2号機の原子炉設置変更許可申請(2015年11月5日申請)について、これまでの審査資料の誤りを巡る経緯を踏まえ、今後の審査を進めるため、敷地内のD-1トレンチ内に認められるK断層の活動性及び原子炉建屋直下を通過する破砕帯との連続性に関係する部分を、本年8月31日までに補正を行うよう指導を受けたものでしたが、日本原電は昨日、これを踏まえた補正書を原子力規制委員会に提出しました。
 
期限までに提出された補正にあたっては、ボーリング柱状図記事欄の記載変更の是正として改善した業務プロセス及び強化した社内体制のもと、補正書の品質管理を行ったほか、最新知見・技術を活用し、新たな評価方法を追加して、補正書に反映したと、同社のプレスリリースにあります。
 
また、補正書の作成においては、審査が先行している電力会社やプラントメーカーに専門的、客観的な視点から確認、助言のもと、同社として補正書の品質を確保したとあり、より科学的信頼性と品質を高めた補正書になったものと認識するところです。
 
今後は、本補正書を原子力規制庁で確認のうえ、正式には原子力規制委員会にて審査再開の判断がされるものと思いますが、指摘のあった点が改善されていると認められ、本題の地盤関係の審査に進むことを強く願う次第です。
 

【今も保存されている重要な証拠「D-1トレンチ」】
 
※1 OSL分析
断層近傍の地層中の石英や長石に光を当て、そこから発する微弱な光の強度により、当該地層が堆積した年代を測定する方法のこと。
 
※2 鉱物脈法
断層を横断する鉱物にズレや変形が生じているかどうかを見ることで、断層の活動時期を確認する方法のこと。
 
なお、地盤審査の最大のポイントである「K断層の活動性」と「K断層と原子炉建屋直下を通過する破砕帯(D-1)との連続性」に関しては、新たに、「OSL(光ルミネッセンス)分析(※1)」や「鉱物脈法」(※2)による評価を実施したことにより、K断層が将来活動する可能性のある断層等ではないこと、K断層と原子炉建屋直下を通過する破砕帯とは連続しないことが、より科学的根拠をもって立証されています。
 
いわゆる敦賀2号の「敷地内破砕帯問題」については、忘れもしない平成24年12月10日、原子力規制委員会が法的根拠なく設置した「有識者会合」が、敦賀2号原子炉建屋直下を走る破砕帯(D-1)を「活断層の可能性があることは否定できない」と結論づけたことから始まっています。
 
「可能性を否定できない」ことを覆すことは「悪魔の証明」とも呼ばれ、非常に困難であることを意味しますが、審査が再開されれば、科学的データと根拠をもってこの証明がされるものと、従前から本件に関わってきた一人として確信する次第です。
 
ALPS処理水の海洋放出と同様、「科学が風評に負けてはならない」との信念をもってこのハードルを何としてでもクリアするとともに、時間が掛かろうとも、マイプラントである「敦賀発電所2号機」が再び、原子の灯をもって社会に貢献することを切に期待いたします。